地盤調査は必要?知っておきたい費用や方法

地盤調査は必要?知っておきたい費用や方法

住まいの安全性を左右する「地盤」。いくら頑丈な家を建てても、地盤に問題があっては、住まいの安全は守られません。
当然、住まいを新築する際は、その土地の地盤が大丈夫なのか調べておく必要があります。
今回は家を建てる前に知っておきたい地盤調査について、一級建築士の佐川旭さんに教えてもらいました。

地盤調査は大事?

一見しただけではどんな地盤かはわからない

地盤とは建物の基礎となる土地のことを指します。一見頑丈そうに見えたとしても、実は柔らかい地盤だったりすることもあり、調べてみなければ地盤の強さはわかりません。

「固い地盤の方が地震のときの安心感につながります、また、地質改良をする必要がないので、地盤が弱い場合と比べると費用を抑えることができます」(佐川さん、以下同)

軟弱地盤と呼ばれるような、柔らかい粘土や砂できた地盤の上に家を建てると、地震のときに液状化したり、家の重さに耐えられず、家が傾く原因にもなったりするため、家を建てる前に地質改良を行うことになります。地質改良を行うとなると、100万円を超える費用がかかることもあるそうです。

傾いた家のイラスト
軟弱な地盤に建物を建てると、建物が傾いて沈む不同沈下を起こすことがある(画像/PIXTA)

地盤調査とは?

建物がいくら丈夫でも、家の基礎となる地盤が弱ければ安全な住まいとは言えません。地盤は住まいの安全性を左右する重要な部分のため、家を建てる前に、建物を建てても安全な土地かを調べます。これが地盤調査です。

地盤調査はその土地の強度について調べ、建物が安全に支えられる地盤か、安全に建てるためにはどうすべきかなどを把握するために行う、安全な住まいを建てるためには欠かせない工程です。

「2000年に住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)が施行され、引き渡し後10年以内に住宅に瑕疵(工事不備による欠陥など)が見つかった場合は、施工会社などが無償で補修などをしなくてはならないという瑕疵担保責任が課されるようになりました。補修費用に備える瑕疵担保保険に事業者が加入するためには地盤調査をする必要があるため、原則として家を建てる前には地盤調査が行われます。ただし、地盤調査を行うことは法律で義務化されているものではありません」

どんな方法で何を調べる?費用の目安は?

戸建住宅の場合の調査はスウェーデン式サウンディング試験が一般的

地盤調査の方法はさまざまありますが、一般的な木造一戸建てを建てる場合の地盤調査は、先端がスクリュー状になった棒を回転貫入させて行うスウェーデン式サウンディング試験(以下、SS試験)というものが使われるのが一般的だそうです。

「一戸建ての場合、人工的な地震を地盤に与え、その地震の波の速度を計測し解析を行う表面波探査という方法を使う場合もありますが、よく使われる方式はSS試験です。ほかにも、比較的規模の大きな建物を建てる場合には、頑丈な地層までくりぬいて調査する、ボーリング調査(標準貫入試験)を採用することもあります」

スウェーデン式サウンディング試験をしている写真
SS試験では、先端がスクリュー状になった鉄の棒を地面にセットし、棒の上におもりを加えながら調査する(画像/PIXTA)

マンションなどの場合に採用されるボーリング調査では、支持層という固い地盤まで調査するため、場所によっては何十mも掘って調査を行います。土を採取し、土質を調べ、地下水位の深さや、どのような土の層で構成されている土地なのかなど、詳しく調べます。

ボーリング機械を使った地盤調査の写真
マンションの建設現場などで見かけるボーリング機械。規模の大きい建物の場合はボーリング調査が行われる(画像/PIXTA)

SS試験は低コストで行える簡易的な調査

建物の荷重は隅にかかるので、SS試験では建物の四隅と中心がくる場所、計5カ所程度を計測します。建物が五角形などの場合は設計者の判断で計測箇所が6カ所になることもありますが、2~3mの違いでは地質にそれほど差はないので、5カ所を調査するというのが通例だそうです。通常10m位までの深さまで計測します。

調査にかかる時間は半日程度。正確な結果がでるまでには数日かかりますが、地質改良が必要かどうかなどの判断材料になる簡易的な速報値はその場でもわかります。費用の目安は、一般的なSS試験の場合5万円程度。一方、ボーリング調査などになると規模にもよりますが、25万~30万円ほどかかるそうです。

採取したサンプルから土質なども詳しく調べるボーリング調査に対し、低コストで簡易的に行うSS試験ではボーリング調査ほど詳しい結果は得られません。「SS方式では地質が粘性土か砂質土かなどは判定しますが、ボーリング調査ではわかる土質の詳細、地盤の傾斜や構成状態、正確な地下水位などまではわかりません。ただ、一般的な2階建ての木造住宅であれば、その重さから考えてボーリング調査ほど費用をかけて地盤調査をする必要はないため、ほとんどの一戸建ての地質調査の場合、SS試験を採用しています」

建物の四隅と中心部分の計5カ所を計測するのがSS試験では一般的
建物の四隅と中心部分の計5カ所を計測するのがSS試験では一般的(図/SUUMO編集部)

中古戸建を買うときの調査は?建て替えの場合も必要?調査の依頼はいつ誰がする?

地盤調査は土地購入後に、買主が費用を負担して家を建てる前に行うものですが、土地を購入して家を建てる以外のケースでは、誰がいつ調査を依頼して行うものなのか、ケースごとに見ていきましょう。

中古戸建てを買う場合

購入する中古住宅が、建物を建てる前に地盤調査をしていれば当時の調査結果をまとめた地盤調査報告書を確認することができます。

「築古の物件であれば、地盤調査をしていないケースも珍しくありません。また、調査をしていたとしても、地盤調査報告書が残っているとは限りません。まずは売主に地盤調査報告書が残っていないか確認してみましょう。

また、中古住宅の場合、現状のまま引き渡すという現状有姿売買が多く、売主が売却時に費用をかけて地盤調査してから売り出すということはまずありません。購入を検討する方が、自分で役所に近隣の地盤について問い合わせるなど、参考情報を集めて判断する必要があります。

可能であれば、売主に許可をとって、購入前に敷地内のどこか1カ所でも地盤調査をするという方法もあります。費用はかかりますし。本来調査するべき場所には建物が立っているので、正確なデータは取れませんが、判断材料にはなります」

写真
(画像/PIXTA)

建て替えの場合

元々住んでいた家や引き継いだ親族の家を建て替えるような場合でも、地盤調査を行います。

「建て替えだからといって、地盤調査や必要な地質改良をせずに不同沈下など重大な瑕疵が起きてしまうと、補修には莫大な費用がかかります。施工会社は瑕疵担保保険を申し込む際には地盤調査が必要になるため、建て替えの場合も必ず地盤調査を行います」

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(画像/PIXTA)

建売住宅を買う場合

新築の建物と土地をセットで購入する建売住宅の場合、売主は建売住宅を建てる際に地盤調査をしています。地盤調査の調査結果は、売主に地盤調査報告書などを見せてもらうことで確認できます。

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(画像/PIXTA)

地盤調査は安全な住まいづくりには欠かせない工程です。建物を建てる前には必ず行うものとして覚えておきましょう。

まとめ

地盤調査は土地の強度について調べ、その地盤が建物を安全に支えられるかなどを建築前に把握する重要な工程

一戸建ての場合の調査はスウェーデン式サウンディング方式が一般的で、期間は半日程度。費用の目安は5万円ほど

法律で義務化はされていないが、基本的には建設前に必ず行う

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取材・文/島田美那子 
公開日 2020年01月22日
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