愛猫にキャットウォークをつくりたい! DIYとプロに依頼、どっちがいい?

室内で猫を飼っている人にとって、愛猫が退屈しない、運動不足にならないか、気になってしまうもの。そんなとき、キャットウォークがあれば、猫の運動不足やストレス解消に大活躍してくれるはず。でも自分でつくるのは大変そうだし、プロに依頼するとお金がかかりそう……。そこで、猫をこよなく愛する一級建築士、清水満さんに、キャットウォークをつくるコツを聞いてみました。

●お話を伺った方
株式会社ネコアイ
一級建築士 清水満さん

キャットウォークをつくる目的を知っておこう

「近年、猫の完全室内飼いが推奨されており、東京では80~90%が完全室内飼いと言われています。それは、人にとっては地域の環境を、猫にとっては健康と安全を守るための配慮ですが、行動範囲を制限されることでストレスをため込むリスクもあります」と清水さん(以下同)。

暮らしのなかで人と猫の距離が近くなっているからこそ、共に心地よく暮らすためには、猫の気持ちや行動の意味を考えることが大切となる。キャットウォークも、猫の野生や本能を刺激するようなつくりにして、初めて効果を発揮するという。

「野生の猫は生きるために狩りを行わなければならないため、本来は年を取っても走ったり跳ねたりする活動的な生き物です。好奇心と警戒心も強いため、興味を引きつつ安心感を満たすようにキャットウォークを設置してあげると、運動不足やストレスも解消でき、猫本来の活き活きとした姿を見せてくれるでしょう」

そうなれば愛猫の多彩な表情や姿を激写するチャンスも増えそうだ。

思い思いにキャットウォークを利用する猫たち(写真提供/株式会社ネコアイ)

DIY?プロへ依頼? それぞれのメリット・デメリット

愛猫のために、自分でキャットウォークをつくってあげたいと思う半面、安全性を考えるとプロに依頼したほうが良いのではないか。猫と建築のプロはどのように考えているのだろうか。

猫にかかわるイベントやセミナーなどで、多くの愛猫家と交流をもつ清水さんによると、「愛猫家の方のご自宅に伺うと、自分でキャットウォークをつくられている方も多いです。やはり愛猫のことは飼い主が一番よく知っているので、性格や年齢、好みに合わせて、工夫を凝らしたDIYによる力作も多いです」とのこと。

しかしDIYには安全面で不安もあるという。「キャットウォークやステップは、猫が飛び乗ったり動き回ったりすることで意外と大きな負荷がかかるため、強度が不足していると、猫が飛び乗った瞬間に固定金具が外れて落下するなどの事故が起きる可能性があります。いくら身軽で柔軟な猫といえども、不意打ちで高所から落下すれば、安全に着地することは難しく、非常に危険です」

対して材料費に加え、デザイン、設計、施工などの諸費用は掛かるが、安全な強度を重視するならばプロに依頼するほうが安心だろう。「プロに依頼すれば、強度面ではDIYより確実でしょう。ただし、建築のプロが必ずしも猫の性質に詳しいとは限りませんので、費用をかけてつくった割に愛猫の反応がいまひとつということも珍しくありません。効果的なキャットウォークをつくるためには、飼い主自身がどうすれば愛猫が喜ぶのかを考え、どんなキャットウォークをつくりたいのかを伝える必要があるでしょう」

ただし、キャットウォークをつくる前に、室内で猫を飼う場合に忘れてはいけない注意点があると清水さん。「猫は賢いので、きちんと対策を立てていないと、ドアの開け閉めの隙を突いたり、自力でドアや窓、網戸を開けたりして外に逃げ出してしまいます。扉や窓に脱走防止の格子戸などを設置すると、それだけでもかなり費用がかかるため、キャットウォークの設置まで手が回らない可能性もあります」

脱走防止用の格子戸。上部に猫が飛び越える隙間をつくらないのが理想(写真提供/株式会社ネコアイ)

では、キャットウォークづくりの費用を抑える方法はないのだろうか。「例えばすべてプロに依頼しなくても、自分で設置するのが難しい場所や、強度に不安があるものだけをプロに任せ、自分でできる範囲でDIYすることで、費用を抑えることもできるでしょう。組み立て式のキャットタワーなど猫専用の製品も有りますが、カラーボックスやラックなど家具を活用した実例もたくさんありますので、いろいろと組み合わせを想像してみるのも楽しいですよ」

収納ボックスを組み合わせた階段。猫にとって素材は関係ないようだ(写真提供/株式会社ネコアイ)

猫も人も満足できる! キャットウォークのコツと注意点

キャットウォークに行き止まりをつくるべからず

猫は後ろ向きに歩くことを苦手としている。そのため、「キャットウォークをつくる際には、必ず昇降場所を2つ以上確保してください。猫は後ろに下がるのが苦手なので、行き止まりをつくってしまうと、せっかくつくったキャットウォークを利用しなくなります」

特に猫が複数いる家では、他の猫に後ろをふさがれてしまうと身動きが取れずストレスをため込んだり、愛猫同士のケンカに発展したりする可能性もあるため、注意が必要だ。また、キャットウォークやステップの幅もゆとりをもたせると良いそうだ。具体的には25~30cmほど。25cmあれば猫が2匹すれ違うにも十分とのこと。

途中の抜け穴にすっぽり。昇降場所は端じゃなくてもOK(写真提供/株式会社ネコアイ)

設置する高さはほどほどに?

