スケルトンリフォームとは?マンションと一戸建ての費用相場は? メリット・デメリットと補助金や減税制度、後悔しないための対策を解説。施工事例も紹介!

スケルトンリフォームは大規模なリフォームの一つですが、正確にはどのようなリフォームのことなのでしょうか? また、リノベーションやフルリフォームとは何が違うのでしょうか?

スケルトンリフォームにかかる費用相場やメリット・デメリット、費用と工期がわかる施工実例も紹介します。

骨組みを残した解体したスケルトンリフォームの写真

(写真/PIXTA)

記事の目次

スケルトンリフォームとフルリフォーム、リノベーションの違いは?

スケルトンリフォームと同じような意味合いのようですが、フルリフォームやリノベーションという言葉もよく見かけます。
いったいどこが違うのか、まずそこから説明しましょう。

スケルトンリフォームとは?

スケルトンは、骨格や骨組みという意味の言葉ですが、建築でいうとまさに柱や梁(はり)といった住宅を支える部材のことですね。
マンションでいえば、コンクリートでできた躯体(くたい)そのもののことを指します。

つまりスケルトンリフォームとは、内装リフォームなどでは、はがさないところまではがして、骨組みを残して解体した後にもう一度つくり直すリフォームのことです。

スケルトンにすると、間取り変更や耐震補強、断熱、防音、防火性能の向上など多くのことが可能になります。

実際の現場では、スケルトンにしてしまう部屋と内装だけ変える部屋が混在している場合もあります。

一戸建ての骨組みがあらわになった写真

(写真/PIXTA)※写真はイメージです

マンションの躯体があらわになった写真

(写真/PIXTA)※写真はイメージです

リノベーションとスケルトンリフォームの違いは?

スケルトンリフォームが工事方法を端的にあらわした言葉であるのに対して、リノベーションはもっと概念的な言葉です。

リノベーションがリフォームと対比してよくいわれることは、リフォームは原状回復が目的であるのに対して、リノベーションは耐震性や断熱性など性能まで向上させて、建物に新たな価値を与えるということです。
しかし、性能向上を目指す工事もリフォームといわれることもありますし、この両者は明確に区別されているわけではありません。

また、リノベーションの過程でスケルトンリフォームが行われることもあるので、リノベーションとスケルトンリフォームも同様に明確に区別できるものではありません。スケルトンリフォームとは、リフォームやリノベーションの方法の一つと考えてよいでしょう。

断熱工事を行っている現場の写真

(写真/PIXTA)

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フルリフォームとスケルトンリフォームの違いは?

さらにフルリフォームという言葉が使われることもあります。フルリフォームは文字どおり、全部をリフォームするということです。

この場合、設備交換や内装のやり直しまでで、必ずしも骨組みだけを残すところまで解体するとは限りません。ただ、ケースによってはスケルトンリフォームが行われることもあります。
あるいは部分的にスケルトンにする場合もあります。

このように言葉を聞いただけでは、内容がわかりにくい場合も多いのです。
ただスケルトンリフォームといった場合は、骨組みだけ残して解体してしまうことから、大規模なリフォームの中でも最も大掛かりなリフォームになることは間違いありません。

リフォーム会社との打ち合わせの中で「スケルトンにしましょう」という言葉が出たときは、中身を全て解体してつくり直すリフォームのことだな、と理解してよいでしょう。

スケルトンリフォーム工事中の現場写真

(写真/PIXTA)

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スケルトンリフォームのメリット

スケルトンにしてからリフォームする場合、どのようなメリットがあるのでしょうか?
スケルトンでなければ実現できないことを知っておきましょう。

間取りをイチから変えられるが注意点も

マンションにも一戸建てにも共通するスケルトンリフォームのメリットが、既存の状態に縛られず自由に間取りを変えられることです。

マンションの場合は、それまであった間仕切り壁をすっかり取り払ってしまい、新しいプランに沿って間取りをつくっていけます。

ただし、マンションの構造によっては動かせない壁があること、水まわりについては共用のタテ配管(パイプスペース内にある)の位置に影響を受けざるを得ないことは知っておきましょう。
そこさえ押さえておけばかなり自由に間取りを変えられます。

一戸建ての場合も既存の間仕切りは取り払うことができ、その上で新たに間仕切りをして部屋をつくっていけます。

ただし一戸建ての場合は耐震性を損なわないようにしなければいけないので、その範囲での制限はあります。
筋交いや耐震面材が入った「耐力壁(たいりょくへき)」を撤去することはできません。
気をつけなければいけないのはそこだけで、水まわりの移動はマンションと違って、かなり自由にできます。

耐震性に十分注意を払いながら、これからの暮らしに合わせた新しい間取りを実現しましょう。

開放感と耐震性を両立させるため、必要な柱をあえて表に出した写真

大きく間取り変更して広いLDKを実現しましたが、開放感と耐震性を両立させるため、必要な柱は残しました。間取り変更は耐震性をきちんと考慮することが大事です(写真提供/山商リフォームサービス)

