キッチン・台所リフォームで背面・壁面収納を増やす方法。リフォーム費用と実例も紹介!

キッチンには食器や家電類などしまっておきたいものがたくさん。
そこで、キッチン・台所リフォームにあたって増やしたいのが収納です。
吊戸棚だけでなく、キッチンの背面を効率よく使って使いやすく取り出しやすい大容量のキッチン収納を確保しましょう。

キッチンリフォームの際に背面・壁面収納を設ける方法と費用の目安を紹介します。

引き出しと、オープンな棚を使い分けたキッチンの背面収納の写真

引き出しと、オープンな棚を使い分けたキッチンの背面収納(写真提供/フレッシュハウス)

記事の目次

キッチンリフォームには背面・壁面収納が欠かせない

キッチン収納といえばすぐ思い浮かぶのが吊戸棚。
以前は多くのキッチンにも吊戸棚が設けられていましたが、最近は対面キッチンにする人が増え、開放感がない、使いにくいといった理由で、吊戸棚を省く人も増えてきました。

それに変わって重宝されるようになったのが、キッチン背面に設置する壁面収納です。

壁面いっぱいを使って大容量の収納を設けられる、引き出しや棚などを自在に組み合わせて、自分が使いやすい収納にできる、などがキッチン背面収納の人気の理由です。

対面キッチン、オープンキッチンが主流になってきた今、キッチンの背面収納は、キッチンリフォームに欠かせないアイテムになったといえるでしょう。

オープンキッチンの写真

家族がコミュニケーションできるオープンキッチンは今や大人気(写真提供/スタイル工房)

キッチンの背面収納は、隠すか見せるかがポイント

収納には隠す収納と見せる収納がありますが、キッチンの背面収納もそれは同じ。

見せる収納は、オープンな棚。隠す収納には扉付きの収納と引き出しタイプがあります。
扉付き収納は比較的サイズの大きいものを、引き出しには背の低いお皿など食器類、スプーン類など整理して効率よくしまいたいものをしまっておきます。

オープンな棚には家電類や普段よく使う鍋やフライパンなどを置いておくと便利です。

隠すと見せる、扉や引き出しを上手に使い分けているのが、優れたキッチン収納といえるでしょう。

棚、扉、引き出しをバランス良く整えたキッチンの背面収納の写真

棚、扉、引き出しをバランス良く整えたキッチンの背面収納(写真提供/スタイル工房)

オープンキッチンかどうかで収納量が変わる

キッチンには壁で囲まれた独立型、壁付けキッチン、対面キッチンなどがあります。
対面キッチンの中でも吊戸棚を設けたセミオープンと、吊戸棚も省いて視線を遮るものがなく、LDKの中で完全にオープンになっているキッチンもあります。
完全なオープンキッチンは、吊戸棚がないので、その分の収納量も背面収納で確保しなければなりません。
収納のサイズもある程度大きいものにして、収納できる量を確保しなければならないでしょう。

パントリーの有無も背面収納の大きさに関係

パントリーはキッチンのそばに設ける食品庫のことですが、これがあるかないかでも背面収納に必要な収納量は変わってきます。

パントリーは半畳~1畳程度のスペースを確保できれば、扉等の造作も不要で、低コストながら大きな収納量が得られる優れものです。

リフォームのプラン時にスペースにゆとりがあれば、ぜひ設けておきたいものです。

パントリーを設ける場合は、背面収納の大きさはパントリーの収納量とのバランスを考慮して考えましょう。

2列型キッチンの奥に設けたパントリーの写真

2列型キッチンの奥に設けたパントリー(写真提供/フレッシュハウス)

手持ちの食器などから必要な収納のサイズや形を推定

収納のサイズや内容を決めるときは、手持ちの食器、家電類、調理器具などがどれくらいあるのかをチェックしましょう。
また、しまうものに応じて、背面収納の形も変わってきます。食器類は引き出しや扉収納の中に、家電類は、引き出して使えるようにするか、カウンターに置いて使えるようにしましょう。調理器具は壁面にぶら下げたり、大きめの引き出しにしまったりするのがよいでしょう。
手持ちの食器類、調理道具をリスト化し、それぞれにどれくらいのスペースが必要か推定してリフォームプランに反映することが大切です。また、この機会に使わなくなっている食器類を処分するのもいいと思います。

