二世帯住宅で相続発生。きょうだいで、もめないために知っておきたいことは?

相続が起きたときに、残された家族が遺産分割でもめたり、争ったりする「争族」になってしまうことがあります。これは、間違いなく亡くなった親の責任です。相続する子どもの側に責任はありません。

しかし残念なことに、自分の死後に子どもたちが遺産をめぐって争うことを全く想定できない親が多いのは事実でしょう。「うちの子どもたちは仲がいいから」とか、「争うほどの財産もないから」などといった理由で、自分には相続対策の必要はないと思い込んでいるのかもしれません。

以前、相続を専門に取り扱っている税理士さんに聞いたところ、相続税がかかりそうな資産家ほど、きちんと事前に準備している人が多く、意外と資産の少ない人のほうが事前準備をしていない分だけ「争族」になりやすいんだそうです。

相続税の負担がある人は8%程度。それでも相続対策は必要

いくら仲よしの子どもたちであっても、それぞれの(子どもの)配偶者にとっては義理の父母。実の父母ほどの思い入れはないでしょう。とすると、「もらえるものは少しでも多くもらっておくべき」という考えになりがちです。兄弟姉妹の遺産分割の話し合いに、それぞれの配偶者たちの横やりが入るわけです。

それでも、遺産の中心が現金や預金などなら分割しやすいですが、土地や建物などの不動産だと分割しにくくなります。持ち分を分割するという方法はありますが、1つの不動産をあまり細かく分割してしまうと、その後の相続が発生したときに、さらに面倒なことになる可能性があります。

したがって、相続対策は、誰もが考えておくべきなのです。もちろん、一般の人は相続税がかかる可能性は低いです。相続税には基礎控除(3000万円+法定相続人の数×600万円)がありますし、一定の自宅の土地評価額は8割減額されます。さらに、配偶者はどんなに遺産の評価額が多くても、その半分までの相続であれば相続税はかかりません(配偶者と子が相続人の場合)。

相続税の課税対象となっている人の割合を見ても、亡くなった人100人に対して、相続税の負担の必要がある人は8人程度ですから、残りの92人には相続税がかからないわけです。ざっくり言えば、保有財産が1億円を超えるような人でない限り、相続税はほとんどかからないということです。

しかし、繰り返し言います。相続対策は、誰もが考えておくべきなのです。とくに、保有財産の大半が自宅などの不動産である人ほど、遺産分割でもめる可能性があることを肝に銘じておくべきです。

相続発生前のほうが対策の選択肢は多いので、元気なうちに考えることが大切

では仮に、親と長男が二世帯住宅に住んでいて、次男は別のところに住んでいるという家族で、相続が発生した場合の具体策を考えてみましょう。

両親が亡くなった際には、同じところに住んでいる長男が住宅の持ち分を相続するのが通常でしょう。しかし、次男も法定相続人であり、長男と同じ割合で相続する権利があります。例えば、親の住宅持ち分相当額が1000万円だった場合、同じ金額の預金などが遺産にあれば、住宅持ち分は長男が相続し、預金等を次男が相続するということで一件落着となるでしょうが、その分の預金等がなかった場合はもめる可能性が出てきます。

もめないための方法は、以下のようにいくつかあります。

相続発生前にできる対策
親が遺言書を書く 遺産分割の割合は、遺言書の記載内容が優先されるので、誰に何をいくら相続させるのかを遺言書に明記する。遺留分(通常、法定相続分の半分。長男と次男のみが相続人の場合の遺留分は4分の1)の権利を侵さないように注意。遺言書を確実に残したいなら、公証役場で作成する公正証書遺言にすべき
親が終身保険に加入する 預金等の財産が少なく、住宅持ち分相当額のほうが大きい場合、その差額が死亡保険金として次男にわたるように、次男を受取人にした終身保険に加入する
親が住宅持ち分を長男に贈与する 相続時精算課税制度を利用すれば、2500万円までは贈与の段階では非課税。相続時に相続財産に加えられて相続税を計算することになるが、他の財産も少なければ相続の段階でも非課税になる可能性あり
相続発生後にできる対策
親の住宅持ち分を分割して相続する 長男と次男のみが相続人の場合、親の住宅持ち分を2分の1ずつ相続する。二世帯住宅全体の持ち分からすると4分の3が長男、4分の1を次男が持つようなかたちになる。将来、次男が亡くなった際、さらに分割される可能性あり
二世帯住宅そのものを売却する 親の住宅持ち分だけを売却するのは困難なので、二世帯住宅そのものを売却して現金にする。そして、親の持ち分相当の金額を長男と次男で分ける。長男は新たな住まいを探す必要がある

これらのほかにも細かな方法はいくつもあると思います。家族構成や財産状況などの個別のケースごとに最善の方法は異なる可能性もありますので、個別具体的な相談は、税理士などの専門家を利用すべきでしょう。

とにかく、相続発生前と発生後では、とれる対策の数が大きく異なります。当然ながら、相続発生前のほうが相続対策としてとれる選択肢は多いです。自分には関係ないものだと思わずに、財産が少なくてももめる可能性があるということを覚えておきましょう。

子どもの立場の人は、なかなか親に相続の話をするのは難しいと思いますが、「誰もが相続対策は考えておいたほうがいい」ということを上手に伝えられるとよいでしょう。

イラスト/杉崎アチャ

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公開日 2020年01月07日
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