手持ちの一戸建ての売却を考え始めたら、まずはその家がいくらで売れるかを調べてみましょう。一戸建ての売却相場の調べ方や売り時の見極め方、売却の流れについて解説します。
※本記事の内容は2022年1月26日執筆時点の情報となります。
一戸建ての売却価格相場を調べるにあたって、まずはどんな要素で相場が決まるのかを知っておくことが必要です。
一戸建ての売却価格は、主に「立地」、「築年数」、「広さ」、「市況」の4つの要素を総合的に判断して算出されます。
■立地
不動産の売却相場は、何よりも立地条件に左右されます。
大きくはエリア・最寄駅はどこなのかという点ですが、同じエリア・駅でも駅からの距離で価格は大きく異なります。一戸建ての売却にとって、駅距離は最も重要な要素の一つであり、駅から近いほど売却相場は高くなります。駅から10分以上かかったり、バスに乗ったりする場合は、他の条件が恵まれていたとしても相場は低くなりがちです。
■築年数
一戸建ての売却では、築年数の経過で売却価格が変化します。
一戸建ての売却価格は、建物の価格と土地の価格を合計して算出されますが、建物の価格は築年数とともに下がります。
一般的に木造住宅は、築20年前後で新築時の価格の10%~20%まで下がり、築30年を超えると価値はほぼゼロになります。そのため、築30年以上の木造住宅が立っている土地は「古家付き土地」として、ほぼ土地の価格だけで売却されています。
■広さ
土地面積・延床面積が広いほど、売却相場は高くなります。
しかし、広ければそれだけで買い手がつくというわけではなく、エリアのニーズや相場に合っているかが重要です。広ければ当然売り出し価格も高くなるので、なかなか買い手が見つからないといったことも考えられます。
■市況
不動産の売却相場は、景気状況や周辺の取引事例に大きく影響をうけます。一戸建ての場合、マンションや土地と比べると景気による影響は少ないのですが、周辺の取引状況には注意が必要です。例えば近隣で大規模マンションや新築住宅が売り出された場合、エリアの需要がそちらに流れるため、売却相場が下がることもあります。
SUUMOの戸建て売却相場のページでは、都道府県別、市区町村別にデータを見ることが可能です。
まず都道府県を選択し、さらに次のページで市区町村を絞り込みます。

例えば、東京都を選択すると、さらに市区町村単位で検索できる画面が表示されます。
そのまま下にスクロールすると、東京都全体の一戸建て売却価格相場のデータも閲覧できます。
ここでは東京都新宿区を選んだ場合の例をお見せします。

東京都新宿区の場合、一戸建て売却価格相場は7,380万円、建物面積(中央値)は89㎡、土地面積(中央値)は62㎡、築年数(中央値)は18年です(2022年1月時点)。
また同じページに新宿区の最新売却実績も一覧で表示され、売却事例ごとに沿線・駅や売却価格、間取り、土地・建物面積、築年数、売却時期などが閲覧できます。
さらにページをスクロールすると、一戸建ての掲載実績件数を、価格や面積、築年数などで区分したデータも掲載されています。

不動産を高く売るには、売り時を見極めることも大切です。
売り時かどうか判断するには、相場価格の動きが大きな要因になります。
一戸建ての価格動向を確認するには、SUUMOで価格の推移データをチェックするのが有効です。
最新月の前年比と前月比の数値もわかるので、価格相場の動きを視覚的にとらえることができます。

