日本トップクラスの駅力をもつ駅から「徒歩6分」の価値
近年、不動産マーケットにおいて「駅近マンション」の存在感が増している。
メディアでは「駅直結型」「駅徒歩3分以内」「10分未満」といったマクラ言葉を付けたマンション関連記事を多く発信しており、いずれも高い人気だ。
駅近人気の背景にはさまざまな要因があるが、特に大きいのが、共働き家庭の増加に伴うアクセス重視傾向の強まりだろう。また、将来、売る・貸すことになった場合も駅から遠い立地に比べれば何かと有利だ。
本記事で紹介するブランズ横浜も、そんな駅近マンションのひとつである。
公式物件概要では、最寄りのJR駅から徒歩6分。と聞けば、駅直結型、3分以内などに比べるとじゃっかん遠い印象をもつかもしれない。
しかしこのマンションの最寄駅は、物件名に冠された「横浜駅」だ。
JR東日本が公表している2018年度の1日平均乗車人員数によると、横浜駅は、1位:新宿 78万9366人/2位:池袋 56万6994人/3位:東京 46万7165人に次いで第4位となる42万3651人。すべてJRの数値のみなので私鉄、地下鉄などを含めればいずれの駅もこれより数値は増えるが、ともあれ横浜駅のスケールの大きさが分かるデータといえる。
ブランズ横浜は、こうした巨大ターミナル駅の顔ぶれのなかでの「駅徒歩6分」なのだから、その価値は極めて希少といえそうだ。ちなみに東海道新幹線新横浜駅にアクセスできる横浜市営地下鉄駅の横浜駅からは徒歩4分の距離になる。
状況に応じて乗り入れ総数11路線を使いこなせる
乗車人員が多いということは、乗り入れている路線数の多さを意味する。JR各線に私鉄、市営地下鉄などを合わせると計11におよび、上りの東京都心方面、下りの神奈川各地へのアクセスはいずれも極めて良好だ。特に都心方面直通路線の選択肢が豊富で、東急東横線、京浜急行本線、相模鉄道、JR各線がそろう。万が一、いずれかの線が運休しても複数の代替手段があるのは心強い。
さらに、横浜駅の駅舎自体、そしてその周囲の施設の充実ぶりもブランズ横浜の価値を高めている。駅前の髙島屋、モアーズ、相鉄ジョイナス、ビブレ、ビックカメラ、ルミネ、そごうといった大型商業施設に加えて、東口・西口それぞれに地下ショッピングモールも。ハイエンドな品々から、日常的に必要な食べ物、衣料、医療など何でもそろう環境だ。外食、デリなどが充実しているのも頼もしい。
加えて、横浜駅西口は現在、大規模な再開発の真っ最中。東京2020大会前には完成し、NEWoMan横浜などの商業施設が入居する予定。今以上の駅力向上に期待できる。
横浜市の条例を活用して「駅近+大規模」を実現
そうしたロケーションに立つマンションの暮し心地とは。現在、管理組合理事長を務める藤本逢菜子さんに聞いてみた。藤本さんは、横浜市内でマンションを住み継いで20年超。以前は「元町中華街」「桜木町」など、全国的に知られた観光地に近いエリアに暮していた。
「きれいで洗練され、横浜の歴史を感じさせる街並みは良かったのですが、足まわりはいまひとつだったんですね。私が住んでいた「元町中華街」「桜木町」、ほかの観光地では「みなとみらい地区」なども横浜駅から少し離れているので、どこに行くにも一旦横浜駅を経由する必要があるんです。
そこでもう少しアクセスの良いマンションを買おうとして、東京の都心もいくつか見学したのですが、これという物件に巡り合えませんでした。そんな折、このマンションを見つけたんです。横浜駅徒歩6分なら利便性は申し分ないことはよく知っていましたし、山手線沿線の駅徒歩10分圏内の物件に比べれば価格はかなり割安。コスパ的にも良い買い物になりそうだと思い、購入を決めました」(以下コメントはすべて藤本さん)
ブランズ横浜が立つのは、横浜市が制定した「横浜都心機能誘導地区建築条例」によって定められた、横浜駅周辺の「商住共存地区」内で、横浜駅に限りなく近い場所だ。ちなみに、横浜都心機能誘導地区建築条例は、横浜市中心部において就業人口が減少する一方、住宅開発が増加したことで、就業人口と居住人口のバランスが崩れることを防ぐ目的でつくられた。業務・商業機能と居住機能を調和させ、街ににぎわいを創出しようというわけだ。
この条例では、商住共存地区内に立つ建物については、低層部に商業施設等が入ると容積率が緩和され、建物を高層化できる特例が認められている。もちろんブランズ横浜もこのメリットを活用。1階から3階は髙島屋の商業・業務フロアが入り、4階以上が居住者専用フロアだ。総階数は地上17階建て、地下1階建て、高さ約60メートルとなっている。
国が推進する「コンパクト プラス ネットワーク」に合致したマンション
ただ、駅近は便利な半面、落ち着いて暮せるのだろうか……?というイメージも伴う。
「特に横浜駅周辺に土地勘がある人にとっては、うちのマンションがある場所は『暮すエリア』として考えづらいかもしれません。確かにこの近くには繁華街があってゴミゴミした印象もありますからね。
でも、生活や足まわりの利便性はとにかく抜群。駅とその周りで何でもそろいますし、クオリティも高い。都心方面直通路線や新幹線利用がしやすい上、成田・羽田両空港に直行する京急や高速バスもあります。主人のオフィスは東京・丸の内で、ドアtoドアで約40分の近さです。私は個人事業主で自宅をオフィス兼用としていて来客も多いのですが、とにかく来やすい場所ですねと言っていただけます。以前は車を持っていてひんぱんに使っていましたが、ここで暮し始めてから必要がなくなって維持費を払うことに意味が見いだせなくなり、手放しました」
近隣には、小さな子どもを安全に遊ばせることができそうな自然豊かな公園などはない。しかし、日常生活で「自然が身近」「閑静な住環境」といった側面ではなく、生活利便性を最優先するなら、ブランズ横浜の環境は理想的だ。それに、ちょっと足を延ばせば開放感いっぱいの山下公園や、緑豊かな根岸森林公園などもある。
また、横浜駅付近には交通量の多い幹線道路も走っているが、このマンションはそこに面していないことも特徴だ。
「マンションと幹線道路の間に、帷子川と交通量の少ない一方通行の車道が挟まれているので喧騒が届きにくいんです。防音性・断熱性に優れた複層ガラスが各戸標準で採用されているので、窓を閉めれば室内は本当に静か。窓の外を忙しく行きかう人や車が見えるのにその音が聞こえないのは、ここならではかも」
藤本さんによれば、ブランズ横浜の入居者には、買い物や足まわりなど暮しの利便性を優先するライフスタイルの方が多そうです、とのこと。2019年10月の第1回の住民総会後には住民交流を目的にしたパーティーを開き、100名近くが参加したそうだ。価値観が近い住民が多いからこその盛り上がりだったのではないだろうか。
人口減少社会に入った今、政府は、主要駅の周辺に商業、オフィス、教育、医療など暮しに必要な諸機能を集め、その周辺に居住者を集約するまちづくり構想「コンパクト プラス ネットワーク」を推し進め、全国の自治体もこれに呼応している。ブランズ横浜のようなポジションは、近未来のマンションの主流になっていくかもしれない。