猫は高いところが好きという印象が強い。しかしキャットウォークを設置する位置が高ければ高いほど良いかと言えば、そうでもないという。

「猫は毛玉を吐き出したり、食べ過ぎによって嘔吐したりすることがあります。特に後者は突発的な行動なので、場所を選んではくれません。また、猫の抜け毛やほこりも蓄積していきます。人の目や手が届かない高さにキャットウォークを設置してしまうと、汚れを見落としがちですし、掃除も大変です。不衛生な環境は人にとっても、猫にとっても好ましくありませんので、キャットウォークは後の手入れのことも考えて設置しましょう」

猫も落ちればけがをする

いくら猫が身体能力に優れていても、受け身を取れる平面がなかったり、あまりに高所から落ちたりすればけがをする可能性がある。「猫も年を取れば身体能力は衰えますし、落下した先に家具の角や置物があると、打ちどころによっては骨折などのけがを負う危険があります。キャットウォークやステップに滑り止めや落下防止の工夫をしたり、キャットウォークの下には猫の着地を妨げる物を置かないようにしたりなど注意が必要です」

また、猫が高所に登るためのステップの設置間隔についても意外と失敗しがちだという。「猫はジャンプ力があるからとステップ間の距離を離し過ぎると、ステップを利用しなくなります。どんなときも気軽に上り下りできることが大切。身構えなくても上れるような間隔でステップを設置してあげると良いでしょう」

寝返りを打っても落ちないように反り返った猫のアールベッド(写真提供/株式会社ネコアイ)

走るな危険!適度な距離に休憩所を

高さと同様、キャットウォークの長さにも注意が必要だという。「距離を長くしてしまうと、猫はキャットウォークの上を走りだすことがあり、足を踏み外して落下する危険があります。そのためキャットウォークを渡す距離が長い場合には、間にトンネルや箱型の休憩スペースを設けることをおすすめします。猫は狭い場所、閉鎖的な空間を好むので、安心してくつろげる場にもなります」

キャットウォークの途中で箱に収まってひと休み(写真提供/株式会社ネコアイ)

五感を刺激して猫を誘おう

猫は動く物や風、臭いの変化に敏感に興味を示すそうだ。「キャットウォークやステップを窓の外が見えるような位置に設置すると、猫は外の景色への興味から利用しやすい傾向にあります。窓には脱走防止の措置をしておく必要はありますが、窓を開けて風や臭いが入るようにするとより効果的です」

窓の外に興味津々。蝶々でも飛んでるのかな?(写真提供/株式会社ネコアイ)

ガラス越しシャッターチャンス!肉球もお腹も丸見え

キャットウォークの足場をガラスなど透明な素材にすることで、普通は見えない地面に吸い付く肉球や、歩いている猫のお腹を存分に観察することができる。「毛足が長い猫などは滑り止めの工夫をする必要がありますが、ガラス素材でも柔らかい肉球があるので、足を滑らせることはそうそうありません。真下から猫を観察する機会はなかなかないので、おすすめです」

「ただしガラスは扱いが難しく、設置の仕方や対応を誤ると危険なため、DIYではなくプロに設置を依頼することを推奨しています。また、ガラスの代わりにアクリル板を使用しても良いですが、アクリル板は傷つきやすく、相当分厚くないとたわむため、4方向に支えが必要になります」

ガラス越しに猫のお腹も肉球も見放題(写真提供/株式会社ネコアイ)

キャットウォークはアイデア次第で千差万別。いろんな選択肢のなかから、自分と愛猫が満足できる方法を探してみよう。

ペット可・相談OKの賃貸物件を探す
DIY可の賃貸物件を探す
ペットと暮らす家を建てたい
注文住宅の会社を探す
リフォーム会社を探す
取材・文/宮崎 林太郎(ブリーズ)
公開日 2018年08月30日
関連する最新記事を見る
住みたいエリアや購入価格からマンション・一戸建てを探そう!
住まいの種類
住みたいエリア
  • エリア
  • 都道府県
  • 市区郡
購入価格
ページトップへ戻る