樹脂サイディングのリフォーム費用相場。後悔しない選び方と主要メーカーの商品特徴

樹脂サイディングは北米で人気の高い、外壁に使う外装材です。自宅をアメリカンスタイルやヨーロッパ風にリフォームするなら、外壁は樹脂サイディングがおすすめです。樹脂サイディングの魅力や、後悔しない選び方を一級建築士のYuuさん(本名:尾間紫さん)に教えてもらいました。あわせてリフォーム費用の相場も紹介します。

サイディング外壁のリフォーム。素材の種類と特徴、張り替え・重ね張り(カバー工法)の費用目安と実例も紹介

樹脂サイディングのリフォーム費用相場。後悔しない選び方と主要メーカーの商品特徴

記事の目次

樹脂サイディングの特徴とメリット

樹脂サイディングとは、塩化ビニル樹脂で作られたサイディングです。約50年前の1965年にアメリカで製造が始まってから、急速に広まり、現在ではアメリカとカナダでは最もポピュラーな外壁材と言われています。
では樹脂サイディングの特徴は何か? 確認していきましょう。

樹脂サイディングは軽い

「樹脂サイディングの特徴として、まず軽量なことが挙げられます」(Yuuさん。以下同)。

樹脂サイディング以外のサイディング材には、ガルバリウムなど金属系サイディングや、セメント質原料と繊維質原料から作る窯業系サイディングがあります。これらの1m2あたりの重さを比べてみると、金属系サイディングが約3.5kg〜6kg/m2、窯業系サイディングが約14kg〜19kg/m2なのに対し、樹脂サイディングは約2kg/m2しかありません。

「軽量であるほど、建物への負担が小さくて済みます。そのため、地震による建物への負担を軽減することができます」。

サイディングの重量の比較
サイディングの種類 1m2あたりの重さ
金属系サイディング 約3.5kg〜6kg
窯業系サイディング 約14kg〜19kg
樹脂サイディング 約2kg

樹脂サイディングは丈夫

「軽量であっても高耐久であることが、樹脂サイディングの特徴のひとつです」。

樹脂サイディングの素材である塩化ビニル樹脂は、樹脂(プラスチック)の一種です。こう言うと、同じように樹脂で作られたバケツや食品の保存容器などを思い浮かべ、樹脂サイディングも割れやすいのではないかと思うかもしれません。

「樹脂には塩化ビニル樹脂のほかに、ポリプロピレンやポリエチレン、ポリスチレンなどたくさんの種類があり、それぞれ特徴があります。その中で塩化ビニル樹脂は、耐水性や耐候性に優れた素材です。そのため高い耐久性が求められる上下水道管や、樹脂サッシにも用いられているほどです」

さらに、弾力性に富み、凹みや割れも生じにくい素材です。

旭トステム外装の「WALL-J」

わずか約1mmという薄い樹脂サイディングですが、耐衝撃性能は18mmの厚さがある窯業系サイディングと同等です(JIS A 1408基準 建築用ボード類の曲げおよび衝撃試験方式)(画像提供/旭トステム外装「WALL-J」)

樹脂サイディングは塩害・凍害に強い

「樹脂サイディングは、塩化ビニル樹脂でできているため、錆びや腐食の心配がありません。また塩害にも強いという特徴があります」。

塩害とは塩を含んだ風や風雨によって、金属が腐食することです。鉄筋コンクリートでも塩を含んだ水が浸透すると中の鉄筋が腐食します。

そのため金属系サイディングは錆びないように、また窯業系サイディングは塩を含んだ水の浸透を防ぐために、表面によく樹脂系塗料が塗布されています。

その点、樹脂サイディングなら、錆びない素材ですし、水を浸透させない素材です。ですから塩害や、酸性雨などに強いのです。

さらに、耐水性が高くて表面に塗膜もないので、凍害(素材内の水分が凍結と融解を繰り返すことで割れや、塗装のひび割れを引き起こすこと)に強いのが特徴です。

「そのため、日本では沿岸部や、北海道や東北をはじめとした寒冷地で樹脂サイディングがよく採用されているのです」。

ゼオン化成の寒冷地の施工事例

塩害や凍害に強い樹脂サイディングは、日本でも北海道をはじめとした寒冷地や、全国の沿岸地域でよく採用されています(画像提供/セルコホーム札幌南・札幌中央「ゼオンサイディング(R)」)

