不動産登記って何? 基礎知識から不動産登記の目的・費用まですべて紹介!

不動産登記って何? 基礎知識から不動産登記の目的・費用まですべて紹介!

不動産の売買や相続で必要になる「不動産登記」は、私たちの財産を守るうえで重要な役割を担っています。しかし、日々の生活の中で不動産登記にかかわる機会はほとんどなく、その内容や意味を充分に理解している人は多くありません。そこで今回は不動産登記について、登記簿に記載されていることや読み方といった基本的な内容から、その必要性や費用など、一歩踏み込んだ内容をご紹介します。

不動産登記とは? 登記する内容や目的は?

そもそも「不動産登記」とは?

登記とは、権利関係などを公に明らかにするために設けられた制度のことで、商業登記や法人登記、船舶登記などさまざまな種類があります。今回ご紹介する「不動産登記」も登記の一つで、入手した土地や建物が誰のものなのかをはっきりさせるために行われています。

不動産登記を行うと、法務局が管理する公の帳簿に「どこにある、どのような不動産(土地・建物)なのか」「所有者は誰なのか」「どの金融機関から、いくらお金を借りているのか」といった情報が記録されます。こうした情報は一般に公開されていて、手数料を支払えば誰でも閲覧ができ、登記内容が記載された登記簿謄本(登記事項証明書)の交付を受けることもできます。

登記簿謄本(登記事項証明書)に記載されている内容・権利の種類は?

登記簿謄本(登記事項証明書)は一つの不動産(1筆の土地※・一つの建物)ごとに一つ作成され、「表題部」と「権利部(甲区)」、「権利部(乙区)」の三つに分かれています。
※土地登記簿上で、土地の個数を表す単位。1筆(いっぴつ)、2筆(にひつ)と数える

●登記簿謄本の見方

1)どこにどのような不動産があるのか知りたい場合には「表題部」を見よう
表題部に記載されているのは土地・建物に関する情報で、表題部を見ればどこにどのような不動産があるのかがわかるようになっています。

表題部に記載される情報
土地…所在、地番、地目(宅地、畑、雑種地など)、地積(面積)、登記の日付など
建物…所在、家屋番号、建物の種類(居宅、店舗、事務所など)、構造(木造、鉄骨造など)、床面積、登記の日付など

2)不動産の所有者を知りたい場合には「権利部(甲区)」を見よう
権利部(甲区)に記載されているのは所有権に関する情報で、所有者の住所や氏名、不動産を取得した日付や原因(売買、相続など)なども記載されています。そのため、権利部(甲区)を見れば、「OOさんが10年前にXXさんから相続した」など、不動産を手に入れるまでの経緯がある程度わかります。

また、ローンの支払いが滞るなどして差押えを受けた場合、その内容も権利部(甲区)に記載されます。他人に差押えられている不動産が流通することはそれほど多くありませんが、不動産の購入を検討する際には、念のためチェックしておくといいでしょう。

3)その他の権利を確認する場合には「権利部(乙区)」を見よう
権利部(乙区)に記載されているのは、抵当権や地上権、地役権など所有権以外の権利に関する情報です。権利部(乙区)に何らかの権利が登記されていると、不動産を購入しても利用が制限されてしまうことがあります。不動産を購入する前に、どんな権利が登記されているのか確認しておきましょう。

登記簿謄本(登記事項証明書)はオンラインでも取得・閲覧ができる!

登記簿謄本(登記事項証明書)を取得しようと思ったら、以前はその不動産を管轄している登記所(法務局や法務局の支局など)へ出向くか、郵送でやりとりをするしかありませんでした。しかし、今では登記情報がオンライン化されており、法務局の「登記・供託オンライン申請システム」の「かんたん証明書請求」からインターネットで交付の請求をして、最寄りの登記所の窓口か郵送で受け取ることができるようになりました。

また、登記簿謄本の内容を確認するだけなら、「登記情報提供サービス」を利用してインターネットで閲覧できます。公的な証明書には使えませんが、PDFでダウンロードも可能なのでとても便利です。

→登記簿謄本のオンライン取得についてもっと詳しく
 登記簿謄本ってオンラインで取得できるの? 実際にやってみた!

●土地・建物の登記簿謄本(登記事項証明書)の取得費用
区分 手数料額
登記事項証明書(謄抄本)
書面請求 600円
オンライン請求・送付 500円
オンライン請求・窓口交付 480円
※1通の枚数が50枚を超える場合には、超える枚数50枚までごとに100円が加算されます
●土地・建物の登記簿謄本(登記事項証明書)の閲覧費用(登記情報提供サービスを利用料)
提供される情報の種類 旧利用料金 新利用料金
全部事項(不動産・商業法人)情報 335円(334円) 334円(333円)
所有者事項情報 145円(144円) 144円(143円)
※令和元年10月1日から指定法人手数料の引下げに伴い、登記情報提供サービスに係る利用料金が新利用料金に変更されます
※( )内の料金は、消費税不課税対象者の利用料金です

不動産登記が必要なのはどんなとき?

