50年、住人が守り続けた豊かな緑。住み継がれる家

桜上水ガーデンズの外観

物件名:
桜上水ガーデンズ
所在地:
東京都 世田谷区
竣工年:
2015年
総戸数:
878戸

半世紀前に誕生した緑豊かな住環境を継承

京王線桜上水駅の改札を出て小ぢんまりした商店街を通り抜ける。

わずか徒歩3分ほどで、ふいに豊かな緑が目に飛び込んでくる。公園の一角のような木々。桜上水ガーデンズのエントリーコート(メインゲートへと続くアプローチ)だ。

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敷地のメインゲートへと続くアプローチ

全9棟・878戸からなる桜上水ガーデンズは、かつて一帯にあった「桜上水団地」の建て替え事業で誕生した大規模マンションだ。
約4.7haの敷地に全17棟・404戸の団地が建てられたのは1965年のこと。平成に入ると設備の老朽化や耐震強度などが問題視されるようになり、住人有志によって建て替えが検討されはじめた。

全国でも団地建て替えの事例が少ないなか、幾多の協議・調整を経て、2013年に建て替え工事が始動。2015年に、全9棟・878戸という大規模マンションとして生まれ変わった。

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敷地内には、団地だったころの物件名プレートがモニュメントとして保存されている

このマンション最大の特徴は、約4・7haもの広大な敷地のうち、植栽が約4割を占めるという緑の豊かさだ。団地だった時代から、敷地内には高木だけで180本超もあったそうだが、建て替え時には、さらに360本超の高木が追加で植樹された。管理組合の理事長は言う。

「ウメやサクラ、イチョウなど、敷地内のそこここで、季節ごとの風景を楽しめるんですよ。団地の時代から受け継がれてきた緑豊かな環境は、このマンションならではの貴重な資産です。このため、維持管理していく上でも、専門の植栽管理会社に手入れを委託しています」

それに加え管理は丸投げでなく、住人も積極的に関わっているという。

「例えば、植栽管理会社には、手入れが必要なところがないかどうか、月に一回、敷地内を巡回してもらっています。このとき、管理組合の環境担当理事を中心に組織した緑地管理部のメンバーも一緒にまわるんです。
その上で、手を入れる部分や作業内容・分担を決定しています。草むしりなど、特殊な装備や技術が必要ない作業については、住人に呼び掛けて自分たちで実施することもあるんですよ」

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敷地内の一角では、緑地管理部のメンバーが自ら花を植えている

住人にも手入れにあたってもらえば、植栽が大切な資産であることを自然に意思共有できるし、交流の場の創出やコストの節減にもつなげられる。

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敷地内には、公園の並木道のようになっている場所もある

コミュニティ形成に注力し、住人の意識を高める

理事長は、マンション内のコミュニティ形成にも熱心だ。

「世田谷区の地域子育て支援コーディネーターの協力のもと、子育て世帯が気軽に利用できる『赤ちゃんtoあんしんカフェ』をキッズコーナーで開催したり、新鮮野菜300円詰め放題を目玉にしたマルシェを開催したりと、さまざまな催しを実施しています。
また、毎年4月には、周辺地域との交流も視野に入れて「さくら祭り」を開催しました。近隣の飲食店に声をかけて屋台を出してもらったり、隣接している大学のサークルに依頼してコンサートを開催してもらったりと、年々、内容の多彩さや充実度が高まっているんですよ」

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2018年4月に開催された「さくら祭り」の様子。多くの人でにぎわい、地域の恒例行事として定着しつつある(画像提供:桜上水ガーデンズ団地管理組合法人)

なお、桜上水ガーデンズの管理組合理事は、各棟の世帯数に比例させて選出人数を割り振っている。各棟で定期的に懇親会も開催しているそうだ。

「交流を育むなかで、コミュニティ活動に積極的な方や、管理に対する意識が高い方を見つけた場合は、理事から声をかけて、各活動に参加していただいています。こんな形で、理事会と連携できる自治会のような組織をつくっていきたいと考えています」

多彩な共用施設は、柔軟にルールを見直し

最後に、充実した共用施設とその運営にも触れておきたい。
桜上水ガーデンズの共用施設は、基本的に2棟の共用施設棟に集約されている。ラウンジをはじめ、フィットネスルームやシアタールーム、ライブラリーなど、種類も多彩だ。

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ホテルを連想させるような落ち着いたムードの「グランドラウンジ」

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大型プロジェクターが設置された「シアタールーム」。防音性能が高いので、楽器演奏の練習に使う住人もいる

いずれも、当初から使用ルールが定められているが、竣工から3年経ち、実情にそぐわない部分も出てきたという。例えば、ライブラリー。

「もとは、利用希望者の事前申請を受けて座席カードを発行し、入退室を管理することになっていました。同じ時間帯に利用者が集中して入りきれなくなるのを防ぐためです。しかし、実際に運用してみると、人があふれかえるような事態にはならないと判明しました。そこで、面倒な手続きを省略し、入居者なら好きなときに利用できるようにしました」

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自習スペースも併設された「ライブラリー」。書店と契約していて、1カ月に一度、ベストセラーの書籍や雑誌などが届くようになっている

また「キッチンスタジオ」の隣には「カルチャールーム」という集会室が配置されているが、間の仕切りが開放できるようになっていて、人数が多いパーティーなどにも対応できるようになっている。

「以前は、両スペースの利用可能時間が異なる設定になっていたため、結果として使いづらかったのです。この点にもメスを入れて活用しやすくしました」

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「キッチンスタジオ」は人気の施設のひとつで、取材時も「これから友人を招く」という住人の方が準備を始めていた

共用施設を利用するのは、あくまでマンション住人であるという基本に立ち返り、柔軟にルールを見直しているわけだ。

「竣工から3年経ちますが、今後も見直すべき点は出てくると思います。できるだけ、使い手である住人の要望をとり入れていきたいですね」

締めくくりとして、理事長に、いち住人として感じている桜上水ガーデンズの魅力について聞いてみた。

「会社から帰ってきてマンションの敷地に入ると
“ああ、わが家に帰って来たな”
と実感できるんですよ。緑が豊かで、住人同士でも交流できているので、愛着がわいているんですね。今後も、多くの住人に同じように感じていただけるようにしたいですね」

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構成・取材・文/竹内太郎 撮影/吉田 武

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