運河沿いでも中央区内で最も浸水リスクが低い理由
「東京都中央区」の街といえば、多くの人が、まず「銀座」を連想するだろう。歴史ある名店や有名海外ブランドの旗艦店、大規模商業施設、老舗百貨店などが集積し、中央区はもちろん、全国的にも高い知名度を誇る華やかな街だ。
そして、銀座のメインストリートのひとつ、晴海通りを海に向かうと街の表情はどんどん変わっていく。築地市場跡地を過ぎ、勝どき橋を渡るとタワーマンションが増え始め、「暮らす街・中央区」の様相が濃くなっていくのだ。
今回紹介する、ザ・パークハウス 晴海タワーズ クロノレジデンスがあるのは、銀座四丁目の交差点から、車やバス、自転車などで10数分、歩いても30~40分の場所にある中央区東南の端。晴海運河に面した晴海2丁目だ。隣には、同じザ・パークハウス 晴海タワーズでツインの関係にある「ティアロレジデンス」が立っている。
「やはり、銀座への近さはこのマンションの大きな魅力です。晴海通りに出れば、銀座を経由して東京駅の丸の内口に向かうバスがほぼ5分間隔で走っていますし、ほかに虎ノ門、新橋方面に直通の東京BRTの発着所がマンションの目に前にありますから。 ただ、運河沿いの立地というと、水害のリスクが高いのでは?と思われがちです。しかし、このあたりは約5m嵩上げされており、その上、高さ約15mの堤防によって防潮護岸も行われている。実は浸水被害のリスクは低いんですよ」(堀江理事長)
実際、中央区が発行している2種類の洪水ハザードマップ(荒川版と隅田川・神田川・日本橋川版)を見てみると、いずれの版においても、マンションが立っている場所は浸水の危険がないエリアに色分けされており、区内では最も安全な場所のひとつだった。
また、水害だけでなく、地震に対する強さも特徴だ。
「新築でここを購入する前は、東雲のタワーマンションに住んでいました。こちらに買い替えた大きな理由のひとつが免震構造を採用していたことです。2011年に東日本大震災を経験し、もっと地震や災害に強いマンションに住みたい、と新たな物件を探していたところ、このマンションの情報を知ったんです」(末澤副理事長)
「免震構造」は、建物と基礎の間に、積層ゴムなどの免震層を設け、地震の揺れが直接建物に伝わらないようにした構造だ。 建物は地盤の揺れに追随しないため、揺れは緩やかになり、建物はほとんど損傷を受けない。
「以前のマンションは、建物の強度を高めることで地震の揺れに耐える『耐震構造』でした。私がここで暮らし始めてからも大きな地震は何度か起きていますが、ともすれば地震の発生に気が付かないこともあるくらいです」(末澤さん)
ちなみにこのクロノレジデンスは、ティアロレジデンスとともに、免震構造マンションとして都内初の長期優良住宅に認定された。長期にわたり良好な状態で使用するための構造や設備が採用された優良な住宅であり、住宅ローン控除や住宅ローンが低金利で借りられるなど、さまざまな税制上のメリットがある。このことも手伝って、第1期320戸の販売時には最高倍率5倍もの人気を集め、大きな話題になった。
季節、時間帯で刻々と変化するからこその「絶景」
安全安心に暮らせるのもさることながら、デザインも注目すべきポイントだ。
外観、エントランスホール、ランドスケープを手掛けたのは、隣のティアロレジデンスと同じ、建築家のリチャード・マイヤー氏。デザインコンセプトは織り布がモチーフで、バルコニー手すりの上下に設けられた格子状のスクリーンと、背面のガラス面が特徴だ。「マイヤーホワイト」と呼ばれる白い外壁もインパクトがある。
「私は以前、同じ湾岸エリアの辰巳のマンションの9階に住んでいました。ここはデザインが本当に素晴らしく、自慢できるマンションですね。自宅は35階でレインボーブリッジ方面の絶景を見ることができます。
こちらで暮らし始めてからは、友人や同僚を招いてのホームパーティーを開くことが楽しみに。コロナ禍が落ち着いたら、またパーティーをして収束を祝いたいと思っています」(堀江さん)
堀江さんがこのマンションの住人となって、今年で7年。眺めに飽きてしまうことはないでしょうか?と不躾な質問をしてみると、
「いえいえ、季節による空気の澄み方や、同じ1日でも朝、夕、夜の光の具合など、刻々と景色は変わっていくのでまったく飽きません。また、湾岸は開発がどんどん進んでいろんな施設やマンションが増えていますので、街並みも変化していきますしね。もっと都心に寄った立地の高層マンションでも、それなりに眺望は愉しめると思いますが、運河が眼前に広がる、圧倒的な開放感のある眺めは湾岸エリアでしか味わえない。ですので、辰巳から住み替える時も、湾岸以外の選択肢はありませんでした」(堀江さん)
