劇場都市にそびえ立つ東池袋駅直結の三角タワー

エアライズタワーの外観

物件名:
エアライズタワー
所在地:
東京都江豊島区
竣工年:
2007年
総戸数:
555戸

サンシャインシティまで地下道で行き来可能

再開発ラッシュで街が大きく様変わりしている池袋エリア。「東京芸術劇場」をはじめとする既存の施設に加えて「ハレザ池袋」「GLOBAL RING」などの劇場やイベントホール、映画館が続々と新設され、劇場都市として名をはせている。

一方で、公園の整備も進み、憩いの場が増えている。「南池袋公園」「イケ・サンパーク」の愛称で親しまれる「としまみどりの防災公園」などにはカフェも併設され、休日訪れると家族連れでにぎやかだ。
ちなみに、野外劇場の「GLOBAL RING」があるのは池袋西口公園内。劇場型公園というスタイルはいかにも池袋らしい。

そんなエリアにはタワーマンションも多く建設されている。今回、訪ねたのは東京メトロ有楽町線東池袋駅直結の複合施設「ライズシティ池袋」の一角に立つ「エアライズタワー」だ。

取材に対応してくださったのは、エアライズタワーの管理組合である「ライズシティ池袋住宅管理組合」理事長の佐野修さんと「ライズシティ池袋全体管理組合」副理事長、Nさんのお二方だ。
竣工当時からこのマンションに暮らすお二方にまずは住み心地から伺ってみた。

「東池袋直結というのは住むうえでも大きなメリットですね。雨の日も傘なしで駅に行けるので、フットワークが軽くなります。特にありがたいのは、『サンシャインシティ』と地下道でつながっている点ですね。飲食店がたくさんあって、ベーカリーやワインショップなどもそろっている。ショッピングも楽しめますし、水族館までありますから。豊島区役所も地下道で行けるので、なにか手続きするときも便利ですね」
と佐野さん。Nさんもうなずいて言う。
「『東京芸術劇場』のクラシックコンサートを聞きに行ったとき、終わってみると土砂降りの雨だったことがあるんです。でも、劇場と池袋駅は地下でつながり、このマンションも東池袋駅直結ですから、雨にぬれずに帰って来られました」

すぐ近くには都電荒川線の東池袋4丁目停留場があり、ここも地下道で行けるそうだ。
「都電を使えば、終点の早稲田までは10分ほど。私のオフィスが王子にあるので、通勤に利用しています。家々の軒先をガタゴト走る風景はどこかのどかで、乗っていても癒されます」(Nさん)

複合施設内という立地も便利だとお二人は口をそろえる。
「ミニスーパー、コンビニ、ドラッグストア、飲食店、さらにクリニックもあり、日常生活はほぼ敷地内で事足ります」(佐野さん)
「隣に立つ『ライズアリーナビル』に豊島区中央図書館が入っているのがありがたいですね。図書館の入口は、マンションの地下エントランスを出るとすぐ目の前。自分の書庫代わりに使っています。また、同じライズアリーナビルには劇場の『あうるすぽっと』も入っていて、さまざまな舞台公演が行われています。『サンシャインシティ』にも劇場がありますから、演劇好きの方には楽しい環境だと思います」(Nさん)

エアライズタワーのビューラウンジからの眺望

26階のビューラウンジからの眺望。中央に見える一直線のグリーン大通りが池袋駅東口へと続く。歩いても10分ほどの近さだ

エアライズタワーの地下エントランスを出たところにある商店

地下のエントランスを出ると、ミニスーパー、ドラッグストア、コンビニエンスストアなどが並び、さっと買い物を済ませられる

「サンシャインシティ」へと続く地下道

「サンシャインシティ」へと続く地下道。雨の日も傘なしで食事や買い物を楽しめる(撮影/SUUMO編集部)

エアライズタワー住宅管理組合理事長の佐野さん

佐野さんは住宅管理組合の理事長のほか、全体管理組合の理事、長期修繕分科会の副会長、理事長会の委員も兼任している(撮影/SUUMO編集部)

エアライズタワー住宅管理組合理事長の佐野さん

生活の利便性はまさに申し分なしといったところだが、このマンションの魅力はそれだけではないという。
まず注目すべきはタワーのフォルムだ。
「このマンションは三角形の独特の形状をしています。外に面した3辺のうち、住戸が並ぶのは南西と南東の2面だけ。つまり、一般的なタワーマンションと異なり、北向きの住戸が存在しないのです。日当たりや採光を考慮した設計にといえるでしょう」(Nさん)

加えて、特徴的なのは工法にスケルトン・インフィルが採用されている点である。スケルトン・インフィルとは構造駆体(スケルトン)と住戸内の内装部分(インフィル)を分離した工法のこと。二重天井・二重床の設計が基本で、パイプスペースも住戸外に設けられるため、管理規約に準じていれば部屋の間取りはもちろん、水まわりの位置まで大胆に動かすことができる。
「スケルトン・インフィル工法は各階の階高がかさむため、同じ高さの建物でも総階数が少なくなってしまいます。マンションを販売する場合、1戸でも多く住戸をつくったほうが利益は上がりますから、良さは分かっていてもなかなか採用されにくいようです。まして超高層で本格的にこの工法を採用するケースはそれほど多くないと聞いています」(Nさん)

