森沢明夫さんが選ぶ「西船橋」の好きなところ〜私がこの街に住む理由〜

あなたが、その街に住んでる理由は何ですか? 商店街の雰囲気がいい。すてきなカフェがある。交通アクセスがいい……。きっと、住む人それぞれに“街の好きなところ”があるはず。今回は船橋を舞台にした小説『きらきら眼鏡』の作者、森沢明夫さんに「西船橋」の魅力を教えてもらいました。


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西船橋……千葉県船橋市西部の街。通称「西船(にしふな)」。JR総武線・武蔵野線・京葉線、東京メトロ東西線、東葉高速鉄道が乗り入れる「西船橋駅」と京成本線「京成西船駅」の4社6路線が利用でき、東京駅・大手町駅にもダイレクトアクセスが可能。また、JR総武線と東京メトロ東西線では、始発列車が運行しており、通勤・通学に便利なため多くのファミリー・単身者が住む。

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「僕の生まれ育った西船は、交通や買い物の利便性が高いのに自然を身近に感じられます。この“都会過ぎず田舎過ぎない”街の適度なバランスが好きなんです。9月に映画化された小説『きらきら眼鏡』でも地元・船橋を舞台にしました。読んだ方に少しでも船橋の魅力が伝わればいいなって思います」


理由その1.海が見たくなると訪れる「ふなばし三番瀬海浜公園」

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「西船って繁華街のイメージが強いと思うんですけど、実は海も近いんです。西船橋駅から車で10分ほどの三番瀬(さんばんぜ)は、昔から海が見たくなったときにふらっと来ています。穏やかな波打ち際を歩いていると、心が落ち着くんですよね。ちなみに砂浜からは気象条件の整った2月と10月にだけ、富士山の山頂部に太陽が重なる「ダイヤモンド富士」が拝めます。太陽が沈む富士山のシルエットの中で葛西臨海公園の観覧車がきらきらと輝くんですよ。ここでしか見られない景色ですね」


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「趣味の釣りを覚えたのも、三番瀬が初めてだったと思います。物心つくころには父親によく連れてきてもらっていましたから。東京湾に面しているためスズキやカレイが釣れるんです。仕事終わりに来ては、お酒のアテを釣っていましたね。それと、三番瀬といえば潮干狩り。オンシーズンには多くの家族が訪れ、アサリなどの貝を採取しています。個人的にはマテ貝が一番のお気に入りです」


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「敷地内の芝生広場では手ぶらでバーベキューが楽しめるので、読者の方と交流する『もりちゃんを囲む会』を毎年行っています。ただ最近、僕を囲まなくても勝手に盛り上がっているみたいなんですよね(笑)。僕の作品をきっかけに仲良くなってくれる姿を見ると本当にうれしいです。ちなみに三番瀬は『きらきら眼鏡』の小説・映画でも登場するのでぜひチェックしてみてください」


理由その2.散歩でリフレッシュ! 緑道のある「春日神社」

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「原稿で行き詰まったときは、ジムで筋トレしたり、バイクに乗ったり、ギターを弾いたりしますが、一番のリフレッシュ方法は散歩です。地元ではあるんですけど、知らない路地を歩いたり、新たな発見に出会うとワクワクするんですよ。最近では住宅街を散歩中、久しぶりにクワガタと遭遇しました(笑)」


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「散歩ルートのなかでも『春日神社』にはしょっちゅう来ています。元々、森の中にあった境内なので緑が生い茂っていて心地いいんですよね。特に数年前に整備された緑道は駅近なのに静かで散歩にピッタリ。あと、猫が多いのも癒やされポイントです」


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「西船って日本屈指の生徒数を誇る小学校と中学校があるんですよ。一学年で11クラスだったかな? でも、なぜか街中に文房具屋さんと本屋さんが1つもないんですよ……(笑)。小説家としても、個人的にも本屋さんがないのは残念です。絶対に需要はあるはずなんですけど」


理由その3.執筆疲れをメンテナンス! 親友が営む「にしふなリセット整骨院」

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「僕の生活にはルーティンがありません。身体の限界がくるまで執筆しているので、時間を気にして生活していないんですよ。眠たくなったら寝る。飲みたくなったら飲むって感じです(笑)。それでも、10年に1回くらいしか風邪もひいてません。たしか最後にダウンしたのは牡蠣に当たったときかな? まあ、身体は丈夫な僕ですが『にしふなリセット整骨院』には最低でも月1回は通っています」


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▲院長であり、森沢さんの20年来の友人宮島さん。通い続けることで身体の歪みもなくなったそう


「ここは僕が若いころに通っていたボクシングジムで出合った友人・宮島が経営しています。主に背骨矯正や内臓治療から自律神経を整えてくれるんです。ジムに行けない日が続くと、どうしても目、首、肩、背中、腰と全身が凝ってくるので締め切り間近はよくお世話になっています」


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▲共通の趣味であるバイクをきっかけに仲良くなっていったそう


森沢さん「幼いころから自然は大好きだったので、当時の僕は日本中をバイクでまわり、北海道から沖縄まできれいな川を見つけては泳ぎに行っていました。当時、宮島もバイクに乗っていて、一緒にロングツーリングに行ったのが始まりです」


