リノベーション向き中古マンションの選び方

公開日 2016年10月26日
リノベーション向き中古マンションの選び方

リーズナブルに思い通りの空間づくりが実現するリノベーションをしてみたいと思ったら、何から始めればいいのか?
中古のマンションもリノベーションもそれぞれ個々の条件が異なるため、具体的な完成形やお手本が目の前にあるわけではない。理想的なリノベーション完成までのチェックポイントと手順をプロに聞いた。

マンションには変更できること、できないことがある

そもそもマンションの立地や環境、グレード、共用部分、専有面積、方位、窓からの眺めなどは、どんなにリノベーションしても変更できない不動の条件。中古マンションを探すときにこの前提条件が希望に合えば、次はリノベーション向き物件かどうかの判断だ。

窓などの共用部分は変更できないので注意

マンションをリノベーションするときに変更できる・できないことを知っておくべきだ。マンションは自分だけの空間である専有部分と、マンション居住者が共有して使用する共用部分に分かれる。共用部分は、エントランスホールやエレベーター、廊下、階段ホールなどだけではないことに注意。自分の部屋内にあるので専用部分と勘違いしがちだが、窓、玄関ドア(外側)、ベランダなどは共用部分にあたる。よって、たとえ改修するつもりであっても、これらを勝手に変更することはできない。

例えば明るい部屋が理想の場合、共用部分であるサッシを変更して窓を大きくすることはできないが、リノベーションで壁を取り大空間にして光が入りやすい空間にはできる。

窓、玄関ドア(外側)、ベランダなどは共用部分にあたる。よって、たとえ改修するつもりであっても、これらを勝手に変更することはできない。

しかし壁も構造上動かせない場合は、大空間が実現しないこともあるため物件選びのときには構造もチェックしよう。

事前に管理規約で「○○不可」をチェック!

さらに注意したいのが、マンションならではの管理規約による制限。住民全員が快適に暮らすためのルールとして「フローリング不可」「ペット不可」「楽器不可」「事務所不可」などマンションごとにさまざまな規則がある。「フローリング不可」と定められている場合は、自分の部屋だからといって勝手にフローリングに変更することは階下や周辺の方々への迷惑にもなり許されない。
また自宅兼事務所にするつもりが、マンション全体の電気容量の制限で、個別に容量アップができないケースも。やみくもに情報収集を始めるのではなく、どのようにリノベーションして暮らしたいのか、物件探しの段階から条件を明確にしておくことが重要だ。

リノベーションの3大リクエストと適応物件の見分け方

それでは、どのような物件がリノベーション向きなのか。もちろん、人それぞれのこだわりを反映できるのがリノベーションのメリット。ここでは一般的に多い3つの要望に合わせて、リノベーション向きマンションのポイントを説明していこう。

●リノベーションの3大リクエスト
1)LDKを大空間にしたい
2)対面式キッチンにしたい
3)無垢のフローリングなど好きな内装にしたい

1.LDKを大空間にしたい

昔の間取りは細かく分かれているので、つなげて大きなLDKを大空間にしたいという要望が多い。昔ながらの「田の字」型のオーソドックスな間取りは、水まわりを移動させずに大きな空間をつくりやすい。引き戸なら、引き戸をはずすだけで手軽に2部屋続きになる。

昔ながらの「田の字」型のオーソドックスな間取りは、水回りを移動させずに大きな空間をつくりやすい。

構造的に大空間をつくりやすいのは「ラーメン構造」。ラーメン構造の見分け方としては、間取図の角などに太い柱や梁があるかだ。構造上は動かせないが、それ以外の壁を抜いて間取りを変更しやすい。ただし簡易な図面では柱の太さや、細かな構造も明記されていない場合も多いので不動産会社に確認しよう。

2.対面式キッチンにしたい

対面式キッチンにしたい場合も、大空間にできることが大前提。さらにキッチンなどの水まわりの位置を移動する場合、給水管なども移動する必要がある。水まわり設備と配置の両方を変更するとコストに大きく影響する事も知っておこう。レンジフードのダクトルートなどによっては移動できない場合もあるので、物件を探すときにチェックしよう。

3.無垢のフローリングなど好きな内装にしたい

次に内装。フローリングにできるかどうかは、管理規約を確認する。簡単に判断するには床のどこか一部にフローリングが使われていれば、全面フローリングにしてもOKの可能性が高い。逆に全室カーペット敷きの物件は要注意だ。また躯体のコンクリートを露出したいなどの場合、最上階は断熱材が吹き付け(貼り付け)られていてコンクリート面が出せないこともある。

