つなぎ融資をお得に借りるには?金利や銀行、【フラット35】など金融商品の選び方

土地を購入して注文住宅を建設する場合などに必要となることが多い「つなぎ融資」。でも、一般的な住宅ローンとは違い、すべての金融機関で取り扱っているわけではない。そこで今回は、どのように借りればお得なのか、つなぎ融資を受ける前に知っておきたいポイントを紹介しよう。

そもそもつなぎ融資ってなに?

土地を買って注文住宅を建てるときは、お金の支払いを何回かに分けるケースが一般的だ。まず土地を買うときに土地代金を売主に支払い、建物の建築会社には工事が始まるときの着工金、棟上げ前後に中間金、完成したときに残代金、といった具合に支払いが数回に分割されるのだ。

仮に建築費用が3000万円とすると、着工金と中間金がその30%ずつとして900万円ずつ、合計1800万円になる。これに土地代金も加わるとなると、すべてを自己資金でまかなえる人はさほど多くはないだろう。

とはいえ、住宅ローンが実行されるのは建物が完成して引き渡しを受けるときが通常なので、土地の売主や建築会社がそれまで待ってくれるケースも少ないのが実情だ。特に【フラット35】は建物が完成して検査を受けてから銀行と契約を交わすので、竣工からローンが実行されるまで時間がかかる。

そこで住宅ローンが実行されるまでの「つなぎ」として利用されるのが、つなぎ融資だ。

つなぎ融資のイメージ

つなぎ融資を利用するときの注意点は?

手元にまとまったお金がなくても注文住宅を建てるときの資金繰りをスムーズにできるつなぎ融資だが、利用する際には注意すべき点もある。

「まず、銀行によってつなぎ融資を扱っているところと扱っていないところがあり、扱っていない場合は銀行から提携先のつなぎ融資を紹介してもらうことになります。いずれの場合も住宅ローンに比べて金利が高めで、現状では2~3%程度が一般的です。また利用するときには融資額と金利に応じた利息を払うほか、5万~10万円程度の手数料や印紙代なども必要になります」と話すのは、ファイナンシャルプランナーの風呂内亜矢さんだ。

【フラット35】を扱っている都市銀行などではつなぎ融資も扱っている場合が一般的。ネット銀行などでも同様だ。

つなぎ融資にかかる利息や手数料などは前払いなので、融資額から差し引かれて口座に振り込まれることになる。例えば土地代金として3000万円のつなぎ融資を借り入れ、手数料が10万円、住宅ローン実行までの利息が50万円かかるとすると、実際に口座に振り込まれるのは「3000万円-10万円-50万円」の2940万円だ。土地の売主には土地代金の3000万円を支払わなければならないので、諸費用分の60万円は自己資金から支払うことになる。

ちなみに印紙代は融資額に応じて1万~2万円程度だ。金融機関によっては抵当権設定の仮登記を行うケースもあり、その場合は登録免許税(不動産1個につき1000円)や司法書士への報酬が数万円程度必要になる。このほか保険料という名目の諸費用がかかる金融機関もある。これは住宅ローンの保証料と同様に、返済が滞った場合に備えて支払うもので、融資額に応じて数万円~十数万円程度だ。

また、つなぎ融資は融資期間が1年以内のケースが一般的なので、返済期間10年以上が要件となる住宅ローン控除は利用できないので注意が必要だ。

つなぎ融資にかかる費用はいくらぐらい?

では、実際につなぎ融資にはいくらの費用がかかるのか。土地代金として3000万円、着工金と中間金としてそれぞれ900万円ずつ借り入れたケースで試算してみよう。

つなぎ融資の費用として主なものは利息と手数料だ。利息は融資額と金利、借りてから住宅ローンで返済するまでの借入期間で決まる。手数料は融資額に応じて決まるタイプもあるが、一律で最初の借入時に支払うケースが多い。また保険料がかかるかどうかも、費用に大きく影響する。

まず、年利1.81%で保険料がかからないケースで試算してみる(試算1)。最初に土地代金を借りるときは融資額が大きく、手数料がかかるので費用は45万円を超えた。着工金では8万円強、中間金では4万円強の費用で、合わせて57万円強の費用となる計算だ。

次に年利が2.90%と高めで、保険料がかかるケースで試算する(試算2)。土地代金の借り入れでは16万円以上の保険料がかかり、手数料が10万8000円かかることもあり、92万円強の費用がかかる。着工金では15万円強、中間金では9万円弱の費用がかかり、合計で116万円台となった。

つなぎ融資の試算例

試算1.年利1.81%、保険料がかからないケース

土地代金 着工金 中間金
借入期間 270日 180日 90日
融資額(A) 3000万円 900万円 900万円
利息 40万1700円 8万300円 4万200円
手数料 5万4000円
費用計(B) 45万5700円 8万300円 4万200円
合計 57万6200円

※手数料、保険料は消費税込み、金額は概算。別途、印紙代、振込手数料などがかかる

試算2.年利2.90%、保険料がかかるケース

土地代金 着工金 中間金
借入期間 270日 180日 90日
融資額(A) 3000万円 900万円 900万円
利息 64万3600円 12万8700円 6万4400円
手数料 10万8000円
保険料 16万8500円 2万5300円 2万5300円
費用計(B) 92万100円 15万4000円 8万9700円
合計 116万3800円

※手数料、保険料は消費税込み、金額は概算。別途、印紙代、振込手数料などがかかる

このように同じ金額を同じ借入期間で借りた場合でも、利用するつなぎ融資によって負担が大きく変わる。「どのつなぎ融資を利用するかは銀行によって決まります。注文住宅を建てる際につなぎ融資の利用を予定しているなら、つなぎ融資にかかる費用も確認し、なるべく負担の少ない銀行で住宅ローンを借りる方法もあります」(風呂内さん)

つなぎ融資の負担を軽くする方法は?

かかる費用が数十万円から100万円以上になるケースもあるつなぎ融資だが、その負担を軽くしたりゼロにする方法もある。その一つが分割融資だ。分割融資とは住宅ローンを分割して融資してもらう方法で、注文住宅を建てるときに利用できる金融機関もある。

「地方銀行や信用金庫などでは、注文住宅を建てることが決まっている場合であれば、土地を購入するときに分割融資を受けられるケースが少なくないようです。分割融資なら住宅ローンと同じ低金利で借り入れが可能になります。ただし、分割できる回数は銀行によって異なります。また、つなぎ融資の場合も交渉によって金利を住宅ローン並みに下げてもらえるケースもあるようです」(風呂内さん)

さらに、つなぎ融資の負担をゼロにする方法として、親から借りたり、贈与を受ける方法もある。今なら親からの住宅取得資金の贈与は最大700万円(耐震等性能の高い住宅は1200万円)まで贈与税がゼロになる非課税特例が使える。ただし、「贈与を受けた翌年の3月15日までに引き渡しを受けて入居すること」が原則だ。例えば土地購入時に親から贈与を受けても、翌年の期限までに引き渡しが受けられないと特例が使えないケースもあるので注意しよう。

注文住宅はお金を支払うタイミングが複数回に分かれ、そのたびに資金繰りが必要になる。つなぎ融資を使うにしろ、分割融資や親からの贈与を活用するにしろ、いつ、いくら必要で費用がどのくらいかかるのか、事前に確認しておくようにしたい。

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取材・文/大森広司
公開日 2018年06月29日
最終更新日 2018年07月09日
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