不動産売却の基礎知識や知っておきたいコツを分かりやすく解説します。売却の体験談もご紹介。

築15年のマンションを売却。購入時と同じ不動産仲介会社に託したことで大満足の結果に/神奈川県横浜市保土ヶ谷区Tさん(60代)

神奈川県横浜市保土ヶ谷区Tさん(60代)/築15年のマンションを売却。購入時と同じ不動産仲介会社に託したことで大満足の結果に

2005年に新築で買ったマンションに妻と2人で住んでいたTさんは、実家の土地と住居を相続したことから自宅を新築して住み替えることに。もともと物件の購入先だった地場の不動産仲介会社と媒介契約をし、約3週間で売却しました。

不動産区分 マンション
所在地 神奈川県横浜市保土ヶ谷区
築年数 築15年
間取り・面積 3LDK(約77m2
ローン残高 なし
査定価格 2200万円
売り出し価格 2280万円
成約価格 2250万円

相続した土地に新居を建てるに伴い、マンションを手放すかを考える

神奈川県横浜市保土ヶ谷区のマンションに妻と2人で暮らしていたTさんは、父親から横浜市内の実家の土地と住居を相続します。
実家はTさんにとって愛着があった場所。一時期、増築工事をして父親と同居しようと考えたことがあったものの、諸事情でかないませんでしたが、これを機に更地にして新居を建てようと計画します。

マンションは、2005年2月に竣工した物件を、同年9月に新築物件として2570万円で購入したもの。
3LDK・約77m2で、最寄駅までは徒歩約15分。駅までの道のりに坂があるのが少々難でしたが、自宅近くにバス停があり、横浜駅に直接つながる便が出ているため、さほど不便はありませんでした。
10年プランで組んだ1500万円のローンは、2012年に完済。住み替え先は自己資金で建てるめどをつけており、必ずしもマンションを売却し、現金を確保する必要はありません。

着々と建て替えの話が進み、新居の竣工を間近に控えたTさんは、「売却 or 賃貸」のどちらにするか検討していました。
そこでふと目に止まったのが、とある電車の車内広告でした。

自宅マンションを売却するか賃貸するか迷うイメージ

もともと購入先で親しみのあった地元の不動産仲介会社と媒介契約

「神奈川県には、鉄道会社のグループ企業のA社という不動産会社があり、目にしたのはその会社の広告でした。実は私のマンションは、かつてA社で買ったもの。
地元に根差した企業で親しみがありましたし、かつて自社で販売した物件であれば、むげにしないでしょう。
そこでまずA社に相談してみることにしました」

詳しく話を聞くなかで、「賃貸だと収入が小分けになるだけで、売却したときと総額はあまり変わらないのでは」「仮に賃貸にしても、ファミリー向けの物件なので需要が見込めず、入居者が安定しない可能性がある」と思うようになったTさんは、売却する方向でA社に査定を依頼します。

「すぐに支店長と営業担当が物件を見にきて、『2200万円が妥当である』と言われました。
私の方でも、ネットで同じマンションの最近の取引価格を調べたところ、近い金額が出てきて。
これが1000万円台なら躊躇(ちゅうちょ)しましたが、最終的に仲介手数料や譲渡税などが引かれるにしても、2570万円で購入し、15年近くも住んだ物件が2000万円以上で売れるなら御の字です。売却する気持ちを固めました」

査定価格に納得し、対応にも誠実さを感じたTさんは、2020年2月、A社と媒介契約を結びます。

「媒介契約の種類の違いは正直よく分からず、A社にすべて託すつもりで、勧められるまま『専任媒介契約』を選びました」

■媒介契約の種類とそれぞれの特徴

不動産会社と結ぶ媒介契約のタイプには「専属専任媒介契約」「専任媒介契約」「一般媒介契約」の3つがあります。「専属専任媒介契約」は、1社の不動産会社に仲介を依頼するもので、不動産会社を介してしか売却できません。「専任媒介契約」は、同じように1社の不動産会社に託すものですが、自力で買主を見つけて個人で売買することも可能。「一般媒介契約」は、一度に複数の不動産会社に仲介を依頼できて、個人でも売買できる契約です。それぞれ特徴が異なるため、自分が望む販売活動ができるものを選びましょう。