樹脂サイディングは色あせしにくい

金属系サイディングは主に風雨によるサビを防ぐため、表面が塗膜で覆われています。また窯業系サイディングは、素材自体の吸水性が高いため、塗膜で防水膜を作り雨水の浸入を防いでいます。同時に塗膜は、建物の意匠性を高める役割も果たします。

しかし塗膜は、紫外線や温度変化、風雨などによってやがて劣化していきます。すると色があせるだけでなく、素材を守る目的も果たせなくなるので、金属系や窯業系サイディングは10年〜15年に1回を目安に、表面を再塗装(メンテナンス)する必要があります。

「樹脂サイディングは、もともと錆びない素材ですし、水を浸透させない性質があります。しかも色を決める顔料が素材に練りこまれています。そのため色あせしにくく、表面を塗装する必要もありません」。

このように色あせしにくい樹脂サイディングは、金属系や窯業系サイディングと違い、再塗装がほぼ不要なので、メンテナンスが簡単です。

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旭トステム外装の「WALL-J」施工事例

塗装と違い、顔料が素材に練り込まれているため、色ムラが発生しにくい樹脂サイディング。また、万が一、傷つけても外壁材の中まで顔料が入っているので、傷が目立ちにくいという特徴があります(画像提供/旭トステム外装「WALL-J」)

樹脂サイディングはシーリングが不要

シーリングとは、サイディングボードのつなぎ目に、シーリング材(充填剤)を注入することを指します。外壁材では金属系や窯業系サイディング、タイル、ALC(軽量気泡コンクリート)などに用いられます。

例えば金属系や窯業系サイディングでは、サイディングボードのつなぎ目に、あえてすき間を作ります。これは地震などによる揺れや、温度変化による膨張などでサイディングボード同士がぶつかって、割れてしまうことを防ぐためです。

そのために設けられたすき間に、防水性や気密性を高めるためのシーリング材を注入して外壁の内側への雨水の浸入を防ぎます。

シーリングのひび割れ

金属系や窯業系サイディングなどのサイディングボードの間に注入されたシーリング材は、経年劣化するとひび割れを起こし、雨水の浸入を防げなくなってしまいます(画像/PIXTA)

しかし、シーリングは紫外線や風雨などにより、経年劣化していき、やがてその役割を果たせなくなります。そのため、シーリングの打ち替えが10年〜20年程度に1回必要になります。

「樹脂サイディングは『オープンジョイント工法』で施工するため、基本的にシーリングを使用しません」。

樹脂サイディングでは、雨どいの固定や換気口など部分的にはシーリングを使いますが、外壁面全体にシーリングを打つ必要がありません。そのため、金属系や窯業系サイディングで必要になる、10年〜20年程度に1回のコーキングの打ち替え作業が不要になります。

樹脂サイディングで用いるオープンジョイント工法とは、外壁面の外側を密閉するのではなく、開放することで、結露やサイディングボードの内側への水の浸み込みを防ぐ工法です。

オープンジョイント工法の図解

金属系や窯業系のサイディングはサイディングボードの間にすき間をつくり、そこにシーリングを注入して密閉します(左)。この状態の時、基本的に屋内側は気圧が低くなるので、シーリングの劣化部分などから雨水が浸入しやすくなります。一方、樹脂サイディングの用いるオープンジョイント工法(右)は、開放しているので、気圧差が生じず、雨水が浸入しにくくなります(画像提供/旭トステム外装「WALL-J」)

