住宅ローンで失敗しない!ケース別「失敗を避ける資金計画」は?

公開日 2022年04月19日
ヒッシーのマネー騎士(ナイト)
住宅ローンで失敗しない!ケース別「失敗を避ける資金計画」は?

住宅ローンでの失敗というと、最も多いのが、安易な資金計画でマイホームを買ったことで、生活が苦しくなってしまったり、教育資金や老後資金にシワ寄せがいってしまったりするケースでしょう。今回は、住宅ローンのさまざまな失敗のケースと、失敗を避けるためのアドバイスを紹介します。

安易に35年返済で組んでしまった!

住宅ローンの返済期間の上限は35年となっているのが通常ですが、必ずしも35年で組まなければいけないわけではありません。それでも、多くの人が35年で組んでいるようです。

住宅金融支援機構による「フラット35利用者調査」(2020年度)の結果を見ても、償還期間(返済期間)の平均が33.1年で、中央値(返済期間の短い人から順番に並べてちょうど真ん中の人の返済期間)が35年ですから、ざっくり言えば、大半の人が35年で組んでいることがわかります。

「フラット35利用者調査」(2020年度)の結果はこちら

実際に、数年前に相談に来た70歳前後のご夫婦が、貯金ゼロのいわゆる老後貧乏状態に陥っていて、暗い顔をしていたことをよく覚えています。詳しく話を聞いてみると、35歳のときに住宅ローンを35年返済で組んでマイホームを買い、60歳のときに退職金の金額とローン残高を比べたら、ローン残高のほうが多かったそうです。それでもなんとか65歳までにローンは完済できたようですが、貯金もなくなってしまったそうです。孫におもちゃも買ってあげられない、と悲しい顔をされていました。

家計の内容などを確認したところ、けっしてムダ遣いの多い浪費家の家計ではありませんでした。頑張って働いて、子どもたちを育て上げ、普通に暮らしていたようです。しかし、資金計画が少し甘く、途中でローンの見直しや保険の見直し、資産運用などを行ってこなかったのです。まさに、お金の知識不足が招いてしまった老後貧乏とも言えるでしょう。

やはり、安易に35年返済を選ぶのはキケンです。何歳まで働けるのか、何歳までいまと同じ収入が得られるのか、そして、教育資金や老後資金のことも考慮しながら、本当に余裕を持って返済できるのか。冷静に見積もることが重要でしょう。

そのためにも、希望する物件を先に探すのではなく、現在の家計や将来のライフプランを考えたうえで、安心して買える物件価格を先に計算してから、その価格の範囲内の物件を探しに行くようにしたほうが安全でしょう。

ランニングコストの見積もりが甘かった!

マイホーム取得後に生活が苦しくなってしまうケースも意外と多いようです。原因は、ランニングコストの見積もりの甘さ。固定資産税や都市計画税といった保有税だけでなく、マンションの場合は修繕積立金や管理費、駐車場代などもかかります。それらが、思っていたよりも家計を圧迫するケースもあるようです。

かかる金額は、住む地域や物件の規模によって異なりますので一概に言えませんが、一般的な水準としては、
・戸建ての場合で年間10万~20万円程度
・マンションの場合で年間30万~70万円程度

戸建てのほうが年間のランニングコストは安いですが、その分、将来の修繕は自分でしなければならないので、別途貯蓄しておく必要があります。

また、そのほかのランニングコストとしては、電気代、ガス代、水道代などの光熱費も、マイホーム取得後に負担が重くなるケースがあります。それまで住んでいた住宅よりも広い住宅に引っ越すと、光熱費の負担が重くなるのが一般的だからです。

これらのランニングコストは、事前にきちんと調べておくか、負担が重くなることを想定しておくことが重要でしょう。

共働きができなくなってしまった!

当初の計画がうまくいかなくなる事態として、収入が減ってしまうケースがあります。5%や10%の収入減なら、家計のやりくりでなんとかなる可能性がありますが、共働きで返していく計画だったのに、共働きができなくなってしまうケースもあります。

例えば、夫の年収が500万円で妻の年収が400万円だったとすると、世帯年収900万円ということで、まとまった資金を住宅ローンで借りることができます。しかし、出産後に仕事に復帰できないなど、妻の収入がゼロになってしまうと、夫の収入だけでは到底返済できない状態に陥ってしまうわけです。

したがって、安心安全な資金計画にするためには、共働きができなくなっても返済できる金額を借りることが重要になります。例えば妻の収入は返済にはあてず、教育資金や老後資金の準備に回す、余裕があるなら繰り上げ返済にあてるなど、より有利な資金計画になるように定期的な見直しをしていくとよいでしょう。

離婚してしまった!

