街がまるでフードコート!飽きとは無縁の多彩な「食卓」――小石川【暮らす街を「食べる」で選ぶ。】

著: 徳 瑠里香 

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毎日帰ってくる街だからこそ、おいしくて敷居の低いお店があるとうれしい。住んだことのある人ならではの視点で、普段着でひとりでもかろやかに通える街の名店をご紹介します。

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トマト、きゅうり、枝豆、とうもろこし……ただ切っただけ、ただ蒸しただけのおばあちゃんの畑から採ってきた野菜が並び、目の前に夏が広がる。愛知の片田舎で育った私は、色とりどりの野菜が彩る食卓、旬の味で巡る季節を感じてきた。珈琲一杯にトーストやサラダが付いてくるモーニング以外、「外食」は、誕生日や父の日・母の日(両親が祖父母をもてなす)に家族そろって、あるいは母が出かける日に父と行く「特別」なものだった。

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夏の食卓。自宅の畑直送、旬の野菜は食べ放題のおやつでもあった

18歳で上京して、大学のサークルの新歓が開かれたお店で食べた冷凍ブロッコリーの不味さに衝撃を受けこっそり吐き出したあの日。以来、そのショックを取り戻すかのように、10年余り、私はここ東京の「外食」で味蕾(みらい)を刺激し、飽くなき好奇心でたくさんの新たな「美味しい」と出会い、心と胃袋を満たしてきた。

渋谷・麻布十番・神楽坂……飲食店が軒を連ねる街へ繰り出し、毎晩のように食べ飲み歩いていたころから一転、子どもが生まれてからは、自分が暮らす街で、日常の延長線上に、四季に、あるいは家族の特別な日に、寄り添ってくれる味を求めて、お店の扉を開けている。

私が暮らすのは文京区千石・小石川。結婚を機に夫婦それぞれの通勤先に自転車で通える場所として選んだこの街に暮らして5年、じわじわと、確実に、愛が深まっている。一口食べたときの感動や興奮はないけれど、妙にしっくりきて、毎日食べても飽きない、いつしか自分にとって暮らしの一部になっている味のように。

今でも地元に帰ると親戚のおじさんなんかに「よう、東京で暮らしていけるなあ」と言われるけれど、おじさんの頭に浮かぶ東京はおそらく渋谷六本木あたり、高層ビルや人混みだろう。

千石・小石川には、高層ビルもなければ人混みもない。あるのは、学校とお寺で、いわゆる閑静な住宅街。おそらくこの地域の5分の1くらいを占めると思われる(約160,000㎡、約4,000種の植物が栽培される)東大大学院理学系研究科付属の「小石川植物園」が圧倒的な存在感とマイナスイオンを放っていて、都心とは思えない。界隈に「六義園」や「播磨坂のさくら並木」、「教育の森公園」もあり、“文教と緑の街”と形容されるほど、洗練された緑、自然が溢れている。

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「教育の森公園」に続く緑の道。その名の通り、森!

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小石川植物園で夏に食べる売店のソフトクリーム(スジャータ)は美味しい

飲食店も、派手さもなければ数も少なく新しいお店ができることも滅多にないけれど、ここで暮らす人のために、路地裏にひっそりと、大通り沿いにぽつんと、静かにあたたかな光を放つお店がある。

千石・小石川と言っても住所は白山も含む、小石川植物園を中心としたエリアのお店をご紹介したい。

日常の延長線上にある、ケーキとコーヒーとパン

小さいころ、角砂糖に氷砂糖、落雁なんかもそのまま齧っていたほど甘いものには目がなかった。受験期、ピリピリしていた私に両親は毎日のように甘いものを与え、機嫌をとって家庭の平穏を保っていた。特に私のストレスを感じた日、ここぞという日には、仕事帰りの父がケーキの白い箱を持ち帰ってきた(まったく甘やかされている)。前のめりで箱を開け、ペロリと平らげればにんまり上機嫌、不安や焦りは溶けていき、また明日から頑張ろうと思えるのであった。

