不動産売却の基礎知識や知っておきたいコツを分かりやすく解説します。売却の体験談もご紹介。

相続した土地と古家。建物を解体せず、わずか2カ月でスピーディに売却/広島県広島市Hさん(60代)

広島県広島市Hさん(60代)/相続した土地と古家を、値下げなくわずか2ヶ月でスピーディに売却

亡くなった母が住んでいた広島市の土地と築50年ほどの一戸建てを、相続人の姉に代わって売却活動を行ったHさん。地元で知名度のある不動産会社と仲介契約を結び、古家を解体することなく、2カ月ほどで段取りよく希望額での売却が実現。測量費用の出費以外は満足だったと話します。

不動産区分 古家付き土地
所在地 広島県広島市
築年数 約50年
間取り・面積 土地220m2、建物4LDK(約180m2
ローン残高 なし
査定価格 1600万円〜1860万円
売り出し価格 1860万円
成約価格 1860万円

姉が相続した土地と家。代理で売却活動をスタート

2021年初頭に母が亡くなり、母が住んでいた広島県広島市の実家(古家付き土地)を手放すことにしたHさん。生前、両親からは「お墓は守ってほしいが、土地と家は売ろうが貸そうが好きにしていい」と言われていたため、迷いはなかったそうです。
実家を相続したのは、海外生活が長かったHさんに代わり、長年近くで母の面倒を見ていた姉でしたが、「どうやって売ったらいいのかわからないし、女性ひとりだと不安」と相談され、代理でHさんが売却活動を行うことにしたと言います。

物件は、すぐ近くのバス停から30分ほどで広島市中心部にアクセスでき、バスの本数も多い便利なロケーションです。「昔からの住宅地で、広島市のベッドタウン。家自体は築50年ほどと古く、母が亡くなる前はわが家に呼び寄せていたので、2年ほどは空き家状態でした。僕が週1回は行って、庭の草むしりをしたり郵便物を片付けたりして管理していたのですが、家の中は床が沈むところがあるなど、住むにはあちこち修繕が必要な状態でした」とHさんは話します。

査定額が高く、建物を解体せず売るという仲介会社を選んだ

売却を依頼する不動産仲介会社は、知名度のあるところにお願いしたかったというHさん。
「地元で名の知れた会社なら安心感があると思いました。知人に紹介された会社を含め3社ほど連絡し、現地査定を依頼してみたら、査定額は1600万円〜1860万円と開きがありました。そこで、いちばん高い査定額を出してくれた会社と専任専属媒介契約を結ぶことにしたのです。古家について、ほか2社は『解体して更地にした方が売りやすいでしょう』という考えでしたが、契約した会社は『住めないことはないので、ひとまずそのままで売ってみましょう』と言ってくれたのです。解体には費用も時間もかかりますからね。その点も決め手になりました」

売り出し価格は、査定額の1860万円に決めました。

1週間で買い手が出現。建物もそのまま住み継いでくれることに

すると、1週間ほどで購入希望者が現れました。
「この辺りに土地勘がある方で、内覧してすぐに買いたいと言ってくださった。値引き交渉もなく、ローンを組まずに現金一括購入とのこと。不動産会社立ち合いのもと銀行の一室で契約を交わしたのですが、拍子抜けするほどスムーズでした」とHさん。

気にしていた古家も、解体せず、修繕して住みたいとのこと。Hさんたちの思い出のつまった家も引き継がれることになり、わずか2ヶ月ほどで売却活動は終了しました。

建物もそのまま住み継いでくれることに

■解体費用の相場

解体費用を決める大きな要素として、建物の構造と広さが挙げられます。まず、基本的に硬い構造体でできている建物ほど、解体費用は高くなります。木造3万〜5万円/坪、鉄骨造4万〜6万円/坪、鉄筋コンクリート造や鉄骨鉄筋コンクリート造6万〜8万円/坪が目安です。また、広ければ広いほど解体する面積が増えるため、コストは上がります。地下室など地下階は、場合によっては特殊な重機や埋め立てる作業が必要になることもあり、解体費用が上がる要素になります。そのほか、重機が入るスペースがあるかといった立地条件や、廃棄する建材の量でも費用は変わってきます。複数の会社に現地をしっかり見てもらい、見積もりを比べることが大切です。

土地の測量費用が高額だったことが唯一の不満点

無事に引き渡しを終え、姉に売却代金を渡したHさん。順調な売却活動には概ね満足でしたが、「1点だけ、測量費用が70万円くらいかかってしまったのが想定外でした。はじめからわかっていればよかったのですが、不動産会社からも聞いていなかったので、最終的に思いがけない出費だったなという思いが残っています」

売却後は現地を訪れたことはないといいますが、建物がどうなっているのか、今度一度見に行ってみようかな、と話すHさんでした。

2021年1月 ・母が亡くなり、古家付き土地を姉が相続。姉弟で相談して売却を決意
2021年2月 ・3社に現地査定を依頼
・うち1社と専属専任媒介契約を結び、売り出しスタート
2021年3月 ・購入者が現れる
2021年4月 ・売り出し価格の1860万円で売買契約を結ぶ
・物件を引き渡し

まとめ

  • 親が亡き後、相続する土地と家についてどうするか、事前に話し合っておくと安心
  • 解体費用がかかる古家は、そのまま売却できないか検討を
  • 売却にかかる諸経費はあらかじめ確認しておこう

イラスト/いぢちひろゆき

●構成・取材・文/塚田真理子
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