密閉せずに開放するといっても、樹脂サイディングで言えば横張の板を張り上げていく際に、上のボードの下端が下のボードの上に少し重なるように、少しずつずらしながら重ねて張っていくので、雨水がボードの内側へ入りにくくなります。

また、もし水が入っても水抜き穴からすぐに排出できますし、通気もあるので乾きやすい構造です。

「オープンジョイント工法は高層ビルなどにも用いられている工法で、日本でも、昔からよくある「よろい張り」や「下見張り」と呼ばれる壁にも使われてきました。また、屋根の瓦も似たような仕組みです」。

よろい張り

風雨の浸入を防ぎやすいため、日本家屋の外壁によく用いられてきた「よろい張り」(画像/PIXTA)

樹脂サイディングの耐用年数は約30年

「樹脂サイディングの耐用年数は約30年が目安です」。

一般的に金属系や窯業系サイディングも耐用年数は約30年と言われています。ただし、金属系や窯業系サイディングは再塗装などのメンテナンス次第で劣化し、張り替えなどが必要になります。再塗装は15年〜20年で1回必要です。

また、金属系や窯業系サイディングではシーリングが必要ですが、シーリングは10年〜20年に1回打ち替えが必要になります。

それらと比べると、樹脂サイディングは再塗装やシーリングの打ち替えが不要なため、メンテナンスも楽な外壁材であることがおわかりでしょう。

「ただし、樹脂なので飛来物などの強い衝撃によって破損をする可能性はあります。しかしその場合でも、1枚ごとに交換ができるので破損した部分だけを交換すればよく、メンテナンス性が高いのが特長です」。

樹脂サイディングは外壁リフォームに最適な素材

軽量な樹脂サイディングは、外壁のリフォームにも最適です。

樹脂サイディングは軽いのでカバー工法に最適

外壁材が劣化して、ひび割れすれば、そこから雨漏りして構造体を傷めてしまう可能性があります。また色あせや汚れが目立つようになった場合も、住宅の美観を損ないます。このように、外壁材が経年劣化したら早めにリフォームを検討したほうが良いでしょう。

外壁リフォームの方法には、まず既存の外壁材を剥がして、新たな外壁材を取り付ける「張り替え」があります。

さらに、金属系サイディングや樹脂サイディングを新たな外壁材として用いる場合、外壁の下地が雨漏りなどで劣化していなければ、既存の外壁材を残して、その上に張るという「カバー工法(重ね張り)」が使えます。

カバー工法(重ね張り)は既存の外壁材の解体・撤去費用が不要になるため、コストを抑えやすいのがメリットです。また既存の外壁材がモルタルでもタイルでも、カバー工法(重ね張り)で新しい外壁材に変えることができます。

「金属系サイディングや樹脂サイディングがカバー工法(重ね張り)に適しているのは、ほかの外壁材と比べて軽いからです。中でも樹脂サイディングは圧倒的に軽量なサイディング材です」。

先述したように、窯業系サイディングが約14kg〜19kg/m2なのに対し、金属系サイディングは約3.5kg〜6kg/m2。樹脂サイディングは金属系サイディングの約1/2以下の約2kg/m2しかありません。

カバー工法(重ね張り)は既存の外壁材を残すので、新しい外壁材の分、建物の重量が増えます。一般的に建物の重量が増えると地震の際の揺れが大きくなるため、建物への負担が大きくなります。場合によってはカバー工法(重ね張り)をする際に、あわせて耐震補強工事もしなければなりません。

その点、樹脂サイディングは軽量ですから、カバー工法(重ね張り)に最適だというわけです。

「そのため樹脂サイディングは、生まれ故郷である北米でも、リフォームでよく用いられる外装材として選ばれています」。

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ゼオン化成の施工事例

新築はもちろん、リフォームで外壁を一新する際にも、軽量な樹脂サイディングは適しています(画像提供/ゼオン化成「ゼオンサイディング(R)」)

樹脂サイディングの施工ができるリフォーム会社が少ない?