大人になって、さすがにただの砂糖の塊でカロリーを摂取するのはもったいないと思うけれど、いまだにケーキの箱を開けるときはときめくし、おやつの時間は私の毎日を支えてくれている。

心に疲れを感じたら、向かうは、Patisserie TRES CALME(パティスリートレカルム)。目の前に広がる美しい景色(ショーケース)に色めきたち、目が喜んで、迷いたがる。欲に耳を澄ませて、とっておきを選んで、幸せを箱に詰めてもらう。

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1歳の娘も一丁前に「これ!これ!」とケーキを選ぶ

選びきれずについつい人数+α買ってしまうのだけれど、両親が来たときに母も悩んだ挙句一人2個ずつ買っていたので、食いしん坊はこの人の遺伝だなと確信したことがあった。

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スペシャリテのモンブランは、珈琲香るサクッとしっとりメレンゲの下に濃厚なマロンクリーム、カシスとベリーの酸味とザクザク胡桃のクッキー、と見た目も食感も味わいも唯一無二。何度食べても、その新境地に感服する。

一口、二口、洗練された甘みが口の中に広がるたびに、心の疲れがほぐれて溶けていく。ああ、今日も一日頑張った。また、明日から頑張ろう。はなまる!! え、そうです、単純ですよ?

トレカルムのパウンドケーキは我が家の手土産の定番だし、私はクロワッサン、娘はスコーンが好物なので、ポイントカードはもうすぐ5枚目。これからもポイントカードに、心に、はなまるのスタンプを押し続けていくよっ!

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さて、ケーキの美味しさを引き立ててくれたのは、千石駅前BeesCoffee(ビーズコーヒー)。一杯210円で「本日のコーヒー」がテイクアウトできるのだけれど、飲むたびに、香り、甘み、酸味、コク、苦味、口あたりにこんなにも違いがあるのか、とコーヒーの奥深さにたじろぐ。私はまだまだコーヒーを知らなさすぎる。

自宅用のコーヒー豆もこちらで調達していて、いつか、店長おすすめ!200g/3600円の最高級豆を味わってみたいと思いつつ、なかなか手が出せない。

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街のパン屋として通うのは、ROUGE GORGE(ルージュゴルジュ)。自家製天然酵母、発酵バター使用、無添加、低温長時間発酵と、こだわりの製法でつくられたパンたちが並ぶ。食パンやバケット、サンドウィッチ、おかず系におやつ系までがそろい、シュークリームもビールもあるよ。店内でランチもできる。

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フレッシュコーンの冷製スープと鯖サンド。季節がわりのスープも素材の味が生きている

鯖をサンドするバケットは小麦の香りが芳しく外はカリッ中はフワッ。これが低温長時間発酵のなせる技なのか。ちなみにローストビーフやラザニアのランチはこのバケットが食べ放題。しかもバスケットにはいつもバケット以外に、4種類ほどのお試しパンを入れてくれる。エシレバターまたは風味豊かなオリーブオイルも添えられるから、パンをちぎる手が止まらない。

日常の延長線上にある、ケーキとコーヒーとパンのお店。街にこの3つがそろっているから、私の暮らしは豊かになるのだ。

小旅行気分で出かける、ロシア、イタリア、中国

子どもが生まれて以降、一緒に9時ごろに就寝していることもあって平日夜はほとんど外食はせず、自炊ばかりしている。でもたまに、そんな「日常」、自分がつくる料理にも飽きて、「非日常」を体験したくなることがある。そうなったら、いざ! 小旅行気分で出かける店がある。

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訪れたのは、小石川のロシアことソーニヤ。重たい扉を押しあけると、濃いピンクの壁に、絵だけではなくマトリョーシカまで額縁で飾られている。店内に流れるのは荘厳なバロック調の音楽。気さくで上品なマダムと、とことん腰の低い亭主が迎えてくれる。厨房で亭主がマダムに小言を言われ尻に敷かれる場面も垣間見られ、なんだかそのアットホームさにほっとする。行ったことはないけれど、ロシアのおばさんの家に遊びにきたような心持ちに。

