モデルルームが既にアトラクションと化していた!?
マンション購入の道のりは、その物件を構成する要素をピックアップし、自分が何を重視するか、優先順位を決めて比較検討することから始まる。要素は実に多様だ。駅からの距離、住環境、価格、広さ、間取り、方角、階数、眺望…などに始まり、そこに加えて、共用施設・サービスの充実度、防災力、デザインなどが続く。
しかし、パークタワー晴海の場合、上記の一般的な選択基準にはない、圧倒的な“特徴”が存在する。外構にアミューズメント施設のような仕様がふんだんに盛り込まれているのだ。
2017年にオープンしたモデルルームからして、多くの来場者を笑顔にさせた。なかでも評判だったのが、マンションの魅力をダイジェストで紹介するショートムービーだ。場面に応じて座席自体が動くため、すべての視聴者はシートベルトを装着。ムービーの内容はパークタワー晴海のイメージキャラクターであるくじらの背中に乗って、晴海の上空やマンション内外の共用施設をスピード感たっぷりに巡るというものだった。そのリアルな感覚は「ほとんどアトラクション!」と称された。
取材に応じていただいた管理組合理事長のKさんも、モデルルームで受けたインパクトは大きかったと話す。
「パークタワー晴海の購入を検討し始めた理由は、広くて車道と完全に分離された安全な歩道や、豊かな緑、水が身近な住環境が整っていたことでした。でも、モデルルームに行って『これは子どもだけではなく、大人も心豊かになれるマンションだ』と実感しましたね。夫婦で購入をほぼ即決しました」(Kさん。以下コメント同じ)
個性的な5つのゾーンが連なる敷地内庭園を探索!
Kさんファミリーに、敷地内庭園を案内していただいた。マンションの周囲をぐるりと囲む庭園はおよそ1万2000㎡で、5つのゾーンに分かれている。
まずは「グリーティングゾーン」(記事トップの写真参照)。マンションのメインエントランスだ。中央にトネリコの大樹がそびえ、その後ろに大階段、イメージキャラクターであるくじらの尾ひれをモチーフにしたデザインの“くじらテラス”がある。豊富に植栽を配したアプローチが広がり、リゾートホテルを訪れたような気分になる。
続いて“冒険の森”“妖精の小路”“水憩テラス”がある「アトラクティブゾーン」へ。子どもたちが安心して水遊びができるじゃぶじゃぶ池や、水のカーテンの背後に回り込める滝・ジャーニーケープ、半円の形がユーモラスなとりで橋などがある一方、さまざまな種類のどんぐりの木をはじめとする植栽も豊富。思わず駆け回りたくなる場所だ。
「子どもといろんな種類のどんぐりを集めてコンプリートしよう!などと遊んでいます。また、妖精の小路には、間欠泉のように定期的にミストが噴き出す仕掛けもあるんですよ」
敷地内で宿泊キャンプ、焚火…本格アウトドアもOK
お次は隣の「フレンドシップゾーン」。シンボルツリーの巨大なオリーブの木から大きな滑り台が延びている。木の周囲には“キッチンガーデン”と名付けられた家庭菜園も。
「全部で25区画あり、月額使用料5000円で、最長2年まで借りられます。これが大人気の施設で抽選待ちの方が非常に多いんですよ」
見てみると巨大な茄子やししとうなど、夏野菜がしっかりと実っていた。都心でこんなに立派な農作物がつくれるのは驚きだ。
少し歩くとスノーピーク製のテントやバーベキューセットを使える“暖憩テラス”。宿泊キャンプや焚火も可能な本格アウトドア体験ができるのは、都心立地のタワ―マンションでは初めてとのこと。
「“ファイヤーリビング”も珍しい設備だと思います。これもスノーピークが携わっているもので、燃料はバイオエタノール。要は巨大なアルコールランプなのだそうです。コロナ禍終息への希望の光、といった位置づけの催しとして、2021年6月22日から毎週土日と祝日に火を熾しています。私もたまに家族と見に来ますよ。蒼く揺らめく炎を眺めているだけで心が落ち着きます」