バリアフリーな住まいに変えられる

古い一戸建てでは、床に段差が多く高齢者にとって転倒の危険があったり、階段も勾配がきつい場合が多いもの。また、マンションでも水まわりだけ段差があることも多いです。

スケルトンリフォームでは床も階段も撤去してイチからつくり直すので、床をフラットにする、階段を緩い勾配でつくりなおすことも自在にできます。

スケルトンリフォームはこれから長く住む家を安全で快適にできるチャンスといえます。

スケルトンリフォームで段差のない安全な空間にリフォームした写真

これからの暮らしを考えて段差のない安全な空間にリフォームできるのもスケルトンリフォームならでは(写真提供/JS Reform(日本総合住生活))

マンションの住戸内配管を見直して水まわりの位置変更ができる

マンションのスケルトンリフォームでは床を撤去するので、住戸内のヨコ引き配管をやり直すチャンスです。
古い配管は素材の種類にもよりますが、配管内部にサビが発生したり腐食したりして、赤水の原因になったりします。

それを最先端の「さや管ヘッダー方式」に交換しておくと、管が劣化したときも取り換えが容易になります。

さらに、キッチンなどの位置変更も配管の交換と同時に行えば一石二鳥です。
壁付けから対面キッチンへの変更もスケルトンリフォーム時なら容易に行えます。

屋内配管「サヤ管」の写真

スケルトンリフォームの際に屋内配管を耐久性に優れた「サヤ管」に変更(写真提供/エココ・サンリフォーム)

一戸建てのスケルトンリフォームは耐震性、断熱性を向上させられる

築30年、40年の古い一戸建ては、耐震性に問題があったり、断熱性も低かったりと、この先安全に快適に暮らすのが難しいケースが多くあります。

一戸建てのスケルトンリフォームは、すっかり骨組みをさらした上で、必要な補強を施し、きちんと断熱も行った上で、再仕上げを行っていきます。根本的に新しく蘇るのが一戸建てのスケルトンリフォームです。

スケルトンリフォーム時に構造を補強している写真

古い柱や梁を残しながらも新しいものを加えたり差し替えたりと必要な補強を施しています(写真提供/stylekoubou(スタイル工房))

スケルトンリフォームのデメリット

メリットの一方でスケルトンリフォームにもデメリットがあります。
建物の構造的な問題で自由にリフォームができないことがあったり、屋根や外壁の工事では近隣への配慮が必要になったりします。

壁式構造のマンションは自由に間取り変更ができない

マンションの構造は大きく分けると、ラーメン構造と壁式構造の2つ。
ラーメン構造は「柱と梁」で建物を支える構造で、中高層マンションで多く採用されています。壁式構造は「壁」で支える構造で、5階建てくらいまでの低層マンションによく採用されています。

ラーメン構造の場合は、住戸の4隅の柱と梁、共用のタテ配管を除けば、全て撤去することが可能ですが、壁式構造は「壁」で建物を支える構造で、そのため住戸内部の間仕切り壁にも撤去できない部分があります。

壁式構造のマンションは、スケルトン状態にしても撤去できない間仕切り壁が残り、その壁によって間取り変更は制限されます。しかし工夫次第でその壁をプランに活用できることもあり、壁式構造だからといってスケルトンにしてリノベーションができないわけではありません。

壁式構造のマンションをスケルトンにしてリノベーションした例

壁式構造のマンションをスケルトンにしてリノベーションした例。寝室の間仕切りに撤去できない壁を活かし、廊下側を壁で囲まないことで開放感を演出しています(写真提供/ハコリノベ)

ツーバイフォーやハウスメーカーの工業化住宅は間取り変更に制約がある

ツーバイフォー工法は北米から導入した住宅の工法で、壁式構造です。
耐力壁(たいりょくへき 構造を支える壁のこと)が適宜に建物内に配置されていて、その壁を撤去すること、移設することはできません。したがって、マンションの壁式構造と同様に、撤去できない壁によって間取り変更は制限されます。

一戸建てに多い木造軸組工法でも、筋交いなどの入った耐力壁をむやみに撤去することはできませんが、移設や追加は可能です。ツーバイフォー工法のように「面」だけで支える工法ではなく柱や梁といった部材によっても支えているため、耐力壁による制限は比較的少ないといえます。

また、住宅メーカーによるプレハブ工法(工業化住宅)は木造軸組工法のような一般的な工法とは異なり、各社ごとに異なる独自の設計ルールによって構造を形成しています。
リフォームの際に骨組みをいじることはできないので間取り変更には制限があります。
この場合は、建築を依頼した住宅メーカーに相談してみるのもいいでしょう。

住みながらの工事が難しい

スケルトンリフォームは、内部を一度に全部解体してしまうと、工事中は住むことができません。工事中は仮住まいをする必要があるので、事前に短期で住めるところを探しておきましょう。リフォーム会社に工程表をもらって着工から竣工までを正確に把握しておく必要もあります。また、必ず仮住まい費用も予算に入れておきましょう。

仮住まいをしないで済むように、工事中に住める部屋を残してほかの部分から工事をすることも必ずしも不可能ではないので、リフォーム会社に相談してみましょう。

工程表の写真

(写真/PIXTA)