キッチンのカウンター収納の画像

(写真/PIXTA)

キッチンの背面・壁面収納の種類とリフォームのポイント

キッチンの背面収納のリフォームは、キッチンメーカーの既製品から選ぶか、造作してもらうのかに大きく分かれます。
以下にそれぞれの特徴を述べているので、自分にはどちらが合っているのかをよく考えて選びましょう。

キッチンリフォーム時はキッチン本体にのみ関心が行きがちですが、収納についても十分、時間をかけて検討することが大切です。

背面・壁面収納はキッチンメーカーの既製品か造作か

キッチンの背面収納を選ぶときは、まずキッチンメーカーの収納ユニットにするか、リフォーム会社に造作してもらうかを選びます。

キッチンメーカーの収納ユニットは、キッチン本体とカラーなどを統一しているのが特徴で、トータルコーディネートができます。また、さまざまなパーツがそろっていて、収納したいものやスペースに合わせて選んで組み合わせができます。リフォーム費用は、組み合わせる内容などによって変わります。

一方、造作の場合は好みの材料を選んで、形やサイズも自由にプランニングできます。リフォーム費用も予算に合わせて、素材などを選び、つくってもらうことができます。いわばオリジナルの収納で、木質感の豊かな仕上げになるのも特徴です。

キッチンメーカーの収納ユニットの画像

キッチンメーカーの収納ユニット(写真提供/クリナップ)

リフォーム会社の造作壁面収納の写真

リフォーム会社の造作壁面収納(写真提供/優建築工房)

食器収納の奥行きは45cm程度が出し入れしやすい

キッチンの背面収納はサイズも大事です。
中でも奥行きは出し入れしやすいサイズにすることが大事で、奥行きが深すぎると出し入れしにくいので、45cm程度にしておくとちょうどよいでしょう。

奥行きが深すぎると人が通る際にも、窮屈な感じになります。ただスペースに余裕があれば、奥行き60cm程度のものと45cm程度のものを適宜、組み合わせて用いるのもよいでしょう。

スペースが狭い場合の収納扉は引き戸式に

引き戸のいいところは、開けたときにスペースをとらないところ。狭いキッチンでは便利です。また、開け放しておけるので、料理中や片付けるときにも扉がじゃまになりません。

大容量の収納でも下記のように大型の引き戸を設けると、中のものがひと目で見渡せるというメリットも。

引き戸を用いた収納ユニットの写真

引き戸を用いた収納ユニット(写真提供/クリナップ)

家電類の収納はスライド式が使いやすい

炊飯器や湯沸かし器などを置く棚はスライド式になっていると、手前に引き出して操作できるので便利です。
最近は蒸気排出機能がついていて、炊飯中などはしまっておけるタイプが増えています。

スライド式の棚になっている家電置き場の写真

スライド式の棚になっている家電置き場(写真提供/クリナップ)

キッチンのコーナー部を収納として活用する

キッチンメーカーの収納ユニットには、デッドスペースになりがちなコーナー部を有効に活かすユニットも用意されています。

無駄なくスペースを使って、食品ストックなどをしまう場所を増やせます。

キッチンのコーナー部を活かせる収納ユニット

キッチンのコーナー部を活かせる収納ユニット

キッチンのコーナー部を活かせる収納ユニット(写真提供/LIXIL(リクシル))

収納の中の棚は可動式が便利

キッチンの収納内部の棚はしまうものに合わせて高さを調節できるものが便利。キッチンメーカーのものでは、3cmや6cmピッチで棚板を動かせるものが用意されています。しまう食器などの高さに合わせて、適切な高さに調節できます。

6cm刻みで高さを調節できる食器棚の画像

6cm刻みで高さを調節できる食器棚(写真提供/LIXIL(リクシル))

ゴミ箱も収納して見えなくする

ゴミ箱の収納場所もキッチンの背面収納にさっとしまえたら便利。キッチンメーカーの収納ユニットにはゴミ箱収納用のユニットも用意されています。ニオイがもれにくいボックスに入れて、収納ユニットの中にしまいこんでしまえば、外からは見えなくなります。

キッチン収納ユニットのゴミ箱収納の写真

ゴミも分別してボックスにしまい、収納ユニットに格納できる(写真提供/LIXIL(リクシル))