さらに足を運ぶと四季折々の花が楽しめる「ピースフルゾーン」に。春夏に咲くヒュウガミズキやラベンダー、サルスベリ、秋冬に咲くヤマハギ、ツワブキなどをはじめとする多彩な花木、実のなる木が植えられている。
「植栽配置が工夫されていて、春夏に咲く花木を見ながら歩く“春夏の小路”、秋から冬にかけて見ごろになる植栽の間を通る“秋冬の小路”と2本のルートがつくられています。なので春夏秋冬、いつでも私たちの目を楽しませてくれるというわけです」
そして最後の5番目は、これもマンションでは希少な、本格的スポーツ施設を中心とする「ブライトゾーン」。バスケットボールやフットサルができる屋外コート、ショートトラックもある“アクティブパーク”、ボーネルンドがプロデュースした遊具がそろう“キッズフィールド”などがある。好天に恵まれたこの日は親子で大にぎわいだった。
「コロナ禍でお出かけ自粛が叫ばれてきましたが、このマンションでは、それぞれのゾーンにいろいろな施設があるので、外出しなくても親子で十分楽しむことができます。また、お子さん同士だけでも敷地内で安全に遊べるのも安心ですね」
住人の心に響く「優しいマナー啓発」の取り組み
というわけで、初めて訪れた筆者には驚きの連続だったアクティビティが整っているパークタワー晴海。この恵まれた環境を快適に利用してもらうため、管理組合はさまざまな活動に取り組んでいる。特にユニークなのが、住人向けの啓発だ。
「通常、マンションの共用部分で何らかのトラブル、例えば、ゴミのポイ捨てが増えてきた、共用のレンタサイクルが乱暴に使われたために壊れてしまった、などの問題が発生した場合、対策として『ゴミを捨てないでください』『共用物を乱暴に扱わないでください』といったトーンの告知を掲示板やエレベーター内に貼ったり、理事会便りに載せたりすることが多いですよね。そうしたメッセージには、もちろん注意喚起の効果はあるわけですが、半面、ゴミをポイ捨てする人、レンタサイクルをぞんざいに扱う人が同じマンションに住んでいると知らせることにもなるため、何となくネガティブな気分になる人も少なくないと思うんです」
確かにそのとおりである。
「もっと優しい言い方で、なおかつ、効果的に喚起できないものか――そこで理事会で出てきた意見をまとめ、2021年5月につくりあげたのがこの張り紙でした」
なるほど、ありがちな「○○してはいけません!」的な内容ではなく、読んだ人の心情に届くようなシンプルなメッセージである。
「また、ここは1000戸超の大規模マンションで、外国籍の方も多く暮らしているため、多言語対応も意識して、英語、中国語の併記、わかりやすいピクトグラムも使いました。住人の皆さんからは好評をいただいています」
筆者はこれを見て、近年トイレ内でよく見かけるようになった「いつもきれいに使っていただき、ありがとうございます」の文言を思い出した。心理学用語の「ピグマリオン効果」を活用した、利用者へのマナー啓発だ。アメリカの教育心理学者、ロバート・ローゼンタールが提唱したもので「他者からの期待により、仕事や学習などの能力が通常よりも向上する効果」である。ほかのマンションにもこれに近い考え方の掲示物が広がれば、マンション暮らしは、もっと気持ちよく、快適になるのではないか。パークタワー晴海の取り組みはそんな期待を抱かせた。
豊富なバス便と多様な商業施設に満足
さて、話を変えて、今度は住み心地について聞いてみた。Kさんのお住まいは中層階。眺望は抜群だが、北向きだという
「以前の住まいは南東向きで日当たりは確かに良かったのですが、日が差し込み過ぎると室内が熱くなってカーテンを閉めることもありました。一方、今の家は直接日が入るわけではないものの、中層階で外から誰かに見られる心配は一切ないので、カーテンを閉めることはなく、朝昼晩、いつでも眺望を楽しむことができます。また、北に位置する我が家から見える対象物は順光で、晴れた日には常に日が当たっているので、とてもきれいに見える。これは、ここに住み始めてから発見したメリットでしたね」