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赤い机に、赤い器に入った赤いボルシチが白い湯気を立てて置かれた瞬間、ふわ〜っと漂うぽこぽこクツクツ3日間煮込んだ赤いトマトの香り。派手な柄の大きな木のスプーンで一口掬い上げれば、お腹の底にぽっと灯がともる。口の中でほろっととろける牛肉、ほくっと崩れるじゃがいも、トマトの酸味に溶け出す野菜の旨味。なくてもいいかもしれないけれど、あるとなしでは大違い、名脇役は、ぽたっと一匙落とされたサワークリーム。掬うたびに溶け出し、味にまろやかさと深みを与えてくれる。食べ終わるころには心もお腹もぽかぽか。どんなに寒い冬だって、乗り越えられる。

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厨房でピチピチと揚がる音を奏で、登場したのは熱々のピロシキ。半分に割ると出てきたのはあんこ。いつもはひき肉やかぼちゃなどおかず系を頼むのだけれど、今日は思い切ってあんこを選んだのだった。サクッとした衣に包まれたしっとりあんこが脳に沁みる。それでもこれは和菓子ではなく、ピロシキなのだ。かじっていくと、なんと、栗が出てきた!

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芋栗南瓜に目がない私は心の中でガッツポーズ、笑みが溢れる。不意打ちの思わぬ展開に小躍り。もしかして、と淡い期待を抱き、まさかね、と期待を打ち消し、残り半分を頬張ると、なんとまた栗が出てきた!!これは当たりだ!!あんこのピロシキが栗入りだなんて(メニューには一切書いてなかった)。これはリピートしちゃうなあ。新しい扉は開けてみるもんですね。

お次は、イタリアBase(バーゼ)へ。昔イタリア料理店のアルバイトで厨房にも立っていたわたしの夫はパスタづくりが上手く、もう外で食べなくてもいいなと思っている。でも、Baseは違う。素人には到底再現できない、職人技が光る玄人のパスタ。格別だ。

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営業時間外は、店主がここでパスタを手打ちしている姿が見られる。かっこいい

「うちのパスタ、具入ってないけどいいっすか?」と律儀に尋ねる店主。そう、Baseのパスタは、茹で上げた極薄な手打ちパスタ(タリアテッレ)に、オリーブオイルとパルミジャーノ、黒胡椒のみ、超絶シンプルな構成で成り立つ。ストイック!

一口食べればその理由は分かる。麺そのものが絶品だから、余計なものは何もいらないのだ。

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写真を撮っている場合じゃないのだけれど。奥にあるのは水に見せかけて、Vino!!

パスタなのに、香りを食べているような軽やかさで、スキップしたくなる。いい大人がスキップするにはワインが欠かせない。仕事の合間だって子連れだって、私は飲むよ。茹で上げが極上だから、スキップする暇も、ちびちびゆっくり食べる暇もないのだけれど。

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子連れで行くと、胡椒なしで少量を取り分けてくれる優しさが沁みる。

そして、中国は豊栄へ。まず欠かせないのは、こちらの口水鶏(コウスイジー)。激辛香辛料と葱を纏ったぷりっぷりのよだれ鶏。一口食べれば舌が痺れ、鼻腔が開き、やみつきに。思い出すだけでよだれが滴る。じゅるり。

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自家製醬(ジャン)ニンニク生姜がガツっと効いたグツグツ刺激的な麻婆豆腐。ほふっほふっと熱々を堪能した後は、白飯にぶっかけて一気にかっこむのが優勝!

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豊栄の料理を食べていると、辛味にはこんなにも種類があったのかと、痺れる舌から新たな味蕾が開かれていく。脳内はすっかり中国上海・四川へトリップ。郷に入れば郷に従え、自家製の紹興酒や薬膳酒で宴だ!たらふく食べて、陽気に酔う。

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宴の終盤、ピリピリ痺れる舌を癒やしてくれるのは具のない卵色の中華茶碗蒸し。絹ごしさながらとびきりのやわらかさが、ひたすらやさしく、舌の上で溶ける。さっきまでこれまでにないほど刺激を受けてきたのに、一気におくるみに包まれたような安堵感。ほっ。

ああ、一品一品その美味しさを伝えたいけれど、豊栄はここまで。あ、デザートの杏仁豆腐も食べてほしい!

