平均年齢は41.4歳。年齢分布を細かく見ると40歳~44歳が38.3%、45歳~49歳が30.7%、35歳~39歳が23.1%。40代をメインに30代後半の年代層が多かった。この調査では男女がほぼ同率で回答しているが、職業を聞いてみたところ49.7%が専業主婦(主夫)やパート・アルバイトなど。ほとんどの家庭では”共働きではない”ことが分かる。世帯年収は400万~600万円未満が25.1%、600万円~800万円未満が25.4%。子どもの数は2人が52.3%、1人が37.7%だった。
建売住宅、注文住宅、新築マンションの順に多いが、住宅形態で見てみると一戸建て(建売住宅・中古一戸建て・注文住宅)が66.0%と多いことが分かる。また、別の視点から見ると新築(建売住宅・注文住宅・新築マンション)率は72.8%。このことから、子どもが小学生以上のファミリーでは、住宅形態については(1)新築物件であること、(2)一戸建てであることの優先順位が比較的高く、中古物件を選ぶ人は全体の割合から見れば少ないようだ。
年収が400万円未満の場合、圧倒的にマンションが多く、割合は77.4%。一方、年収400万円以上になると建売住宅や注文住宅の割合が増加。年収800万円以上では上位に新築マンションの割合が高くなり、年収1000万円以上では新築マンションの割合が第1位に。おおむね、年収が低いほどマンション率が高く、平均的な年収では建売住宅、注文住宅率がアップ。年収が高くなると、マンション・一戸建てを問わず、新築物件を選ぶ傾向にある。
子どもが小学生以上の家庭を対象とした調査であるため、さすがに60m2未満は小さすぎるのか7.6%と少なめだ。そこで平均的な広さを知るために全体を眺めてみると、80m2~100m2未満を中心に、それ以上・以下へと広がっていることが分かる。特に子どもが二人以上の家庭が62.3%あるため、必然的により広さを求める必要があること、また、同じ理由で一戸建てを購入した人も多く、一戸建てとなるとそもそもの広さがあることなどが理由だろう。
購入価格は2000万円~3000万円未満と3000万円~4000万円未満があわせて49.4%。逆に少なかったのは2000万円未満と5000万以上。平均的に2000万円~4000万円未満の物件を購入した人が多かったといえる。世帯年収別では、年収400万円未満なら購入価格は3000万円未満、年収400万円~800万円では2000万円~4000万円、年収800万円以上では3000万円~7000万円が多い。各家庭にライフスタイルの違いがあるため一概にはいえないものの、世帯年収と購入価格は比例することが分かる。
頭金の額にはこれといった傾向はないようだが、このグラフをさらに大きくまとめてみると1円~500万円未満が29.8%、500万円~1000万円未満が19.3%、1000万円以上が34.5%。比較的、金額は低めの人、高めの人に分かれているようだ。ここで、頭金をどうやって払ったか複数回答で聞いてみたところ、貯金で払った人が91.3%、親からの援助があった人が37.8%。頭金の額は、貯金のあるなし、親からの援助のあるなしなどが、かなり影響しているといえそう。
実は、今回の対象者の世帯年収は300万円未満の人から2000万円以上の人までと幅広かった。しかし、月々のローン返済額は5万円~10万円の人が過半数超え。10万円~15万円未満の人も含めれば、81.9%の人が月々の返済を5万円~15万円未満に抑えているようだ。つまり、年収が高い低いに関わらず、多くの家庭では、毎月固定で払わなければならないローン返済は5万円~15万円未満と堅実な金額。物件価格にもよるが、頭金を高めに払っているからこそ月々の返済を低く設定できるともいえる。
第1位には「家賃がもったいない」という現実的な項目が挙がったが、「子どもの成長により、現在の住まいに限界を感じた」「子どもや家族のために家を」「子どものために環境のいい場所に」などの割合も高かった。今回、対象となった小学生以上の子どもの内訳は小学生が69.9%、中学生31.6%。比較的多感な時期の子どもが多いため、「子どもを育てるための環境を整えたい」という親心が住宅購入の大きなきっかけになっているようだ。
大きな買い物の住宅購入だけにお金の心配はつきものだが、きっかけと同様、「ご近所付き合い」「子どもの生活の変化」「今の生活環境からの変化」「子どもの反応」など、自分を含めた家族全体や子どもへの影響を配慮した回答が多くみられた。ただし、64.9%は不安はほぼ解消されたと回答。住宅を購入するとは、ある一定期間??比較的長い年月をそこで暮らすことになるので、住んでみると意外にうまくいくことが多いようだ。
重視したことのグラフでは30.0%以上の項目だけ紹介したが、「間取り・部屋数」「環境の良さ」「利便性」などの”住みやすさ“や、「耐久性・構造」「設備・仕様」など、”長く住めるか“といった現実的なものが挙がっていることが分かる。また、子どものために検討したことでは、「転校しないですむ場所選び」と同時に、「小学校・中学校・高校の場所」の割合が高く、各家庭における子育ての考え方の違いが反映される結果に。
子どものために検討したことには「海や山など自然が近くにあること」を選んだ人が38.6%いたが、あきらめたことでは「広い庭がある」が第1位で23.1%。住宅周辺の環境が整えば、”自分だけの庭”は何とかあきらめられるものといったところか。そのほかの項目もあきらめたこととしては上位になったものの、比較的割合は低く、74.6%の人が何かしらの条件をあきらめながらも、多少の妥協をもって希望の住宅を手に入れたといえそうだ。