「家賃並みの返済額」って大丈夫? 返済が始まってから後悔しない資金計画

マンションや一戸建てなど住宅の販売広告で、「家賃並みの返済額で購入できます!」などと書いてある広告を目にしたことのある人は多いはずです。でも、この「家賃並みの返済額で購入できる」という言葉には、2つの注意点があります。

●注意点 その1

1点目は、住宅ローンの毎月返済額を最も少なく見せるために、算出する際の「適用金利が変動金利」に、「返済期間が35年」になっているのが通常です。将来の金利がどうなるかは誰にも分かりません。しかし、過去最低水準にあると言ってもいい現在の住宅ローン金利の水準なら、固定金利にしておいたほうが安心です。また、結果として有利になる可能性もあります。

また、35年返済もリスクが高いでしょう。20代の人ならまだしも、30代や40代の人が35年返済を利用するのは危険です。途中で繰り上げ返済をすれば大丈夫だと思う人もいるかもしれませんが、何らかの理由で繰り上げ返済ができなくなってしまったとしたら大変です。なので、初めから60歳または65歳までには返済が終了する返済期間でローンを組むことが重要です。

●注意点 その2

2点目は、住宅購入後は、ローンの返済だけでなく、固定資産税や都市計画税の負担が毎年必要になることです。マンションの場合は、管理費や修繕積立金、駐車場代などの負担もあります。これらの維持費の負担額は、物件の所在地や規模によってケースバイケースなので一概には言えませんが、一戸建ての場合で年間10万円強~20万円強、マンションの場合で年間30万円前後~60万円前後といったところでしょうか。

一戸建てのほうが管理費や修繕積立金、駐車場の管理費などがかからないので、維持費の負担額が少なく、オトクに見えるかもしれません。しかし、一戸建ての場合も、将来的には必ずと言っていいほど何らかの修繕が必要になります。築年数を重ねていくことで、さまざまな箇所が経年劣化していき、その修繕のための費用負担が発生するのです。

雨漏り対策のための屋根や外壁の修繕や、水まわりの補修など、リフォームとまではいかないレベルの修繕でも、1回当たり100万円を超える費用が必要になる場合もあります。それらの費用を毎年積み立てていくことを考えると、年間の負担額はマンションの場合と大きくは違わないでしょう。

したがって、本当の意味で安全な資金計画を立てるのであれば、「家賃並みの返済額」という言葉は無視し、自分または自分たち家族にとって安全な返済額はいくらなのかを冷静に見積もることが重要になります。

安全な返済額がいくらなのかを試算するには?

筆者がFP相談で実際に行っている安全な返済額の試算は、現在の家計の状態をもとにキャッシュフロー表を作成し、20年先、30年先の家計も予想したうえで行います。このとき重要になってくるのが、教育資金や老後資金をどの程度かかると見積もるかということです。つまり、住宅の資金計画に大きく影響してくるのが教育資金と老後資金なのです。

このことは当然と言えば当然なのですが、一生涯にわたる収入(働いて得られる収入だけでなく、年金収入や、相続や贈与でもらう財産も含む)の合計が、仮に3億円だとしたら、その3億円をどのように配分するかを考えるのが「やりくり」なわけです。例えば、住宅に1億円を使い、教育に1億円を使えば、老後などのそのほかの生活には1億円しか使えないことになります。住宅にたくさんのお金を回せば、教育や老後に回すお金が減るわけです。だからこそ、教育や老後を先に考えることで住宅に回せるお金が分かるのです。

キャッシュフロー表を自分でつくれる人は、20年先、30年先までの家計を細かく見積もって、教育資金や老後資金の必要額も考慮した安全な物件価格を逆算してみてください。キャッシュフロー表はつくれないなと思う人は、簡便法ではありますが、以下の手順で安全な返済額を見積もってみてください。その返済額で購入可能な物件価格を上限額として、その範囲内の物件を探すようにしましょう。

現在の家計から購入可能な物件価格を見積もる方法(簡便法)

STEP1 住居費に回せる金額を出そう

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STEP2 安全な住宅ローン返済額の上限を出そう

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STEP3 無理のない返済期間(最長返済期間)を出そう

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STEP4 借入可能額と安心して返済できる借入額を出そう

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<年間返済額100万円当たりの借入可能額早見表(元利均等)>(単位:万円)
金利/返済期間 15年 20年 25年 30年 35年
1.0% 1392 1812 2211 2590 2952
1.1% 1382 1794 2184 2554 2903
1.2% 1372 1777 2158 2518 2856
1.3% 1362 1760 2133 2483 2810
1.4% 1352 1743 2108 2448 2765
1.5% 1342 1726 2083 2414 2721
1.6% 1332 1710 2059 2381 2678
1.7% 1323 1694 2035 2348 2636
1.8% 1313 1678 2011 2316 2595
1.9% 1304 1662 1988 2285 2555
2.0% 1294 1647 1966 2254 2515

例えば、「金利1.5%」「無理のない返済期間(最長返済期間)を25年」、住居費に回せる金額から出した1年間の「安全な住宅ローン返済額の上限を120万円」とすると、借入可能額を出すための計算式は

2083万円(100万円当たりの借入可能額)×120万円(安全な返済額)÷100=2499.6万円

つまり、約2500万円が安心して返済できる借入額となる。

STEP5 物件価格(諸費用込み)の上限を出そう

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安心して返済できる借入額が出たら、次は物件価格(諸費用込み)の上限を算出しよう。
例えば、自己資金として500万円の準備ができているなら、計算式は

2500万円(安心して返済できる借入額)+500万円(用意可能な頭金の額)=3000万円

3000万円が安心して購入できる物件価格(諸費用込み)の上限ということになる。

イラスト/杉崎アチャ

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公開日 2019年04月26日
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