軽量で耐久性が高いなど、メリットの多い樹脂サイディングですが、まだまだ普及しているとは言えない状況です。その理由のひとつに「施工できるリフォーム会社が少ない」ことがよく挙げられます。果たして、本当でしょうか。

施工できる会社が限られている

「確かに、金属系や窯業系サイディングと比べると、日本における樹脂サイディングの歴史は浅く、市場シェアが小さいため、施工できる施工会社が少ないのが現状です」。

市場シェアの大きい金属系や窯業系サイディングは、それだけ取り扱う施工会社が多いのですが、樹脂サイディングは、市場シェアが小さいため、扱う施工会社がなかなか増えないというのが現状です。

とはいえ、これだけメリットの多い樹脂サイディング。北米ではスタンダードな外壁材なだけに、今後取り扱う会社が増えてもおかしくありません。

「日本でも北海道や東北の寒冷地や、塩害が深刻な地域では樹脂サイディングが人気です。こうした地域を中心に、樹脂サイディングを扱っている施工会社がありますから、一度探してみることをおすすめします」。

樹脂サイディングは色・柄のバリエーションが少ない?

樹脂サイディングは色・柄のバリエーションが少ないという声も聞こえてきます。なぜでしょうか。

メーカーが少ないので製品が限られるから?

塩化ビニル樹脂に顔料を練り込んで作られる樹脂サイディングは、顔料次第でさまざまな色が出せます。また塩化ビニル樹脂自体も加工がしやすく、形状や表面に模様なども付けられます。

ゼオン化成のゼオンサイディングのカラーバリエーション

例えば樹脂サイディング商品のひとつ「ロイヤルよこ張り」は、「トラディショナル型」と「デザイナー型」の2種類があり、それぞれのカラーバリエーションを合わせると合計18色あります(画像提供/ゼオン化成「ゼオンサイディング(R)」)

横張りでも形状の違いで表情は異なり、ほかにも縦張りや木目デザインの商品もあります。ですから、決してバリエーションが少ないわけではないのですが、日本では樹脂サイディングメーカーが少ないため、ほかの金属系や窯業系サイディングと比べて、数が見劣りしてしまうのかもしれません。

木目を表現したゼオンサイディング

本物の木の断面を忠実に再現した樹脂サイディング。72種類もの木目が表現されていて、色も写真の「エイジドグレイ」を含め合計6色用意されています(画像提供/ゼオン化成「ゼオンサイディング(R)」)

木目のゼオンサイディングの施工事例

本物の木の断面を忠実に再現した樹脂サイディングの施工例(画像提供/ゼオン化成「ゼオンサイディング(R)」)

似合う住宅のスタイルが限られるから?

さらに、樹脂サイディングが似合う住宅のスタイルが限られるから、バリエーションが少ないと思われるのではないかとYuuさんは指摘します。

「北米で生まれた外壁材ですから、基本的にアメリカンスタイルに合います。ほかに北欧風やヨーロッパ風などとも相性が良いです」。

なぜアメリカンスタイルなどとの相性が良いかというと、樹脂サイディングが「ラップサイディング」という工法で張られることに要因のひとつがあります。

ラップサイディングの事例

ラップサイディングとは、写真のように横張の板を張り上げていく工法を指します(画像提供/ゼオン化成「ゼオンサイディング(R)」)

「ラップサイディングとは、横張の板を張り上げていく工法のことで、サイディングボードが重なり合うことで生まれる陰影が、見る人に独特の印象を与えます。アメリカンスタイルの住宅には欠かせない工法です」。

ラップサイディングは世界的に見られる伝統的な工法で、北米のほかにヨーロッパでも昔から見られます。また日本でも昔からある「よろい張り」は同じような張り方です。

旭トステム外装「WALL-J」のアメリカンスタイル施工事例

ウッドデッキを備えた平屋という、アメリカンスタイルの住宅によく似合います(画像提供/旭トステム外装「WALL-J」)

