住人の手で暮らし心地は変えられる!未来にリスクを残さない取り組み

ザ・パークハウス横浜新子安ガーデンの外観

マンションの正面エントランス「ゲートガーデン」前から撮影。手前はシンボルツリーのクスノキ。理事の名刺にもあしらわれている
物件名:
ザ・パークハウス横浜新子安ガーデン
所在地:
横浜市神奈川区
竣工年:
2015年
総戸数:
497戸

築3年目で「修繕積立金の均等化」へ。将来の安心な暮らしを担保

目先の利益ばかり追うのではなく、持続的な成長にも着目すべき――この原理原則は、マンション管理においても同様だ。

改めてそう実感させてくれるのが、ザ・パークハウス横浜新子安ガーデン管理組合法人の未来を見据えた数々の取り組みである。いくつかの代表的な「仕事」を紹介していきたい。

まずは「修繕積立金の均等化」だ。

修繕積立金は、将来のマンションの大規模修繕(外壁修理や防水、塗装など)に充当される積立金だ。一般的には、当初の積立額を抑え、段階的に値上げを行う「段階増額積立方式」が採用されているが、将来的に値上げを行う際、予め計画されていても、一部の区分所有者から反対意見が出るケースがある。結果、合意が形成できず、紛糾してしまうのだ。

ザ・パークハウス横浜新子安ガーデン管理組合法人はそれを避けるため、「均等積立方式」への移行を決断し、住人に提案した。管理組合法人・石川理事長が説明してくれた。

「見直しを決めたのは竣工から3年目です。長期修繕計画の期間を30年から50年に延長し、1㎡当たりの修繕積立金を約2.6倍に値上げしました。これによって『段階増額積立方式』よりも当初の支払額は上がってしまうのですが、年数の経過にともなって負担が上がることはなく、50年間一律、同じ金額になります。住人が安定して修繕積立金を積み立てることで、長期的にマンションの資産価値を維持しやすくなるわけです」

当初は家計への“痛み”を伴うため、当然反対意見が出ると予測。そこで住人説明会を十数回、土日だけでなく平日にも開催し、多様な住人に参加してもらいやすくした。説明会では、均等払いにした場合のメリットを詳細な長期シミュレーションを交えて提案し、納得感を得てもらうように努めたそうだ。

ザ・パークハウス横浜新子安ガーデンのパブリックラウンジ

天然石と木彫の素材で構成された、住人の憩いの場・パブリックラウンジ

ザ・パークハウス横浜新子安ガーデンのミニショップ

パブリックラウンジの一角にあるミニショップ。マンション専用のコンビニ的な存在だ。ここで“はじめてのおつかい”デビューをする子どもも多いとか

均等払い実現の土壌になったのが、竣工2年目に実施したアンケートで分かった「永住志向者の多さ」だ。このマンションの購入者には30~40代の子育てファミリーが多く、ほとんどの方が、少なくともお子さんが独立するまではここに住もうと考えているという。将来、教育資金が増えていくことが考えられるため、修繕積立金が上がると確かに痛い。そうした背景が、築4年目での修繕積立金均等化を実現させた。

ちなみに賛成した住人の割合は約95%。将来、このマンションに暮らす限り、必ず払わなければならないお金の額が明確で、なおかつ値上がりしないと分かっていることは、大きな安心感につながっているはずだ。

大胆な駐車場リニューアルで“収益力”アップ

次に注目したいのは「機械式立体駐車場の一部更新」である。

昨今の車離れ傾向、高齢化に伴う免許返納者の増加など複数の要因で、駐車場の空き問題を課題とするマンションは少なくない。長期修繕計画は、駐車場が常に全車室借りられて、コンスタントに駐車場料金が管理組合に入ってくる前提で立てられているケースがほとんどだ。したがって駐車場の空きが増えるほど、大規模修繕時に、修繕積立金と別に臨時の徴収金が必要になる……といった事態に直面する可能性が増していく。

