Kさんは設計士という仕事柄、建てたい家を先に頭の中で描いていた。「プライバシーを守るために中庭のある家で、2台分のビルトインガレージもほしい…と考えていくと、東間口か西間口が理想でした。ちょうど条件にぴったりの土地を見つけたので、家づくりを始めたんです」。多忙で広い庭の管理はできないため「土地は50坪あれば十分」と考え、土地購入費を抑えた分を建物に回そうとも思ったそうだ。間取りを先行することで迷わず選んだのは、東間口で3方を家に囲まれた57坪の土地。唯一の… 続きを読む
Kさんは設計士という仕事柄、建てたい家を先に頭の中で描いていた。「プライバシーを守るために中庭のある家で、2台分のビルトインガレージもほしい…と考えていくと、東間口か西間口が理想でした。ちょうど条件にぴったりの土地を見つけたので、家づくりを始めたんです」。多忙で広い庭の管理はできないため「土地は50坪あれば十分」と考え、土地購入費を抑えた分を建物に回そうとも思ったそうだ。間取りを先行することで迷わず選んだのは、東間口で3方を家に囲まれた57坪の土地。唯一の開口部である東側には窓ひとつなく採光が気になるが、そこがKさんの狙い。「カーテンを開けるとご近所の家、という眺望にしたくなかったので、8畳の中庭をロの字に囲む間取りにしました。採光がしっかり取れますし、LDKと外の境界線が曖昧になり、部屋の中がぐっと広く見えます。中庭だと子どもたちがのびのび遊べて、見守る側も安心です」。また中庭とつながるLDKは美術館のようにすっきりモダンな空間に仕上げてあり、和モダンな外観とのギャップにもワクワクする。さて、かっこよさと木の温もりが溶け合うロの字型ガレージハウスの住み心地は?「住んで1年が経ちますが、何より冬の暖かさに驚きました。夏も冬も1階LDKにある8畳用のエアコン1台だけつければ、快適に過ごせます!」
中庭テラスをぐるりと囲むロの字型のK邸。8畳ある中庭からLDKの隅々まで光が届き、視線を遮りながら明るく暮らせる。リビングにある細長い吹抜けは、観葉植物を育てる光を天窓から落とすために考えられたもの。またキッチンからユーティリティコーナー、洗面室を回遊できる動線でぐっと時短に
中庭テラスをぐるりと囲むロの字型のK邸。8畳ある中庭からLDKの隅々まで光が届き、視線を遮りながら明るく暮らせる。リビングにある細長い吹抜けは、観葉植物を育てる光を天窓から落とすために考えられたもの。またキッチンからユーティリティコーナー、洗面室を回遊できる動線でぐっと時短に
20年後を見据えた間取りが秀逸。「子どもの友達が遊びに来ることを考えてリビング階段をやめ、真ん中の吹き抜けから気配が伝わるようにしました。2カ所のウォークインクロゼットは独立させて、各部屋をフレキシブルに使えるように。子どもが巣立った後は、子ども室を妻のアトリエなどに活用予定です」
20年後を見据えた間取りが秀逸。「子どもの友達が遊びに来ることを考えてリビング階段をやめ、真ん中の吹き抜けから気配が伝わるようにしました。2カ所のウォークインクロゼットは独立させて、各部屋をフレキシブルに使えるように。子どもが巣立った後は、子ども室を妻のアトリエなどに活用予定です」
グランハウスではチーム設計を行っています。設計士のKさんが描いた間取りに合わせて、私は主にインテリアや造作の設計を担当しました。Kさんはラグジュアリー過ぎずカジュアル過ぎない、シンプルモダンな空間が好きなので、K邸は「ちょっと上品」をデザインコンセプトに。色は白をベースにグレーと木だけに絞り込み、モルタルや樹種の異なる木を使って素材感を生かしました。宙に浮くような階段やモルタル塗りの洗面台といった初チャレンジの造作が映える家になったと思います。また「妻が描… 続きを読む
グランハウスではチーム設計を行っています。設計士のKさんが描いた間取りに合わせて、私は主にインテリアや造作の設計を担当しました。Kさんはラグジュアリー過ぎずカジュアル過ぎない、シンプルモダンな空間が好きなので、K邸は「ちょっと上品」をデザインコンセプトに。色は白をベースにグレーと木だけに絞り込み、モルタルや樹種の異なる木を使って素材感を生かしました。宙に浮くような階段やモルタル塗りの洗面台といった初チャレンジの造作が映える家になったと思います。また「妻が描いた油絵を飾りたい」というKさんの要望から、壁に余白を多くし、ピクチャーレールもつけています。今は完成した家に合わせて描いた絵画を飾っているそうで、温かみのある美術館のようなお住まいになりました。アウトドア派だけでなく、インドア派の方にもさまざまなご提案ができますので、ぜひ趣味のお話もお聞かせください。
商品名 | - |
部材・設備 | - |
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部材・設備 | - |
延床面積 | 138.24m2 (41.8坪) |
敷地面積 | 188.95m2 (57.1坪) |
