部屋全体の印象をガラリと変える「クロス(壁紙)」。リフォームやリノベーションでクロス(壁紙)を張り替えると、費用はどれくらいかかるのでしょうか?本記事では、クロス張り替えの費用相場を広さやクロスの素材、施工箇所別にご紹介。クロスが持つ機能性や素材別の特徴、クロス選びのポイントなどについて一級建築士、インテリアコーディネーターの中西八枝佳さんに話を聞きました。

記事の目次

クロス(壁紙)張り替えの費用相場
クロスの張り替えにかかる費用は、さまざまな条件で違ってきます。ここでは一般的なグレードの壁紙を使った場合の費用の目安や、張り替え費用を左右するポイントなどについて解説します。
張り替えの基本的な費用内訳(材料費・施工費・諸経費)
クロスの張り替えには、材料費(壁紙代)のほか、施工費(職人さんの人件費)や諸経費が加算されます。人件費はどれくらい必要で、諸経費には何が含まれるのでしょうか。
「熟練の職人さんの場合、人件費は高くなります。無地のビニルクロスのように柄合わせの必要がなく、伸縮性があるクロスは張りやすいのですが、張るのが難しいクロスを選び、熟練の職人さんが施工してくれる場合は人件費が高くなります」(中西さん、以下同)
一方、諸経費はクロスを張る作業以外の工事内容や工事期間、工事範囲などの状況によって異なります。諸経費の項目も依頼するリフォーム会社や地域によってさまざまです。
「諸経費には職人さんの移動交通費、駐車場が用意できない場合は近隣に借りる駐車場代がかかります。マンションによっては、搬入や搬出の際に廊下やエレベーターなど共用部分を傷つけないよう養生が必要。そのほか、廃材の処理費用、依頼先によっては現場監理費などがかかる場合もあります」
クロス価格の相場
クロスの価格は素材やデザイン、機能などによって差があります。
「賃貸住宅などでよく見かける量産タイプのクロスは1m当たり800円程度です。一般的な壁紙は1m当たり1000円程度。輸入物のクロスはm単位ではなく20m単位などのロールで購入します。ロットによって色が少し違うことがあるので、追加で取り寄せることにならないよう多めに注文するのが一般的。その分、割高になってしまいます」
張り替えに必要なクロスの面積
張り替えにかかる材料費は、【クロスのm単価×施工に必要な長さ】+余裕分だと考えましょう。
「施工面積は6畳、10畳、14畳といった部屋の広さではなく、クロスを張り替える壁の面積です。施工面積に対して幅約90cmのクロスが何m必要か。さらに、施工に必要な余裕分も考慮します。クロスを張る際には上下を長めにカットした状態で施工するため、柄のないものだと必要なm数×1.1倍。柄のあるクロスは、柄合わせをするためクロスは多めに必要で、m数×1.2倍程度が目安です」
広さ別・種類別のクロス(壁紙)張り替え費用相場
リフォームにかかる費用の目安は、使う材料や設備のグレード、施工面積、施工方法、同時にどのような工事を行うかなど、さまざまな要素で異なります。部屋のクロスの張り替えも同じ。とはいえ、数万円でできるものなのか、数十万円かかるのかなど、おおよその目安は知っておきたいものですよね。
| スタンダードクロス | ハイグレードクロス | |
|---|---|---|
| 張り替え面積:25平米 | 約2万5000円から | 約4万円から |
| 張り替え面積:30平米 | 約3万円から | 約4万5000円から |
| 張り替え面積:45平米 | 約4万5000円から | 約7万円から |
| 張り替え面積:60平米 | 約5万5000円から | 約8万円から |
上記はスタンダードクロスと、より上質なハイグレードクロスの広さ別張り替え費用。あくまで最低価格の目安であるため、実際の費用については施工会社に確認する必要があります。
6畳の部屋のクロス(壁紙)張り替え費用目安
では、実際に6畳の部屋のクロスを張り替えるといくらくらいかかるものなのでしょうか。
「6畳の部屋の場合、ドアや窓の大きさにもよりますが、約0.9m幅のクロスが38mほど必要になります。一般的に使われる壁紙は1m当たり1000円が目安。施工費や諸経費を合計すると、おおよそ10万円以下くらいが費用の相場といえます」
場所別のクロス(壁紙)張り替え費用相場(キッチン・トイレ・洗面所・廊下)