仮に、オフィスや商業施設が近いエリアだったり、公道からゲートを介さずにアクセスできる仕様のマンションだったりすると、外部貸し、サブリースという手もあるが、そうした試みができるマンションは一部に限られる。

しかも「立体駐車場」に空きが目立つとなると、問題はさらに深刻だ。シンプルに地面に駐車する平置き駐車場と違い、機械式の立体駐車場はメンテナンスに多額の費用が必要になる。空いてしまって利用料が入らない一方で維持管理費が出ていくとなると、財政的には非常に厳しい事態となる。

「加えて、このマンションの強みでもあるのですが、足まわりの良さも駐車場空き問題を加速させていました。最寄りの京浜東北線新子安駅まで徒歩4分。新子安駅から川崎、横浜、東京都心へのアクセスも良く、車がない生活でも特に支障がないのです。マンション購入前は車を持っていたのに車を手離し、結局、駐車場を借りない方もいらっしゃいました」(岡上副理事長)

実は、入居開始直後のころから駐車場の稼働率はおよそ73%。80区画以上の空きがあったそうだ。危機を予見した管理組合法人の動きは早かった。

「長期修繕の適正化と併せて3期総会で承認され、機械式駐車場の一部を撤去し平面化しました。さらに一部の機械式駐車場の天井部分のパレットを抜いて、車高の高いハイルーフ車も駐車できるようにしました。その結果、稼働率は80%を超え、空区画も50区画を切るまでに回復しています」(岡上さん)

ザ・パークハウス横浜新子安ガーデンの駐車場

駐車場下側の列、平置きになっている車室が元は機械式の立体駐車場だった

空き問題を別の角度から解消しようという取り組みも行っている。毎年恒例のハロウィンイベントで、地元横浜市の自動車ディーラーとコラボして、敷地内に新車展示コーナーを設置。理事のひとりにツテがあったことで実現した。

「その展示がとてもユニークで、後から消せる特殊なペンを使って、ドアやボンネットなどにフリーに描き込んでいい車を敷地内に運んできてくれるんです。真新しい車に正々堂々と落書きできるとあって、子どもたちは大盛り上がり。また、新車を展示することでお父さん、お母さんの購入マインドが上がることも考えられます。自動車ディーラー、管理組合法人双方がWin-Winのイベントです」(牧野副理事長)

ザ・パークハウス横浜新子安ガーデンのハロウィンイベント

2020年10月のハロウィンイベントにて、地元自動車ディーラーの協力で実現した「クルマの落書きし放題」。子どもたちの良い思い出になりそうだ(画像提供/ザ・パークハウス横浜新子安ガーデン管理組合法人)

ザ・パークハウス横浜新子安ガーデンのハロウィンの様子

十分な感染対策を講じて毎年恒例のハロウィンを楽しんだ(画像提供/ザ・パークハウス横浜新子安ガーデン管理組合法人)

withコロナの時代に即した“オンライン防災訓練”の試み

住人の防災に対する意識が高いことも特徴だ。毎年、地元消防署や消防団、警察署などの協力による水消火器の噴射訓練、隣戸のバルコニーとの間にある仕切り板の蹴破り体験、起震車の体験乗車、防災用マンホールの組み立てなど、参加型の防災訓練を実施している。

「そのほか、住人専用のITツール“Mクラウド”を使った安否確認、玄関ドアに貼る安否表示のマグネットシート掲示なども行っています。築2年目以降、2019年まで住人の参加率は毎年8割を超えており、理事会の防災担当として手ごたえを得ています」(岡上さん)

コロナ禍に見舞われた2020年、多くのマンション管理組合が密を避けるために防災訓練実施を見送った中、ザ・パークハウス横浜新子安ガーデンは「オンライン防災訓練」を試みた。

内容は、玄関ドアのマグネットシートの直接確認、Mクラウドによる安否確認、自宅に備えておくべき非常用グッズや食料品などを講義するオンラインのワークショップなど。ワークショップには約110組が参加。Mクラウドまで含めると、例年通り、8割以上が参加したという。