コンセントの位置と数に注意する

キッチンでは炊飯器や湯沸かし器、コーヒーメーカー、電子レンジ、オーブンなど常時コンセントにつないでおきたいものから、ミキサーやフードプロセッサー、ホームベーカーリーなど使うときだけコンセントに差し込むものまで、多くの家電類が使われます。
置き場所も背面収納の中、カウンターの上、キッチン本体の上などさまざま。適切な位置に適切な数のコンセントを用意しておきましょう。コンセントの位置と数に注意する

キッチンメーカーの収納ユニットを選ぶときはコンセントの数や位置を確認、必要なら増やすことも検討しましょう。収納を造作するときは、設計するときにコンセントの数と位置をリフォーム会社と相談して決めましょう。

既製品の背面・壁面収納のリフォーム費用と実例

既製品の背面・壁面収納は、主にキッチンメーカーが販売している収納ユニットを指します。
システムキッチン本体と同時に開発しているので、扉材などが共通でシステムキッチンとデザインが統一されています。
キッチンメーカーの収納ユニットは、さまざまなパーツから成り、スペースや必要に応じて選び、組み合わせることができます。それだけに価格は、パーツの組み合わせ次第で変わります。

さまざまなパーツを組み合わせて構成するLIXIL「リシェルSI 」の収納ユニットの写真

さまざまなパーツを組み合わせて構成するLIXIL「リシェルSI」の収納ユニット(写真提供LIXIL(リクシル))

扉材のグレードが費用に大きく影響する

システムキッチンも同じですが、メーカーは扉材にいくつかのグレードを用意しています。
例えばLIXIL(リクシル)の「リシェルSI」では7段階の扉材を用意。

幅90cm、高さ235cm、奥行き45cmのカップボードでは約20万円~60万円の価格設定になっています。
一番低いグレードの扉と一番高いグレードの扉では約40万円の価格差があります。

扉グレード 価格
グループ1 19万8000円
グループ2 24万4200円
グループ3 28万7100円
グループ4 34万2100円
グループ5 37万9500円
グループ6 42万6800円
グループ7 59万9500円
取り付け費などを除く製品価格。LIXIL(リクシル)「リシェルSI」カタログより。2022年1月時点

幅90cm、高さ235cm、奥行き45cmのカップボードの画像

幅90cm、高さ235cm、奥行き45cmのカップボード(写真提供/LIXIL(リクシル))

既製品を使った背面・壁面収納のリフォーム実例

白い扉でシステムキッチンと収納を統一

対面式キッチンの背面に引き出しを中心としたカウンター収納を配置。カウンターは物置台とともに調理の作業台にもなります。ゴミ箱はキャスターでカウンター下部に収納。奥にはパントリーも設けました。

リフォーム費用:155万円(概算)
リフォーム箇所:キッチン(システムキッチン、背面収納含む)
採用設備:LIXIL(リクシル)「アレスタ」
設計・施工:アクアラボ

システムキッチンとカウンターの高さを揃えた背面のカウンター収納の写真

システムキッチンとカウンターの高さを揃えた背面のカウンター収納(写真提供/アクアラボ)

シックな茶系で統一したキッチンと収納

壁付けだったキッチンを対面型のオープンキッチンに変更。背面にはシステムキッチンと同シリーズの収納ユニットを設置しました。下部は引き出し、カウンターを挟んで上部は扉のついた収納としています。収納量もたっぷりです。

リフォーム費用:350万円(概算)
リフォーム箇所:キッチン(システムキッチン、背面収納含む)
採用設備:トクラス「Berry(ベリー)」
設計・施工:JS Reform(日本総合住生活)

茶系の扉で統一したシステムキッチンと背面収納の写真

茶系の扉で統一したシステムキッチンと背面収納(写真提供/JS Reform(日本総合住生活)

キッチンの背面・壁面収納の既製品はパーツの仕様が費用に影響

キッチンの背面収納の既製品は、さまざまなパーツの組み合わせですから、どんなパーツを選ぶかでもリフォーム費用が変わります。
扉がつくかつかないか、引き出しか扉タイプか、など仕様によって費用が変わります。
カタログで十分、組み合わせを検討し、欲しいものの組み合わせがいくらになるのかを計算しましょう。

