走るのが楽しかった街 春日部

著: きょーちか 

自分が好きな街を考えたときに、真っ先に思いついたのが埼玉県にある「春日部」だった。

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幼稚園から大学を出るまでの20年間、私は北春日部駅近くにある一軒家で育った。春日部にいたころを思返してみると、自転車でどこかしらを走り回っていたことが多かったように思う。私にとっての春日部は、「走るのが楽しかった街」なのかもしれない。

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年末になって春日部に帰ると、自転車乗りのお父さんが立派なクロスバイクを貸してくれた。春日部を離れてから4年間が経った。久しぶりに、かつてのように自転車で春日部を走ってみることにした。

家を出てまず向かったのは、内牧公園。ここは自転車に初めて乗れるようになった幼稚園のころから、何度も何度も通った思い出の場所。

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小さいころはここで花見をした。ザリガニも釣ったし、マラソン大会にも参加した。

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大学生になっても時々内牧公園へ行った。

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春には芝生で本を読み、秋には片道14kmのサイクリングロードをひたすら走り続けたこともあった。

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このサイクリングロードは、信号も車もない道を自分のペースで走り続けることができるところが気に入っていた。毎日勉強ばかりの学生生活が嫌になったり、就職活動がうまくいかなかったりしたときに、気分転換のためにひたすらこの道を走り続けた。

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内牧公園を出ると、色々なところで果樹園に出会う。春日部は産直の町としても有名で、梨、葡萄、柿・さつまいもなんかが美味しい。

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無人販売所ではスーパーでは買えないような値段で野菜が売っていて、義理のお母さんはハシゴをすることもあるくらい好きだと言っていた。

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次に、春日部の郊外にある「ユリノキ通り」へ。

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「ユリノキ通り」は個人的に好きな飲食店が多い通りだ。大学生のころは当時の彼女(今の妻)とよく一緒に訪れた。

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通りに入ってすぐのところにある「ブラウン」はラーメンがとにかくおいしい。

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メインのつけ麺も良いけれど、”濃厚鶏そば”が一番好き。「濃厚」という名前の通り、スープはトロトロで、麺によく絡む。そしてクリーミー。炙った鶏は香ばしくてこれまたスープと一緒に飲むように食べると、とてつもなく良い。妻は春日部に帰省する度に「ブラウン行きたい!」と言う。

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イタリアンなら「ナポリの食卓」。このお店には50回以上は行っているはずだ。

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たった1300円で石窯ピザと新鮮サラダが食べ放題。しかも、パスタとドリンクまで付いてくるから驚きだ。「4種のチーズピザ」や「マルゲリータ」などの定番のピザも美味しいし、「明太餅ピザ」なんていう珍しものもある。普段使いはもちろん、雰囲気が良いので、ちょっとだけ大切な日にも使える良いお店。

ユリノキ通りを後にして駅に向かってみた。

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春日部駅は東武伊勢崎線と東武野田線の2本が通っていてる。正確に言うと、最近はスカイツリーライン(伊勢崎線)とアーバンパークライン(野田線)という名前に変わったらしいけど、未だに自分は変わった名前を受け入れることができていない。大宮まで約20分、東京(大手町)までは約1時間、それぞれ乗り換え無しで行くことができる。

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観光地に行きたくなれば、スカイツリーまで約30分、日光まで約1時間半とこれまた乗り換え無し。この都心へも観光地へも行ける春日部の位置が大好きだった。

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駅前には居酒屋が並ぶ。「もつ焼きいしん」とか「ホルモン熱田」とか、ホルモンが美味しいお店には何度も通った。東京みたいにたくさんお店があるわけではないけれど、行き飽きるほど少ないってわけでもない。「今日は○○が食べたいからあそこにしようよ」そうやって飲み屋を選べる楽しさと、大体の飲み屋を把握できている適度な感じ。このおかげで安心して、楽しい夜を過ごせていたのかもしれない。

半日自転車で走り回った後、思わず最後に足が向いたのが北春日部駅だ。

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大学に通った6年間、田んぼしかないこの道をひたすら自転車で走り続けていた。屋根もない田んぼ道はジメジメと暑く、壁もない吹きさらしの道は北風が冷たかった。当時はそんな暑くて、寒い不快な日々にうんざりしていたけれど、深夜のバイト帰りに物思いにふけったり、就職面接に落ちて悔しくて震えたり、色んなことを考え、感じながらこの道を走った。

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街には、その街で生活するちょうどいい”ペース”のようなものがあるのでは、と思う。たくさんのモノがある都会にいると、ゆっくり歩くくらいがちょうどよくて、モノが少ない田舎にいると車で飛ばすくらいがちょうどいいといった感じ。では、春日部はどうかというと「マイペースに走っているのが心地いい」そんな街かもしれない。

春日部にいるときは、いつも自転車でどこかを走り続けていた気がするけれど、それは「競走」のように何かと競うわけではなく、常にマイペース。自分らしくいられる、そんな心地よさがあった。

空ばかりに包まれた内牧の田舎も、どこまでも続くふれあいロードの一本道も、妻と一緒だったユリノキ通りの美味しいもの巡りも、友だちが待つ馴染みの駅前も。全てがとっても心地よかった。

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著者:きょーちか (id:KyoChika

きょーちか

旅好きの28歳ゆとり会社員。0歳児のパパ。旅行記を書き残すためにブログを開始。現在は家族3人の旅行記や、1人で行った出張日誌を中心に、のんびりブログを更新中。

ブログ:http://www.kyochika.com Twitter:http://twitter.com/KyoChika930