「私を創るのは高知」アンジュルム・川村文乃の上京物語

インタビューと文章: 小沢あや 写真:佐野円香 

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現メンバーではハロプロ唯一の四国出身、川村文乃さん。現在はアンジュルムのサブリーダーとして、グループを牽引しています。

彼女のキャリアスタートは、10歳のとき。高知県知事から「高知県おさかなPR大使」に任命され、地元でご当地アイドルとして活動。その後、全国区のアイドルを夢見て、14歳のときに上京しました。2017年にアンジュルムへ加入するまで、ひたすらダンスレッスンに励む日々を過ごしていました。

川村さんのただならぬ高知愛と、夢を掴むまでの道のりについて、たっぷり語ってもらいます。

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地元・高知PRのために独自取材を欠かさない

――  アンジュルムに加入してから、2年後にサブリーダーに抜擢された川村さん。年功序列のハロプロでは、超異例の出世スピードでしたね。戸惑いはありませんでしたか?

川村文乃さん(以下、川村さん):「なんで私なんだろう?」って思ったけど、まずは自分にやれることをやろうと思いましたね。高知でご当地アイドルをしていたときは、告知も全部自分でやるのがあたりまえ。今は会社のスタッフさんがやってくれるけど、基本的には、自分でできることは全部率先して動くようにしています。

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常にグループとファンのことを考えている川村さん

――  告知といえば、高知でのライブ開催があると、ブログで観光情報をたくさんアップしてますね。

川村さん:もっとたくさんの人に高知に遊びに来て欲しい気持ちが強いんです。高知って、東京からだと遠いし、足を運んでくれる人がまだ少ないんですよね。だから「ライブのついでに、観光して欲しいな」って。


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川村さん自作の観光ガイド「アンジュルム メンバーブログ」より

―― お店の名前だけじゃなく、所要時間や推奨ルートなど、観光に必要な生の情報が詰まっています。

川村さん:上京して6年が経ったけど、常に「今の高知」を把握しておきたいんです。地元の友人に情報をもらって、最新観光スポットに自分で実際に足を運ぶようにしています。

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高知とアンジュルムを全力PRすべく、マーケティングも勉強中だそう

―― 現地での取材活動をしっかりしてるんですね。

川村さん:アンジュルムのライブで高知に行くときには、できるだけ前乗りか延泊させてもらって、実際に地元を歩くようにしているんです。

―― 地方の観光情報って、「これ、本当に行ったことある人が書いてるのかな(笑)?」みたいな、まとめ記事も少なくないですよね。川村さんの情報、ありがたいですよ。

川村さん:ふふふ、私のブログを見れば、高知のリアルな最新情報が分かります(笑)!


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ライブハウス付近の地図も自作「アンジュルム メンバーブログ」より(「「はりまや橋」やのに「はりやま橋」って描いてしまった」そう)

「高知」を背負うアイドルとしての努力

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柔らかな印象ながら、芯が通っている川村さん

―― 川村さんの公式プロフィール、特技欄には「カツオをさばくこと」とあります。アイドルとしては珍しいですよね。

川村さん:高知出身として芸能活動していくなら「カツオをさばけるようにしよう!」と思って、小学5年生のとき、練習を始めたんです。

―― 小5にして、ブランディングの戦略性がすごいです。

川村さん:カツオは大きいし、身が柔らかくてすぐ崩れちゃうので、さばくのがとっても難しいんです。最初は簡単なサバから練習してみたら、結構うまくできたんですよ。「カツオもすぐさばけるようになるんじゃない?」と思って、知り合いにお願いして、教えてもらいました。


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カツオを掲げる川村さん「アンジュルム メンバーブログ」より

川村さん:「特技」というからには、もっと綺麗にさばけるように、腕を磨いています。東京に来てからも、スーパーでカツオを予約して買って、自宅で練習しました。

王道だけじゃない、高知の食

―― 高知といえば龍馬とカツオが二大名物ですよね。川村さんの一押しのお店は?

川村さん:王道だけじゃなくて、変な組み合わせの料理を楽しめるのが「れストラン ゆず庵」。かつおパフェがあるんですよ。

―― かつおパフェ……??

川村さん:パフェの上に、かつおのたたきがのってるんです。お店の外も中も変なオブジェがいっぱいあって、インスタ映えします。


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川村さんによる『ゆず庵』ガイド「アンジュルム メンバーブログ」より

―― インスタ映えというより、Twitter映えしそうなお店ですね。

川村さん:そうかも! ゆず庵、ウツボのたたきも食べられます。東京だと、ドンキの水槽くらいでしか見ないですよね、ウツボって。

―― 確かに、全然馴染みがないです。ほかにも、変化球グルメはありますか?

川村さん:高知はローカルチェーンも充実しているんです。お持ち帰りごはんなら、「くいしんぼ如月」のチキンナンバンが美味しいです。お弁当屋さん兼、コンビニなんですけど、お気に入りで、安売りの日には昼・夜と2回も如月のお弁当を食べていました。

―― 思い出の味なんですね。定番観光スポットでおすすめは?

川村さん:高知人は、元気で優しいし、親切です。「ひろめ市場」というフードコート的な観光スポットがあるんですけど、県外の人を見つけると「これも食べ! これも食べ!」って、料理をどんどん出しちゃうみたい(笑)。高知の人、みんな世話焼きだから。

―― 川村さんも、サブリーダーとして、メンバーのお世話をする日々。「私、高知人だな〜」って思います?

