不動産売却の基礎知識や知っておきたいコツを分かりやすく解説します。売却の体験談もご紹介。

離婚協議がまとまり、元妻との共有名義のマンションを売却/東京都三鷹市Kさん(40代)

東京都三鷹市Kさん(40代)/離婚協議がまとまり、元妻との共有名義のマンションを売却

妻と別居し、東京都三鷹市のマンション(築10年・3LDK)で子どもと2人暮らしをしていたというKさん。離婚協議がまとまり、共有名義になっていた住まいを単独名義に変更して売りに出すことに。

不動産区分 マンション
所在地 東京都三鷹市
築年数 10年
間取り・面積 3LDK(80m2
ローン残高 2100万円
査定価格 5000万〜5400万円
売り出し価格 5400万円
成約価格 5200万円

元妻との共有名義のマンションを売却するにあたり単独名義に登記変更

Kさんが売却した物件は、2007年の新築時に4980万円で購入した80m2、3LDKのマンション。駅からは遠いものの、環境の良い住宅街に建つ総戸数約200戸の大規模マンションでした。

「2015年ごろに妻が家を出て以降、離婚協議中の1〜2年は小学生の子どもとそのまま2人暮らしを続けていました。妻との共有名義で残債も2100万円ほどあったため、新しいマンションを買って住み替えをしたくても住宅ローンの借り換えがしにくい状況でした。購入時に2人の共有物だという意味合いで99:1の割合で名義負担していたのですが、それが後で面倒なことになるとは購入時には思っていなかったんですよね」と苦笑するKさん。

妻の持分はほんの少しであったとしても共有名義の場合、売却する際には承諾が必要となります。持分の割合に関係なく、売却契約書には名義者全員の署名・捺印が条件となるのです。そこで売却するにあたり、Kさんはまず元妻との共有名義から自身の単独名義へと登記変更する手続きが必要でした。

■共有名義の家の売却

複数人で共有して所有する不動産の場合、名義人全員の同意なくして売却をすることはできません。共有社全員の了承を得て共有名義のまま売却するか、それぞれの持分を買い取るか譲渡を受けるかして単独名義にして売却するという方法があります。さらに、土地の場合であれば、自分の持分だけを売却する方法、分筆して単独名義にして売却する方法があります。

便利なインターネットの一括査定を利用して依頼先の不動産会社を検討

離婚協議の目処が立ち、売却活動をはじめたのは2017年2月。まずはインターネットの一括査定でどれくらいで売れるか調べてみました。

「簡単に複数社に査定をしてもらえるインターネットの一括査定を利用しました。メールで連絡が来るのかと思っていたら、5〜6社から電話がかかってきてびっくりしました。ほとんどの会社が5400万円前後の査定額でしたが、1社だけ5000万円前後と低い金額でしたね」

査定額にそれほど差がなかったので、依頼先は担当者の対応が良かった3社のうち、どこにお願いしようか迷ったそうです。

「とてもクオリティの高い資料を持ってきてくれた親切な担当者もいて、まだ一銭も金銭のやり取りが発生していないのに、ここまでの資料をつくってきてくれるんだと驚きました。担当者の熱弁もあり、そこにお願いしようかと心が決まりかけていたのですが、そのあとで今回売却するマンションを供給した不動産会社系列の仲介会社から『うちならグループ会社なので、手数料を20%引きにできますよ』と連絡があり、飛びついてしまいました(笑)。大きな金額の取引なので、手数料も結構高くなりますからね。少しでも高くお得に売れた方がいいですし、取引実績も豊富だったので」とKさん。

すぐに専属専任媒介契約を結び、司法書士を紹介してもらって、元妻との共有名義から単独名義への変更の手続きをして登記手続きを済ませたそうです。こうして売却活動がスタートしました。

売り出し開始後3カ月で購入者が現れ、急いで新しい住まいを探すことに

売り出し価格は5400万円からスタートしました。ポスティングチラシからの反響、不動産情報サイトへのアクセス件数など、週1回の状況報告を受けていましたが、ぽつぽつと問い合わせがあるような感じだったといいます。

