ログハウスでアウトドアを満喫!森と暮らすマンション

グランドメゾン東戸塚の外観

物件名:
グランドメゾン東戸塚
所在地:
神奈川県横浜市戸塚区
竣工年:
2008 年
総戸数:
743 戸

丘の歴史を継承する森と桜坂

1960年代からの大規模開発により住宅都市として発展した東戸塚。横浜までは2駅、東京駅までも40分前後とアクセスがよい上、駅周辺には、西武東戸塚S.C.やイオンスタイル東戸塚をはじめ商業施設が集まってにぎわいを見せている。一方で、駅から少し歩くと落ち着いた住宅地になり、丘陵地ならではの自然が息づくのも魅力だ。

今回、取材した「グランドメゾン東戸塚」が立つのも小高い丘の上。高低差のある約5万3000㎡もの敷地に住居棟10棟が整然と立ち並んでいる。目を引くのは足元に茂る樹木のボリュームだ。その数は約4万5000本!遠くから眺めると、森から建物が生えているかのようである。

グランドメゾン東戸塚の遠景

高台に立つ「グランドメゾン東戸塚」の遠景。自然環境を活かした集合住宅として、第29回「緑の都市賞」の緑の地域づくり部門で国土交通大臣賞を受賞している

竣工時の資料を見ると、マンションが立つのはかつて食品メーカーの研究所があった場所。研究所内には豊かな自然が息づき、その環境を継承する形でランドスケープが組まれている。

象徴的なのは敷地に入るとまず現れる桜坂だ。呼び名の通り、坂道に沿って約150mにわたって続く桜並木は、既存の桜の木を受け継いでつくられている。春になると通りを桜色に染め、近隣住民からもお花見スポットとして親しまれているという。

マンションのグランドエントランスがあるのは、この桜坂の途中。オートロックのドアをくぐると、エントランスホールの右手にエレベーターが現れた。これを使えば、えっちらおっちらと坂道を上らなくても各棟にスムーズにアクセスできるというわけだ。

グランドメゾン東戸塚の桜坂

桜坂の景色。沿道の桜の木々が春には美しい花を咲かせて目を楽しませる

グランドメゾン東戸塚のグランドエントランス

こちらがグランドエントランス

グランドメゾン東戸塚の渡り廊下

グランドエントランスのエレベーター(奥)と各住居棟をつなぐ渡り廊下

もう一つ、土地の歴史を色濃く留めているのが、照葉の丘と名付けられたエリアだ。入り口はやはり桜坂の途中にあるのだが、足を踏み入れると空気が一変した。木々が生い茂る散策路はまさしく森の中。爽やかな樹木の香りが体に流れ込み、風にそよぐ葉ずれの音と鳥のさえずりが心地よく耳に響く。こんな自然がマンション内にあるとはびっくりだ。

森に設けられた共用施設、“ログの森”にも驚かずにいられない。暖炉付きのログハウスがなんと3棟も!いずれも貸し切りの予約制で、そのうち1棟は宿泊もできる。さらに奥へと進むとバーベキューサイトも設けられ、木々に囲まれたスペースはキャンプ場さながらなのである。
わざわざ遠出をしなくてもアウトドアが満喫でき、おまけに泊まりがけの旅行気分も味わえるとは羨ましいのひと言だ。

グランドメゾン東戸塚の照葉の丘

照葉の丘ではケヤキやクスノキなどの高木がすくすくと成長。リスがひょっこり現れることもあるとか

グランドメゾン東戸塚のログハウス

ログハウスは高原の別荘のような趣

グランドメゾン東戸塚のログハウス

木の香りに包まれるログハウス。暖炉も設置されている

グランドメゾン東戸塚のバーベキューコーナー

ログハウスの中庭には専用のバーベキューコーナーも

グランドメゾン東戸塚のバーベキューサイト

樹木に囲まれたバーベキューサイト

富士山、桜並木、森の樹木など住戸からの眺めも多彩

森を抱き込むように建てられたマンションでは、どのような暮らしを送れるのだろう。管理組合理事長のOさんに、住み心地から聞かせていただいた。

「竣工時から住んでいますが、とても静かで暮らしやすいですね。敷地の東側にはJRの線路が通っているのですが、住戸内からはほとんど音は聞こえません。ログハウスは親戚の家族が遊びに来た時に予約して、みんなで泊まると子どもたちは大喜び。特別な感じがするのでしょう。大人も気分が変わって楽しいですし、自然に囲まれたなかで飲むお酒は格別。居住者のみなさんも家族や友達とバーベキューをするなど、この施設をフルに活用しているようです」