どこのクロスを張り替えるのかによっても、かかる費用相場は異なります。ここでは、キッチン・トイレ・洗面所・廊下のクロス張り替え費用を比較していきましょう。
| キッチン | 4万円〜7万円 |
|---|---|
| トイレ | 2.5万円〜6万円 |
| 洗面所 | 4万円〜6万円 |
| 廊下 | 2万円〜6万円 |
施工する面積にもよりますが、おおよその費用相場は上のとおり。「キッチンは汚れに強いバリアタイプに」「トイレは防臭効果のあるクロスに」など場所ごとに最適なクロスを選ぶ必要があり、そのクロス価格によっても費用は前後します。
「オープンタイプのキッチンなら、リビングから目に入りやすい背面の壁を張り替えるとLDKの雰囲気が変わります。施工面積が小さければ、工事期間が短く、既存の壁の上から張る方法であれば手間と費用を抑えることもできます」
建物別のクロス(壁紙)張り替え費用相場
施工する建物がマンションか、一戸建て住宅であるかによってもクロス張り替え費用は異なります。一般的に壁面積が広い一戸建て住宅のほうが費用が高い傾向にありますが、前述したとおり選んだクロスや施工面積によっても費用は前後します。このほか、凹凸や天井の目透かしなど、特殊な形状の間取りの場合にも費用が加算される可能性があるでしょう。
| 一戸建て住宅(例:張り替え面積80平米) | 20万円から |
|---|---|
| マンション(例:張り替え面積60平米) | 25万円から |
費用が高くなるケース
6畳の部屋の場合の張り替え費用の目安や、必要なクロスの長さの考え方について紹介しましたが、実際には工事の内容によってケースバイケースです。
「例えば、施工面積が小さな張り替えの場合でも、既存のクロスを剥がし、下地処理をしたあと、乾燥を待つ時間がかかります。材料費は安くなっても、職人さんの人件費は大きな施工面積の場合と変わらず、トータルで割高になることもあります」
そのほか、家具の移動やエアコンの取り外しが必要な場合、施主が自分で移動や撤去を行うのか、リフォーム会社に依頼するかによっても費用は上下します。
「コンセントの移動や増設、照明器具の移設や交換は電気工事士の資格を持つ人が行う必要があり、クロスの張り替えの際に併せて行うなら職人さんとは別に電気工事士の人件費なども必要になります。そのほか、施工場所がトイレの場合も、張り替える際に便器の着脱が必要になると、設備会社の人件費や施工費が発生します」
クロス(壁紙)張り替えの費用を安く抑える方法
選ぶ材料や施工面積、工事内容によってコストが変わるクロスの張り替え。予算内で満足できるリフォームにするため、コストを抑えるポイントを知っておきましょう。
安い素材のクロスを選ぶ
広い範囲でクロスの張り替えをする場合、少しの単価の差が総費用に影響します。無地のシンプルな一般的なクロスを使用することでコストダウンにつなげることができます。内装にこだわりたい部屋だけはグレードの高いものを選んでみるなど、メリハリのある選び方にするのもいいでしょう。
将来予定しているリフォームがあるならまとめて施工する
クロスを張り替えたあと、それほど年数がたたないうちに水回り設備の交換や間取り変更などのリフォームをすると、せっかく張り替えたクロスを張り直したり、壁を撤去したりということになります。短期間で複数回の張り替え費用が発生するのはもったいないですから、別のリフォームも予定しているなら、まとめて実施してしまうほうが材料費や施工費、人件費などさまざまな費用が割安になります。
「張り替えがリフォーム全体の一部分であれば、人件費や廃材の処理費、駐車場代や交通費などはまとめて算出されます。一般的な手頃な価格のクロスで施工する場合、m2単価は材工一式1800円〜が目安です。ただし、費用の算出方法はリフォーム会社によって異なります。材工一式での価格は高くても諸経費を抑えている会社もありますから、全体的な見積もりを確認することが大切です」
クロスの張り替えについて『材工一式』『材工込』『材工共』として材料費と施工費をまとめた金額の見積書だった場合は、材料費や施工費などの内訳で出してもらえるよう依頼してみましょう。
