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下図によると、住宅購入検討者の女性の50%は、譲れない条件が4つ以上あったと答えており、男性の27%の倍近く。夫婦の意見が一致しにくい一因だ。「お互いが譲らずに議論が平行線になるのは、それぞれが自分の表面的な立場ばかりを主張して、『なぜその点にこだわるか』という根本的な理由を分かりあおうとしないからなのです」(東京大学公共政策大学院松浦正浩特任准教授)。
では、根本的な理由を分かりあい、合意に至るためには、どうすればいいのか。今回は、前述の松浦氏がまちづくりの現場で実際に使っている手法を、下のように住まい選びの合意形成に応用してみた。
用意するものは、付箋紙と筆記用具と広いテーブル。付箋紙を使うのは、配置が自由にやり直せるためだ。早速、山田さん家族を例に実践してみよう。
意見が合わないのは、住まいの条件だけではない。山田さん家族のように、購入時期で意見が別れる夫婦も多い。そんな場合は、やはり前述の松浦氏が勧める「バックキャスティング」の手法を試してみよう。「10年後、20年後に、どんな家に住んでいたいか」を決めたうえで「その実現に向けて今、何をすべきか」を見つめ直す作業から、今買うべきかどうかの結論が導き出せるだろう。
合意形成術のプロ 松浦正浩さん
東京大学公共政策大学院 特任准教授
東京大学工学部土木工学学科卒
マサチューセッツ工科大学都市計画学科博士課程修了後、現職
著書に「実践!交渉学」
(1)手近な紙に、数直線を引き、始点に「2010年」、縦軸に家族全員の名前と現在の年齢、その下に「住まい」と書く
(2)夫が定年となる年齢を数直線上にプロットし、家族全員の年齢も記入。「住まい」欄に、そのときどんな住まいに住んでいたいかも書く
(3)逆算する形で、子どもの進学など節目の年を記入
(4)節目の年にどんな住まいに住んでいたいかと記入
(5)そのためには、いつまでに住宅購入が必要なのかを検討