どこにでも住める時代に、あなたはどの街を選ぶ?アソビシステム・中川悠介さんが語る“住む街”としての原宿【街の案内人】

インタビューと文章: オバラミツフミ 写真:岡島たくみ

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街にゆかりの深い方のお話を通じ、街の魅力を紐解くインタビューシリーズ「街の案内人」 。今回のゲストは、原宿を拠点に日本独自の文化である“HARAJUKU CULTURE”を、国内、世界に向けて発信するアソビシステムの代表・中川悠介さんです。

中川さんは、「原宿は、意外にも生活感のある街なんですよ」と教えてくれました。観光地として知られる原宿ですが、“住む街”としても非常に魅力のある街なのだそう。原宿に住み、原宿で働き、原宿で遊ぶ中川悠介さんに、原宿の魅力を語っていただきました。

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「“GAP前”でたむろしていました」アソビシステム・中川悠介さんと原宿の出合い

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▲アソビシステム株式会社 代表取締役 中川悠介氏


中川悠介(以下、中川):中学生のころから、僕にとって「遊ぶ街」といえば、原宿だったんです。よく友人と買い物に来て、ぶらぶらしていましたね。その当時、ラフォーレの向かい側にはアパレルショップの「GAP」がありました。GAPの前にたくさんの人が集まっていて、雑誌のスナップショットなどが盛んに行われていたことを覚えています。僕もその“GAP前”に足繁く通っていた一人で、一日中たむろしていたこともあります。

――“渋原”と表現されるように、渋谷と原宿はセットで連想されることも少なくありません。若者が集うこのエリアでも、特に原宿に魅力を感じた理由はありますか?

中川:たしかに同じエリアとして想起されることもありますが、イメージは異なっていたんです。渋谷は「パラパラ」など、いわゆるギャル文化が盛んな街でした。一方で原宿は、ファッションや美容に特化しています。僕は、原宿の文化に興味があったんです。

原宿には、「何かをつくり出す街」としての魅力を感じていました。僕自身バンドを組み、DJ活動をしていたこともあり、クリエイティブな空気感に包まれた原宿に心惹かれたのだと思います。渋谷は人通りも多く「つくられた街」という印象ももっていたので、ある意味雑多な原宿が好きだったのでしょうね。

――つくられていない、雑多な雰囲気が好きなんですね。当時の原宿は、今のように個性溢れる人が集う街だったのでしょうか?

中川:そうですね。ファッションもバラバラで、特定の言葉で表現しきれないんです。一言で説明しきれないのに、個性は強い。そのアンバランスな印象に、面白さを覚えました。

――なるほど。そんな原宿独特のカルチャーに着目し、世界に発信しようと考えたきっかけをお伺いできますか?

中川:きっかけというきっかけがあるわけではないのですが、一つ考えていたことがあります。昔から原宿に集う人たちは、ファッション一つとっても、外国への憧れが反映されていることも少なくありませんでした。しかし、原宿の文化に憧れる外国人も非常に多いんです。

「日本人は海外のファッションが好きなのに、なぜ外国人は原宿に憧れるのだろう」と、不思議に思いました。「日本人のつくり出す色味や色彩感覚が、ウケているのかな?」などと、いろいろと考えていましたね。街を歩いて感じたことが、原宿を拠点にビジネスを展開する最初のきっかけになっているかもしれません。

住んで気づいた、観光の街・原宿に渦巻く“生活感”

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――若いころから、原宿が好きだったんですね。以前から、「原宿に住みたい」という気持ちはもっていたのでしょうか?

中川:よく遊びにきてはいましたが、住んでみようとは思っていませんでした。現在は原宿に住んでいますが、「住む街」としてのイメージが湧いていなかったので。今でも多くの人が、原宿を「観光する街」だと思っているのではないでしょうか?

――非常に便利な街だとは思いますが、家賃相場が高そうなイメージがありますし、「住む街ではない」と決めつけて、そもそも物件を探すこともしていないのではないかと思います。

中川:そうですよね。僕も「原宿に住んでいる」というと、すごく驚かれます。「住む街」としてのイメージが少ないのかもしれませんね。高校時代の同級生で、原宿に住んでいた友人の多くが引越してしまいましたし、家の数も昔と比べて減っています。地価が随分と上がっていることも、その要因かもしれません。

また、昭和40年に「原宿」という住所がなくなったことも関係しているかもしれませんね。街の境界が曖昧になってしまっています。

逆に質問なのですが、「原宿」と聞いて、どのエリアを思い浮かべますか?

――駅周辺に加え、キャットストリートも「原宿」として認知していますね。

中川:なるほど。たしかにおっしゃるエリアは、原宿の一角に思えますよね。

僕は、アソビシステムオフィス周辺(編集部注:オフィスはこちら)も「原宿」だと思っています。意外かもしれませんが、オフィス近辺だと、意外と手の届く家賃でも物件があるんですよ。また、住んでみると、意外にも「生活感のある街」だということに気づきます。

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中川:昔から住んでいる人も多いので、昔ながらの風景も残っています。例えば地域のお祭りがあるときには、住人の方が神輿を担いでいる。また、裏通りには会社も多いですし、「観光地としての原宿」ではない一面も垣間見えます。安価なスーパーもあるなど、「住む街」として優れたポイントがたくさんあるんです。

――なるほど。住む人ならではの視点で、ほかにも街の魅力を教えていただけますか?