また、マンションの場合、定期的に行われる大規模修繕工事で専有部分の給排水管の交換が行われるケースがあります。その際、壁を解体して給排水管を交換し、壁紙を張り直すことになります。近々、大規模修繕工事が予定されているなら、どんな工事内容になりそうか管理組合に確認しておくのがオススメです。
複数の会社に見積もりをとる
クロスの張り替えに限らず、リフォームでは複数の会社に見積もりをとること(相見積もり)が大切です。同じクロスを指定しても、リフォーム会社によって諸経費の計算方法や人件費が異なり、総額に差が出ます。結果的にコストダウンにはならないかもしれませんが、比較することで相場を知れ、割高な費用になることは防げるでしょう。
クロス(壁紙)の主な種類
クロスは、素材によって大きく6種類に分類されます。それぞれの特徴について解説しましょう。
ビニル系のクロス
日本国内の多くの住宅で使用されているクロスの主流。塩化ビニル樹脂などを主な原料としたビニルシートに、紙などが裏打ちされています。価格が安いため家づくりやリフォームの際のコストを抑えやすいうえ、耐久性や耐水性にも優れています。カラーバリエーションやプリントによる模様も豊富。漆喰(しっくい)を塗ったように見える凹凸の加工がされたものもあります。
オレフィンクロス
ポリエチレンやポリプロピレンといった合成樹脂を主な素材につくられたクロス。ビニル系のクロスと同様に耐久性や耐水性に優れていますが、価格はビニルクロスよりも高め。焼却した際に有毒ガスがほとんど発生しない点も特徴です。
無機質系のクロス
漆喰や珪藻土(けいそうど)、ガラスなどを主な素材としてつくられたクロス。漆喰や珪藻土そのものを塗るよりもコストを抑えることができます。塗り壁のような質感が人気です。
漆喰の内装にリフォームする費用相場は? プロに聞いたメリット・デメリットから実例までご紹介
紙系のクロス
和紙のほか、欧米でよく使われる輸入紙のクロス。和紙は落ち着いた雰囲気で和室のほか、和モダンのデザインの部屋とよく合います。輸入紙は日本製のクロスにはない模様や色合いのものが多く、こだわりの空間に仕上げたい人に人気です。
繊維系のクロス
自然素材の綿や麻、化学繊維のレーヨンなどが使われています。高級感や重厚感があり、水に濡れても破れにくい特徴があります。繊維に埃がからみやすいのが難点ですが、クロスによっては軽く掃除機をかけることでキレイにすることができます。
木質系のクロス
天然木を薄くシート加工した突き板シート(銘木シート)とコルクを薄く加工したコルクシートがあります。ぬくもりのある質感が魅力ですが、ほかのクロスよりも価格は高めになります。壁の下部の腰壁部分に使うと木材で仕上げる場合よりもコストを抑えられます。
クロス(壁紙)が持つさまざまな機能性
最近のクロスは、見た目の美しさだけでなく機能性も充実。オススメの機能は、部屋の用途やライフスタイル、家族構成などによってさまざまです。リフォームでクロスを選ぶときには、どんな機能があるかもカタログで確認しましょう。
「お部屋をキレイにしたいからクロスの張り替えをするわけですから、汚れ防止機能のあるクロスを上手に使うといいですね。ペットを飼っているご家庭なら、汚れだけでなく傷もつきにくいペット対応の耐久性に優れた壁紙を選ぶといいでしょう」
では、機能性クロスの主なタイプをご紹介します。
調湿機能
空気中の湿気を吸収し放出する「吸放湿性」や、空気中の水分が壁紙を通過する「通気性」があるクロスには、調湿性能が期待できます。とはいえ壁紙だけでは部屋の湿度調節をするところまでの威力はありませんから、吸放湿性の高い下地と併せたり、加湿器や除湿器を併用したりなど、合わせ技で室内環境の向上を目指すといいでしょう。紙や繊維、珪藻土などを使った天然素材のクロスから選ぶのが一般的です。
消臭機能
クロスの表面に練り込まれた消臭剤が、ホルムアルデヒドやペット臭、タバコ臭などさまざまなニオイの原因物質に反応し吸着・分解し、気になるニオイに対応します。時間の経過とともに消臭効果は弱くなっていくのが一般的。
汚れ防止機能
表面に汚れ防止性能を目的とするフィルムが貼り合わされたクロス。汚れを拭き取りやすいため、小さな子どものいる世帯や、人が多く通る玄関などの施工に向いています。油汚れに強いタイプや水汚れに強いタイプなど、さまざまなタイプがあります。
抗ウイルス・抗菌機能