では、足まわりの利便性はどうだろう。最寄りは東京メトロ有楽町線・都営大江戸線月島駅で徒歩12分。ほかに東京メトロ有楽町線豊洲駅、都営大江戸線勝どき駅も使えるが、いずれも徒歩15分と、やや遠めだ。
「ここはバス便がとても便利なんですよ。私は通勤時にマンションのシャトルバスを使います。出勤時間帯に月島と銀座の2方面に出ていて、20-30分に1本の割合。バス下車後に地下鉄に乗って職場へ向かうというルートで、ストレスを感じません。ほかにもマンションのすぐ近くで発着する、日本橋、東京駅、有楽町、東銀座方面に向かう晴海ライナーや、虎ノ門、新橋方面に向かう東京BRT、さらに東京駅方面に向かう都バスも使えます。ここに住み始めてからは、本当にバス移動が増えましたね。また、休日、家族で銀座、日本橋などに行くとき、天気が良ければ自転車で向かうこともあります」
さらに買い物の選択肢も豊富ですよ、とKさん。
「都心方面は、銀座、日本橋、有楽町など充実していますし、この辺りもららぽーと豊洲や有明ガーデン、晴海トリトン、さらに月島のローカルなスーパーなど、高級品からリーズナブルな生鮮食品までいろいろなアイテムをそろえることができます」
冬の外構イルミネーションを晴海の風物詩に育てたい
パークタワー晴海の入居が始まったのは2019年の7月上旬。そのほぼ半年後には、誰も予期しなかったコロナ禍によって、管理組合は共用施設の運用の見直しを迫られた。
「当初は全面的に共用施設をクローズしていましたが、徐々に緩和する方針に変えていきました。ただ、言うまでもなく感染対策には万全を期したい。そこで、要予約・予約不要にかかわらずすべての共用施設の使用者情報把握のため、代表者の部屋番号、連絡先、使用時間帯、利用人数などを申告していただき、『許可証』を発行する仕組みをつくりました。これで万が一のときに対応しやすくなったんです。今では皆さん慣れてきたようで、ご協力いただけています」
独自の世界観に惹かれて購入を決めた住人が多いと思われることから、管理組合の活動に協力的な人が多いのかもしれない。そうした意識は、マンション防災の面でも見られるという。
「2020年11月、コロナの状況下でしたが、マンションで最初となる防災訓練を行ったところ、かなり参加率が高かったんです。訓練に協力してくださった中央区の担当者が驚いていたのは防災アンケートの回答率の高さ。通常は多くても3割程度だが、ここは5割を上回っており、稀に見る数字だったそうなんですね。しかも回答者のおよそ3割は、万が一の災害時に何らかのお手伝い、例えば安否確認、お年寄り、身体の不自由な方の介護、通訳、さらに最多の回答として『何でもいいからやります』といった意思表示をしてくださいました。非常にうれしく、頼もしく感じましたね。2020年末には防災マニュアルを作成し、全戸に配布済みです」
住人の意識だけでなく、マンションのハード自体も災害に強い設計だ。採用されているのは、免振×連結制振「DFSハイブリッド構造」。免震だけでは対応できなかった長周期地震動や風揺れの低減効果を発揮するうえ、低層階だけでなく高層階の揺れも軽減する。この構造も決め手のひとつになって、購入を決めた住人も多いそうだ。
パークタワー晴海が竣工しておよそ2年半。そのうち半分以上はコロナ禍に見舞われていることになるが、コロナに負けじと2021年11月上旬から2022年2月14日までの予定で、2回目の開催となるイルミネーション点灯が行われる。
「数人の理事と管理会社、専門業者が協働して取り組んでおり、イルミネーションの光がマンションの外構をほぼ一周する計画です。基調のカラーは前回に続いて青。イメージキャラクターのくじらが泳ぐ海の青からイメージしています」
これからも毎年続けて、晴海の冬の風物詩に育てていきたいですねと話すKさん。定着すればパークタワー晴海の魅力は、より強く発信されるだろう。都心有数のタワマン集積地・晴海において、さらに存在感のある住まいになりそうだ。
※2021 年のイベント開催、共用施設の使用は取材時のものであり、上記の通りではない可能性もあります。