こうした豊かな自然だけでなく、芝生の広場があるセンターガーデンをはじめ整備された緑地も多く、子どもを育てるには絶好の環境だとOさんはいう。
「のびのびと過ごせるのはもちろん、敷地内なら子どもだけでも『遊びに行っておいで』と安心して送り出すことができるんです。今は成長してマンション内で遊ぶことはなくなりましたが、当時はとてもありがたかったですね」

グランドメゾン東戸塚のセンターガーデン

センターガーデンも緑満載。芝生の広場は平日10時〜12時のみ立ち入りができ、小さな子どもたちの遊び場として活用されている

そんな環境とともに、交通アクセスのよさも魅力とのこと。
「グランドエントランスから東戸塚駅までは歩いて10分ほどの近さ。しかも、東戸塚駅は横須賀線と湘南新宿ラインが通るので、東京、新宿、渋谷と都心への足回りも快適なんです。私の勤務先は赤坂にありますが、ドアツードアで1時間ぐらいで通勤できます」

もう1つ、Oさんがこのマンションの購入を決めた理由には住戸の広さもあったという。竣工当時の資料によると、住戸の広さは平均で約89㎡。Oさん宅も85㎡あるそうだ。
「十分な広さがありながら価格的にもお手頃で、購入時はここしかないという感じでした。しかも、間取りのバリエーションが豊富で、高台にあるから眺望も素晴らしい。僕の住む棟は共用廊下から富士山が一望でき、特に夕方の景色は思わず見入ってしまいます。棟によっては住戸内から富士山を眺められますし、桜坂が見渡せたり、森が広がっていたりとそれぞれに魅力的です」

リモートワークに最適な森の中のライブラリー

743戸のスケールメリットを活かし、共用施設も充実している。先ほど紹介したログハウスはその一つだが、「ライブラリーも素晴らしいですよ」とOさん。案内していただくと、木をふんだんに使った部屋に森の緑が映り、高原の図書館といった雰囲気だ。住人寄贈の本が並ぶ傍には大きな丸テーブルがあり、仕事や勉強をする人、本を開いて調べ物をする人と思い思いに過ごすことができる。
「僕もリモートワークに使っています。緑に囲まれた部屋は気持ちがいいですし、余計なものが目に入らないので家で仕事するよりも集中できます。塾から帰った高校生が、家に戻る前にここでもうひと勉強するなんてこともあるみたいですよ。家に帰ったら気が抜けて、勉強する気がなくなるからでしょうね」

グランドメゾン東戸塚のライブラリー

ライブラリーは“木漏れ陽の森”の奥に

グランドメゾン東戸塚のライブラリー

ライブラリーには住人から寄贈されたさまざまな本が並ぶ

グランドメゾン東戸塚のライブラリー

一角に置かれたテーブルが仕事や勉強のコーナーに。緑を見晴らすテラスは気分転換に最適だ

さらに、ライブラリーの並びにあるゲストルームもまた絶景。とりわけ浴室は窓の緑を眺めながら入浴でき、贅沢な気分に浸れそうだ。
このほか、楽器の練習ができる音楽室、キッズルーム、カフェラウンジ、ミニショップなどもあり、マンションライフを豊かにしている。

グランドメゾン東戸塚のゲストルーム

ゲストルームにはリゾート感のあるラタン製のベッドを設置

グランドメゾン東戸塚のゲストルームの浴室

ゲストルームの浴槽はワイドなシェル型。ゆったり湯船に浸かりながら森の緑を楽しめる

グランドメゾン東戸塚のコミュニティハウス

D棟の1階のコミュニティハウスには、マンションライフの拠点となるフロントカウンターが置かれている。キッズルームもこの並びに

グランドメゾン東戸塚のカフェラウンジ

コミュニティハウス内のカフェラウンジ。センターガーデンの景色を眺めながらひと心地つける。

グランドメゾン東戸塚のミニショップ

ミニショップもコミュニティハウス内に。毎週土日と祝日に「松屋」のお弁当を販売

豊かな緑と多彩な共用施設がそろうこのマンションでは、住人同士のコミュニティも醸成されている。そのきっかけづくりにひと役買っているのが、自治会主催のさまざまなイベントだ。なかでも目玉は5月のわかば祭りと11月のもみじ祭り。敷地内にキッチンカーが並び、芝生の広場を中心にバンド演奏や子ども向けのゲームなどさまざまな催しが実施され、楽しみにする住人は多いそう。コロナ禍でここ3年間は中止になっていたが、今後は少しずつ再開されていくだろう。