2LDKを1LDKにして対面式キッチンのある大空間に。床はウオールナットのフローリングで壁・天井は漆喰。リノベーションの3大要望を叶えた事例(筆者所有マンション、写真/長井純子)
2LDKを1LDKにして対面式キッチンのある大空間に。床はウォールナットのフローリングで壁・天井は漆喰。リノベーションの3大要望を叶えた事例(筆者所有マンション、写真/長井純子)

マンション購入時にはプロを賢く利用

では、実際にどんなマンションを選ぶべきか? マンションの購入にあたっては以下の3つのポイントが大切だ。

●リノベーション向きマンション選びの必勝ポイント
1)理想の住まいと暮らしのイメージを明確化
2)立地や広さなど条件と予算を決めて情報収集
3)物件探しとリノベーションの検討は同時進行で

1.理想の住まいと暮らしのイメージを明確化

理想の住まいや暮らしの実現に向けて、まずはイメージを具体的な条件に落とし込もう。そもそも理想の住まい像がまだぼんやりしているな、と思ったら、購入体験談やリノベーション事例を沢山見ることから始めるといい。数多く見ているうちに、自分や家族の志向がはっきりしてくるだろう。

2.立地や広さなど条件と予算を決めて情報収集

次にマンションの条件とリノベーションの条件、それぞれの費用などを明確化して、具体的に情報収集していこう。どんなリノベーションがいくら位でできるのか、憧れのエリアのマンションはいくら位なのか、リノベーションに向きそうな物件はあるのか、積極的に物件検索や情報収集をしてみよう。その際、上に挙げたリノベーションで出来ること・出来ないことの予備知識は必須。さらに狙い目マンションの気になる条件について、(一社)リノベーション住宅推進協議会に聞いてみた。

旧耐震がお得、新耐震が安心…どちらがリノベーション向き?

どちらにもメリットデメリットがあり、物件にもよるので一概にはいえない。一般に旧耐震のマンションは古い分、価格の割に立地が良くヴィンテージ感がある物件が多い。新耐震のマンションは、耐震性のへの安心感やローンや税制面でのメリットが多く、売却時のリスクヘッジにもなる。どちらを優先するかは、その人の価値観しだいだ。

リフォーム済み物件や築浅物件はリノベーションに不向き?

思い通りに一からリノベーションしたいなら、不要なリフォームはされておらず、その分価格が安い方が有り難い。だが市場に出ている物件の多くはリフォーム済み、リフォームされていない物件は少ない。個別の間取りや仕様にもよるが、築浅で水まわりなどが比較的新しい場合も同様に、利用可能なものはそのまま使ってコストダウンすることもできるので、幅を拡げて探そう。

3.物件探しとリノベーションの検討は同時進行で

中古マンション選びもリノベーションも、物件による個別性が高いのでプロの意見を上手に取り入れたい。先走ってマンションを買った後で、「リノベーション費が足りなくなった」「イメージしていた工事が不可能」ということにならないために、物件選びとリノベーションのパートナー選びは同時進行がベスト。お気に入りの物件が見つかったら、リノベーション会社と一緒に見学してリノベーションプランについての相談しておくと、購入後も完成までの流れがスムーズだ。

まずは情報収集から。ピンとくる出会いがあり、素敵なリノベーションができますように!

まずは情報収集から。ピンとくる出会いがあり、素敵なリノベーションができますように!
中古マンションを探す
中古一戸建てを探す
リフォーム会社を探す
賃貸物件を探す
引越し見積もりをする
新築一戸建てを探す
新築マンションを探す
土地を探す
注文住宅の会社を探す
売却査定する
カウンターで相談する
ハウスメーカーを探す
工務店を探す
事例協力・取材協力:リノベーション住宅推進協議会 石川唯、リビタ 大嶋亮
取材・文:長井純子 イラストレーション:いぢちひろゆき
関連する最新記事を見る
住みたいエリアや購入価格からマンション・一戸建てを探そう!
住まいの種類
住みたいエリア
  • エリア
  • 都道府県
  • 市区郡
購入価格

お役立ち講座・個別相談のご案内無料

住まい選びで「気になること」は、人それぞれ。スーモカウンターのアドバイザーは、新築マンション選びと会社選びをサポートします。講座や個別相談を通じて、よかった!と思える安心の住まい選びをお手伝いします。
カウンターアドバイザー

住み替えサポートサービス

ページトップへ戻る