土地探しをしていると、「南向き土地●●●m2、敷地面積は●●坪!」という広告を目にしたり、マンションでも、「2LDK●●m2」なんて記載を見ることがあります。でも、具体的な広さがイメージできない、そもそも坪とm2(平米)の換算がわからない……という人もいるのでは? そこで、坪、m2(平米)、畳などの広さを表す単位の説明や、物件探しに役立つ広さの目安についてまとめました。
住まい探しをしていると、部屋の広さを示す単位として、「m2(平米)」、「畳」、「坪」といった表記を目にしますが、それぞれ、どのぐらいの広さかよくわからないという方もいるようです。まずそれぞれの広さについて建築士の石井渉さんに伺いました。
「1m2(平米)は『1m2』とも書き、1辺が1mの正方形面積になります。1畳というのは畳1枚分の広さ、1坪はだいたい畳2枚分の広さになります」(石井さん、以下同)
畳 ※ | 平米(m2) | 坪 |
---|---|---|
6畳 | 9.72m2 | 約3坪 |
8畳 | 12.96m2 | 約4坪 |
10畳 | 16.20m2 | 約5坪 |
12畳 | 19.44m2 | 約6坪 |
18畳 | 29.16m2 | 約9坪 |
20畳 | 32.40m2 | 約10坪 |
それでは、畳1枚の大きさは具体的にどれくらいになるのでしょうか。
「弊社では6尺×3尺(182.0cm× 91.0cm)を基準にしていますが、メーターモジュール(※1)を採用している場合や地域によって畳の大きさは変わります。また在来工法の場合は柱を基準に建築していくので、尺単位に柱を立てて、そこに壁を設置していくことになります。これらは柱と柱の中心の距離を示しているので、実際には柱や壁の厚さの分だけ少し狭くなります。さらに壁の厚みによって部屋の広さも微妙に変わるので、6畳といっても実際は少しずつ広さが変わることがあります」
※1 1m(100cm)を基本単位とする設計基準のこと。 一般的な「尺モジュール」より約9cm長いため、廊下や階段、浴室・洗面所、トイレなどのスペースは、尺モジュールの設計より広くなります。一方、和室の畳やふすまなどのサイズが合わないこともあります。
名称 | 1畳の大きさ |
---|---|
京間(西日本エリア) | 191.0cm× 横 95.5cm=1.82m2 |
中京間(東海エリア) | 182.0cm× 横 91.0cm=1.65m2 |
江戸間(東日本エリア) | 176.0cm× 横 87.8cm=1.54m2 |
団地間(エリアに関係なく多くの団地で採用) | 170.0cm× 横 85.0cm=1.44m2 |
※2 現在はエリアに関係なく、施工会社やデベロッパーの商品・企画によって採用されるものはまちまちの場合もある。ちなみに「不動産の表示に関する公正競争規約(表示規約)」では、居室等の広さを畳数で表示する場合、畳1枚当たりの広さは、1.62m2(各室の壁心面積を畳数で除した数値)以上となっている
はじめてマイホームを購入する場合、どれくらいの広さが必要でしょうか。家族構成によって必要な広さは変わります。その目安について聞いてみました。
「弊社に家を建てたいと相談に来た方の場合、1人暮らしでも20坪程度、カップルで25坪程度、お子さんがいる場合はやはり30坪が目安になっています」
一戸建ての場合は、やはり居住空間の広さにこだわる方が多いようで、マンションに比べてよりゆとりのある空間を求めるようです。
マンションを含めて、適切な住空間はどれくらいが基準になっているのでしょうか。国土交通省が、住生活の安定や向上を促進するために発表した「住生活基本計画 平成28年」では、一般的に必要とされる面積が示されています。
健康で文化的な住生活を送るために必要不可欠な面積として、単身者で25m2、2人以上の場合で10 m2×世帯人数+10 m2とされています。これは、あくまでも最低限必要な面積です。
さらに豊かな住生活の実現の前提として多様なライフスタイルに対応するために必要と考えられる住宅の面積に関する水準も設けられています。都市の郊外及び都市部以外の一般地域における戸建住宅居住を想定した「一般型誘導居住面積水準」と、都市の中心及びその周辺における共同住宅居住を想定した「都市居住型誘導居住面積水準」があります。
(1) 単身者 55 m2
(2) 2人以上の世帯 25 m2×世帯人数+25 m2
(1) 単身者 40 m2
(2) 2人以上の世帯 20 m2×世帯人数+15 m2
注1 上記の式における世帯人数は、3歳未満の者は0.25人、3歳以上6歳未満の者は0.5 人、6歳以上10歳未満の者は 0.75 人として算定する。ただし、これらにより算定された世帯人数が2人に満たない場合は2人とする
注2 世帯人数(注1の適用がある場合には適用後の世帯人数)が4人を超える場合は、上記の面積から5%を控除する
注3 次の場合には、上記の面積によらないことができる
(1) 単身の学生、単身赴任者等であって比較的短期間の居住を前提とした面積が確保されている場合
(2) 適切な規模の共用の台所及び浴室があり、各個室に専用のミニキッチン、水洗便所及び洗面所が確保さ
れ、上記の面積から共用化した機能・設備に相当する面積を減じた面積が個室部分で確保されている場合
ハウスメーカーの広告やパンフレットなどで目にする「坪単価」という言葉をご存じですか。これは1坪当たりの建築費がいくらかかるかを示しています。計算方法としては「本体価格」を「延床面積」で割ることで坪単価を出すことができます。
例えば、本体価格3000万円、延床面積50坪の家は坪単価60万円ということです。「延床面積」とは、各階の床面積を合計したものです。坪単価は住宅会社や工務店の価格を比較する場合に簡単に比較しやすくなるというメリットがあります。
「坪単価は1つの目安になりますが、仕様やつくりが同一の場合で比較することが大切です。また、建てたい建物の広さによっても坪単価は変わってきます」
同じような仕様の2社を比べた場合、「A社:2400万円(30坪) B社:2800万円(40坪)」では、一見、総額はA社のほうが安く見えますが、坪単価を基準にすると、「A社:80万円 B社:70万円 」というように、B社のほうが実は安いということがわかります。坪単価を目安にするとコストパフォーマンスが把握しやすくなります。
「気をつける点は、同じ設備、同じ仕様の場合、建築面積が小さくなると坪単価が高くなります。これは延床面積が減る分、床材や壁材、建具代などは減っても、本体価格の3割程度を占めているキッチンやトイレ、バスなどの設備機器は減りません。これらのスペースは坪単価としては高くなるので、相対的に坪単価は高くなります」
加えて、坪単価を出すときに各ハウスメーカーが使う「家の価格」は、「本体価格」のみを指していて、外構費やガスや電気の工事代などが含まれない場合があります。またローンの手数料、税金、地鎮祭や上棟式などの「諸費用」も必要になります。
広告に「坪単価60万円、40坪」の家の価格が「2400万円」と記載されていても、実際にかかる費用はそれより高くなると考えておきましょう。それを頭に入れて、住まいの広さを考えることも大切です。