グランドメゾン東戸塚のキッチンカーでのフードメニューの販売の様子

コロナ禍で導入されたのが、キッチンカーでのフードメニューの販売。年2回ほど実施され、長蛇の列ができるほど人気を呼んでいる(画像提供/グランドメゾン東戸塚管理組合)

植栽の的確な管理に向けグランドデザインを作成

恵まれた住環境にある「グランドメゾン東戸塚」では管理組合の活動も活発に行われている。特に精力的に力を注いでいるのは樹木の維持・保全だ。

「これまでも植栽の管理には気を配ってきましたが、竣工から15年経ち、今一度、管理方法を見直そうと植栽担当の理事を中心にグランドデザインの作成に乗り出しています。
そもそも植栽の管理は非常に費用がかかり、例えば、木を1本伐採するのにも何十万円という支出が発生します。それを場当たり的に行うのではなく、今後10年を見据えたプランを立て計画的に行っていく方針です。
グランドデザイン作成にあたり、新たに採用したのが植栽コンサルタント。理事会のメンバーは毎年変わるので、長期的に見守る人の存在が必要だと考えました。そのコンサルタントの方と造園業者の石勝エクステリアさん、管理会社、そして植栽担当理事の四者で連携しながら10年計画を練っているところです」

一方で、森の保護・管理のために住人のメンテナンス体験会も開いている。自然の森では木の種から新たな木が生えて密集し、日光が差し込まず下草が生えないなどさまざまな問題が起こる。そこで住人の手で生えた木を刈り取り、適正な環境をつくっていこうという取り組みだ。
「体験会には50名ほどの参加があり、1時間半かけて雑木の刈り取りを行いました。鎌を使う作業なので、子どもたちは拾った枝で柵づくり。僕も参加しましたが、とても楽しかったですね。
自分でメンテナンスをすると森の樹木に意識が向いて『守っていこう』という気持ちになる。自分が刈ったところにどのくらい草が生えたか気になって、時々、見に行ったりしています」

桜坂については2020年までの3年間にわたって地域ぐるみの保護活動も行われた。主体となったのは、マンションと地域住民で構成された「桜の丘をはぐくむ会」。桜の老木を樹木医に診断してもらい適切な治療を行うほか、苗木の新植も実施して、長年、地域で親しまれてきた桜並木を守る活動を行っている。沿道の桜が生み出す美しい景観は、その努力の賜物といえるだろう。

グランドメゾン東戸塚の散策路

ログの森につながる散策路の脇では、マンション内のサークル「みどりの会」が草花を育成。提供公園などに緑を増やす活動を行っている

グランドメゾン東戸塚の日枝神社

散策路に隣接する日枝神社は地域の氏神さま。「桜の丘をはぐくむ会」によって山桜が植樹された

もちろん、管理組合の活動は植栽だけに止まらない。
「これから力を入れる予定なのは機械式駐車場のリニューアルです。現在は1世帯1台分のスペースが確保されていますが、最近は空きが目立ち始めています。機械式駐車場はメンテナンスコストが嵩みますから機械を撤去して台数を減らし、その分、電気自動車の充電設備を設置するとか、あるいは平置きや車いす使用者専用駐車場のスペースを増やすとか。今後、検討していく方針です」

防災については自治会の防災部会を中心にマニュアルづくりが進められている。エレベーター内の非常用グッズの設置などきめ細かい施策も取り入れ、“いざ”というときの安心・安全を高めているそうだ。

既存の森や桜並木などを「守る」
並木をつくることで敷地を周辺環境へと「還す」
自然を守りながら住まいに適した生活ステージを「創る」
優れた環境を維持させて次世代へと「継ぐ」

これは開発当時に立てられたこのマンションのコンセプトだ。
開発者が込めた想いは住人たちに継承されながら、和やかな暮らしを紡ぎ出している。

★グランドメゾン東戸塚の模型

コミュニティハウスに展示されているマンションの模型。桜坂の春の景観も再現されている

構成・取材・文/上島寿子 撮影/一井りょう

この物件の空室状況をみる

※物件の状況によって、空室情報がない場合もございます。