川村さん:実感しますね。とくに、負けん気が強いところは「高知の女だな」と、自分でも思います。頑固だし、直したいこともあるけど、だからこそ軸がブレずにやれてるんだなって前向きに捉えています。でも、ほどよく東京に揉まれたいかも(笑)。

高知から全国区のアイドルを夢見て、14歳で上京

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―― 川村さんは、10歳から「高知県おさかなPR大使」として活動していたんですよね。

川村さん:高知県内のスーパーの、お魚売り場で毎週末歌っていました。冷蔵ケースの間で。

―― ステージもない場所で歌っていたんですね。

川村さん:お魚を買いに来た人にとっては、邪魔ですよね(笑)。すごく気をつかって、歌ってました。みなさん「なにかやってるな」くらいの感覚で、誰も私を見てなかったと思うんですよ(笑)。だからこそ今も「私のパフォーマンスを見て欲しい」という気持ちが、とても強いんです。

―― やっぱり、悔しい気持ちはあったんですね。

川村さん:有名になって「あのとき一瞬見た子かな?!」って思い出してもらいたいですね。

―― 高知って、地方都市の中でも、仙台や大阪・名古屋など芸能事務所が多くあるエリアと違って、芸能界がちょっと遠い土地だと思うんです。川村さんは、どうして夢に向かって進むことができたんでしょうか。

川村さん:高知って、ライブもイベントもなかなかないし、アイドルに直接会いに行けない距離。ずっとインターネットとTVを通して見ていて、芸能界はすごく遠い世界だと思っていました。アニメのように、次元が違う話のように感じていましたね。

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アイドルを目指す前は、よく同級生と山で遊んでいたそう

―― そもそも、「アイドルになりたい」と思ったきっかけは?

川村さん:実は、高知のよさこいなんです。商店街やスーパーに、よさこいのメンバー募集のチラシがたくさん貼られるんですよ。「私もこの衣装着て踊りたいな」と思って、母に相談したんです。

―― よさこいのカラフルな衣装に惹かれて、だったんですね。

川村さん:私はもともと恥ずかしがり屋で、クラスでも手を挙げることもないし、親戚にまで人見知りするような子どもだったんです。でも、よさこいを踊ったあとに「もっとダンスが上手になりたい」「人前で踊りたい」と思うようになったんです。そこからミュージカルスクールに入って、東京にオーディションを受けに行くようになって、今に繋がっています。

―― 川村さんは14歳で上京したんですよね。東京に行くことを話したとき、ご家族はどんな反応でしたか。

川村さん:一切反対せず「文乃がやりたいようにしていいよ」と、応援してくれましたね。両親は共働きで、上京当日は見送りに来られなかったんですけど、お手紙をくれたんです。夜行バスを待っている間に読んで、「私、本当に東京に行くんだな」って実感して、涙が出ました。

―― お手紙には、なんて書いてあったんですか?

川村さん:えーっと……なんだっけ? ぜんぜん覚えてないや(笑)。

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「東京生活が充実していて、忘れちゃった!」と笑う川村さん

川村さん:仕事で高知に帰ることも多かったし、内容忘れちゃった! 家に帰ってから探して、今度ブログに内容書いておきます(笑)。

―― よろしくおねがいします(笑)。高知〜東京間は、夜行バスだと11時間以上。長いですが、どんなことを考えていましたか。

川村さん:小さなころから、東京のオーディションを受けるときは夜行バスで往復することが多かったんです。不安になるよりも、毎回夢がかなった自分の姿を想像して「絶対にこうなるぞ」とイメトレしていました。

―― 移動時間が長いからこそ、夢を実現することへの執着ができたんですね。

川村さん:先が見えなくて、不安になることもあったし、焦りはありました。でも、私は「最悪の事態」を想像するのも、嫌いじゃないんですよ。ダメになったらこうしよう、という対策を考えて、思考を整理するのも好きなんです。不安も、夢をかなえる準備ですね。

―― 野心いっぱいで上京した14歳のころの自分に、今かけたい言葉は。

川村さん:「自分が信じてきた道は、すべて次に繋がっているよ」と伝えたいです。14歳のときに頑張っていたことも、悔しかったことも、全部が大切な経験。今の自分の原動力になっているし、「今はちゃんと、自分のやりたいことができてるぞ」って思えています。

昔からの夢「武道館のステージに立つ」もちゃんとかなえましたし、次はもっと大きなアリーナでライブをやりたい。夢って、ひとつかなえたら、また次の夢ができるんです。夢の規模がどんどん大きくなっていくので、これからも楽しみです。

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お話を伺った人:川村文乃(かわむらあやの)

川村文乃(かわむらあやの)

1999年7月7日生まれ、高知県出身。2017年ハロー!プロジェクト「アンジュルム」のメンバーに加入しデビュー。昨年より同グループのサブリーダーも務める。4月11日からは「アンジュルム コンサートツアー 2020春 LOCK ON!ROCK ON!」がスタート。


聞き手:小沢あや

小沢あや

コンテンツプランナー / 編集者。音楽レーベルでの営業・PR、IT企業を経て独立。Engadget日本版にて「ワーママのガジェット育児日記」連載中。SUUMOタウンに寄稿したエッセイ「独身OLだった私にも優しく住みやすい街 池袋」をきっかけに、豊島区長公認の池袋愛好家としても活動している。 Twitter note