屋根や外壁を工事する場合は、周囲への騒音に配慮が必要となる

スケルトンリフォームの際、屋根や外壁工事は騒音が発生しがちです。ご近所には迷惑をかけることになるので、事前の挨拶まわりが必要です。

マンションなら上下左右8戸、一戸建ても近隣8戸程度は挨拶をしておきましょう。
挨拶の際には、リフォーム会社の担当者にも同行してもらい工期や工事内容を説明してもらいましょう。1000円~2000円程度の手土産も持っていったほうがよいでしょう。

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工事期間が長くなる

スケルトンリフォームは、一般のリフォームに比べて工期が長くなります。
マンションではおよそ1~2カ月、一戸建ては2~3カ月が目安となりますが、広さやプラン内容などによってこれより長くかかることもあります。

スケルトンリフォームの工期の目安
マンション 2カ月~4カ月
一戸建て 4カ月~6カ月

一戸建てのスケルトンリフォームは建築確認申請が必要な場合も

建築確認申請は新築などの際に必要図書を提出して、建築主事の許可を得るものです。申請を行うには費用もかかりますし、書類作成などの手間もかかります。
リフォームの場合は、内装の模様替えや設備交換レベルでは建築確認申請は不要ですが、主要構造部の過半をいじるような大規模リフォームでは申請が必要な場合があります。

マンションでは主要構造部をいじることはないので、申請は不要です。また、一戸建てでも延床面積200m2以下の平屋では申請が不要です。

増築を行う場合は、都市部の防火・準防火地域では建築確認申請が必要で、防火・準防火地域以外の場合は、増築面積が10m2を超えると建築確認申請が必要となります。

■増築の建築確認申請
必要 不要
(防火・準防火地域)面積にかかわらず
(そのほか地域)10m2超の増築 (そのほか地域)10m2以内の増築

マンションと一戸建てのスケルトンリフォーム費用相場

スケルトンリフォームは大規模リフォームの中でも最も費用が多くかかることの多いリフォームです。費用に影響する要素も考慮しながら目安を知っておきましょう。

設備、内装のグレードが費用に大きく影響する

スケルトンリフォームの費用は広さやプラン内容に左右されますが、中でも設備・建材のグレードが大きく影響します。

設備はグレードがさまざまなので、選び方によってリフォーム費用が変わってきます。
例えば、標準的なキッチンとハイグレードなキッチンでは100万円を超える価格差があったりします。

また、内装に用いる建材も単価の違いが大きく全体に響きます。
例えば、フローリングでは複合フローリングとむく材では1m2単価が1万円くらい違うことも珍しくありません。
その材料を100m2に用いるとしたら、それだけで100万円の費用差となります。

予算をオーバーしたときは設備や建材の選び方でコスト調整をしましょう。

高級材を使ったリフォームの写真

(写真/PIXTA)

マンションのスケルトンリフォーム費用相場は800万円~1700万円

マンションの場合は、内部の解体費用、新たに間仕切りを構成するための木工事、設備の取り付けや配管、内装仕上げなど諸々の工事費を合わせて、専有面積が65~70m2程度で800万円~1700万円が費用相場。

マンションではスケルトンにしても躯体(くたい)のコンクリートそのものはいじれないので、費用の差は主に設備と内装仕上げ材などのグレード、さらに収納の造作などによって生じます。

また、躯体はいじれませんが、壁の内側から断熱工事を行うことや内窓を設けて窓の断熱性を上げることは可能なので、こうした工事を行った場合は、費用が加算されます。

マンションのスケルトンリフォーム「m2単価」は10万円~30万円

m2単価は、かかった費用を1m2当たりに換算し、費用の目安を出す方法です。
例えば専有面積が70m2の住戸でリフォーム費用が700万円だったら、m2単価は10万円になります。

おおまかにm2単価を10万円、20万円、30万円に分けて、自分がリフォームする住戸の面積をかければ、グレードの違いによる費用の目安が出ます。
中程度のグレードを考えている場合は20万円を、最高グレードなら30万円を面積にかければいいわけです。

ただm2単価はあくまで目安にすぎません。正確な費用は、リフォーム会社から見積もりをとって確認しましょう。

設計図面と見積書の写真

(写真/PIXTA)

マンションのスケルトンリフォームの実例、費用、工期

リフォーム費用900万円/間取りを全部見直し、生活動線がスムーズな住まいに

築15年の4LDK を生活動線がスムーズな1LDK+S へと全面的にリフォーム。 玄関から廊下を通る動線とは別に、広いシューズインクロゼットを通ってパントリー、キッチンへと直結する動線をつくったことで、買い物から帰ったときに重い荷物をいったん置いて、パントリーや冷蔵庫にすぐに整理できるようになりました。