リノベーションの自由度が高ければ、ライフスタイルの変化に柔軟に対応できるため長く住み続けられる。中古市場においても付加価値の一つになるだろう。

北東側から眺めたエアライズタワーの外観

北東側から眺めたエアライズタワー。三角形の形状をしていることがわかる。右側に立つのがライズアリーナビル。南西と南東に配置された住戸は隣接する建物の影響を受けることもない

さらにもう一つ、構造による利点として挙げられたのが、三角形の建物の中心部分を貫く吹き抜けだ。開放型の共用廊下はこの吹き抜けを取り囲むように巡らされている。

「最近のタワーマンションは内廊下が主流で、『外廊下は高級感がない』なんて言われますが、実は防災面では大きなメリットがあるんです。例えば、火災など万が一のとき、共用廊下に出れば回遊式なので上下階の様子がわかり、声も届くので伝達も早い。かつて誤って非常ベルが押されたときには、共用廊下に出てきた人たちが間違いだったことを上下階に伝え合っていました。また、外廊下は外気と接しているのでコロナ禍の不安も軽減されるように思いますね」(佐野さん)

エアライズタワーの地下から見上げた吹き抜け

地下から見上げた吹き抜け。この構造によって共用廊下の明るさも確保されている

夜景を満喫できる2タイプの共用バスルーム

タワーマンションといえば充実した共用施設が魅力だが、このマンションも同様だ。フィットネスルーム、2室のゲストルームなどが設けられ、マンションライフを豊かにしているという。

なかでも、住人の自慢のタネになっているのが共用バスルームだ。大規模マンションでは入浴施設を設けた物件を見かけることは少なくないが、このマンションの場合、いわゆる共同浴場スタイルではなく、1時間500円で占有利用できるのがポイントだ。
バスルームはそれぞれ趣向が凝らされ、木の香りが清々しい檜風呂、露天風呂気分が味わえる岩風呂の2タイプ。
「私もたまに利用しますが、気分によって使い分けができて家のお風呂より快適ですね。池袋駅方面に向かって窓があるので、高層ビルが立ち並ぶ都心の夜景も満喫できるんです」(佐野さん)
もちろん、貸切りだから人目を気にする必要はなし。リフレッシュするにはもってこいだろう。

さらに、完全防音ルームをなんと全4室完備。そのうち1室はシアタールーム、3室は防音ルームとして楽器やカラオケの練習に利用されているそうだ。

「あまり使われていない施設については、転用も検討していく方針です。例えば、竣工から11年目にはビューラウンジの横にあるリラクゼーションルーム3室のうち、2室を自習室に変更しました。リモートワークが普及するなか、活用する方は増えていくと思いますね」(佐野さん)

エアライズタワーの共用バスルーム

檜風呂の共用バスルーム。壁や天井も檜張りで、清々しい森林の香りに癒される

エアライズタワーの岩風呂

岩風呂はゴツゴツした岩を積み上げて浴槽に。露天風呂の雰囲気が味わえる

エアライズタワーのシアタールーム

シアタールーム。映画鑑賞はもちろん、音楽を聴いたりと多目的に活躍している。ほかに防音機能に特化した防音ルームが3室あるので、「使いたいときに予約で埋まっていた」という確率が低いのもポイントだ

エアライズタワーのリラクゼーションルーム

リラクゼーションルームにはマッサージチェアを設置。1人で静かに過ごしたいときにも最適だ

エアライズタワーのビューラウンジ

26階にあるビューラウンジは予約なしで自由に利用可能。語らいの場としてはもちろん、ワークスペースとしても活用できる

エアライズタワーのフィットネスルーム

開放感に富んだフィットネスルーム。予約なしで利用できる

エアライズタワーのゲストルーム

ゲストルームは赤をアクセントカラーに取り入れたモダンな空間

ライズシティ池袋として組織された3つの管理組合

複合施設内に位置するこのマンションは、管理組合の活動も独自性に富んでいる。
先述の通り、マンションの管理組合は「ライズシティ池袋住宅管理組合」という名称になり、役員18名で活動。
一方で、店舗やオフィスのオーナーと豊島区などによる「ライズシティ池袋非住宅管理組合」もあり、その2つの団体により組織された「ライズシティ池袋全体管理組合」も立ち上げられている。
「全体管理組合には住宅管理組合と非住宅管理組合からそれぞれ理事が出て、共通で使う場所の管理について話し合いをしながら決めていきます。消防訓練も住宅単独で行うほか、全体でも年2回行っています。住宅管理組合の理事と全体管理組合の理事を兼務する人はちょっと忙しいですね」(佐野さん)

さらに理事長をサポートするために「理事長会」という組織もあるそうだ。これまでのさまざまないきさつを知っているマンションの歴代理事長が委員として名を連ね、現職理事長からの相談に乗るなど必要に応じてサポート役にまわるのだとか。
佐野さんとNさんはこの理事長会のメンバーでもあり、Nさんは会長を務めている。初めて理事長になった人にとって、経験豊富なOBチームの存在は心強いだろう。

