
以前から、とある街で一戸建てに住みたい、という願望があったKさん。コロナ禍に自分の足で理想の土地を見つけたKさんは、約10年住んだマンションの売却を決意。1580万円の購入価格よりも高い、1980万円で売却できました。
| 不動産区分 | マンション |
|---|---|
| 所在地 | 滋賀県野洲市 |
| 築年数 | 21年 |
| 間取り・面積 | 4LDK(約75m2) |
| ローン残高 | なし |
| 査定価格 | 1980万円 |
| 売り出し価格 | 1980万円 |
| 成約価格 | 1980万円 |
憧れのエリアで希望の土地を見つけ、新居を建てるべくマンションを売却
2009年、築10年のファミリータイプの中古マンションを1580万円で購入し、家族で住んでいたKさん。マンションがあるエリアは、子育て世代の人口も増えている、京都・大阪のベッドタウン。徒歩5分の最寄駅は始発駅で、座って通勤・通学できると人気の立地です。
実はKさん、以前から「いずれは一戸建てに住みたい」という夢を持ち続けていました。そのため、マンションを購入する際も、将来売却することを視野に入れ、「駅近、角部屋、上層階」という売りやすい条件を満たした物件を選んでいました。
「当時から近くに好きな街があって、そこに家を建てて住めたらな、とずっと考えていました。土地の情報はまめにチェックしていたのですが、なかなか出てこなくて。2020年、コロナ禍で出張もなくなり、ほぼ在宅勤務に。あるとき早めに仕事を終えて夕方に自転車でその街に行ったところ、希望の土地が売り出されているのを見つけたんです」とKさん。
閑静な住宅街で、広い土地を2つに分筆した建築条件付きの土地でした。指定されていたのは、Kさんの実家を手がけていた住宅メーカーで、偶然にも営業担当者も同じ人。Kさんはその土地の購入を決め、新居を建てながら、これまで住んでいたマンションの売却活動を始めることにしました。

住宅メーカーの系列会社に仲介を依頼。賃貸を考えつつも、売却をスタート
仲介は、契約した住宅メーカーが紹介してくれた系列会社に依頼。2020年11月に、専属専任媒介で契約を結びました。「住宅メーカーの担当者の部下だった方が売却の担当になってくれて。新居の打ち合わせの際、同じ建物で売却の方の話もできてとても楽でした」とKさんは振り返ります。
現地査定の結果、購入した約10年前と比べ地価が上昇していたこともあり、査定額は1980万円。Kさんの相場感の1900万円よりも少し上回る額だったといいます。「10年以上住みましたが、壁紙やフローリングをリフォームしたり、空調設備などもいいものに替えていたので、その点もよかったのかもしれません」とKさん。これまで同じマンション内の売却物件はすぐに売れていた印象もあったとか。「ですので、需要があるのはわかっていました。もしすぐに売れなければ値下げするのではなく、賃貸に出すのもいいなとも考えていました」。
■マンションを貸す場合のコストについて
まずマンションを貸し出す際の費用として、不動産仲介会社に支払う仲介手数料、ハウスクリーニングやリフォーム費用がかかります。また住宅ローンが残っている場合は、賃貸用ローン(投資用ローン)への借り換え費用がかかり、金利も住宅ローンより数倍高くなります。
貸し出している間には、固定資産税・都市計画税、所得税・住民税、管理費・修繕積立金、賃貸の管理業務委託費(相場は賃料の5%)、保険料、修繕費などがかかります。
マンションを売却せずに貸す場合は、家賃収入とこうした経費のバランスを確認することが大切。空室になる可能性も見込んで収支計画を立てましょう。
値引き交渉に応じず、売り出し価格でスムーズに成約
買い手はすぐに見つかりました。
12月に入ったら不動産ポータルサイトに情報を掲載する予定でしたが、不動産仲介会社が「その駅付近でマンションを探している人が3組ほどいる」とのことで声をかけてもらったところ、週末に内覧した1組が買いたいと申し出たのです。
「当初、1900万円ではどうかと交渉されましたが、『次の人もいるので』とお断りしたら、ではそのまま1980万円でと。売れるだろうとは思っていましたが、こんなにスムーズにいくとは想定していませんでした」とKさん。不動産仲介会社からも、ここまで順調にいくのは珍しいと言われたそうです。
一方、新居の完成は翌年2月。マンションの引き渡しは2月以降という条件も問題なく受け入れてもらえ、Kさんの売却活動は無事に終了しました。
賃貸案も捨てがたかったが、すんなり売却できて気持ちはスッキリ
長年憧れていたエリアで、自分好みの一戸建てに住むという夢をかなえたKさん。スムーズな売却活動ができた理由は、「やはり、いずれ売れるようにと考えて物件を選び、リフォームしてキレイに住んでいたからだと思います。購入された方からは、便利な立地で値ごろな価格がよかったと聞きました」。
心残りがあるとすれば、賃貸に出すという選択肢も捨てがたかった、とKさん。「賃貸にした場合、家賃収入は7万5000円。修繕費や固定資産税の支払いも考慮してシミュレーションしていたほどです。結果として売却益が出て税金を納める形になりましたが、それでもキャッシュを持っていた方が安心感もありますし、今はスッキリした気持ちです」と、晴れ晴れとした表情で語ってくれました。
| 2009年 | ・将来の売却を見据え、売りやすい条件のマンションを購入 |
|---|---|
| 2020年7月 | ・希望の土地を見つけ、土地の売買契約を結ぶ |
| 2020年9月 | ・建物の工事請負契約を結ぶ |
| 2020年11月 | ・住宅メーカーの関連会社と専属専任媒介契約を結ぶ。1980万円で売り出し ・購入希望者が現れ、1980万円で売買契約を結ぶ |
| 2021年2月 | ・物件を引き渡し ・新居へ引越し |
まとめ
- 賃貸に出す場合と売却した場合の利益をシミュレーション
- 買い替え先の関連会社に仲介を依頼すると打ち合わせがスムーズ
- 仮住まいを生じさせないため、引き渡しの時期は交渉を
取材・文/塚田真理子 イラスト/松尾達