不動産の売却には季節性があり、移動シーズンである春と秋に売買が活発になる傾向があります。
とはいえ、上のグラフからは一戸建ての売却価格はシーズンによる差はあまり大きくないことが見てとれるため、売却する月はさほど気にしなくてもよいでしょう。
最後に一戸建ての売却の流れを順を追って確認しましょう。
一戸建て売却の段取りはおおむね7つのステップに分けることができます。
STEP1:一戸建ての売却相場を調べる
STEP2:売却査定を依頼する
STEP3:不動産会社と媒介契約を締結する
STEP4:売り出し価格を決定する
STEP5:売却活動
STEP6:売買契約を交わして引き渡す
STEP7:確定申告して税金を納める
家を売ることを考え始めてまず最初にすべきことは、前述のように一戸建ての売却相場を調べることです。
SUUMOの一戸建て売却価格相場ページで調べて、だいたいの周辺の相場を把握しておきましょう。
事前に相場を調べておけば、不動産会社に売却査定を依頼したときその査定額が適正か、また売り出し価格を検討するときの判断基準となります。
一戸建ての売却相場が把握できたら、不動産会社に売却査定を依頼します。
査定とは自分の物件がいくらで売れるのかを、不動産会社に見積もってもらうことです。適切な価格を知るとともに、売却を依頼する不動産会社を選ぶための大切なプロセスです。
売却査定には、「机上査定(簡易査定)」と「訪問査定(詳細査定)」の2段階があります。
一般的にはまず机上査定を依頼し、その後に訪問査定に進みます。
机上査定とは、不動産会社にメールや電話などで一戸建ての情報(所在地、土地・建物の面積、間取り、築年数など)を伝え、査定価格を提示してもらう方法です。複数の不動産会社について調べたり、個々の会社に連絡したりする手間を省きたい場合は、ネットの一括査定がオススメです。
通常は2~3営業日程度で査定価格が提示されますが、あくまでも机上での査定なので実際の売却価格とは誤差が出る可能性があります。
これに対し訪問査定とは、不動産会社が売却する一戸建てに足を運び、詳細に調査する査定方法です。周辺環境から眺望、日当たりや隣家の状況、内装・設備の経年劣化など、机上データではわからない細かい部分を詳細に調査します。査定価格の提示までは1週間から10日前後かかります。
査定価格は不動産会社によって異なるので、複数の不動産会社に依頼して、査定価格を比較検討するのがオススメです。また、売却査定は仲介を依頼する不動産会社を選ぶためのプロセスでもあります。査定時のやりとりに信頼感があったか、査定価格に対する根拠に納得できるかなどをチェックして、信頼できる不動産会社を選びましょう。
不動産会社から訪問査定の結果が提示されたら、そのなかから特に対応に信頼感があった不動産会社を選んで媒介契約を結びます。
媒介契約には、一般媒介契約、専任媒介契約、専属専任媒介契約の3種類があり、それぞれルールが異なります。
契約種類によるルールの違いは、まず同時に契約できる不動産会社の数です。
〇複数の不動産会社と契約を結べる ……一般媒介契約
〇一社の不動産会社と契約を結ぶ ……専任媒介契約、専属専任媒介契約
さらに、売主が自分で見つけた買主に不動産会社を仲介せずに売却できるかどうかも異なります。
一般媒介契約と専任媒介契約ではこうした「自己発見取引」が可能ですが、専属専任媒介契約では禁じられています。
また、売却活動中の売主への業務報告の義務も契約によって異なります。
一般媒介契約では、報告義務はなく報告は任意となっています。これに対し、専任媒介契約では2週間に1回以上、専属専任媒介契約では1週間に1回以上、業務報告をしなければなりません。
■媒介契約のタイプによる違い