不動産登記は不動産を取得(購入、相続、新築など)したときだけでなく、登記内容に変更が生じた場合にもしなければなりません。

不動産を取得したとき

不動産を購入、相続するなどして取得した場合には、所有権が自分に移ったことを示すために「所有権の移転登記」をします。また、建物を新築した場合や、まだ登記されていない建物を購入した場合には、表題部を新しくつくる「建物の表題登記」と、権利部の甲区欄を新しくつくる(所有権を初めて登記する)「所有権の保存登記」をします。

住所変更があったときや、結婚などで姓が変わったとき

転勤などで住所変更があったときや、結婚などで姓が変わったときには、登記名義人の「住所・氏名の変更登記」をします。

不動産の所有者が亡くなったときや、不動産を相続したとき

不動産の所有者が亡くなって相続が発生したときには、不動産を相続した人が「所有権の移転登記」をします。

住宅ローンを完済したとき

住宅ローンを払い終わっても、設定されている抵当権を金融機関が抹消してくれるわけではありません。住宅ローンを完済すると、金融機関から住宅ローンの支払いが終わったことを証明する書類が送られてくるため、受け取った書類を使って、不動産に設定されている抵当権を抹消する「抵当権の抹消登記」をしましょう。なお、不動産の購入時に抵当権を設定するのは、不動産を購入した本人ではなく融資をした金融機関です。

建物を取り壊したとき

建物を取り壊したときには「建物の滅失登記」をします。

不動産登記の期限、いつまでに登記しなければならないの?

不動産登記には登記の種類によって期限があり、期限を守らないと罰則もあります。

期限があるのは「建物の表題登記」

建物を新築したときや、まだ登記されていない建物を購入したときに行う「建物の表題登記」には期限があり、新築の場合には「建物の完成後1カ月以内」に、まだ登記されていない建物を購入した場合には「所有権を取得した日から1カ月以内」に申請しなければなりません。1カ月を過ぎても登記することはできますが、法律には「申請をすべき義務がある者がその申請を怠ったときは、十万円以下の過料に処する」(不動産登記法第百六十四条)と規定されています。

そのほかの登記には期限はないけど、登記をしないとトラブルに発展することも

建物の表題登記以外の登記については登記の期限がありませんが、そのままにしているとさまざまなトラブルに発展することがあります。

不動産を購入したときに所有権の移転登記をしないと…

契約書を交わし、代金を支払っていても、所有権の移転登記を済ませていなければ、第三者に自分の所有権を主張できません。売主の中には悪質な人もいて、複数の人に同じ不動産を売却しているケースもあります。この場合、自分が登記をする前に誰かが登記を済ませてしまうと、不動産の所有権を失ってしまいます。そのため、不動産の売買では、代金の支払いと同時に所有権の移転登記をするのが一般的です。

不動産相続をしたときに所有権の移転登記をしないと…

不動産を相続してから時間が経過すると、新たな相続人が発生してしまい、相続登記に必要な戸籍、住民票といった書類の収集が困難になることがあります。また、遺産分割協議に手間取り、多くの時間と費用を要することもあるため、不動産を相続した場合には、早めに登記を済ませておきましょう。

ローンを払い終わったとき抵当権抹消登記をしないでいると…

不動産に設定された抵当権を抹消するのが「抵当権の抹消登記」です。ローンの返済が終わると、金融機関から抵当権を解除したという証明書類が届くため、その書類を基に抵当権抹消の手続きをします。
抵当権の抹消登記をしなくても日常生活に問題はありません。しかし、不動産の売却などをする場合には抵当権の抹消手続きをしなければならず、ローンを完済してから時間が経過すると、手続きに必要な書類をそろえるのに手間と時間がかかってしまいます。また、ローンを利用した金融機関が破たん・再編などでなくなっていると面倒なことになるため、早めに抵当権の抹消登記を済ませておきましょう。

不動産登記の費用、必要なのは登録免許税と手数料

不動産登記に必要な登録免許税はどのくらい?