「災害の規模にもよりますが、密になりやすい避難所に行くことがはばかられ、自宅で避難生活するケースが増えそうな今の時代に即していたと思います。チャット機能で、直接住人の方々からの意見をいただけたのも、オンラインならではのメリットでした」(岡上さん)

次回の防災訓練は、仮にコロナ禍が落ち着いていたら従来のリアルな内容に戻せるかもしれないが、どうなるかは分からない。オンラインを活用した防災訓練は「新しい日常」に適したものとして、意義のある試みになりそうだ。

ザ・パークハウス横浜新子安ガーデンのオンライン防災訓練

2020年9月に行われたオンライン防災訓練(画像提供/ザ・パークハウス横浜新子安ガーデン管理組合法人)

ザ・パークハウス横浜新子安ガーデンのオンライン防災訓練の様子

Withコロナ時代における新たなスタイルの防災訓練になりそう(画像提供/ザ・パークハウス横浜新子安ガーデン管理組合法人)

ザ・パークハウス横浜新子安ガーデンの防災訓練

コロナ禍にもかかわらず、例年どおりの高い参加率だったことは大きな収穫に(画像提供/ザ・パークハウス横浜新子安ガーデン管理組合法人)

ザ・パークハウス横浜新子安ガーデンのサークルガーデン

広大なサークルガーデン。防災訓練時の集合場所、イベント会場としても活用

ザ・パークハウス横浜新子安ガーデンの仕切り板の蹴破り体験

こちらは2019年の防災訓練。隣戸のバルコニーとの間にある仕切り板の蹴破り体験。一度でも経験しておけば、いざというときに躊躇せず蹴り割ることができそう(画像提供/ザ・パークハウス横浜新子安ガーデン管理組合法人)

理事会もオンライン導入で“ハイブリッド”に

オンラインといえば、ザ・パークハウス横浜新子安ガーデンでは理事会でZoomを活用している。集会室に集まるリアルなミーティングと併用して、ハイブリッド型の理事会を継続中だ。

「2020年春の緊急事態宣言発出以降、このスタイルで理事会を続けています。当初は音声が聞こえづらいなどの問題もありましたが、環境を整えて徐々に改善しました。事前に議題を共有し、当日まである程度準備をしてもらって理事会に臨んでいただくようにしても、どうしても集会室に集まっている人同士の方が話はしやすく、ともすればオンライン組が黙っている時間が長くなる傾向も見られます。そこをどう修整していくかは課題ですね」(牧野さん)

それでも、オンライン併用のメリットはやはり大きい、とのこと。

「理事によっては、会社から“できるだけ不特定多数が集まる場には行かないように”と通達されている場合もあるのですが、そうした方でも問題はありません。ネット環境さえあれば、マンション内の自宅以外の場所からでも参加できます。昨年春は理事会を休止するか、という案も出ましたが、話し合わなければならないことは少なくなく、やはり、理事会をストップするわけにはいきませんでした。仮にコロナ禍が終息したとしても、このスタイルの理事会は続いていくのではないかと思っています」(牧野さん)

ザ・パークハウス横浜新子安ガーデンのハイブリッド型理事会

Zoomと、集会室でのリアルなミーティングを併用したハイブリッド型理事会(画像提供/ザ・パークハウス横浜新子安ガーデン管理組合法人)

なお、理事の任期は2年で、原則的に半数が入れ替わり、議論を継続させていくのが決まりだ。輪番制と立候補者で構成されており、毎回の理事会への出席率も100%に近いが、将来、新たな理事に指名された際、やむを得ず理事を辞退する住人の“選択肢”として、辞退者は管理費の半額×任期2年分を支払う「管理費協力金制度」という仕組みも用意している。

「今は若い方が多くお住まいですが、今後、高齢化が進んで、体力面の不安、病気、介護など、やむにやまれぬ事情でどうしても理事を引き受けられない人が出てきてもおかしくありません。この制度は、そうした方を対象にしたいわば“逃げ道”としてつくったものです。家庭の事情や転勤などで理事を引き受けられない場合、仮にお金を支払っても、その後に引き受けた場合には全額返還される決まりです」(岡上さん)

