不動産売買における瑕疵(かし)とは? 何が瑕疵になるの? 瑕疵担保責任って?

住宅を買うとき、または売るときに出てくる聞きなれない言葉、それが「瑕疵(かし)」だ。これは生活する上で大きな問題となる隠れた欠陥のことを指す。買った後、売った後に思わぬトラブルにならないよう、瑕疵(建物)の正体とその対応について、三井のリハウスに聞いてみた。

そもそも住宅の瑕疵とは、具体的にどんなもの?

住宅(建物)の瑕疵とは、もともと備えているはずの性能を発揮できない不具合や欠陥のことを指す。広い定義でいえば、床のキズも瑕疵だが、住んでから気づく見えない部分の不具合と考えれば分かりやすい。

具体的には次の4つを指すのが一般的(※1)。
・雨漏り
・主要な木部の腐食(屋根や柱、梁など)
・シロアリの被害(床下、土台など)
・給排水管の故障
一戸建てはすべて当てはまるが、マンションの場合は木部の腐食を除いた3つとなる。
※1(一社)不動産流通経営協会の標準売買契約書式より

では中古住宅で実際に見つかる瑕疵を具体的に見ていこう。もともと雨漏りがしていれば、見学時に天井に雨漏りの跡があることも多い。しかし、なかには見つけにくいケースもあるという。主要な木部の腐食にしても、外壁の隙間から雨水がしみこみ、内部が腐食していることもある。また土台や柱の内部がシロアリの被害で空洞化していることも考えられる。さらに築年数が古ければ給水管、排水管が内部で腐食して、赤サビが出たり、詰まったりする原因にもなりかねない。

こうした簡単には発見できない瑕疵については、中古住宅を買う人も、また売る人も多少の不安を感じるはずだ。実際に発見されたときは、どう対応しなければならないのか、気になるところだ。

瑕疵が見つかったときは、どちらが修理費を負担する?

入居してから思わぬ瑕疵が見つかったら、さあこれは大変ということになるが、民法上と実際の売買ではかなり対応が違ってくる。民法では「発見から1年以内」なら買主は売主に請求できるとしている。これでは入居後5年、10年経過していても、まだ売主は修理費用をもたなければならない。

それでは瑕疵が怖くて、住宅の売買ができなくなってしまう可能性もあるということで、瑕疵の種別や対応する期間など、現実的な対応策が契約書に盛り込まれている。これが一般的に「瑕疵担保責任」と呼ばれるものだ。

個人同士の売買では「3カ月は売主負担」が一般的

もともと売主は契約前に告知書を買主に提出する。その時点で売主が気づいている不具合は、細かくここに記載されることになる。

その上で個人間の中古住宅の売買において、売主が負う瑕疵担保責任の期間は一般的には売買契約から3カ月と定めることが多い(※2)。買主が売主に請求できるのは、あくまで修理であり、契約そのものを解除したりはできない。3カ月を過ぎてから発覚したものは、買主が修理するのが基本となる。

なお、あまりにも築年が古い住宅などにおいては、お互いの了解のもと、瑕疵担保責任免責として、瑕疵担保責任をなしにするケースもあることを知っておこう。

※2 (一社)不動産流通経営協会の標準売買契約書式より

売主が不動産会社なら、中古で2年間、新築で10年間

大きく事情が変わるのは、売主が不動産会社の場合。従来は中古住宅、新築住宅ともに2年間だった。しかし、新築住宅に関しては、品確法(住宅の品質確保の促進等に関する法律)の施行によって、建物の構造耐力上主要な部分、及び雨漏りを防ぐ部分については10年間の瑕疵担保責任が義務付けられている。これは住宅のプロだから、きちんと責任を負いなさいということだ。

不動産売却時の瑕疵担保責任について

トラブルにならないための対策は?

入居後の瑕疵でトラブルを招かないためには、まず売る側も買う側も、売買契約書における瑕疵担保責任についてその期間などを慎重にチェックし、確認してお互いに納得した上で契約することが大切。一般的には3カ月から1年間だが、仲介する会社によっては異なる可能性もあるからだ。また、先に触れた瑕疵担保責任免責という場合もまれにある。

最近では仲介会社によるサポートが充実

こうした隠れた瑕疵の問題について、最近では仲介会社のサポート体制が安心感を高めている。例えば、入居後3カ月を過ぎて瑕疵を発見した場合、本来なら買主の責任で修理することになるが、一定期間までは仲介会社が修理費のうち一定の金額を負担してくれる、また定められた部位については事前に設備や建物の調査を行うなどのサポートだ。これは売主・買主双方にメリットとなるだろう。

ただし、注意しておきたいのは、会社によってサポートの内容や期間が異なる点、そもそもサポート体制を取っていない会社もあるので事前に調べておこう。

念を入れて建物状況調査(インスペクション)を行う手も

中古住宅を売るとき、買うとき、より安心して売買を行うための方法として、建物状況調査(インスペクション)が普及しつつある。これは国土交通省の定める講習を修了した建築士が、第三者の立場から住宅の劣化状況や欠陥の有無などを検査してくれるもので、住宅の現状を把握することが可能になる。

中古住宅の瑕疵について、きちんとした知識をもって売買に臨むことがポイント。いろいろ整備も進んでいるので、必要以上に心配することはないだろう。

番外編! 注文住宅を建てる場合・完成前の建売住宅を買う場合にも保険あり

これまで家がある前提で話を進めてきたが、注文住宅を建てる場合や完成前の建売住宅を買う場合にも注意が必要だということも伝えておこう。なぜなら、依頼している建築会社が倒産し、工事が中断……ということもあり得るからだ。

そんなときでも瑕疵担保責任が履行できるように、住宅瑕疵担保履行法が定められている。「前払い金が返ってこない」「引き継ぐ建設会社を探さなければならない」、という不測の事態に備えた保険があるということも、頭に入れておこう。

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取材・文/斉木一夫(ブリーズ) イラスト/もりいくすお
公開日 2018年07月31日
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