登録免許税は登記を受けることに対して課税される税金で、売買、相続、贈与、抵当権抹消など、登記の種類によって費用が異なります。

・売買時の所有権移転登記に必要な登録免許税
土地…評価額の1.5%(令和3年3月31日までに登記を受ける場合)
建物…評価額の2%だが、一定の条件を満たす住宅用家屋は0.3%などの軽減税率あり

・相続時の所有権移転登記に必要な登録免許税
土地、建物ともに評価額の0.4%

・贈与時の所有権移転登記に必要な登録免許税
土地、建物ともに評価額の2%

・抵当権抹消登記に必要な登録免許税
抵当権が設定されている建物と土地、それぞれ一つにつき1000円
(土地の場合は1筆を一つの土地として計算します

司法書士や土地家屋調査士の手数料・報酬はどのくらい?

不動産登記に関する登記の手続きは司法書士に依頼しますが、表示の登記については土地家屋調査士に依頼します。その際に支払う報酬の額は、登記の内容ごとにそれぞれの事務所が報酬額を決めています。そのため、不動産登記に必要な費用は、地域や事務所によって大きな開きがあります。

司法書士報酬の費用の目安

・所有権移転登記 相続 6万円~8万円
・所有権移転登記 売買 4万5000円~6万5000円
・所有権保存登記 2万円~3万円
・抵当権抹消登記 1万5000円~2万円
・住所・氏名の変更登記 1万2000円くらい

また、司法書士が金融機関などに赴いて、代金の決済にも立ち会う場合には交通費が、面識のない売主の本人確認情報の作成が必要な場合は関連費用が、それぞれ別途で必要になります。

土地家屋調査士の費用の目安

建物表題登記 8万円くらい

不動産登記は自分でできる。その場合の費用は?

不動産登記は司法書士や土地家屋調査士に依頼しないといけないとお考えの方は多いようですが、登記所に出向いて手続きをすれば、自分で不動産登記を行うことができます。自分で不動産登記をすれば、司法書士や土地家屋調査士に支払う報酬が不要になるため、費用をかなり抑えることができます。登記にはさまざまな種類があり、内容によってはかなり専門的な知識が必要になりますが、事前準備をしっかりとして、不動産登記にチャレンジしてみるといいかもしれません。

●自分で不動産登記をするときの注意点

1.司法書士を通さないと取引のリスクが高くなる
不動産取引では、売主が本物の売主なのか、取引に違法性がないのかなど、法律の専門家として取引をチェックすることも司法書士の役割になります。そのため、司法書士を通さずに自分で不動産登記をすると、地面士による不動産詐欺などを見抜けなくなる可能性があります。不動産購入時にはリスク回避を兼ねて、司法書士に依頼することも必要です。

2.金融機関の了承が必要になることも
ローンを利用して不動産を購入する場合は抵当権の設定が必要で、金融機関が取引の安全性を確保するため、司法書士への依頼を求めてくるのが一般的です。自分で不動産登記をしたいとお考えの場合には、事前に金融機関などに相談しておくといいでしょう。

3.建物の表題登記には図面が必要
建物の新築時などに行う建物の表題登記も自分ですることができますが、建物図面や各階平面図などの書類が必要になります。作成には専門的な知識が必要になるため、自分で表題登記をするのは難易度が高いといえるでしょう。

登記申請に期限はありませんが、登記をしないでそのままにしておくと、後から面倒な手続きが必要になったり、トラブルに発展してしまったりすることがあります。登記内容に変更が生じたら、早めに手続きを進めておくといいでしょう。

まとめ

登記簿謄本(登記事項証明書)は「表題部」と「権利部(甲区)」、「権利部(乙区)」に分かれており、不動産の所在、種類、所有者、取得の経緯、関係するさまざまな権利などが確認できる

登記簿謄本(登記事項証明書)は一般に公開されていて、手数料を支払えば誰でも閲覧・交付を受けることができる

不動産登記は不動産を取得したときや、住所や権利関係などに変更が生じたときにしなければならず、そのままにしているとトラブルに発展することがある

新築マンションを探す
中古マンションを探す
新築一戸建てを探す
中古一戸建てを探す
土地を探す
注文住宅の会社を探す
リフォーム会社を探す
売却査定する
賃貸物件を探す
公開日 2019年11月29日
関連する最新記事を見る
住みたいエリアや購入価格からマンション・一戸建てを探そう!
住まいの種類
住みたいエリア
  • エリア
  • 都道府県
  • 市区郡
購入価格

お役立ち講座・個別相談のご案内無料

住まい選びで「気になること」は、人それぞれ。スーモカウンターのアドバイザーは、新築マンション・建築会社選びをサポートするプロ。講座や個別相談を通じて、よかった!と思える安心の住まい選びをお手伝いします。
カウンターアドバイザー

住み替えサポートサービス

ページトップへ戻る