計画が変わってしまうといえば、離婚もそうでしょう。かく言う筆者も8年前に離婚し、3人の息子を引き取り、シングルファーザーになりましたが、自分のライフプランとしては全く想定していませんでした。

マイホームの資金計画において、当初から離婚を想定しておくのは無理があるでしょうが、3組に1組は離婚すると言われるくらい、可能性としては低くはないので、もしもの場合にもめないようにしておくことは大切です。

マイホームの土地建物の持ち分割合は、実際に資金を負担した割合で登記をしておくことが重要です。そうしないと贈与の問題が発生するだけでなく、離婚のときにもめるからです。

例えば、4000万円の物件に対して、夫が住宅ローンで3000万円、妻が頭金として1000万円を負担していたのに、持ち分割合を100%夫にしてしまうと、妻は1000万円を夫に贈与したことになります。さらに、離婚のときに1000万円分の持ち分の権利を主張できなくなります。持ち分割合の登記はきちんとすべきです。詳しくは、税務署や税理士に確認したうえで登記するとよいでしょう。

転職、脱サラしてしまった!

計画どおりの転職や脱サラの場合はいいでしょうが、想定外でそうなるケースもあります。筆者も28歳のときに勤めていた山一證券が破綻し、急遽転職をすることになりました。当時は住宅ローンを組んでいなかったので問題ありませんでしたが、30代40代の多くの先輩方は住宅ローンを組んでいて、突然の転職で計画が狂ってしまった人も多かったようです。

勤務先の会社の破綻を事前に想定しておくことは困難かもしれませんが、最悪まで想定しておくなら、いまもし会社が突然なくなったとして、転職先はすぐに見つかるのかどうか、現在の年収を維持することが可能なのかどうかなど、考えておくことはよいかもしれません。

仮に、現在の年収を維持することが難しそうなら、もしものための貯蓄を増やしておくとか、収入減をカバーできそうな副業を考えてみるなど、将来の夢や希望といったライフプランとともに万一の場合も想定しておきましょう。

もっと早く住宅ローンの借り換えをすればよかった!

住宅ローンそのものの失敗例としては、実際のFP相談の現場でよくあるのが、いまだに借入金利2%台の住宅ローンをまじめに返済している人がいることです。現在の住宅ローン金利は、固定金利型で1%前後、変動金利型で0.5%を切る水準。住宅ローンの利息負担は、現在のローン残高に対して毎日かかっているとも考えられるもの。1日でも早く金利の低いローンに借り換えることができれば、それだけトータルの利息負担は軽くなります。

「もっと早く借り換えておけばよかった」
よくお客さまが言うセリフです。

やはり、住宅ローンは一度組んだら終わりではなく、半年に1回、または1年に1回でも、自分の返済している住宅ローンよりも有利な住宅ローン商品がないかどうかを調べることが重要でしょう。

繰り上げ返済し過ぎた!

「繰り上げ返済って、“やみつき”になりますね!」
以前、知り合いの女性ライターさんが言っていました。
確かに、何度も繰り上げ返済をしていくことで、残りの返済期間が短くできたり、毎月の返済額を少なくできたりします。その女性ライターさんは、夫婦ともに個人事業主(自営業)で、それぞれが多めに稼げたときにどんどん繰り上げ返済をしていこうと決めて、それを実行していき、当初25年で組んでいたローンを結局10年弱で完済できたそうです。その経験から出たセリフでした。

しかし、実際の相談現場では、繰り上げ返済をし過ぎて手元資金がなくなってしまって、急な出費が発生して資金繰りに苦労したという話も耳にします。やはり、毎月の手取り収入の3カ月分から半年分くらいは、いつでも引き出せるように、預貯金や換金性の高い商品にしておいたほうが安心でしょう。

12月に繰り上げ返済してしまった!

繰り上げ返済でもったいないのは、住宅ローン控除が受けられる状態なのに12月に繰り上げ返済を行うこと。住宅ローン控除は、年末時点のローン残高に対して控除率をかけて計算します。つまり、12月に繰り上げ返済をすると、それによって年末時点のローン残高が繰り上げ返済をしなかった場合に比べて少なくなってしまうのです。繰り上げ返済をするなら年明けの1月以降にしましょう。

住宅ローン控除の確定申告をしていなかった!

住宅ローン控除は、会社員でも1年目は確定申告が必要です(2年目からは年末調整で受けられます)。ところが、驚くことに、その1年目の確定申告をしていないという人が、意外といるのです。減税が受けられるのを自ら放棄しているかのようですが、確定申告そのものがよくわからない、税務署や税理士に相談するのも怖い気がする、という人も少なくないのかもしれません。

確定申告を忘れていた場合は、5年以内であれば遡って住宅ローン控除を受けられますので、怖がらずに税務署に相談に行くか、税理士に相談してください。それだけでトータル100万~200万円程度の減税を受けられるわけですから、それを放棄するのはもったいないでしょう。

まとめ

住宅ローン返済は安易に35年返済を選ばないこと

完済まで共働きができないケースもある

想定外の転職や脱サラの場合も想定して資金計画を組んでおきたい

より有利な住宅ローンがあれば借り換えで負担を軽くできる要

繰り上げ返済のし過ぎで、手元資金がなくならないよう注意

住宅ローン控除期間中に繰り上げ返済をするなら、12月より年明け実行が有利

住宅ローン控除を受けるためには確定申告を忘れずに

イラスト/杉崎アチャ

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