無垢(むく)ってなに? 表情豊かな無垢フローリング4種

無垢(ムク)ってなに? 表情豊かな無垢フローリング4種

 

木目の美しさや温かみを素材そのままに近い状態で堪能できる「無垢材(むくざい)」。デザインだけでなく、素材にもこだわりをもつ方を中心に人気です。今回は無垢材の基本的な知識と、美しい無垢フローリング材を4種類ご紹介。床リフォームのイメージの参考にしてくださいね。

 

無垢ってどういうもの?

そもそも「無垢」とはなにを指すのでしょうか? 「無垢」とは「垢が無い」こと、転じて「混じりもののない、素材そのもの」のこと。 無垢材(単層フローリング)とは、切り出した木材の一枚板を加工した床材のことです。一方、複合フローリングは、合板や集成材に薄く削った天然木を貼り合わせたり、木目のプリントシートを貼り合わせたものです。

どちらが良いということではなく、それぞれにメリット・デメリットがあります。無垢フローリングの魅力や注意したいことを紹介していきます。

 

無垢フローリングの魅力

無垢フローリングの魅力は、木そのものの魅力がそのまま受け継がれていることです。

 

重厚感と無垢独特の豊かな表情
ひとつとして同じ模様がない無垢材は、本物の木材がもつ存在感があります。生命力を感じる木目、節の大きさ、微妙な色合いなど、豊かな表情が安らぎをもたらしてくれます。

 

ぬくもりと高い調湿性
無垢フローリングは保温性や断熱性に優れており、素足で歩くとほんのりあたたかく感じます。 また、乾燥すると水分を外部に発散し、湿度が高いと水分を吸収する特性をもち、夏はべたつかず、冬は静電気を抑えてくれます。

 

年数を経ることで、より美しく
無垢材は丈夫で耐久年数が長く、使い込まれるほどに風合いが豊かになっていく素材です。品質・性能が低下する「経年劣化」ではなく、アンティークのような味わいが出てくる「経年変化」を楽しめます。

 

身体に優しい
無垢材は有害なホルムアルデヒトを含む接着剤の使用がない、もしくは少量です。ホルムアルデヒドが引き起こすアレルギーやアトピー、シックハウス症候群の心配が軽減されるケースもあります。

 

無垢フローリングの注意点

魅力いっぱいの無垢フローリングですが、注意点もあります。

 

反りや割れの可能性
湿度の変化で膨張と収縮を繰り返すため、状況によっては反りや割れが生じることも。しかし近年では、耐久性や寸法安定性を高める特殊加熱処理がされた商品もあります。床暖房などを設置する場合は、事前に施工業者とよく相談するようにしましょう。

 

価格
合板などとくらべ、導入コストは高めです。ただし、無垢フローリングは寿命が長いので、長い目で見れば経済的ともいえます。また、グレードや木種によって価格帯はさまざまです。

 

メンテナンス
使うほどに味わいを増す無垢材は、素材や塗装に合わせたメンテナンスが欠かせません。逆に考えると、一度傷つくと修復が難しい合板などとくらべ、塗装の状態により、傷の修復などのメンテナンスができることはメリットともいえます。

 

無垢フローリングの魅力その1:ウォールナット

家具や建材に使用される「ウォールナット(またはウォルナット)」はクルミ科の木材で、一般に「ブラックウォールナット」のことをいいます。ウォールナットの美しさはその重厚感にあり、流れるような繊細な木目と落ち着いた色合いが見事です。磨くと輝くような美しさを放ちます。非常に硬い木材で、寸法の変化が少なく、耐久性・衝撃性に優れ、チーク(楢(ナラ))やマホガニーにならぶ最高級木材です。


●参考価格(工事費別): 4万7500円/㎡(オスモ&エーデル株式会社)

 

ウォールナット

【画像1】ウォールナット(画像提供:オスモ&エーデル株式会社)

 

無垢フローリングの魅力その2:マホガニー

一般的に「マホガニー」と呼ばれているのは正式名称「ホンジュラスマホガニー」で、現在はワシントン条約で伐採禁止となっている銘木です。「ホンジュラスマホガニー」が入手できなくなったことで、同種の木材「アフリカンマホガニー」が主な代替として利用されています。茶褐色の中に赤やオレンジの美しいグラデーションがあり、光が当たると浮き上がる縞模様が特徴です。「黄金の木」「赤い黄金」などの異名をもち、ウォールナットと比べ女性的な雰囲気があるといわれています。 乾燥による反りや摩耗に強く、腐敗しにくい木材です。


●参考価格(工事費別): 1万6400円/㎡(住友林業ホームテック株式会社)

 

マホガニー

【画像2】マホガニー(画像提供:住友林業ホームテック株式会社)

 

無垢フローリングの魅力その3:チーク

チークは木に油性分が高く耐水性に優れており、また寸法安定性が高い木材です。施工直後の色合いは多少不ぞろいな場合もありますが、年月とともに輝くような飴色に変化し、味わい深い風格が出てきます。天然チーク材は希少な高級木材ですが、高品質の植林チークも多く出回っており、伐採した残木はエコロジー建材としても注目されています。


●参考価格(工事費別): 1万900円/㎡(株式会社ナカムラ・コーポレーション)

 

チーク

【画像3】チーク(画像提供:株式会社 ナカムラ・コーポレーション)

 

無垢フローリングの魅力その4:バンブー

全国に生育するバンブー(竹)は、日本ではとても身近な存在。無垢材としては清潔感のある直線的な模様や、しなやかさが魅力です。反りや伸縮が少ないため寸法安定性が高く、また、熱が伝わりやすい特性があるため、冬に床暖房使用する部屋にもオススメの床材といえます。一方、夏場は高い調湿効果で、暑さを和らげてくれる効果もあります。


●参考価格(工事費別): 1万6700円/㎡(株式会社ナカムラ・コーポレーション)

 

バンブー

【画像4】バンブー(画像提供: 株式会社ナカムラ・コーポレーション)

 

まとめ

無垢材はそれぞれの木種に異なる美しさがあり、奥深い魅力をもっています。コスト面はもちろんですが、色合い・塗装・木目の好み、設置場所などを考慮に入れながら、部屋にぴったりの無垢フローリングを見つけてくださいね。


※無垢材の価格は同じ木種でもグレードによって幅があります。掲載の価格はあくまで目安のものです。

 

●取材協力

・オスモ & エーデル株式会社

・住友林業ホームテック株式会社

・株式会社ナカムラ・コーポレーション