ゼオン化成「ゼオンサイディング」のヨーロッパ風施工事例

樹脂サイディングはヨーロッパ風の住宅にも相性が良い外壁材。写真は縦張りタイプです(画像提供/ゼオン化成「ゼオンサイディング(R)」)

「とはいえ、やはりラップサイディングは北米やヨーロッパ風の住宅に似合うと思います。その理由のひとつに、ラップサイディングと縦長の窓のデザインの相性が良いことが挙げられます」。

一方で日本の住宅は、縦長窓より開口部の広い、引き違い窓(戸)を多用してきました。

「しかし、最近は日本の住宅の窓のカタチが変わり、縦長の窓が増えています。これは最近の住宅が高気密・高断熱を重視するようになったから。高気密には引き違い窓よりも縦長窓のほうが有利ですから。建物のデザイン次第で日本の住宅にも似合うと思います」。

伝統的な日本家屋に樹脂サイディングを上手に取り入れた例もあります。ぜひ一度検討してみてはいかがでしょうか。

樹脂サイディングのリフォーム費用相場

樹脂サイディングにリフォームする場合の費用相場や、ほかのサイディングとの費用の違いについて確認しておきましょう。

樹脂サイディングの価格は金属サイディングと同等

樹脂サイディングと、金属系サイディングや窯業系サイディング、木質系サイディングを従来の外壁にカバー工法(重ね張り)」した場合のリフォーム費用の目安は下記の通りです。

カバー工法(重ね張り)のリフォーム費用
外壁材の種類 1m2当たりの費用の目安
樹脂系サイディング 約1万円〜1万7000円
(材料費7000円〜1万2000円、施工費3000円〜5000円)
金属系サイディング 約9000円〜1万3000円
(材料費6000円〜9000円、施工費3000円〜4000円)
窯業系サイディング 約8000円〜1万2000円
(材料費5000円〜8000円、施工費3000円〜4000円)
※足場・養生費用を除く。SUUMO編集部作成。

また、既存の外壁材を取り除き、新しく張る「張り替え」の場合は上記金額に加え、作業費用として2000円〜4000円/m2と、廃棄処分費用が必要になります。

それぞれ商品のデザインや性能などにより価格は変わりますが、樹脂サイディングは金属系や窯業系サイディングと比べてやや高くなる傾向があります。

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樹脂サイディングはメンテナンス費用が浮く

「確かに樹脂サイディングにリフォーム費用はやや割高になりがちですが、トータルで考えれば、決して高くはありません」

その理由は、メンテナンス費用が抑えやすいこと。

「金属や窯業系サイディングは表面を塗膜で覆っていますが、塗膜の耐用年数は一般的に約10年〜15年と言われています。また、どちらもシーリングを使いますが、シーリングは約10年〜20年で打ち替えが必要になります。いずれにしても金属系・窯業系ともに10年〜15年に1回程度はメンテナンスをしなければなりません」。

一方で、樹脂サイディングは素材自体に顔料が練り込まれているので、色落ちや色あせがほとんどありません。

「メーカーによっては、著しい部分的変退色に対して30年の保証を付けています。それほど、色落ちや色あせしにくいという自信の現れでしょう」。

さらに樹脂サイディングは、基本的にシーリングを使用しません(ただし開口部とのつなぎ目など一部にシーリングを使用)。そのためシーリングの打ち替えも必要ありません。

施工後の再塗装やシーリング費用の打ち替え費用が不要ですから、初期費用こそ若干かかるものの、長い目で見れば費用のかからない外壁材と言えるでしょう。

「普段のお手入れは、汚れたら水洗いをするだけで落とせますから、とても簡単です」。

樹脂サイディングを選ぶときの注意点

樹脂サイディングを外壁材として採用する際に、注意しておきたい点は下記の通りです。

対応可能なリフォーム会社を選ぶ

ほかの外壁材と比べると、市場規模が小さい樹脂サイディング。そのため、施工経験のある施工会社が少ないのが現状です。とはいえ、外壁は施工を間違えると構造体を傷めてしまいかねません。できれば経験豊富な施工会社に依頼するといいでしょう。