え、長い?はい、長いですよね。でもまだ紹介したいお店と味があって、半分くらいしか書けてないんです(苦笑)。このまま書ききるつもりなので、どうか最後まで……。いや、離脱しても、また戻ってきていただけたら……。

家族の特別な日に行く、焼肉とコース料理

子どものころ、家族の外食の定番は近所の焼肉屋だった。徒歩で行けるため、車社会の片田舎で運転を担う父が心置きなく飲めるというのが一番の理由だったと思う。

「焼肉、行っちゃう?」夕暮れ時に家族で歩いて向かう道の、浮き足立つハレの日の気分は、大人になった今でも色褪せない。

娘が最近覚えた歌メドレーを家族で口ずさみながら、南水苑へ。黄金に輝くビールで乾杯、白い泡の髭をたくわえて喉を潤す。くぅーっ!ジョッキを置いたら、トングを構えて、さあ、肉、焼くよ!豊潤な赤、じゅーじゅーと炎に油が滴る音にゴクリと生唾を飲む。

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赤身盛り!真ん中にあるのは脂と見せかけて餅。初めて来たとき、最初に焼いてあれ?っとなった

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「カルビ一丁!」と威勢のいい声が耳に心地よい。カルビ、ロース、ハラミ、キムチ、ビール、タン、トントロ、レモンサワー。霜降り黒毛和牛もたまにはいいけれど、家族の焼肉はこれでなくっちゃ。ほろ酔い満腹で、家族3人手をつないで歩く夜道は、いつだって幸せに満ちている。

新婚旅行で南イタリアを訪れたこともあるけれど、結婚記念日や誕生日、いわゆる「特別」な日に行くのがVolo cosi(ヴォーロ・コズィ)。最近は、夫が長期出張から帰ってきたら(夫の仕事と私のワンオペ育児を労って)訪ねるのが我が家の定番になりつつある。

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ヴェネチア風魚介の前菜盛り合わせ。これが食べたくてここへ来る

なんと言っても、二種の突き出しと前菜の後に出てくる、この一皿。雲丹鯛海老蟹烏賊帆立鰻白子……海のオールスター勢ぞろいで、磯の香りがふわっと立ってイタリアの海の風が吹く。シェフの腕が光る逸品。目にも舌にも美しく感嘆のため息が漏れ出る。嗚呼、ここはイタリア。「わあ、わあ」と宝箱を開けたかのように色めきたつ娘が渦巻きの鰻を指差し「ダンゴムシー!」と叫んでいたのには笑ったけれど。

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ポレンタとタレッジョチーズのラビオリ。香ばしいバターと絡み合って、その贅沢さにうっとり

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この日のメインはニョッキと絡めて食べる牛ほほ肉の赤ワイン煮込み。ワインが進む、進む

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ドルチェ。この後にお茶菓子まで出るのだから、これを「幸せ」と呼ばずになんと呼ぼう

クラシカルな落ち着いた店内で、極上の美味しさを味わい贅沢な時間を過ごせる場所でありながら、乳幼児を当たり前のように優しい笑顔で受け入れてくれる懐の深さに、比喩ではなく涙が出る。

四季折々を体感する、野菜とおやつ

自宅に隣接する畑直送の野菜を過剰なほどに摂取してきた私が立つ、野菜中心の我が家の台所を支えてくれるのは、街の八百屋・スターフルーツ小石川店

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「いらっしゃい!いらっしゃい!今日は桃が美味しいよ〜」と威勢のいい声が響き、旬の野菜と果物が溢れんばかりに並ぶ。しかも安い。毎週金曜日は77円セール!全品ではないけれど店頭にある多くの野菜が77円で買えるため、朝から行列必至。行列には並びたくない派の私だけれど、スタフルは別。あれも、これも、それも、と昂りながら旬の野菜をカゴにバンバン放り入れていく。並んでいる間はなんとなく献立を頭に浮かべながら、おばちゃんから「この野菜はこうして食べると美味しいのよ〜」なんて知恵を拝借することもしばしば。