表面コート層に抗ウイルス剤などが入ったクロス。壁の表面についたウイルスを破壊し有機成分を分解します。抗菌機能クロスは、壁表面で細菌の増殖を抑制。家族の集まるリビングや、トイレ、室内にウイルスが持ち込まれる玄関などへの施工が向いています。
ペット対応
表面をフィルム加工することで、一般的なビニルクロスよりも犬や猫の引っかき傷に強いペット対応のクロス。消臭や抗菌機能も組み合わせたクロスなど、ペットとの暮らしがより快適になるよう配慮されています。

クロス(壁紙)張り替えのメリット
前述のとおり、クロスを張り替えることで部屋はキレイに、気持ちも新しくなります。では、漆喰などの塗り壁ではなく、クロス張りの壁だからこそのメリットには何があるのでしょうか。
塗り壁に比べると工期が短い
クロスの張り替えは、塗り壁と比べて工事期間が短いのがメリットのひとつ。具体的には、次の流れで施工されます。
「クロスの張り替えは、施工面積や施工方法、職人さんの人数などによって工期は違ってきます。簡単な工事で施工面積が大きくない場合など、半日くらいでできてしまう場合もありますが、下地処理や乾燥に時間がかかるケースもあります。また、壁に照明器具がついていると、場合によっては電気工事も必要になります。とはいえ、広い面積の場合は漆喰や珪藻土などで壁を塗り替える場合に比べると、工期は短くて済みます」
塗り壁に比べるとコストが抑えられる
クロスの張り替えには、クロスそのものの材料費のほか、人件費などもかかります。塗り壁に使う漆喰や珪藻土は、ビニルクロスなどよく使われるクロスに比べると価格が高く、工期も長くなるため人件費が高くなります。輸入の紙や布などグレードが高いクロスを使う場合を除けば、クロスを張り替えるほうが、塗り壁よりもコストを抑えることができます。
DIYでクロス(壁紙)張り替えはできる?
日本語の“日曜大工”や“ハンドメード”と近い意味を持つ、「D.I.Y.(ディー・アイ・ワイ)」。クロスの張り替えを自分でやってみたいという人も多いでしょう。
では、DIYはどんな人に向いているのでしょうか。また、DIYにチャレンジするならどんなことに気をつければいいのでしょう。中西さんにアドバイスをいただきました。
DIYによるクロス(壁紙)張り替えのメリット・デメリット
クロスの張り替えは、専門的な技術がなくても失敗なくできるものなのでしょうか。
「下地や建物の構造にもよりますが、木造の住宅の場合は木材が湿気を吸うことでわずかですが膨張したり、湿気を吐き出すことで収縮したりします。そのように壁が動くため、クロスを張ってから継ぎ目が割れてくることはあります。クロスの伸び縮みも考慮して施工するのが職人さんのスキル。職人並みの仕上がりを望むのではなく、少しくらいヨレたり、隙間ができたりしてもいい、自分で張り替えるのを楽しみたいという人ならDIYは向いていると思います」
もちろんプロではない分、失敗してしまうリスクも。完璧を求めるのであれば、職人さんに依頼したほうが安心です。
DIYに向いているクロスの選び方
張り替えは、既存のクロスを剥がしたり、下地処理をしたりという手間が大変。クロスの裏にのり付けをするのにもスペースが必要です。
「もっと気軽にクロスを替えるなら、賃貸住宅でも使える、剥がせるタイプの壁紙を選ぶといいでしょう。既存の壁紙の上から張ることができ、粘着力が弱いので張り直したり、張り替えもできるでしょう」
一般的なクロスの裏側はのり付けされていない粘着力のない状態で販売されており、壁に張るためには施工現場でのり付けをするため、手間がかかり、作業スペースの確保も必要です。クロスの販売会社の中には、購入したクロスへののり付けを代行し、施工時まで乾かないよう処理をして納品する有料オプションがあるところも。クロスの選択肢が増えるので、利用してみるのもいいでしょう。
DIYの手順と注意点
のり付けされたクロスはずっしりと重く、高いところに張るためには脚立が必要。はじめてのクロス張り替えは、上手にできるかわかりません。まずは、シールタイプの壁紙を面積の小さな壁に張ってみるところから始めましょう。
「コンセントや照明スイッチのプレートなど、クロス以外のものがない場所でチャレンジしてみて、自分がDIY に向いているかどうか確認するのがオススメです」

