転勤が決定したら住宅ローンはどうする?するべきこと&注意すべきこと

23年ほど前、今はなき大手証券会社である山一證券に勤めていたとき、実は一度だけ転勤を経験したことがあります。平成5年に新卒で入社し、最初の配属は大阪の難波支店でした。そこで4年半を過ごした平成9年の秋、山口県の徳山支店に転勤が決まったのです。

転勤の辞令から着任までの期間は、なんと、たったの1週間!!
金融機関ではよくある話かもしれませんが、超スピード異動です。1週間の間に難波支店の引き継ぎと徳山支店での引き継ぎを終え、それぞれの支店の歓送迎会に出席。そして、空き時間があれば新しい住まい探しと引越しの準備です。転勤先での新しい出会いを楽しみにしつつも、スケジュール的にバタバタだったことを覚えています。

賃貸住まいだった私の場合は、賃貸契約の解約と、新しい住まいの契約を行うだけでしたから、悩む要素は何もありませんでしたが、住宅ローンを組んでマイホームを取得している人が転勤をする場合はそう簡単にはいきません。いくつかの選択肢から、どうするのかを選ぶ必要があるからです。

国内で単身赴任をする場合、住宅ローン控除はそのまま受けられる

まず、家族がいる場合は、単身赴任をするのか、家族全員で引越すのかを決める必要があります。

単身赴任をする場合は、家族がそのまま住み続けることで、本人が住んでいるのと同様とみなされますので、住宅ローンもそのまま返済し続けられますし、住宅ローン控除(住宅ローン減税)も引き続き受けることができます。

では、単身赴任先が海外の場合は住宅ローン控除は受けられるのでしょうか? 実は、2016年(平成28年)3月31日以前に住宅取得をした人の場合は、家族がそのまま住んでいても本人が住んでいるのと同様とはみなされず、「非居住者」となってしまうため住宅ローンは受けられませんでした。この不公平感を解消するために近年改正があり、2016年(平成28年)4月1日以降に住宅取得をした人は、海外単身赴任中の住宅ローン控除が受けられるようになりました。

家族全員で引越す場合、持ち家をどうするかによって注意ポイントが違う

一方、家族全員で引越す場合は、さらに選択肢が3つ存在します。家族全員で引越した後、マイホームを「賃貸に出す」か、「売却する」か、「空き家のままにしておく」かです。

賃貸に出す

賃貸に出すことのメリットは、当然ながら家賃収入を得られることです。住宅ローンの返済や維持費の負担以上の家賃収入が得られるなら、家計収支にとってもプラスになります。仮に収支がプラスにならなくても、不動産所得がマイナスになることで、節税効果が得られる場合もあります。

ただし、賃貸に出す場合にはいくつかの注意点があります。まず、返済中の金融機関に住所変更の連絡とともに、賃貸に出すことを報告しておくべきでしょう。賃貸目的の住宅については住宅ローンが利用できないのが通常で、契約違反になる可能性があるからです。転勤などのやむを得ない場合はそのまま住宅ローンを利用できるのが一般的ですが、きちんと報告しておくことが重要です。

そして、家賃収入を得ると、それは不動産所得に該当します。原則として確定申告が必要になりますので、家賃収入があった年の翌年3月15日までに税務署に行って確定申告をしてください。よくわからない場合は、早めに税務署に行って相談するか、税理士に相談しましょう。

マイホームを賃貸に出す際は、何年後かに戻ってくる可能性が高いなら、定期借家契約で賃貸に出すのが無難でしょう。定期借家であれば、契約した期間が経過したら確実に入居者には退出してもらえるからです。そういった契約方法や管理などについては、複数の不動産会社に相談し、比較検討しながら、ベターな方法を探すようにしましょう。

売却する

マイホームに戻ってくる可能性が低く、賃貸に出しても借り手がつくかわからない、それほどの家賃収入は期待できないような場合は、「売却」もひとつの方法でしょう。また、転勤先で新たなマイホームを買うことを検討する場合も、売却して買い替えるという方法が考えられます。

この場合の注意点は、現在のローン残高以上の価格で売れるかどうかです。売れるなら問題ないですが、ローン残高のほうが多い場合は、売却自体ができなくなる可能性があります。事前にマイホームの価値を査定してもらうなど、早めに調べておくとよいでしょう。

なお、金融機関によっては、買い替えローン(住み替えローン)を利用することで、住宅ローン残高のほうが多くても買い替えできる場合があります。新たなマイホームへの買い替えを検討する場合は、複数の金融機関に相談してみてください。ただし、買い替えについては、住宅ローンの残高が現時点よりも増えてしまう可能性が高いので、きちんと返済できるかどうかを冷静に検討することをお忘れなく。

空き家のままにしておく

最後に、空き家のままにしておくという方法もありますが、この場合も現在返済中の金融機関への報告はきちんとしておくべきです。転勤などのやむを得ない事情であれば、そのまま返済を続けられるのが一般的ですが、必ず報告しましょう。住宅ローン控除については、賃貸に出す場合と同様、受けられなくなりますが、マイホームに戻ったときに残りの減税期間があれば受けられます。

なお、空き家の管理を業者に依頼するかどうか、住宅ローンの返済と維持費の負担、転勤先の住まいの費用負担が可能かどうかなど、冷静に検討する必要があります。

家族全員で引越すと住んでいない間の住宅ローン控除は受けられない

住宅ローン控除については、家族全員で引越してしまった場合は、受けられなくなります。ただし、転勤期間が終わってマイホームに戻ったときに控除期間(通常10年、特例に該当する場合は13年)が残っている場合は再び受けられるようになります。

例えば、最初に入居してから2年後に転勤し、3年後に戻ってきた場合、最初の入居から5年後に戻ってきたので、残りの5年間、住宅ローン減税が受けられることになります。ただし、転勤中に賃貸に出していた場合は、戻った年の住宅ローン控除は受けられず、戻った年の翌年からの減税となります。

いずれの選択肢が有利かはケースバイケースで異なりますので、迷う場合は複数の専門家に相談するのもひとつの方法です。そのうえで家族とも十分に話し合って決めるようにしましょう。

イラスト/杉崎アチャ

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公開日 2020年12月21日
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