約5畳大のウォークインクロゼット、2カ所に設けたパントリーなど収納スペースを効果的にも設けている点も注目です。

バルコニー側3室+キッチンを解体して広いスペースを確保したLDKの写真

バルコニー側にあった2室+LDを広いLDKに変え、ワークスペース(写真右)も設けました

2カ所にパントリーを設けた対面キッチンの写真

壁付けキッチンを対面キッチンに変え、2カ所にパントリーを設置し、十分な収納を実現

5畳大の大きなウォークインクロゼットの写真

2つの洋室を約5畳大の大きなウォークインクロゼットのある広々空間に変えました(写真提供/サンリフォーム ・ FUN-HOME不動産)
【Before】

間取り図【Before】

【After】

間取り図【After】

【DATA】
リフォーム費用:900万円
リフォーム面積:90.00m2
工期:約45日
築年数:15年
家族構成:夫婦+子ども1人
設計・施工:サンリフォーム・FUN-HOME不動産

リフォーム費用1000万円/中古マンションを購入し、自分好みのインテリア、間取りを実現

中古マンションを購入し、お気に入りの空間にするためリノベーションを決意。
依頼先の会社と一緒に物件探しから始め、住まいのイメージを共有しながら進めたので、満足の行く空間が実現できたといいます。

リビングの天井や壁の一部はコンクリートスラブを現しにして、床はむく材のオーク材を採用。手持ちのクラシックな家具が似合う空間になりました。

玄関からウォークインクロゼットを経由して廊下に出られる回遊動線も便利そうです。

スケルトンにした天井をそのまま表しにしたLDKの写真

和室と廊下を取り込んで大きく広げたLDK。スケルトンにした躯体をそのまま現しにした天井は照明のレールもむきだしに、壁の濃紺のクロスともマッチしています

腰壁をモルタル仕上げとしたキッチンの写真

キッチンの腰壁は天井やバルコニー側の壁のコンクリートと色合いを合わせてモルタル仕上げとしています

元の洋室が広い玄関土間に変わった写真

玄関横の洋室だった場所は広い土間とウォークインクロゼットに変えました。ウォークインクロゼットから玄関ホールへと出られます(写真提供/ハコリノベ)
【Before】

間取り図【Before】

【After】

間取り図【After】

【DATA】
リフォーム費用:1000万円
リフォーム面積:72.40m2
工期:2カ月半
築年数:34年
家族構成:夫婦+子ども1人
設計・施工:ハコリノベ

リフォーム費用1200万円/築39年の団地をこれからの暮らしに合わせた間取りに変更

子どもが独立しこれからの生活のためにリフォームを決意。使っていない子ども部屋を夫婦それぞれの個室に、閉鎖的だったキッチンは仕切りをなくしてオープンにしました。

浴室、トイレなど水まわりへはスムーズに出入りできる動線とし、収納も各所に造作するなど暮らしやすい間取りに変更。外気に接する壁には内側から断熱材を吹き付けて、快適さを追求しました。

広く一体感が増したLDK の写真

仕切りをとって一体感を増したLDK。天井の間接照明が落ち着いた空間を演出、家族、来客とのコミュニケーションも弾む

腰壁をモルタル仕上げとしたキッチンの写真

洋室から和室にリフォーム。北側の部屋だが壁に断熱を施して、暑さ、寒さが和らぐ空間に(写真提供/JS Reform(日本総合住生活))
【Before】

間取り図【Before】

【After】

間取り図【After】

【DATA】
リフォーム費用:1200万円
リフォーム面積:75.87m2
工期:71日
築年数:39年
家族構成:夫婦
設計・施工:JS Reform(日本総合住生活)

一戸建てのスケルトンリフォーム費用相場は1500万円~3000万円

一戸建てのスケルトンリフォームは、建物の骨組みを残して解体の上、必要な箇所を補強した上で、内部の間仕切りや設備工事、電気配線、内装などの工事を行います。
地面の工事や基礎工事を除いて、建て替えに近い工事を行います。

費用相場は1500万円~3000万円。これは延床面積120m2程度の木造住宅の場合です。
また、設備や内装などにお金をかけると上記の目安を超えてしまうこともあります。上記の金額はあくまで目安と思っておきましょう。

一戸建てのスケルトンリフォーム「坪単価」は30万円~80万円

坪単価は全体にかかる費用を1坪(約3.3m2)に換算したものです。
一戸建てでは昔ながらの慣例で、m2単価より坪単価でいわれることが一般的です。

上記目安を坪当たりに換算すると約27万円~約83万円になりますが、ざっくりと30万円~80万円程度と思っておけばよいでしょう。

なお坪単価の計算は、延床面積が小さくなるほど高くなる傾向があります。それは延床面積が大きくなっても設備の費用はあまり変わらないからです。つまりキッチンは一つ、浴室も1つです(単世帯の場合)。
狭小住宅ほど坪単価は高くなります。坪単価はこの点を考慮して参考程度にしましょう。

一戸建てのスケルトンリフォームは耐震補強や断熱施工費が含まれる

一戸建てのスケルトンリフォームを行う目的の一つが性能面の向上ですから、当然耐震補強や断熱工事が行われます。

耐震補強や断熱工事を行うか行わないかでは当然、費用は違ってきますが、費用相場はそれらを含んだものです。
築浅でそもそも耐震や断熱に問題がない場合は、全面リフォームを行っても、既存を残す部分が多くなり、リフォーム費用も安くなることが多く1000万円以内で収まることもあります。