なおカタログに記載されている価格は、希望小売価格です。実際のリフォームで購入する価格はそれより安くなるのが一般的です。
とはいえ取り付け費など工事費がそれに加わりますから、実際にかかるリフォーム費用は、リフォーム会社から見積もりをとって確認しましょう。

造作の背面・壁面収納のリフォーム費用と実例

造作収納は、リフォーム会社にイチからつくってもらう収納です。
予算に応じてつくってもらえるのが特徴で、素材は合板から、集成材やむく材まで。
サイズや形など仕様も自由に選べます。

キッチンリフォーム時にリフォーム会社と相談しながら、自分にぴったりの収納をプランニングしてもらいましょう。
リフォーム会社によってはキッチン本体も造作でつくってもらえる場合もあります。
その場合は、より統一感のあるキッチン本体と収納に仕上げてもらえるでしょう。

下部のカウンターはステンレス張りにしてパンをこねる台とした造作収納の写真

背面収納下部のカウンターはステンレス張りにしてパンをこねる台とした造作収納(写真提供/優建築工房)

造作のキッチン収納はオープンな棚だけなら費用が安く済む

キッチン収納を造作する場合に、最も安くできるのがオープンな棚だけの収納です。扉もなく、引き出しもないので、造作の手間がかかりません。材料費も安くなります。
リフォーム費用を低く抑えたいなら、キッチン収納はオープンな部分をなるべく多くして、最低限必要なところに扉をつけるのがよいでしょう。扉がなくても、カーテンで覆うだけでもホコリなどが防げます。 予算に応じてリフォーム会社に相談しましょう。

オープンな食器棚の写真

(写真/PIXTA)

造作のキッチン収納は素材で費用が変わる

造作のキッチン収納は素材も自由に選べます。比較的多いのは集成材で、むくの角材を接着して1枚の板にしたものです。合板と比べるとやや材料費がかかります。
オープンな棚にかかる費用を合板と集成材で比べたのが次の表です。

合板と集成材の棚、費用の相場
材料 サイズ 費用の相場
合板 高さ2.3m、幅1.8m、奥行き約30cm 約15万円~20万円
高さ2.3m、幅3m、奥行き約30cm 約25万円~30万円
集成材 高さ2.3m、幅1.8m、奥行き約30cm 約20万円~25万円
高さ2.3m、幅3m、奥行き約30cm 約30万円~35万円

合板と集成材では見た目のテイストも異なりますので、実際に現物を見て判断するのがよいでしょう。

収納を造作したキッチンリフォームの実例

ラワン合板で造作したキッチンの背面収納。引き出しと棚で構成され、高さを抑えて家電類を置いて使えるようにしています。上部にはオープンな棚もしつらえました。

リフォーム費用:50万円(概算)
リフォーム箇所:システムキッチンとキッチンの背面収納(造作)
設計・施工:ハコリノベ

ラワン合板に塗装をしたキッチンの背面収納の写真

ラワン合板に塗装をしたキッチンの背面収納(写真提供/ハコリノベ)

ヒノキやゴム集成材を用いたキッチン収納

お気に入りの店のディスプレーを再現したというキッチンの背面収納。
素材はヒノキの柱にゴム集成材の棚板を使用したオープンなつくりで、自然塗料で仕上げています。
収納とインテリアを兼ねたおしゃれな空間になりました。

リフォーム費用:150万円(概算)
リフォーム箇所:造作キッチンと造作収納
設計・施工:SCHOOL BUS|スクールバス空間設

木製のオープンな背面収納を設けたキッチンの写真

木製のオープンな背面収納を設けたキッチン(写真提供/SCHOOL BUS|スクールバス空間設計)

まとめ

キッチンの背面収納について述べてきましたが、いかがでしたでしょうか?

背面収納には、キッチンメーカーがキッチンに合わせてつくった既製品の収納ユニットとリフォーム会社が造作でつくる方法の2種類があります。
それぞれ特徴があるので、自分に合っているのはどちらなのかをよく考えてみましょう。

いずれも単体の食器棚などを設置するのとは違って、キッチンのリフォームプランに合わせて、適切な収納計画を行った上で設けることが大切です。
リフォーム会社にも既製品を合わせるのが得意な会社と造作が得意な会社があります。
事前にその会社の施工事例を見て、それを見極めることが大切です。

構成・取材・文/林直樹