プロがアドバイス!部屋別クロス選びのポイント
部屋や場所によって、オススメのクロスや張り替えの注意ポイントがあります。リフォーム会社との打ち合わせやDIYにチャレンジする前の参考にしてください。
リビングはドアや床との色のバランスに注意
リビングは家族が集まり、長い時間を過ごす場所。友人が遊びに来ることもあるでしょう。それだけに、リビングのクロスは色や柄選びにこだわる人も多いはず。
「リビングのカラーコーディネートで気をつけたいのは、リフォームで変更する部分としない部分の色の調和です。床やドアは長持ちするのでそのまま使い、クロスだけを変更することが多いかと思います。クロスだけを好みで選んでしまうと、床やドアなど既存の部分と合わなくなることがあります。変更しない部分の色を確認して、そこにどんな色や柄のクロスを加えればいいかを考えましょう」
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キッチンは準不燃以上の仕様になるよう注意
キッチンのクロス選びは「消臭機能があって、油汚れや水汚れにも強い機能性クロスがいい」「汚れが目立たないレンガ調の柄にしたい」「オープンキッチンだから明るくおしゃれなクロスにしたい」など、イメージを広げるほど楽しくなります。
ただし注意したいのは、キッチンは建築基準法上の火気使用室となること。 「キッチンは、どのクロスでもいいというわけではなく、準不燃以上の仕様となるようにしなくてはいけません。また、オープンキッチンの場合は、キッチンスペースだけでなくリビング・ダイニングのクロスにも影響します」
国土交通省から防火性能があると認定された防火壁装材料には認定番号が発行され、見本帳やカタログなどに表示されています。不燃の防火性能を有するものには「NM」、準不燃は「QM」、難燃は「RM」が4ケタの番号の頭につけられています。キッチンの場合、不燃、または準不燃の仕様が必要です。ただし、クロスの防火性能は、組み合わせる下地の種類や施工方法で異なるため、詳細はリフォーム会社に確認してもらうようにしましょう。
ガスコンロではなくIHクッキングヒーターの場合でもコンロまわりに不燃材を採用することが火災予防条例で決められています。
DIYでキッチンのクロスを張り替える場合はクロス選びに注意が必要です。
| 防火認定番号 |
|---|
| 不燃 NM - ○○○○ |
| 準不燃 QM - ○○○○ |
| 難燃 RM - ○○○○ |
キッチンをタイルでおしゃれな空間に!キッチンタイルの選び方や張り方を紹介
トイレ、洗面室は消臭機能や汚れ防止機能で快適に
ニオイや汚れの気になるトイレは消臭機能、汚れ防止機能があるクロスが、水が跳ねやすい洗面室も汚れ防止機能のクロスがオススメ。掃除がラクになり、クロスがキレイな状態を長く保ちやすくなります。
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子ども部屋は10年後も考える
小さな子どもの部屋には、つい今の年齢に合わせて子どもの喜びそうな柄もののクロスを選びたくなりがち。かわいらしい動物や乗り物がプリントされたクロスは、子どももきっと喜ぶでしょう。もちろん、子ども部屋が楽しく、かわいらしくなるのは良いのですが、10年後のこともイメージしておきたいもの。
「子どもはあっという間に大きくなります。今、8歳の子どもも10年後には18歳。数年後にはシンプルなクロスを好むようになるかもしれません。10年後、上から張るタイプのクロスを利用して模様替えをするのも方法ですし、10年後もそのまま使えそうなものを選ぶのも手ですね」
アクセントクロスの色の選び方と失敗しないためのポイント。人気の色や使い方と施工事例

ウォークインクローゼットには調湿機能のあるクロス
結露やカビが心配なクローゼットやウォークインクローゼット。少しでも結露やカビの発生リスクを抑えるために、調湿機能のあるクロスを選ぶのもいいでしょう。
「吸水性ポリマーが配合された吸放湿性能のあるクロスは、一般のビニルクロスより湿度を調節してくれます。収納スペース内の湿度が気になるようなら、選択肢のひとつに入れてみてください」
部屋をウォークインクローゼットにリフォーム・改造する費用相場は?間取りや収納方法、実例も紹介!

