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住宅ローンを借りるときの最も重要な注意点は、「借りられる金額ではなく、返せる金額を借りる」です。これは、シングルマザー、シングルファザーに限らず、どんな人であっても最も意識すべき注意点です。
ただし、シングルマザーやシングルファザーは、「シングルインカム」(=収入の担い手が1人)なので、「ダブルインカム」(=収入の担い手が2人。共働き)で協力して返済していくということが物理的に不可能です。たとえ、将来の再婚相手となる可能性のあるパートナーがいたとしても、再婚する前からパートナーの収入をあてにしないほうがよいでしょう。
だからこそ、シングルマザーやシングルファザーは、より慎重に「返せる金額」を見積もることが重要になります。子どもの教育資金や自分の老後資金の準備なども考慮しながら、慎重に検討を重ねましょう。児童扶養手当や、元夫(または元妻)からの養育費の収入などもあるかもしれませんが、将来的にもらえなくなる可能性のある収入はあてにしないほうが無難です。
5年に1度調査されている「全国ひとり親世帯等調査結果」(厚生労働省)の令和3年度(2021年)の数字を見ると、離婚時に養育費の取り決めをしている夫婦の割合は、母子家庭の46.7%、父子家庭の28.3%。その後、取り決めどおりにきちんと養育費が支払われている割合は、母子家庭で28.1%、父子家庭で8.7%であることがわかります。
つまり、離婚後の子どもの養育費の支払いについて、きちんと取り決めをする夫婦が全体の半数に達していないだけでなく、さらに、取り決めをしたとしても、そのうちの半数程度は支払わなくなってしまうというのが現実のようです。
だとすると、養育費の取り決めをするのであれば、きちんと公正証書などの文書に残しておくことが、確実に受け取れるようにするためにも重要です。万が一、養育費の支払いが滞った場合に、裁判手続きを経ずに、給料などの相手の財産を差し押さえることで養育費の回収が可能だからです。ただし、その場合でも、相手の状況によっては受け取れなくなる可能性もあるということを念頭に置いておくべきでしょう。
繰り返しますが、シングルマザーやシングルファザーが住宅ローンを組む場合は、元夫や元妻からの養育費はあてにしない。児童扶養手当なども要件が変更されたら出なくなる可能性があるのであてにしない。自分一人で何歳まで働くことができるのか。そのリタイアの年齢に達する前にきちんと返済が終わり、老後資金の準備ができている状況をつくるためには、借りる金額はどこまで低く抑えたほうがいいのか、などといったことを慎重に見積もることが重要なのです。
そうしないと、非常にリスクの高い住宅取得の資金計画となってしまうでしょう。
もちろん、立地条件がとてもよく、売りに出そうと思えばすぐに売れる物件や、賃貸に出そうと思えばすぐに借り手がつくような物件であれば、価値の下落も小さく、それほどリスクは高くないかもしれません。
特に、シングルマザーやシングルファザーは、今後、ライフプランが変化する可能性もあります。再婚をして、さらに子どもが増えるという可能性もあるでしょうし、逆に、早々に子どもたちが独立し、完全にひとり暮らしになってしまうかもしれません。そのような可能性を考えると、住宅取得を考えるのであれば、いつでも売れるような物件、いつでも貸し出せるような物件を選んでおいたほうが無難です。しかし、その分だけ、もともとの物件価格も比較的高くなりがちですから、借入金額が大きくなってしまう点には注意が必要でしょう。おひとり様だからこそ、くれぐれも無理はしないようにしましょう。
■参考URL
「全国ひとり親世帯等調査結果」(厚生労働省)令和3年度