「価格面で合わない人が多いとことで、2〜3週間から1カ月単位で、5350万円、5300万円と少しずつ価格を下げていく提案がありました。最終的には5100万円まで値下げしたところで、ようやく購入者が見つかりました。5組ほどが内覧に来られたと思います。もともときれい好きなので掃除はマメにしていましたが、内覧の際は居住中だったので特に丁寧に片付けをしましたね。自由にどこでも開けて見ていただけるように気を遣いました」

購入が決まった方はリフォームをして住みたいとのことで、引き渡しを急いでいらっしゃったそうです。一方、Kさんは息子が小学校を卒業する2018年春ごろのタイミングで引っ越しができればいいなと思っていたそうで、予定より早く家を明け渡すことになってしまいました。そこで、機転を利かした不動産会社の方から購入者側へ価格交渉をしてくれ、引き渡し時期を早めることで100万円上乗せの5200万円で成約となったそうです。

「思ったよりも早く購入者が見つかったので、今度は慌ててとりあえずの引っ越し先を探さなければいけなくなって。とりあえず、子どもの小学校区内で見つけたかったので、近所の不動産会社に行って、周辺の賃貸物件をいくつか紹介していただくことになりました。なんだかバタバタと忙しかったですね。一旦、賃貸暮らしをすることになったものの、100万円上乗せの5200万円で売却が無事に完了して良かったです」

フットワークの良い新人担当者とベテラン担当者の2名体制で手厚くサポート

「不動産仲介会社の担当者は新人さんでしたが、フットワークが良く、とても真摯に対応していただきました。役職がついているベテランの方も一緒に2名体制で担当していただき安心感がありました。登記手続きのことなども含め、手厚いサポートをしてくれたと思いますね。マンションの分譲会社のグループ企業だったので、仲介手数料は20%割引していただいて140万円ほどでしたが、十分それに見合う活動をしていただいたと思っています。後から思えば、価格はそんなにすぐに下げてなくても良かったのかなとも思いますが、当時はわからなかったことですし、結果的には10年住んで売却益が出ているので、十分満足できる結果だと思います。10点満点の売却ができたと思います」。

家の売却と同時に、名義変更や新居探し、引っ越しの手配、荷物の片付け、仕事、子育てなどなど、1人でやることが多くて、正直このころの細かな記憶が抜けているんですと苦笑いするKさん。

「いろんなことが重なってめちゃくちゃ大変だったと思うんですが、何が一番大変だったかというと大型家具などの物を捨てるのが一番面倒で大変だったように記憶しています。売却を検討しはじめたら、少しずつ荷物の整理をしていかなとダメだなと思いました」

その後再婚し、品川区で築7〜8年の中古マンションを7000万円で購入。親子で新生活を送られているそうです。

「今、中古マンションの価格が上がってきていると聞き、購入した不動産仲介会社に査定をしてもらったんですよ。そしたら8500万円だと言われました。築10年を迎える前に売却して、目黒区か世田谷区で新築マンションを購入したいと思っています。現在は物件探し中なんです。一度売却を経験して、価格はそんなにすぐに下げていかなくても大丈夫なのかなと思ったので、次の売却ではじっくり腰を据えて取り組みたいですね」と話してくれたKさんでした。

2017年2月 ・インターネットの一括査定を利用
・分譲会社の系列仲介会社と専属専任媒介契約を結ぶ
・5400万円で売り出し
2017年3〜5月 ・5350万円、5300万円、5200万円、5100万円と段階的に値下げする
2017年5月 ・購入検討者が現れる
・購入検討者の要望で引き渡し時期が早まったため、価格を5200万円に引き上げて売却が成立
・手付金の受け取り
・新居となる賃貸マンション探しを始める
2017年7月 ・売却物件の引き渡し

まとめ

  • 分譲会社の系列仲介会社であれば、手数料割引などのサービスが利用できることもある
  • 売却する際の手続きなども見越して、物件購入の際は共有名義にするかどうかじっくり考えて決めよう
  • 粗大ゴミなどの処分には時間がかかることもあるので、売却を決めたら少しずつ荷物の整理をはじめよう
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取材・文/馬場敦子 イラスト/めんたまんた

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