玄関からリビングやトイレへのクロスには統一感を
部屋ごとに機能性やカラーコーディネートを考えてクロスを選ぶのも楽しいのですが、空間のつながりを意識したクロス選びも大切。プロが意識するポイントについて聞いてみました。
「私が施主の方にご提案する際に気をつけているのは、家全体のつながりです。特にお客さまが来たときに見られる、玄関、廊下、リビング、トイレにそれぞれ趣きが違うクロスを張るとチグハグな印象になってしまいます。家全体のつながりを意識して、最低限、玄関、廊下、リビングのクロスは統一感のあるものを選ぶといいですね」
クロス(壁紙)張り替えの施工事例
事例1
事例2
事例3
クロス(壁紙)張り替えでよくある失敗と対策
クロスを張り替えることによるデメリットはないといっていいでしょう。ただし、リフォーム前に気がつかなかったために、仕上がりに不満が出るケースはあります。理想の部屋にするためにも、最後にクロス張り替えでよくある失敗とその対策について確認しておきましょう。
隣接した部屋の古さが目立つ
長年使っているクロスは年月とともに少しずつ汚れていますが、毎日暮らしていると見慣れてしまっていてその古さに気がつきません。ですから、新しいクロスに張り替えると、部屋がこれまでよりも明るく感じたり、新築時に戻ったように感じたりします。
家全体の壁を張り替える場合は問題ないのですが、注意したいのは一部の部屋だけを張り替えた部分リフォームの場合。クロスを新しくした部屋にいて、ふと、張り替えをしなかった部屋の壁が目に入ると、これまでは気がつかなかった汚れや変色、傷などが気になり始めてしまいます。予算に限りはあると思いますが、クロスを張り替える部屋から視界に入る壁などは、まとめて張り替えるのがオススメです。
家具や家電の汚れが目立つ
クロスが新しくなったことで、その部屋に置かれている家具や家電の古さが目立ってしまうのは意外とあるある。白やベージュの家具・家電はもちろん、特に新しくした壁とのギャップが特に目立つのはコンセントプレートだといいます。
「白い壁を好む方が多いのですが、白すぎるクロスを選ぶと、照明スイッチやコンセントのプレートの黄ばみが目立ってしまうのです。張り替えが終わってから、『コンセントプレートにこんな色、付いていたっけ?』と戸惑うことも。少し色の入った壁紙を選んだり、コンセントやスイッチのプレートも新しくしたりするといいですね」
なお、マンションの場合、インターホンの受信機は共用設備ですから居住者が自由に付け替えることはできません。受信機の古さが気になるなら、真っ白な壁紙は避けるといいでしょう。

イメージと違う仕上がりになる
今とは違うクロスに張り替える場合、難しいのがサンプルでの色や柄選び。小さなカタログで見ると素敵でも、実際に部屋に張ると「イメージと違う……」なんてケースも。これは張る面積が大きくなると、サンプルよりも色が薄く、明るく感じられるため。そのために活用したいのが、ショールームやサンプルです。「クロスを選ぶ際には、ショールームへ行って面積の大きなサンプルで確認するのがオススメ。または、A4サイズくらいのサンプルをもらえるのですが、1枚ではなく2枚もらってください。壁に2枚のサンプルを並べて張ってみるだけでも張り替え後の部屋のイメージがつかみやすくなりますし、実際に張り替えたい壁に張ることで、部屋の照明でどのように壁紙が見えるかも確認できるのでオススメです」
まとめ
クロスを張り替えるリフォームやリノベーションは、部屋の印象をリフレッシュできる楽しさが味わえます。さらに、調湿機能や消臭機能のあるクロスを選べば、空間の快適性はさらにアップします。部屋ごとのクロス選びのポイントを参考に、クロスの張り替えを検討してみましょう。
- クロス張り替えには材料費のほか、施工費や人件費、諸経費がかかる
- クロス張り替え費用を安く抑えたい場合は、素材選びやリフォーム時のセット依頼がオススメ
- クロスによって調湿や汚れ防止、抗菌、ペット対応などさまざまな特徴がある
- 実際に張るとイメージした色味と違うことも。サンプルやショールームでの確認が安心
構成・取材・文/SUUMO編集部
イラスト/上坂じゅりこ
RA-CREA代表。一級建築士、インテリアコーディネーター。住宅メーカー、インテリアデザイン事務所勤務を経て独立。個人の住宅のインテリアコーディネートを手がける。照明コンサルタント、アートライフスタイリストなどの資格も保有。著書に『居心地の良い部屋の作り方20+10』『後悔しない家具選び』(RA-CREAブックス)がある。
広告制作プロダクション勤務後、フリーランスのコピーライターに。現在は主に、住宅ローンや税金など住宅にかかわるお金や、住まいづくりのノウハウについての取材、記事制作・書籍編集にたずさわる。