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スケルトンリフォームは建て替えより2~3割安くなる

スケルトンリフォームと建て替え費用を比べるとスケルトンリフォームのほうが一般的に2~3割は安くできます。

建て替えは解体後、敷地の造成工事、基礎工事を行い、建物の組み立てを行いますが、リフォームでは基礎までは壊しません(一部、基礎補強を行う場合はあります)。
また、骨組みも多くが残ります。
建て替えでは必要なこれらの材料費や工事費が省ける分、スケルトンリフォームは建て替えより安くなるというわけです。

一戸建てのスケルトンリフォームの実例、費用、工期

リフォーム費用1970万円/祖母から譲り受けた家、耐震補強を施し住み継ぐ

築45年の木造2階建てを譲り受けたMさん。各所に老朽化が進んでいて、耐震性や断熱性に不安がありました。

そこでスケルトンリフォームを行い、住宅性能を高めるとともに、既存もうまく活かし再利用しながら内外装をやり変え、「昭和レトロ」の雰囲気を残した安心で快適な住まいに再生しました。

スケルトンリフォームで柱は現しに、間に筋交いを取り付けて耐震補強した写真

仕切壁を撤去して表に出た柱は残し、間に筋交いを取り付けて耐震補強。開放感と安全性を両立させました

リビングの天井の一部をグレーチングにして光を落としている写真

リビングの天井の一部をグレーチングにして光を落とし、暗くなりがちな1階に光を補っています(写真提供/stylekoubou(スタイル工房))
【Before】

間取り図【Before】

【After】

間取り図【After】

【DATA】
リフォーム費用:1970万円
リフォーム面積:約95m2
工期:約4カ月
築年数:45年 家族構成:夫婦+子ども1人
設計・施工:stylekoubou(スタイル工房)

リフォーム費用1727万円/築30年の実家を子世代が暮らしやすいよう大きく間取り変更

築30年の実家を引き継ぎ、家事動線や間取りを見直し、スケルトンリフォームで大きく改善しました。

1階は仕切られた部屋や廊下を一つにまとめ、対面式キッチンを設けた広いLDKに。その際、必要な柱や筋交いは残して耐震性を確保しています。

また、庭側にあった玄関を道路側に移し、元の玄関の場所にはウッドデッキを設けました。以前は2階まで洗濯物を運んでいましたが、ウッドデッキを活用して干せるようになり、動線が短縮されました。

耐震診断に基づき、耐震補強を行い、断熱材を入れ直して、外壁や屋根も一新。見栄えもよく快適で安全な住まいに蘇りました。

広いLDKをつくり、表に出した柱や筋交いは塗装して空間になじませた写真

和室と廊下、DKを合わせて広いLDKを実現。柱や筋交いは塗装して空間になじむようにしました

元の玄関まわりをウッドデッキに変えた写真

元の玄関まわりが広々したウッドデッキに変わり、洗濯物を干すのもラクになりました。外壁も張り替えて一新

つくりかえた階段とユーティリティの写真

階段はスチールの手すりで開放的に、元の玄関付近はユーティリティとして活用(写真提供/山商リフォームサービス)
【Before】

間取り図【Before】

【After】

間取り図【After】

【DATA】
リフォーム費用:1727万円
リフォーム面積:約73m2
工期:約3カ月
築年数:30年
家族構成:夫婦+子ども2人
設計・施工:山商リフォームサービス

リフォーム費用3800万円/階段位置から変更し、二世帯それぞれの暮らしに合わせた家に

実家はもともと1、2階で分かれた二世帯住宅でしたが、Aさん世帯の同居にあたって、全体の間取りを見直しました。

仕切りの多かった間取りを整理し、1階の親世帯はたくさんの客が訪れてもゆったり過ごせるLDK+和室に、2階の子世帯は個室と水まわり以外の天井を上げ、仕切壁を撤去して開放感のあるLDKにしました。

築22年ですがあらためて耐震補強、断熱工事も行い、長く快適に住める家になりました。

構造材もあらわになった2階の勾配天井の部屋の写真

勾配天井の2階は、既存の柱や梁もそのまま表に出しています。キッチンの向かい側は位置を移動して設けた階段

ゆとりあるコの字型キッチンの写真

コの字型のゆとりあるキッチン。シンク側が対面になっていて、家族とのコミュニケーションがとりやすい

収納が多い子世帯の玄関ホールの写真

玄関は一つですが、両世帯それぞれにつながる出入り口が設けられています。写真は子世帯の玄関ホール(写真提供/stylekoubou(スタイル工房))
【Before】

間取り図【Before】

【After】

間取り図【After】

【DATA】
リフォーム費用:3800万円
リフォーム面積:160.00m2
工期:約5.5カ月
築年数:22年
家族構成:両親+夫婦+子ども2人
設計・施工:stylekoubou(スタイル工房)

スケルトンリフォームの経験者へインタビュー

マンションのスケルトンリフォームを経験した人へインタビューしました。予想外のできごとや住んでみないとわからないことも発覚したようです。参考にしてください。

床断熱のやり直しで実感した契約書の大切さ【Sさん】

リフォーム会社選びは同一条件で6社に見積もり

築24年のマンションに購入後10年住んできたSさんがリフォームを決意したのは、壁付けキッチンを対面キッチンに変更したいと思ったのがきっかけでした。その時点でキッチンやトイレなどの設備が寿命を迎えていたこと、子どもが中学生になり、家族がそれぞれのプライベートを大切にできる空間をつくりたかったことからスケルトンリフォームを決意しました。

