大変だったけど、
二人だから乗り越えらること

交際歴:5年8ヵ月
左:なおき(28)会社員/ゲイ 
右:じゅん(35)メディアプロデュサー/ゲイ

二人はSNSで知り合い交際へ。
もともとオープンだったじゅんさんと出会ったことで、なおきさんは家族や友人にカミングアウト。
周りから認められ、昨年葉山で結婚式を挙げる。

ずっと曖昧な関係だったから、僕がしっかり引っぱりたかった

お二人の出会いは?
じゅん:

SNSですね。僕たちゲイはカジュアルにアプリで出会えるのですが、SNSのコミュニティで相手募集みたいなのをプロフィールに書いていました。それを見た彼がメッセージを送ってくれたんです。

なおき:

そのときの僕はクローゼットな人間でカミングアウトもできてなくて、モヤモヤした状態。「僕って頭変なんです…」みたいなメッセージを送ったり(笑)。

じゅん:

年上が好きで若い子に興味がなかったので、最初は無視していました(笑)。でも、少し経ってから写真を見て「若い子っていいな」って思い、僕から連絡して会うことになったんだよね。

なおき:

僕は当時静岡に住んでいたので、実際に会ってみた彼は都会の人ってイメージでした。いろんなことを知っているし、話もおもしろいし、さらに良い印象になって。

じゅん:

僕も、変に期待しなくていいニュートラルな付き合いができそうだなと思って、1日で付き合うことになりました。

二人が一緒に暮らし始めたきっかけは?
じゅん:

きっかけは特になくて。一緒に住みたいなって思ったから、僕からずっと彼に言っていましたね。

なおき:

僕も同棲したいとは思っていましたけど、ずっと静岡に住んでいたので…。仕事もあったし、なかなか決心がつきませんでした。

じゅん:

それまでは静岡から会いに来てくれていたので、お金と時間がかかっていたんですよね。

なおき:

そう!それで決心して東京に出てきました。同棲と上京、転職と重なり、いろいろ大変でした。今もまだ都会に慣れていないですね。

じゅん:

僕は実家から出て初めての同棲でしたが、そのへんに住めればいいかなって軽い気持ちでした。あと、ずっと曖昧な関係だったので、しっかりひっぱって行かなきゃなって思いもあって。

なおき:

でも、同棲を始めて、本当にケンカが増えました…(笑)。些細なことでケンカして、僕が家を出て、車で泊まることが多いです。次の日には、仲直りできるんですけど。

じゅん:

生活リズムが一緒で、顔を合わせることが多いからこそ、ケンカしちゃうところがあるよね。

義兄弟って設定で借りたから、後ろめたい気持ちがずっとあった

では、実際にお部屋を借りる際、どうでしたか?
じゅん:

交渉事は結構ありましたね。男同士だと同棲よりもシェアのイメージが強いので、うるさくするからダメみたいな感じはありました。

なおき:

不動産会社には僕たちの関係をカミングアウトできず、実際の契約では審査が通りにくいという理由で、従兄弟って設定で契約したんです。顔も似てるので(笑)

じゅん:

それですんなり契約できたけど、結局責任感を感じていたわけで…。

なおき:

ちゃんと言って契約していないから、もし管理人さんにバレたときに突っ込まれたりしないかな?とか、不安や後ろめたい気持ちはありました。

じゅん:

それで、昨年末に管理会社に家賃の交渉に行くときにカミングアウトしました。結婚式をしたことなどいろいろ伝えたんですが、婚姻と同様の関係値でないと難しいと言われてしまって…。SUUMOで「LGBTフレンドリー」な物件を登録できるようになるくらい、世の中では少しずつ変わりつつあることなんですよって説明したら、二つ返事で連絡がきて、書類をもらえたんです。

なおき:

交渉は彼が全部やってくれるので、僕は気づいたら決まっていたって感じです。頼りになりますね!

じゅん:

カミングアウトしたい気持ちはなかったんですけど、交渉とかハードな部分ではしっかり伝えなきゃいけないと思います。面倒くさいかもしれないけど、そういうところも管理会社さんに配慮してもらえたらいいですね。

一緒に住んで良かったことは?
なおき:

心境の変化はそんなにありませんが、ずっと一緒にいられるのはやっぱり大きいですね。それまで遠距離恋愛で、会うまでが大変だったので。

じゅん:

僕は安心感が生まれました。結婚式を挙げたっていうのもありますが、僕が死ぬときまで見ていてくれるんだなっていう安心感。

なおき:

あとは、二人でよく旅行に行くんですけど、計画をスムーズに立てられるようになったかな。結婚式を挙げた葉山とか京都とか、自然が豊かなところに行くことが多いです。

じゅん:

旅の大枠はだいたい僕が決めて、細かい連絡は彼が全部やってくれます。今度、友人の結婚式でヨーロッパに行くんですけど、新婚旅行も兼ねていろいろ周る予定です。

なおき:

再来週なのに、行く場所は全然決まってないですけどね(笑)。

どんなに仲が良くてもお互いの部屋は必要

今の家はどんな基準で選びましたか?
じゅん:

今は1LDKの部屋に二人で住んでいます。部屋の大きさにはあまりこだわらずに、水回りと景色が綺麗なところを選びました。あとは、電車の便が良くて、通勤も苦にならないのがいいですね。

なおき:

駅近の物件っていうのも決め手の一つ。

じゅん:

最初に住む家だからそこまでこだわらずに選んだよね!

なおき:

契約も緩くて更新をしなくていいのも良かった。勝手に住んでくださいみたいな感じです(笑)。

じゅん:

中にはそうなる大家さんもいるだろうね。日本も理解がある人は増えてきているけど、年齢も上になればなるほどLGBTのこともあまり浸透していないというか。

これから先、どんな部屋に住みたいですか?
じゅん:

部屋が狭いから、もっと広いところに住みたいですね。

なおき:

どんなに仲が良くてもお互いの部屋は絶対大事! あとは、車が置けて屋根付きの駐車場があれば十分ですね。

じゅん:

この間も部屋を一緒に見に行ったんですよ。次はペットも飼えて、タワーマンションほど行かないくらいの、高いところがいいね。

なおき:

低めの建物でいいかな、3階建てぐらいで十分。人工的な高さよりも丘の上に建っているような。僕も動物が好きだから一緒に飼いたいです。

じゅん:

ネコとかイヌ、フクロウなんて飼えたら理想だね。

取材:TOKYO GRAFFITI