宮島さん「僕がバイトあるって言ってるのに森沢は『バイトと川、どっちが好き?』とか言って誘惑してくるんですよ(笑)。迷いつつも、なんだかんだバイクに乗ってる自分もいましたけどね」


森沢さん「南房総の海や山にはよくツーリングに行きました。西船は都心だけじゃなく、房総エリアに行きやすいのも魅力なんですよ」


宮島さん
「ほかにも紀伊半島や種子島も良い思い出ですね。あと、なんといっても野宿ツーリングの最中、焚き火の前で飲むお酒は美味しかったな」


森沢さん「露天風呂で裸になったらアブの大群に襲われたり、海辺の洞窟でホームレスと一緒に夜を越したり……いろいろと濃い旅をしたね。僕のエッセイ『あおぞらビール』と『ゆうぞらビール』では旅の面白い話だけを集めていて、宮島との思い出も綴っています。前に整骨院を訪れた読者から『伝説の宮島に会ってきました』とか言われたこともあります(笑)」


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▲院内には森沢さんの作品コーナーを設置


  • にしふなリセット整骨院
    • 船橋市印内町 672-2 LEOGARDEN26番館 101
    • 047-404-6153
    • 午前9:00~12:00/午後15:00~21:00
    • 水曜日定休



理由その4.安い!美味い!西船橋の繁盛店「居酒屋 一九」


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「飲み屋に関しては、西船歴40年以上の僕でもまだ回りきれていません。ちょっと路地に入るだけで飲み屋がひしめいていますから。なかでも、39年続く『一九』は僕が子どものころから繁盛し続けている名店です。なお『きらきら眼鏡』でも一九は実名で登場していますよ」


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▲お刺身の5種盛り合わせ。だが数えてみると6種盛り


「三番瀬や一九のように実在するスポットやお店を小説の中に登場させているのは、やっぱり読者の方に喜んでほしいからなんですよね。実際に足を運んでもらうことで作中と同じメニューが食べられたり、より作品を楽しんでもらえるかなと思っています。それと、少しでも船橋が盛り上がってくれたらすてきじゃないですか? 一九はどのメニューも美味いし、安い。特に僕は日本酒と刺身が大好物なので、ここは本当に行きつけです。余談ですが、船橋はスズキの漁獲量が日本一なので、ぜひ『スズキのステーキ』を食べてほしい」


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▲スズキのステーキ(手前)、もつ煮(右)、ホンビノス貝の酒蒸し(上)、小松菜ハイボール(左)


「ビールで乾杯した後は、西船名物『小松菜ハイボール』、そこからの日本酒がお決まりです。小松菜ハイボールはプレーンや小松菜ハイボールZなど4種類あるのですが、オススメは小松菜ハイボールトリプルですね。トリプルは、ウイスキーがシングルなんですけど、小松菜の量が3倍なんです。見た目は青汁みたいですが、さっぱりしていて飲みやすいです」


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▲映画『きらきら眼鏡』の劇中で、主演の池脇千鶴さんが座ったテーブルで一杯


「僕は読者の方がイメージしやすいようにシーンを細かく描写することを心がけています。だからこそ、映像化されやすいんだと思います。でも、細かい描写をするには、やはり自分の目で見たり、聞いたり、嗅いだり、味わったり、触ったり、そういう五感で感じたことがとても大事になってきます。僕が地元の船橋を舞台にするのは、そういった理由が大きいかもしれません。とはいえ、記憶って瞬間では胸に刻んでいても意外と忘れてたりもするじゃないですか? それでも自分が体験したことは、きっとどこかに蓄積されていて、物語のシーンをイメージしたときに記憶から少しだけ反映されているんだと思うんです」


  • 居酒屋 一九
    • 船橋市西船4-26-3
    • 047-432-1919
    • 月〜木15:00~23:00/金、祝前日: 16:00~翌0:00/土、日、祝日16:00~23:00
    • 無休

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最後に、改めて森沢さんに「西船橋に住んでよかったな」と思うエピソードを聞いてみると……。


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「僕の子ども時代は虫取りや魚釣りといった子どもが子どもらしく遊べる場所がたくさんありました。やっぱり、子どもたちが元気な街は活気が感じられて好きですね。大人になった今では居酒屋が増え、近くには大型のショッピングセンターなどもでき、大人が大人らしく遊べる環境も整いました。僕は時代の移り変わりとともに街の良い部分を享受してきたのかなって思います。自然豊かな房総に気軽に行けて、鎮守の森や公園、海もあり、しかも都会の便利さを兼ね備えた西船は本当住みやすいですよ。強いて言うならば本屋ができたら完璧ですね(笑)」



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今回の案内人:森沢明夫

森沢明夫1969年千葉県船橋市出身。小説家。『虹の岬の喫茶店』『夏美のホタル』など映像化された作品は多数。今年の9月には船橋を舞台にした『きらきら眼鏡』が全国公開された。

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取材、執筆:小野 洋平(やじろべえ)

小野 洋平(やじろべえ)

1991年生まれ。編集プロダクション「やじろべえ」所属。服飾大学を出るも服がつくれず、ライター・編集者を志す。譲れない条件は風呂・トイレ別(温水洗浄便座)。SUUMOなどで執筆しながら自身のサイト、小野便利屋を運営。

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