最初にこの制度を聞いたときは少し驚いたが、これからの時代、こうした仕組みは必要とされるのかもしれない。

暮らし心地を上げる取り組みは“クリエイティブ”

このように次々に改革を打ち出して、暮らし心地を進化させてきたザ・パークハウス横浜新子安ガーデン。理事でなく、住人の目線から見た居住満足度はどうだろう。

子育て中の牧野さんは「駅徒歩4分のロケーションは想像以上に便利でした。駅周辺には特に繁華街はなく、すぐに閑静な住宅街になるのも子育て環境としていいですね。マンションのほぼ隣地には大型ショッピングストアがあり、日常的な買い物にはまったく困りません。また、こちらもほぼ隣地に市立小学校が移転してきて、登下校しやすく、親の目が行き届きやすいのも助かっています」とのこと。

同じくお子さんがいる石川さんは「住戸の広さや遮音性、バリアフリーなどの性能を満たし、保育所などの地域向け子育て支援施設を併設した『横浜市地域子育て応援マンション』であったことは、購入時の決め手のひとつでした。また、共用施設のキッズルームや周辺に点在する公園で、子どもを介して知り合いを増やすことができたのも良かった点です。さらに、住み始めてから1~2年で、近隣に保育園が複数新設され、入園しやすくなったのも助かりましたね。親が遊びに来たときに重宝するゲストルームもありがたい施設です」と話す。

ザ・パークハウス横浜新子安ガーデンのキッズルーム

子育てファミリーに大人気のキッズルーム

『横浜市地域子育て応援マンション』のステッカー

『横浜市地域子育て応援マンション』の証であるステッカー。コンシェルジュカウンターのそばに貼られていた

ザ・パークハウス横浜新子安ガーデンに隣接する認可保育園

サブエントランス側には横浜市の認可保育園が

ザ・パークハウス横浜新子安ガーデンのゲストルーム

親、親戚が訪ねてきた際、特に重宝すると住人に人気のゲストルーム

ザ・パークハウス横浜新子安ガーデンのシアタールーム

子育てファミリーからシニアまで、幅広い世代に人気のシアタールーム。大型スクリーンとプロジェクタで迫力の映像を見ることができる。カラオケ機器の導入、飲食OKにルールを改定して、稼働率を向上させた

ここが終の棲家ですよという岡上さんは「マンション購入は、実はここが初めてです。コンシェルジュのサポートやバリエーション豊富な共用施設などは大規模ならではのスケールメリットを感じますね。また、ディスポーザーが付いていること、いつでもゴミが出せるゴミ置き場があることも、マンション暮らしの良さだと感じています」

ザ・パークハウス横浜新子安ガーデンのコンシェルジュデスク

日々の生活をサポートするサービスや各種の受付・取次サービスなどを行うコンシェルジュデスク

ザ・パークハウス横浜新子安ガーデンのカスケードテラス

ガラスウォール越しに見える「カスケードテラス」は敷地内に潜む水と緑のオアシス

ザ・パークハウス横浜新子安ガーデンは、住環境やアクセスの良さ、スケールメリットを活かした多彩な共用施設など、元々、多くの魅力を備えているマンションだ。

ただ、それに満足せず、早い段階で課題や危機に向き合い、資産価値向上を意識した改革を行っていくのは、ある種クリエイティブな作業であると感じた。未来に負債を先送りせず、次世代につないでいく。今後も暮らしやすく、活気あるマンションになりそうだ。

ザ・パークハウス横浜新子安ガーデンの住人の皆さん

(左から)取材に対応いただいた岡上さん、石川さん、牧野さん

※2021年のイベント開催は新型コロナウイルス感染症対策のため上記の通りではありません。今後の開催は未定です

構成・取材・文/保倉勝巳 撮影/柴田ひろあき

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