リフォーム会社選びは慎重に取り組んだといいます。
「6社から見積もりをとりました。その際に設備機器は同じグレードのものを指定、全部の会社に同じ造作家具の見積もりをお願いしました。おかげで比較検討しやすかったです。設備は機能性にこだわりそれぞれメーカーとブランドを指定したのですが、最終的に依頼先選びの決め手になったのは、同じ設備なのに他社より安かったこと、造作家具も含めてデザイン面の提案を最初からしてくれたことです。なにしろ私自身はデザイン面に自信がなかったので、それを見てイメージが湧きやすく助かりました」

ただ選んだ会社にも不満はあったといいます。
「設備メーカーのショールームに同行してくれなかったのです。そういう方針の会社ということでしかたなかったのですが、なにしろデザイン面に弱い私ですから、その場でコーディネートなどの相談ができなかったのが痛かったです」

設備費の高騰で予算オーバー

リフォーム資金は全て現金で、予算の決め方は明快でした。

「幸いここ数年周辺のマンション価格が上昇していたので自宅の査定をしてもらい、以前にこの物件を買ったときの価格と、今回の仮住まい費用および家具家電代を合計して、現在の物件査定価格から引いた金額を今回のリフォーム予算としました。つまりリフォーム後に売っても持ち出しがない額というわけです」

とはいえリフォーム工事が予算どおりに収まったわけではありませんでした。

「時節柄設備代の高騰が激しくて予算内で収めることができませんでした。わが家は共働きなので、時短や家事ラクにつながる設備の便利機能をあきらめることはしたくありませんでした。また、仮住まいなどの経費が思った以上にかかったので、その分予算が減ってしまったのも想定外でした」

リフォーム工事中に断熱材の間違い発見!

Sさんは床暖房を入れる関係で床の断熱材の性能に関心がありました。

「もともと電気式の床暖房がついていたのですが、とにかく電気代が高くて…。最近は電気代が値上げされたため、冬には電気代だけで数万円かかったこともありました。だから省エネのために断熱材はできるだけ性能の高いものを入れたかったのです。それで最初の説明を受けたときに断熱材の商品名と品番をしっかり記憶していました。ところが床の張り替えまで来たところで断熱材を確認すると、見積書とは品番が違うものが使用されていたのです。担当者に聞いたら見積もりに記載されているものより断熱性能が少し低いとのこと。
もうショックで、全部やり直してもらいました。工期が約2カ月延びてしまい、仮住まいも延長しました。もちろん仮住まい費用は補償してもらいましたが」

Sさんは工程表をもとにときどき現場を訪れていたそうです。それで気が付いたので事なきをえましたが、知らないままに工事が進んでしまうおそれもありました。

「断熱材を無償で契約どおりの商品に変えてもらえたのも、契約時に見積もり明細をもらっていて、そこに断熱材の商品名と品番が記載されていたからです。契約って大事だなと身に染みて思いました」

家事がラクになる設備で生活が快適に

自宅マンションを買い替えることもSさんの選択肢にはあったといいますが、結果的にリフォームのほうがよかったといいます。その理由は。

「私はあまり家事をするのが好きじゃなく、キッチンでも料理のしやすさや清掃性などの機能が優れたものを入れたかったのです。でも新築マンションの設備は食洗機も小さかったり、レンジフードも細かいお手入れが必要な機種だったりで満足できませんでした。自分が希望するグレードの設備を選べるのはリフォームの魅力だと思います。リフォームしたことで家事がこれまでよりずっとラクに楽しくできるようになりました。 また、収納も必要と思うだけつくってもらいましたので、家具を購入する必要がありません。つくり付けだから壁に固定してあり、地震のときも安心です」

これからリフォームする人に伝えたいこと

契約書をちゃんと見ておくことに加えて、Sさんがアドバイスするのは、自分の希望の伝え方です。

「どのリフォーム会社も、あなたの希望どおりにやりますよ、といいます。でも素人には希望の伝え方って難しいんですよね。そもそもどんな家にしたいんだっけ?と考えるところからスタートしました。
依頼先を決める前に、その会社の施工事例をよく見ておくことがオススメです。その中で自分の好みに合う会社を選べばスムーズにいくと思います。写真を見て、こんなふうにしてくださいといえば間違いが少ないからです。私も造作家具などは施工事例から探してこんなふうにとお願いしました」

SさんのリフォームDATA
リフォーム費用:1600万円(当初予算1400万円)
工期:5カ月
専用面積:65m2
リフォーム以外の費用:約400万円(仮住まい、家電等)
ローン利用:なし
家族構成:夫妻+子ども

空間デザインには大満足。でも住むまでわからなかった寒さ【Nさん】

依頼するリフォーム会社選びはデザイン優先

将来を考えて中古マンションの購入を決意したという一人暮らしのNさん。

「ずっと賃貸住まいでしたが、女性で単身だと将来賃貸が借りにくくなるのではという不安、それに賃貸のままだと支払いが難しくなっていくのではと思って、資産として購入を決めました」