末澤さんの以前の住まいは東雲。堀江さん同様に湾岸エリア在住歴が長い。
「東雲で暮らし始めたころは、まだ近隣に商業施設などはあまり整っていませんでしたが、2006年にららぽーと豊洲が完成したあたりから、豊洲、東雲、晴海とどんどん商業施設やオフィス、ホテルなどがつくられるようになり、暮らしの利便性、にぎわいなどが飛躍的に向上したと思います。ここ2~3年は豊洲市場や東京五輪関連のスポーツ施設、大規模商業施設の有明ガーデンもできて、拍車がかかっている感がありますね。
私の趣味は映画鑑賞と水泳なのですが、ららぽーと豊洲内の12スクリーンもあるユナイテッド・シネマ豊洲と、ドゥ・スポーツプラザ豊洲の2カ所で事足りるのでとても助かっています。普段の買い物も、ららぽーと豊洲のフードストアあおきや成城石井、東雲の24時間営業のイオン、晴海トリトンスクエア内のマルエツなど、かなり選択肢が豊富ですし、品ぞろえも充実しています。そんなわけでほとんどの用事が近隣で済んでしまうのは、このマンションの魅力ですね。たまに、高級品を買ったり、食事したりしたければ、サッと銀座に行けばいいですし」(末澤さん)
スケールメリットを活かした多彩な共用施設も人気
クロノレジデンスは総戸数883戸の大規模マンション。スケールメリットを活かした共用施設の充実ぶりも特筆できる。
「30階のクロノラウンジは週に3回バーテンダーによるお酒のサービスもあって人気です(緊急事態宣言中は休止)。ラウンジとは別に個室が2室あり、そちらではよりプライベートに景色を愉しむことができます。
また、30階に2室、2階に1室と計3種類あるゲストルームも高い稼働率を誇る人気施設ですね」(堀江さん)
ほかにも、晴海運河に面したプライベートルーフテラスや、それに連なるカフェラウンジ、フィットネスルーム、キッズルーム、料理教室も開けるキッチン&パーティースタジオなどもあり、いずれもテレワークや住人同士の交流、子どもたちの遊び場として使われている。
共働き、リモートワークに対応した「食のサービス」も好評
さらに、こうしたハードの充実ぶりに加えて、管理組合は新たなサービスの導入やイベントの開催にも積極的に取り組んでいる。
「月に1~2回、埼玉の所沢方面の農家さんに来ていただき、採れたての産直野菜が購入できるマルシェを開催しています。現在はコロナ禍で休止していますが、非常に評判が良かったため、状況が好転したらすぐに再開する予定です」(末澤さん)
コロナ禍に対応して、管理会社を介して始めた食関連のサービスも好評とのこと。
「2020年春に初めて緊急事態宣言が発令された時、丸の内のオフィス街で展開していたキッチンカーにマンション前に来てもらって、ランチの提供を始めました。オフィスワーカーが消え、お客さんを失っていたキッチンカーの店主さんと、在宅勤務の増加で自宅ランチの回数が増したマンション住人側のニーズが一致したことで実現しました。当初こそ、肉を焼く煙が出たことやメニューの偏りなどが指摘されましたが、少しずつ修整して、より魅力を高めています。
また、地域の生産者が販売する食材を出荷当日、新鮮な状態で受け取れるサービス、クックパッドマートも評判が良く、フル稼働状態ですね。受け取り用の冷蔵庫をマンション内に設置していて、特に共働きのファミリーなどに重宝されていると思います」(堀江さん)
2021年1月の住民総会では、課題だった修繕積立金を、当初設定の段階繰り上げ方式から、均等積立方式に変更することが可決された。月々の支払い額は従前の約2.5倍になるという。確かに最初の出費は大きいが、この先徴収される積立金が値上がりすることがないのは、子育て中のファミリーが多いクロノレジデンスの住人にとって、大きな安心材料だろう。
「修繕積立金の変更に伴って、大規模修繕工事の周期を当初の12年から15年に延長しました。これによって、計算上、トータルの工事費を抑えられることも住人の皆さんに賛同いただけた要因だと思っています」(末澤さん)
マンションの充実したハードを維持する仕組みと、暮らしやすく、利便性の高い住環境が両立。これからも快適な晴海のタワー生活は続きそうだ。
※2021年のイベント開催、共用施設の使用は新型コロナウイルス感染症対策のため上記の通りではありません。今後の開催は未定です