工法 | 木造軸組 |
本体価格 | 2,500万円~2,999万円 |
竣工年月 | 2019年9月 |
店舗名 | 茜部オープンスタジオ |
住所 | 岐阜県岐阜市茜部新所1-223 1階 |
問い合わせ | |
ホームページ | この会社のホームページへ |
30代のKさんは「50年後もかっこいい家」をテーマに、飽きの来ない和モダンの外観を目指した。2台分のビルトインガレージの天井は杉板、奥の壁はモルタルの外壁材を張り、シャッターをなくして魅せるガレージに。雨に濡れずに玄関へ移動できるのも便利
中庭を囲むゆったりとしたLDK。ガレージの壁とリビングのアクセントウォールはモルタル調の外壁材で統一し、外壁が室内まですっと伸びているように演出。中庭の軒天もリビングの天井と同じ白にして、空間をつなげているのが面白い。Kさんの狙い通り「外と中があいまいな空間」が見事に叶った
中庭なのか、部屋なのか。ハイサッシの効果もあり、不思議なほどの一体感を味わえる。8畳の中庭は子どもの遊び場にぴったり。床もほぼフラットにして、細いグレーチングで水はけを工夫したそう。「庭のお手入れが苦手」という方に中庭テラスはおすすめのアイデアだ。また見えるのはわが家だけなので、レースカーテンだけで過ごせるのもうれしい
玄関アプローチに植栽をたっぷりとあしらい、緑のうるおいをプラス。「モミジをシンボルツリーにして、アオダモやキンモクセイ、ベリーなどさまざまな種類の樹木を植えました。1年で木のトンネルのように成長し、ここを通るのが気持ちいいです」
「家族が揃う朝食の時間を大切にしたい」という想いから、朝日が広がる東向きにオープンキッチンを配置。鍋を振るうコンロ側は低く、洗い物をするシンクは高めという機能的な既製キッチンをセレクトした。天井はチーク材仕上げ、ダイニングテーブルはチェリー材で造作し、木の風合いが心地いい。また家電ブースに家電類を集約し、背面は大好きな紅茶を並べる飾り棚にしてシンプルを追求
家の中心に細長い吹抜けを設けて、天窓からリビングへ光を落としている。「リビングに背の高い観葉植物を置きたくて、採光のために吹抜けをつくりました。この吹抜けによって2階の気配も分かるので、子どもたちが成長したときも安心です」
キッチン横にある小上がりのタタミコーナー。一番左の吊押入はおもちゃ箱代わりになっていて、子どもたちは思う存分おもちゃを広げたり、疲れたらお昼寝したり。子ども服や布団も吊押入に入っていて、子育て中に重宝しているそう
天板と壁をモルタル塗りにした造作洗面台が映えるクールな洗面室。ガス乾燥機を設置して洗濯がぐっとラクになったそう。洗面室→2畳のユーティリティコーナー→キッチンへ回遊できる動線も、住んでみて大満足。「ユーティリティは最初から用途を決めず、食品や洗剤のストックからタオル類まで収納しています」
ちょっと広めに取った玄関。正面はシンプルな白壁にして、妻が描いた絵画を飾っている。ホールの床は低めにつくり、下に間接照明を施しスタイリッシュに。デザイン階段がちらりとのぞくのも、設計士の計算。床材は、グレーと赤みのバランスがよく、足触りが柔らかなクルミ無垢材を選んだ
グランハウスの造作の自由度が分かるアートなスケルトン階段。壁に鉄板を差し込み、木の板で巻いて踏み板にしたもので、縦に伸びるポールは意匠だそう。「手すりに子ども用のネットを張らずに済む方法を考えたら、この形に。ポールの間隔が狭いので、安心して昇降できます」
暮らしにゆとりをもたらす廊下は、ギャラリー仕立てに。ピクチャーレールとスポットライトを取り付け、絵画を美しく見せている。階段下はクリスマスツリーや観葉植物を置くことができ、昇り降りするときも何だか楽しい
壁と一体化したハイドアの引き戸を開くと、トイレに。同社ではハイドアやハイサッシを使い、ムダな線をなくしてシンプルな建築美を叶えてくれる。トイレ内は外壁用のタイルで上品に仕上げた。ちらっと見えても絵になる空間
玄関は、開閉がラクなスイングドアからシューズクロークを通ってホールにつながる2way動線に。クローク内は可動棚や有孔ボードにより靴やバッグ、ゴルフバッグがすっきり片付き、美しい家の顔をキープできる。ホール側はロールカーテンをつけて、目隠しできるようにした
油絵が趣味の妻のために、2階廊下の一角にも造作洗面台を設けた。絵筆を洗ったり、子どもたちが成長したときには洗面台の混雑防止にも役立ちそう。また2階は各室にデスクとクロゼットをつくってあり、ベッドだけあれば暮らせるのがうれしい
夜ライトアップされた外観は、和モダン旅館のような趣。外壁はコテを使わない粗めの吹き付けで表情豊かに演出。杉の無垢板を張った深い軒天や、屋根に取り付けた雪止め、鎖型の雨どいも和の粋な演出
植栽や細い格子が家の中への好奇心をかき立てる玄関アプローチ。植栽がライトアップされ、壁に映る影が美しい。「朝も格子の影ができて、ここを通ると気分が上がります」。グランハウスでは外構までトータルで提案してくれる(従業員邸)