どの契約にもメリット・デメリットがあるので、自分が望む売却活動やスケジュールをよく検討して契約を結びましょう。
不動産会社といずれかの媒介契約を結んだら、いよいよ売却活動のスタートです。
売却活動は、売り出し価格を決めることから始まります。
不動産会社が出した査定価格は、あくまで不動産会社が考える「確実に売れそうな価格」なので、それがそのまま売り出し価格になるとは限りません。
買主としては少しでも高く売りたいところですし、購入希望者から価格交渉が入ることを見越して、売り出し価格は査定価格よりより少し高めに設定することが多いようです。
とはいえ、周辺相場より大幅に高くしてしまうと、なかなか購入希望者が現れず、あとで大幅な値下げが必要になることも考えられます。
売り出し価格をいくらに設定するかは、不動産会社の担当者と相談しながら慎重に決めるようにしましょう。
一戸建ての売却活動は、不動産情報サイトへの掲載やチラシの配布、購入検討者が物件を内覧する際の対応や価格交渉など多岐にわたります。基本的にはいずれも不動産会社にお任せでよいのですが、内覧に向けて室内を片付けたり、内覧時に見学者の質問に答えるなどは、売主としてかかわる必要があります。
購入希望者が現れたら、交渉に入ります。
不動産会社が窓口にはなりますが、売るかどうか、いくらで売るか、引き渡し時期などの最終的な結論は売主が決めることになります。
購入希望者の要望にどこまで歩み寄るのか、不動産会社と相談しながら慎重に交渉を進めましょう。
買主との交渉が成立し、売却価格や引き渡しが決まったら、契約日と引き渡し日を決めて売買契約を交わします。
売買契約時には、以下の書類が必要になります。
〇不動産会社が用意する書類
・重要事項説明書
・契約書
〇売主側で用意する書類
土地の売買契約に必要な書類・資料
・本人確認資料
運転免許証やパスポートなど
・実印
売買契約時に必要。共有の場合は共有者全員分
・印鑑証明書
発行から3カ月以内のもの。共有者全員分
・登記済権利証または登記識別情報通知書
物件の内容確認や登記の際に必要
・固定資産税納税通知書や固定資産評価証明書
固定資産税・都市計画税の税額確認に必要
・その他
購入時の契約書、重要事項説明書、パンフレット、測量図など
一戸建てを引き渡せば売却活動は終了ですが、売主としてはまだすべき仕事がのこっています。
それが税金の申告と納税です。
不動産を売却したときは、売却によって得た売却益(譲渡所得)に応じて、所得税や住民税が課税されます。
譲渡所得は、売却で得た金額(収入金額)から取得費(購入したときの費用)と譲渡費用(売却にかかった費用)を差し引いて計算します。
譲渡所得=収入金額−取得費−譲渡費用
取得費には、一戸建ての購入代金のほか印紙税・登録免許税や仲介手数料なども含みます。
譲渡費用には、仲介手数料や印紙税などがあたります。
この譲渡所得課税は所得に税率をかけて税額を計算しますが、税率は不動産を所有していた期間によって異なります。
〇所有期間5年以下の短期譲渡所得……39.63%(所得税30%+住民税9%+復興特別所得税0.63%)
〇5年超の長期譲渡所得は20.315%(所得税15%+住民税5%+復興特別所得税0.315%)
この譲渡所得課税には各種の控除や特例があり、適用されると税額が軽くなったり、納めたお金の一部が戻ってきたりします。
税金や特例の申告は、一戸建てを売却した翌年の確定申告の時期に行います。
一戸建ての売却後に申告する税金と主な特例
◆譲渡所得税 ……一戸建ての売却で利益が出た場合に納める所得税と住民税
短期譲渡所得(所有期間5年以下)の税率:譲渡所得×39.63%
長期譲渡所得(所有期間5年超)の税率:譲渡所得×20.315%
◆所有期間10年超の自宅を売却したときの軽減税率
譲渡所得6000万円以下の部分について、税率を14.21%に軽減
◆居住用財産の3000万円特別控除
自宅として住んでいた土地・建物を売却して利益が出た場合、譲渡所得から3000万円までを控除
◆居住用財産の買換え特例
元の住宅を売却した価格よりも高い価格の住宅に買い替えると、譲渡所得への課税が次回の売却時まで繰り延べられる
◆譲渡損失の損益通算・繰越控除
自宅として住んでいた土地・建物を売却して譲渡損失が発生した場合、売却した年の他の所得と相殺でき、相殺しきれなかった損失を翌年から最長3年間の繰越控除が可能
<まとめ>
・一戸建ての売却では、まず周辺の価格相場を把握することが大事
・価格相場の推移から売り時を把握することも大切
・高く・早く売るために、複数の会社に査定を依頼し、信頼できる不動産会社を探そう
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