値下げを打診されるも全額は応じず、間を取った価格で交渉を成立させる

ゆくゆく値引き交渉が入ることを想定し、マンションの販売価格は2280万円に設定。引っ越しシーズンの需要に間に合わせるため、A社では早々に自社サイトと不動産ポータルサイトに物件情報をアップし、近隣の住戸にチラシを投函します。

「ほぼ同じ時期に新居が完成し、2020年2月に引っ越し。マンションは空き家になったわけですが、『少しでもきれいに見せた方がいい』とA社からアドバイスを受け、ハウスクリーニングをすることにしました」

部屋をきれいにしてから、ひとまず様子見だと思っていたTさんですが、その矢先、A社から一報が入ります。

「『まだ清掃前ですが、どうしても内見したいという方がいるのでお連れしていいですか』とのこと。少し心配しつつ見ていただいたところ、汚れが気になったのか、案の定、断られて。
しかしクリーニングした数日後に再び同じ方がやってきて、今度は購入の意思を示してくれました」

ただ条件として、2200万円まで値下げしてほしいと相手から打診されます。

「先方の話では『2200万円がマックスの予算なので、それ以上は厳しい』とのこと。
しかし売り出してまだ1週間ですし、ここで買主候補者を逃したところで私は生活に困りません。最悪、売れなければ賃貸に出してもいいと思っていたくらいです。
そうしたこともあり、すぐには首を縦に振らず、このくらいなら相手が譲歩できる範囲かなという線をつき『2250万円ではどうですか』と伝えたのです。
するとありがたいことに提案をのんでいただけました」

2020年2月、Tさんは買主と売買契約を結びます。売り出しから3週間後のことでした。

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A社との縁とタイミングが成功の決め手。新居で快適に過ごす日々

その後、Tさんは買主からほかに条件をつけられることなく、無事に物件を引き渡します。

「コロナが流行り始めたのが2020年3月のことでしたが、その前に市場に出せたこと、不動産の売買が活発になる2月に販売できたのがよかったのだと思います。
何よりA社は、支店長も営業担当も営利的なところがひとつもなく、常に売主の立場で助言してくれました。自分たちが根差す地域の物件で、かつ15年前に自社で販売したものだけに、なお更、力を入れていただけたのでしょう。
そうした方々にお願いできたのも幸運でした」

新築した住まいは3LDK・約106m2の2階建て。上下各階にトイレを設置し、階段の踏み板は広めに設計。ところどころで滑りにくい床を採用するなど、年齢を重ねても負担なく過ごせる工夫をしました。

「何から何まで思い通りにできて、注文住宅の魅力を実感しています」

Tさんの笑顔が、一連の活動の満足度を表していました。

2019年1月 ・実家のあった土地に自宅を新築することを決める
2019年8月 ・新築工事の着工
2019年12月 ・マンションの売却を考え始める
・A社に売却の相談をする
2020年1月 ・A社で訪問査定をする
2020年2月 ・A社と専任媒介契約を結ぶ
・新居に引っ越す
・物件を2280万円で売り出す
・購入者が現れる
・買主と2250万円で売買契約を交わす
2020年3月 ・マンションを買主に引き渡す

まとめ

  • ゆくゆく値引き交渉が入ることを見越して、販売価格は高めに設定する。
  • 売り出す際はハウスクリーニングをして、部屋の印象をアップさせる。
  • 無理に売る必要がないなら、値下げ交渉されても丸のみせず、間を取った価格で打診するのも手。

取材・文/星野 真希子 イラスト/石山好宏

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