「寒冷地や塩害被害のある地域では、実績を積んでいる施工会社がいくつもあります。確かに寒冷地は北海道や東北に限られますが、塩害被害は海に面したエリアなら、北から南まで、日本各地にあります。まずは近隣に樹脂サイディングの実績がある施工会社はないか、調べてはいかがでしょう」。

塩害・凍害の心配がなければほかのサイディングを含めて検討

もしも、施工会社がなかなか見つからなければ、ほかのサイディングを含めて検討したほうがよいでしょう。アメリカンスタイルの住宅には確かに樹脂サイディングはぴったりですが、だからといって、施工したことのない施工会社に依頼すると、後々のトラブルが心配です。

まずは樹脂サイディングの施工事例がある施工会社を探してみましょう。どうしても見つからない場合は、理想のデザインを叶えてくれそうな施工会社を探して、金属系サイディングや窯業系サイディングでも叶えられないか、こちらの意図を伝えて相談してみましょう。

樹脂サイディングの主要メーカー

日本で樹脂サイディングを取り扱っている主なメーカーを紹介します。

旭トステム外装

LIXILグループの外壁材(窯業系・金属サイディング)や屋根材を取り扱う住宅建材メーカーです。外壁材のサイディングでは金属系や窯業系のほか、樹脂サイディング「WALL-J」をラインナップしています。同商品には「グランドリバー」「オレゴンプライド」ホリゾンタル」「セントリー」の4シリーズがあり、いずれも部分的な変色や退色の30年保証が付いています。

ゼオン化成

化学メーカーの日本ゼオン株式会社のグループ企業で、高機能フィルムや防音材、物流資材、香料など、幅広い製品を提供している企業です。樹脂サイディングは「ゼオンサイディング(R)」をラインナップしています。同商品には「グレイン」「ニューカラースケープ」「ロイヤルよこ張り」「ロイヤルたて張り」の4シリーズがあり、いずれも部分的な変色や退色の30年保証が付いています。

まとめ

日本ではまだ知名度が低いですが、北米では最もポピュラーな外壁材と言われている樹脂サイディング。軽量で耐候性が高く、塩害や凍害にも強くて、メンテナンスが簡単とメリットの多い外壁材です。

軽量ゆえ、カバー工法(重ね張り)で外壁をリフォームする際にピッタリ。外壁をリフォームするなら、ぜひ検討してほしい外壁材ですが、現状は施工会社が少ないことがネックです。

しかし、北海道をはじめとした寒冷地や、日本各地の塩害がひどいエリアでは人気の外壁材ですから、お近くにも実績のある施工会社があるかもしれません。

アメリカンスタイルなど、樹脂サイディングが似合いそうな洋風の家にリフォームしたいなら、まずは近くに施工会社があるかどうか、探してみてはいかがでしょうか。

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Yuuさん

●取材協力
尾間 紫(Yuu)さん

一級建築士事務所Office Yuu代表。 長年リフォーム業界の第一線で数多くの相談、設計、工事に携わってきた。その経験を活かし、住宅リフォームコンサルタントとして幸せなリフォームを実現するためのノウハウを自身のwebサイト「リフォームのホント・裏話」で発信するほか、セミナー講演や執筆、人材育成研修などで活躍中

執筆・取材/籠島 康弘
雑誌「カーセンサー」編集部を経てフリーライターに。中古車からカーシェアリング、電気自動車までクルマにまつわる諸々の記事執筆を手がける。最近は住宅雑誌の記事も執筆していて、自分が何屋なのかますます分からなくなってきた。