リフォーム会社選びでこだわったのはデザインだといいます。

「主にデザインのよさに惹かれて5社の見積もりをとりました。なかでも住まい方のアイデアやデザイン提案が最も魅力的だった会社に決めました。その会社が出版している本も見ましたが、とにかく施工実例がよかったですね」

プランはスケッチなどでわかりやすく提案してくれたそうです。

「自分が具体的に言葉にできなかったこともくんでくれ、予想を上まわるアイデアでプランができあがっていくのを楽しむことができました」

Nさんが購入した物件は壁式構造でした。柱と梁で構造を支えるラーメン構造なら、スケルトンにすれば住戸内にほぼ壁はなく、自由に間取りを構成していけます。しかし壁式構造では住戸内に撤去できない壁が残ります。同じスケルトンといっても状態が異なるわけです。

「リフォーム会社には物件探しも同行してもらっていたので、この物件は壁を撤去できないということは聞いていました。でも、壁を壊さなくてもこういう暮らし方ができますよ、と素敵なアイデアを提案してくれて。打ちっぱなしのコンクリートの色を壁によって変えたり、建具を設けずに開放感を出したり。空間の広がりと変化のあるデザインにすっかり夢中になりました」

物件の立地にこだわり大幅に予算オーバー

「予算は、貯蓄と支払い能力を鑑みて無理がないと思える金額を設定しました」

ところが思惑とは大きく異なり「物件の購入費を含めると1000万円ほどオーバーしてしまいました。何といっても立地へのこだわりが大きかったですね。どうしてもそこはゆずれなかったので。オーバーしたうちリフォーム代は約200万円です。部屋にドアをつけるのをやめたり、壁面の意匠をあきらめたりして節約したのですが、どうしても予算内におさめることができませんでした」

住んでから気づいた寒さ

無事、リフォームは終わったものの住み始めてから気づいたことがありました。

「寒かったんです。住戸が最上階の角部屋で冬場シンシンと冷えまして。そこで入居後に窓の断熱のために5カ所の窓に内窓を設置してもらいました。それで寒さがかなりやわらぎました」

内窓の設置には約80万円かかりました。これも実質予算オーバーということになります。

また、Nさんは床にウォールナットのむく材を用いていますが、むく材の扱いも気になるところだといいます。

「ちょっと水をこぼしてもシミになるのではと気になって、すぐに拭きます。むく材の特徴だからと割り切ればいいんですけどね」

とはいえ「大好きな空間で好きなことができて、毎日が快適」とリフォーム後の暮らしを楽しんでいます。

これからリフォームをする人に伝えたいこと

「住んでからのことをイメージしておくことが大切です。ずっと快適に過ごすためには断熱は大切。それと経年変化を許容できるかどうか。むく材なんてまさに経年変化によって味わいの出る素材ですから、その変化を想定しておくことです。
リフォームのためにマンションを購入するならできることとできないことを知っておくことも大事。買ってからできないの?とならないように」

NさんのリフォームDATA
リフォーム費用:775万円(当初予算500万円)
工期:3カ月
専用面積:45.20m2
ローン利用:あり(物件購入費30年返済変動金利)
家族構成:本人

スケルトンリフォームを後悔しないための対策

多額の費用をかけて取り組むスケルトンリフォームですから、後悔を残すようなことにはしたくないですね。あらかじめ対策を知っておきましょう。

スケルトンリフォームで後悔しがちなポイント

スケルトンリフォームで後悔しがちなのは主に次の5つです。

1. 思いどおりの仕上がりにならなかった
スケルトンリフォームは一戸建てなら骨組みを残して、マンションなら構造躯体(くたい)を残して内部を全て解体し、イチからやり直します。つまり、何もないところから設計してつくりあげる新築と似ています。
したがって、自分が思っていたような仕上がりにならなかった! ということも起こり得ます。

2. 予算をオーバーした
リフォーム費用は使う材料や設備のグレード、間取りの内容などによって費用が増減します。グレードの高いものを使いすぎて、費用がアップしてしまうということも十分起こり得ます。

3. 担当者とのコミュニケーションがうまくいかなかった
リフォーム会社は営業も設計も同じ人が兼ねている場合が多いので、相性がよくないと、なかなか前に進まないということになりがちです。

4. 会社の技術力に疑問をもった
スケルトンリフォームは家の構造にも関わる工事なので、建築の技術力が要求されます。リフォーム会社によっては設備交換が得意、内装が得意などさまざまな会社があり、スケルトンリフォームの経験がない会社もあります。

5. 思ったほど性能が向上しなかった
一戸建ての場合、スケルトンリフォームは耐震性・断熱性を向上させるよい機会です。しかし、目的を明確にしないと十分に性能が向上しない場合もあります。