重たい野菜をたくさん買っても大丈夫。2000円以上のお買い上げで文京区内であれば無料で配達してくれる。ちょうど2000円を目指して、野菜をカゴに入れ、最後に結果発表!(精算)と、それはまるでエンターテイメント。最近は頭で電卓を叩かなくても大幅にズレなくなってきた。腕を上げたな。

おばあちゃんの畑直送にはかなわないとしても、スタフルでたっぷり買い込んだ野菜をただ切って、蒸して、並べれば、食卓に四季が広がる。

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12月に開催される年に一度の創業祭は野菜以外もとにかく安くて、これだけ買ってなんと2000円也!

季節を教えてくれるのは、野菜だけではない。おやつだって!

一幸庵(いっこうあん)の和菓子は、色彩豊かな四季が作品のごとく表現されていて、達筆すぎる文字で添えられた季語(商品名)とともに飾られたショーケースを覗き込むと、あれ、わたし今美術館にいるのかなと錯覚する。

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夏の水羊羹と葛まんじゅう。和菓子なのに「水」を感じる。目にも舌にも涼しい〜

外せないのは、秋口から春先までの期間限定、本わらび粉を使ったわらび餅。ふるふるなやわらかさかと強いコシと弾力を併せ持つ餅に絡む、上品な甘さの香ばしいきな粉となめらかなあんこ。その瑞々しさと言ったら、ない。初めて食べたとき「これが本物のわらび餅か!」と天を見上げて唸った。

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これまで食べたわらび餅の中で頂点を極めることは間違いない

SUPERFRUTTO(スペールフルッタ)のジェラートは、イタリア語で「偉大なる果物」を意味するその店名の通り、限りなく果物に近い。特に旬の果物を使った期間限定の「スペシャル」は別格。+300円くらいするのだけど、果物以上の美味しさ、価格以上の価値に膝を打つ。数百円で極上の幸せが手に入るのなら、選ぶしかない(ということで、スペシャルが断然おすすめ!)

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看板商品のパンナ(生クリーム)とピスタチオスペシャルバージョン。忘れられない

舌に心にピスタチオがたわわに実って、あまりの美味しさにピスタチオダブルにすべきだったと悔い、今でも恋い焦がれている(スペシャルなのでなかなか遭遇できない)。

満開の桜、つつじや紫陽花、新緑、銀杏やもみじ……小石川植物園を中心とした雪月風花が、八百屋に並ぶ旬の野菜が、期間限定のおやつが、この街で暮らす私たちに四季を知らせてくれる。

今回、私が暮らす街の好きなお店のことを書いたら、思いがけず、子ども時代の私と、母である現在の私の「美味しい記憶」が交差して、「家族の食卓」がたくさん思い出された。ここで紹介したお店は、漏れなく娘も一緒に訪ねている。娘もいつか、大人になったときに、これらのお店の味に思いを馳せることがあるかもしれない。そんな日を楽しみに、この街で、巡る季節に心を寄せながら、お店の扉を開き続け、「美味しい記憶」を舌と心に残し、「家族の食卓」を彩っていきたい。




登場した店一覧

日常の延長線上にある味
・TRES CALME
・BeesCoffee
・ROUGE GORGE

小さな旅に出る味
・ソーニヤ
・Base
・豊栄

家族の特別な日の味
・南水苑
・volo cosi

季節を感じる味
・スターフルーツ
・一幸庵
・SUPERFRUTTO


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著者:徳 瑠里香

徳 瑠里香

ライター・編集者。出版社で書籍・WEBメディアの企画・編集・執筆、著者の会社でブランドの編集(PRや店舗運営)などを経て、独立。8月末に初の著書『それでも、母になる: 生理のない私に子どもができて考えた家族のこと』が発売となりました!ウルトラ忙しい夫と1歳の娘と3人家族。芋けんぴが好き。

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編集:ツドイ

イラスト:くぼあやこ