■ 夫婦で意見が分かれましたか?
「特に夫婦で意見は分かれていない」と答えた人は約半数で、意外に多い。数多くの家族から、マイホーム購入の相談を受けているスーモカウンター新築マンションのスタッフは「マイホームを買おうと思っている家族は、夫婦仲がいい人が多いと感じます。夫婦の関係が良くないのに一生で一番高い買い物をしようと思わないですよね」と推測する
特に子どもがいる場合、”子どものため”という共通の目的のもと、意見が一致しやすいようだ。ただし「お金は僕、間取りは妻で役割分担し、特に意見の衝突はありませんでした」(29歳男性)、「主導権は圧倒的に私。私が全部調べたので衝突はなし」(29歳女性)と、同じ「一致する」でも、分担したり、どちらかが主導権を握っているからだったり。普段の夫婦関係が大きく影響するようだ。
■ 最も夫婦で意見が分かれたものトップ5
夫婦で意見が分かれやすい項目は右表のとおり。1位は「どの駅、街にするか」について133人、ついで「いつ買う/借りるか」について115人、「予算」について95人が最も夫婦で意見が分かれたと回答している。「マイホームを買う」ことには意見が一致していても、「どの街にするか」「今、買うのか」ということはもめるようだ。具体的にどんな点がもめているのか、どういうふうに対処したのかは次で細かく見てみよう。
共働きならどちらの勤務先を優先するか、夫婦どちらの実家の近くにするかなど、立地選びはもめがちなところ。特に立地は物件価格に直結するだけに、希望エリアの相場がどれくらいかも重要だ。具体的には夫は通勤時間、妻は自分の実家の近くを重視したいという声が多かった。「夫の勤務先を優先すると、私の実家から2時間かかってしまう。購入時はまだ二人暮らしだったけれど”子どもができたら実家に助けてもらわないと!”と説得。中間地点で購入しました」(34歳女性) など折衷案を出したり、「私は環境のいい郊外がよかったが、通勤は毎日のことなので夫の勤務時間を優先した」(30歳女性)など、どちらかが折れる形で最終的には決まるようだ。
一時期に比べると物件価格が下がり、「もっと下がるのでは」と思ったり、「もっといい物件がないかな」と考えたり、今買うべきかどうかは悩む人が多い。「夫がなかなかその気になってくれず、買うタイミングを何度か逃した」(36歳女性)など、どちらかというと「早く買いたい」妻と、「先延ばしにしたい夫」の間でもめるケースが多いようだ。夫を乗り気にさせるには、「金利の低さ、価格(ローンと家賃との比較)などで”今は買いどき”と説得した」(32歳女性)と論理的に攻めたり、「夫は最初乗り気じゃなかったけれど、物は試しとマンションギャラリーに連れていき、その気にさせた」(36歳女性)など具体的に行動に起こすなど、方法はいろいろ。子どもの幼稚園入園・小学校入学に間に合わせるために説得するという声も多かった。ただ「希望エリアにちょうどいい土地が売り出され、急にすぐ買うことに」(34歳男性)など、欲しい家や土地が具体的に見つかれば、一気に契約まですすむ場合も少なくないようだ。
予算でもめがちなのは、「いいと思う物件が予算オーバー」だった時。最初の予算を決める時には問題なくても、「一生に一度の買い物だからこそ妥協したくない」と思う人もいれば、「多額なローンを組むからこそ無理したくない」と考える人もいるからだ。主に妥協したくないのは妻、無理したくないのは夫のよう。1人でローンを抱えるケースが多い夫が「予算オーバーでも頑張れる」と判断すればもめないが、夫が予算内におさめたい場合、妥協したくない妻との間でもめてしまうことに(もちろん例外もある)。お金のことだけあって、「予算だけは世帯主である私の意見を通した」(48歳男性)というように、ほかの条件では妥協しがちな夫も予算に関してはシビア。予算オーバーする際は、「妻も頭金を出す」「親から贈与を受ける」「価格交渉する」「内装費や設備費用など節約する」など、何かしらおとしどころを見つけているようだ。
一概にいえないが「一戸建て希望」の夫と「マンション希望」の妻でもめるというケースが多いようだ。というのも、男性は「マイホームを購入=一国一城の主=やはり一戸建て」と夢見るが、現実的な女性はセキュリティや利便性から「マンションがいい」と考えている人が多いため。これに関してはエリアや予算のように「中間をとる」ということができないだけに、どちらかが説得、どちらかが折れるしかない。具体的には、マンションも一戸建ても実際に見学して、お互い話し合いながら、決めているようだ。ちなみに、一戸建ては、駐車場や管理費がかからない、上下の音はさほど気にしなくていいという利点があり、マンションはメンテナンスが楽、セキュリティがしっかりしている、利便性の高いエリアにある、などの利点がある。
■ 夫婦で意見が一致したものトップ3 (複数回答)
夫婦で意見が一致した項目のトップ3が右表。「夫の年収や貯蓄額からおのずと予算が出てくるので、特にもめなかった」(32歳女性)、「無理なローンを組むことは絶対にしないと夫婦であらかじめ決めておいたので、始めから予算内の物件しか見なかった」(30歳女性)など、「無い袖はふれない」と予算はもめないケースが多いようだ。次に多いのは「買うか借りるか」ということ。夫婦で「購入する」ことが一致していれば、次のステップにうつりやすい。