こうしたバックアップ体制もあってか、例年、理事は立候補が多く、昨期は役員の半数である9人の募集に対して5人が立候補だったそうだ。
「このマンションは問題意識の高い方がとても多いと思います。理事会の議論も非常に活発ですね」(佐野さん)

管理組合のアグレッシブな姿勢を示す事例の一つに、竣工3年目に行った防犯体制の強化がある。1階のエントランスはコンシェルジュデスクがあるため、日中は人の目で不審者を確認できるが、夜間は管理員が不在に。人の出入りをチェックできないことから、夜間には警備員1名がエントランスに立つ立哨警備を導入したのである。
地下にある防災センターには夜間も警備員2名が常駐しているが、1階のエントランスも24時間有人管理にしたことで安心感は格段に高まったそうだ。

「現在はエントランスなど共用部の照明について検討しています。東日本大震災の後、消費電力節減のために照度を落としていたのですが、そろそろ見直してもよいのではないかと。共用部からLED化も進めています」(Nさん)

一方、住宅管理組合では、住人の交流の機会となるようイベントも開催している。

「回数はそれほど多くありませんが、コミュニティの醸成に役立っています。特に1月の餅つき大会は一大イベントと言えるほど盛会です。もち米などの材料と道具は住宅管理組合で用意し、つくるところは理事を中心とした居住者の有志のみなさんにやっていただきます。和気あいあいとした雰囲気ですよ。お餅は電動の餅つき機でつくのですが、臼と杵を借りてきて、小さなお子さんが昔ながらの餅つきを疑似体験できるコーナーも設けています。今年は開催できなかったものの、毎年楽しみにしている方は多いですね」(佐野さん)

元旦には屋上を開放して初日の出を見る会も開催している。参加者は過去に多い年で200人ほどにのぼったこともあるそうだ。
「今年の元旦は感染対策をしたうえで実施しましたが、東京スカイツリーや東京湾、富士山まできれいに見えましたよ」(佐野さん)

このほか、エントランスホールの正面には月ごとに季節の花が飾られ、住人の目を楽しませている。12月には理事が飾り付けをしたクリスマスツリーが登場。足を止めて子どもと一緒に眺める人も多いそうだ。

エアライズタワーの2019年の初日の出を見る会

2019年に開催された初日の出を見る会の一コマ。晴天に恵まれ、162人の参加があったそうだ(画像提供/ライズシティ池袋住宅管理組合)

エアライズタワーの屋上から見た2019年の初日の出

2019年の日の出は6時51分。参加者全員で美しい日の出を眺めた(画像提供/ライズシティ池袋住宅管理組合)

エアライズタワーから見た富士山

2019年の初日の出を見る会では、ご覧の通り、冠雪した富士山の勇姿もくっきり見えたそうだ(画像提供/ライズシティ池袋住宅管理組合)

エアライズタワーのエントランスのフラワーアレンジメント

エントランスの正面に飾られた季節のフラワーアレンジメント。このコーナーにクリスマスツリーが飾られる

エアライズタワーのクリスマスツリー

理事会のメンバーで飾り付けした2020年のクリスマスツリー(画像提供/ライズシティ池袋住宅管理組合)

発展を続ける街もマンションの付加価値に

これまで紹介した通り、多彩な特色を備えた「エアライズタワー」だが、東池袋という立地にも居住者は大きな魅力を感じているという。

「池袋エリアのなかでも、再開発が特に活発なのが東池袋です。整備された街並みは暮らしていても気持ちがいいですし、池袋の繁華街まで歩いて行ける距離にありながら静かで落ち着いた環境が広がっています。住人としてうれしいのは、公園が多いことですね。南池袋公園は樹木がうっそうと茂る暗い雰囲気の公園でしたが、豊島区の整備によって芝生の広場がある明るい公園になりました。造幣局工場の跡地にできたイケ・サンパークもやはり広い芝生のスペースがあります。どちらもマンションから徒歩5分圏内。子育てするのにもよい環境だと思います」(Nさん)

東池袋一帯の再開発は現在も継続中。造幣局工場の跡地には東京国際大学のキャンパスが2023年に開校予定だ。また、マンション至近でも大規模な再開発事業が進行している。

「東京メトロ副都心線の和光市~渋谷間の開業当初、東池袋エリアにも駅をつくる計画があったそうです。ただ、近くには有楽町線の東池袋駅があることから、利用客が見込めた場合に再検討するということで、取りやめになったと聞いています。豊島区でも新駅をつくってもらえるよう東京メトロに働きかけているとのことですから、実現を期待しています」(Nさん)

「これから街がどう変わっていくのか。とても楽しみです」と笑顔で話す佐野さんとNさん。
街の発展とともに、このマンションの住み心地もさらに高まっていきそうだ。

エアライズタワーからの眺望

エアライズタワーからの眺望。周囲には落ち着いた街並みが広がる。右は豊島区役所とタワーマンションが同居するとしまエコミューゼタウン

構成・取材・文/上島寿子 撮影/吉田武

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