大阪府大阪市に住むYさんは、姉と共同生活をはじめるべく地元で新築マンション(2LDK)を購入。しかし駅までの移動が負担となり約1年後、売却を決意。信頼の置ける不動産仲介会社に託し、購入時と同価格での売却を実現しました。
不動産区分 | マンション |
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所在地 | 大阪府大阪市西区 |
築年数 | 約1年 |
間取り・面積 | 2LDK(約55m2) |
ローン残高 | なし |
査定価格 | 3180万円 |
売り出し価格 | 3180万円 |
成約価格 | 3180万円 |
より負担の少ない生活のため、新築マンションを約1年で手放すことに
大阪府大阪市のマンションで1人暮らしをしていたYさん(60代女性)は、別々に住んでいたきょうだいと共同生活をはじめることに。それまで暮らしていたマンションは2人暮らしには手狭なため売却し、2019年に新築マンションを購入します。新しい部屋は、慣れ親しんだ大阪市内にある約55m2・2LDK。閑静な住宅街にあり、商店街までは徒歩3分と利便性のいい物件でした。
「3180万円という価格が予算的に丁度よかったですし、私はほぼ毎日出歩くのですが、最寄駅まで10分以上だとしんどいところですが、徒歩6分とまずまずの距離。内見に行くとすでに多くの部屋が売れていて、人気があるようだし間違いないだろうと迷わず入手しました」
しかし入居して約1年が経ったころ、Yさんは健康上の理由から、上り下りを含む駅までルートを負担に感じるように。やむを得ず、新たな部屋に引っ越しすることにします。
親切さのみならず条件にも納得。以前と同じ不動産仲介会社と媒介契約
早速、マンションを売却するべく動き出したYさんですが、不動産仲介会社選びには最初から迷いがなかったといいます。
「以前、マンションを売ったときの不動産仲介会社(A社)の営業担当が、とてもいい方だったんです。マンションの売却の手続きを終え、もう関係がないのにもかかわらず、電話や電気の取りつけなど引っ越し先でわからないことがあると駆けつけてくれたり、用事があるときにお店まで車で送り届けたりしてくれました。昨年から少し体調を崩していたのですが『困ったことがあったら言ってくださいね』と気にかけてもいただいて。 この年齢であれこれ試みるより、親切で小回りの利く担当者にお願いする方がよいだろうと思ったのです」
まずは査定をしてもらおうとA社に連絡。現地を訪れて見てもらった結果、購入したときと同じ3180万円と言われます。
「もともと需要のあるエリアのマンションで、まだ築約1年のため価値は下がっていないということでした。
現金で買ったこともあり、そこまで売却で儲けようとは思っていません。十分な値段だろうと納得しました」
しかしこのころ、Yさんは住み替え先の物件を大手の不動産仲介会社(B社)で探していました。
「高齢者向けマンションをB社から買おうとしたものの結局、条件に合わなくてやめたんです。そのときにB社から『今のマンションの売却を任せてくれるなら仲介手数料を値下げしますよ』と提案されて、そんなことができるのかと驚きました。
A社に掛け合ってみたところ、すんなりとB社と同じ値引き率にすると言ってもらえて。そこまでしてくれるならと全面的にお願いすることにしました」
2020年11月、YさんはA社と専属専任媒介契約を結びます。
10日間に5組の内見希望者を迎え、価格を下げることなく売買契約
売り出し価格は査定と同じ3180万円。A社では不動産情報サイトに物件情報を掲載するほか、街頭でチラシを配るなどして販売活動をします。
業務報告は週に1回。問い合わせ件数やサイトの閲覧件数などの詳細を書類で受け取り、内見が入りそうなときだけ電話をもらうようにしていました。
「すぐに売れるとは思っておらず、もし住み替え先が先に決まった場合は、空き家にして気長に待つつもりでいたんです。
ところが思いのほか反響があって。売り出して数日でA社の営業担当から電話をもらい、1組目の内見希望者を迎えることになりました」
日を置きながら1日1~2組、10日間で5組の買主候補がYさんのマンションに訪れます。
「ほかの4組は検討の時間を挟みましたが、5組目の方は部屋の写真をたくさん撮っていて、その分、家族との話し合いがスムーズに進んだようで、すぐ購入の意思を示していただけたんです。値引き交渉をされることもありません。であればこちらとしては願ってもないこと。最後に内見にきた方に買主になっていただきました」
同月の2020年11月にYさんは買主と売買契約。その後、住み替え先が定まり2021年1月に物件を引き渡します。
理想的な価格で早期売却ができて大満足。住み替え先の居心地も上々
「築約1年でほとんど新築同然だったのが早期に売却できた理由だったようです。
もし数カ月・1年と売れ残れば値下げせざるを得なかったでしょう。希望した価格でこんなにも早く売れて、仲介手数料も安くしてもらえて、何ひとつ後悔はありません。A社の営業担当とは今でも頼りになる知り合いですが、そうした人ができたのもよかったです」
そう穏やかに振り返るYさん。
売却活動と並行して高齢者向けマンションを探していましたが、あまりに早く売却できたため現在、入居しているのは急きょ見つけた約50平米の賃貸マンション。愛着のある大阪市内の中でも前々回の住居と同じエリアにあり、ほぼ毎日、通っていたジムやコンビニのごく近く。バス停まで2分で行けて、住み心地は抜群だそう。
「自分の年齢だと正直、入居できるマンションが限られてくるものなので、少ない選択肢の中で決めた物件でしたが、川や公園があって自然も感じられて、のびやかに過ごせるところがとても気に入っています。 この年だと賃貸の方がいいかなと思うようにもなりました。ここに来られた意味でも、売却できてよかったなと思いますね」
心から満足した笑顔を見せるYさんです。
2020年10月 | ・マンションの売却を考えはじめる |
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2020年11月 | ・訪問査定をする ・不動産仲介会社と専属専任媒介契約を結ぶ ・購入者が現れる ・買主と売買契約を結ぶ |
2021年1月 | ・売却したマンションを買主に引き渡す |
まとめ
- 築浅で商店街や駅に近いマンションであれば、新築時と変わらない価格で売却できる可能性がある
- 不動産会社が提示する仲介手数料は法律で決められた上限額のことが多いが、仲介手数料の値引きを売りにした会社もある
取材・文/星野 真希子 イラスト/松尾達