中川:原宿は「住む人も、働く人も、遊ぶ人にも便利な街」だと思います。例えば交通の便に優れた街ですが、明治神宮や代々木公園など、近くに自然があります。自然と都心がこんなにも近い距離感で共存しているエリアは、なかなかないと思います。ビジネスパーソンはもちろん、家族連れにも優しい街です。男女を問わないのも、素敵な点だと思います。

どこに住んでもいい時代だからこそ、好きな場所に住みたい

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――中川さんは、今後も原宿に住みたいと考えていますか?

中川:今のところは……ですね。原宿に住み、原宿で働いていると、街からインスピレーションを得る機会が多いので。また、生活の全てを同じ街で完結できるのは、大きな魅力です。

でも最近は、職場と家にもっと距離があれば、また別の考え方も出てくるのではないかとも思っています。「住む」、「働く」、「遊ぶ」という生活の三要素のうち、どの視点から考えるかで街の魅力は変わります。そういった点では、たくさんの街を見てみたい気持ちもありますね。

ただ、それでも原宿に住んでいるのは、やはり僕は原宿が好きなのだと思います。

――中川さんから、これから住む場所を考えている人に、街選びをする際のアドバイスはありますか?

中川:「自分が好きな街」に住むのが一番だと思いますよ。現代は、「どこに住んでもいい時代」です。最近だと、逗子に住んで都内の職場に通う人も少なくないですよね。好きな街に住んで、電車で2時間かけて通勤するのも素敵なことだと思います。関西が好きなら、名古屋に住んで、新幹線で通勤してもいい。

たまたま僕は、「好きな街」が「住む街」と「働く街」と同じでした。全部一緒なので、毎日の生活が楽しいです。

――なるほど!たしかに、好きな街を起点に仕事と生活を考えてみるのは素敵なことですね。逆に、原宿の不便さを感じる機会はありますか?

中川:人が多く、混雑する点はやはり不便かもしれません。特に休日は、駅前にたくさんの人がいるので、移動の際にストレスを感じることもあると思います。あとは駐車場代が高いですし、道も狭いので、車を頻繁に使用する人には向いていないかもしれません。移動手段として、自転車を一台持っておいた方がいいでしょう。

逆に、深夜になると人が少なくなり、寂しさを感じることもあります。これは実際に原宿に住む人にしか分からないポイントかもしれませんね。

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中川:今、SUUMOで原宿の物件を検索してみたんですけど、案外たくさん物件がありました。築36年とやや古い物件ですけど、月7万5000円で住めるみたいですよ。

――築年数や駅からの距離に目をつむれば、意外にも安価な物件は見つかるんですね。

中川:1LDKで13万〜14万円の物件も出てきました。アソビシステムのオフィスのすぐ裏ですね。原宿が好きな人は、一度検索してみるといいかもしれません。生活に必要なスーパーはもちろん、夜にしっぽり楽しめる居酒屋も多いんですよ。原宿、とてもおすすめです。


アソビシステムのスタッフがオススメする原宿スポット

最後に、アソビシステムのスタッフの方々に原宿のオススメスポットについて聞いてみました。


-龍の子

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▲看板メニューは麻婆豆腐。原宿で美味しい中華を食べたくなったらぜひ寄ってみてください


  • 龍の子
    • 〒150−0001 東京都渋谷区神宮前1-8-5 メナー神宮前 B1F
    • HP




-BROTURES

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▲お洒落なピストバイクがたくさんあり、自転車の楽しみ方を教えてくれるお店です。最近中川もここで買いました


  • BROTURES
    • 〒150−0001 東京都渋谷区神宮前4-26-31
    • Instagram




-L by HOME

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▲アソビシステムが運営しているアイラッシュとヘアサロンを併設したビューティーサロンなのですが、11月4日に店舗を拡大移転オープンしました。ぜひご来店ください!


  • L by HOME
    • 〒150−0001 東京都渋谷区神宮前3−27−15福住ビル2F
    • Instagram




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お話を伺った人:中川悠介

中川悠介

1981年東京生まれ。大学在学中からイベント運営に携わり、2007年にアソビシステムを設立。「青文字系カルチャー」を見いだすなど、拠点とする東京・原宿からファッションや音楽、ライフスタイルに関連したカルチャーを発信し、所属アーティスト・きゃりーぱみゅぱみゅのワールドツアーを成功させたことで知られる。観光案内所「MOSHI MOSHI BOX」を原宿で運営し、内閣府「クールジャパン官民連携プラットフォーム」の構成員に加わるなど、インバウンド推進や日本の発信力強化にも取り組んでいる。

アソビシステム

聞き手:オバラミツフミ

オバラミツフミ

1994年、秋田県出身のライター。ビジネス領域を中心に、各種メディアへの記事寄稿・ブックライティングをライスワークにしています。商店街が好きで、休日はだいたい純喫茶にいます。

Twitter:@ObaraMitsufumi



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