スケルトンリフォームで後悔しないための対策

後悔しないためには次のような対策が必要です。

1. 設計図をしっかりチェック
打ち合わせの段階でこちらの要望を伝えると、リフォーム会社は設計図にそれを反映してくれます。その時点で設計図をよく見て仕上がりを想像し、希望が盛り込まれているかを確認しましょう。ここをあいまいにしたまま進めると後悔の元となります。

2. 見積もりの明細をチェック
どんな工事でいくらかかるのかを記したのが見積もりの明細です。総額だけを見て判断するのではなく、工事の名称や材料名、単価などを十分にチェックしましょう。設備などは自分の希望したものがちゃんと取り入れられているかを確認。予算オーバーしていれば、設備のグレードなどを調整します。見積もり段階で調整しておくことが大事です。

3. 担当者と相性がよくない場合は会社変更も
どうしてもイメージを共有できない担当者もいます。その場合は、担当者を変更してもらうか、依頼する会社を再検討しましょう。

4. 会社の実績をチェック
会社のホームページなどで施工実績を見て、大規模リフォームの実績が豊富かチェックしましょう。また、一戸建てが得意なのかマンションが得意なのかも見ておくとよいです。 さらに、建築士の有資格者が在籍しているかどうかもチェックしましょう。

5. どのレベルに性能を上げるのか事前に確認
耐震性や断熱性も公的な性能等級が定められています。どのレベルまで引き上げられるのかは、既存の状態にもよりますが、スケルトンリフォームならかなりのレベルまで可能なはずです。とくに一戸建ての場合は耐震性に注目しましょう。

一般社団法人住宅性能評価・表示協会のサイトが参考になります。

スケルトンリフォームの補助金、減税

スケルトンリフォームは家全体のリフォームだけにさまざまな補助金の対象となる工事があります。その代表的なものが長期優良住宅化リフォームの補助金と性能向上リフォームによる減税制度です。

長期優良住宅化リフォームの補助金

耐震、省エネなどの性能を上げ長期優良住宅(増改築)認定を取得すると最大200万円までの補助金が得られます。
認定が得られない場合でも一定の性能向上が認められると最大100万円まで補助金が得られます(三世代同居対応などで50万円加算あり)。

この制度に登録しているリフォーム会社が申請を行う仕組みなので、リフォーム会社と相談して検討しましょう。

長期優良住宅化リフォームの補助金(2023年度)
補助金額 主な要件
最大200万円 長期優良住宅(増改築)認定
最大100万円 上記認定がなくても一定の性能向上が認められる
※三世代同居対応工事を実施する場合、40歳未満の世帯または子育て世帯がリフォームする場合、中古住宅を購入してリフォームする場合、一次エネルギー消費量を省エネ基準比▲20%とする場合は、いずれも50万円加算。(2023年度の場合)

詳細は以下のサイトをご覧下さい。
長期優良住宅化リフォーム推進事業【総合トップページ】

耐震性や省エネ性を向上させると減税される

一定の要件を満たす耐震リフォームや省エネリフォーム、バリアフリーリフォームなどを行うと所得税および固定資産税が減税になる制度もあります。

例えば耐震リフォームは最大62.5 万円、省エネリフォームも最大62.5万円(太陽光発電を搭載すると最大67.5万円)、バリアフリーリフォームは最大60万円。子育て世帯(19歳未満の子を有する世帯)または夫婦のいずれかが40歳未満の世帯が対面キッチンへの交換などを行う子育てリフォームも最大62.5万円です。

リフォーム減税
リフォームの種類 最大控除額
耐震 62.5万円
バリアフリー 60万円
省エネ 62.5万円(67.5万円※)
三世代同居 62.5万円
長期優良住宅化
(耐震+省エネ+耐久性)
75万円(80万円※)
長期優良住宅化
(耐震or省エネ+耐久性)
62.5万円(67.5万円※)
子育てリフォーム 62.5万円
※カッコ内は太陽光発電を設置する場合
この制度の期限は2025年12月31日
固定資産税の減税
耐震 2分の1減額
バリアフリー 3分の1減額
省エネ 3分の1減額
長期優良住宅化 3分の2減額
この制度の期限は2026年3月31日

スケルトンリフォームの依頼先は実績と技術力で選ぶ

スケルトンリフォームの工事内容は、建築と同じですから、建築の技術に優れた会社に依頼するのが安心です。

会社の見分け方はこれまでの施工実績を見て、大規模リフォームの施工例が多いところから検討するのがよいでしょう。
また、耐震補強や断熱など性能向上リフォームに力を入れているところもスケルトンリフォームの依頼先としてふさわしいです。

さらに担当者と話してみることも大切。
ただこちらの要望を聞いてくれるだけではなく、積極的にアドバイスしてくれるような会社が望ましいでしょう。

まとめ

スケルトンリフォームについて解説してきましたが、いかがでしたでしょうか?

骨組みだけ残して解体し、イチから住まいをつくり上げるスケルトンリフォームは、最も大規模なリフォーム。
それだけに性能の向上や間取り変更などが自由自在にできます。
リフォーム費用も多額になりますが、きちんとした資金計画を行い、技術力の高いリフォーム会社を選んで理想の住まいを実現しましょう。

構成・取材・文/林直樹 監修・試算協力/柏崎文昭(甚五郎設計企画)