年末調整に関係する? 住宅ローンを借りたり、借り換えをした人のための基礎知識

風が冷たい季節になってくると、「年末調整」という言葉をよく耳にするようになります。今回は年末調整とは何なのかという、いまさら誰にも聞けない初歩的な疑問や、住宅ローンや不動産売買と年末調整の関係について、わかりやすく解説します。

住宅ローンと年末調整は関係ある?

Q1

年末調整とはどのようなものですか?誰が何を計算するのですか?

「年末調整」とは、その名のとおり「年末」に「調整」するもの。何を調整するのかというと、毎月の給与やボーナスから差し引かれていた概算の所得税額と、さまざまな控除などを考慮して正確に算出した所得税額との差額です。年末調整によって、支払い過ぎていた金額は還付され、足りなかった場合は支払う必要があります。計算は、会社など勤務先がやってくれます。

通常、毎月の給与やボーナスは、支給されるときに所得税が天引きされています。これを源泉徴収といいます。源泉徴収される所得税は、支払っている社会保険料や扶養家族の人数以外は考慮されておらず、あくまでも概算のものとなっています。したがって、生命保険料控除や地震保険料控除が受けられる人や、年の途中で扶養家族の異動があった人などは、正しい所得税額との差額が生じます。それを調整するのが年末調整というわけです。

この年末調整によって税金の精算が完了するため、会社員や公務員などで年末調整を受けている人は、原則として確定申告をする必要はありません。

ただし、年収が2000万円以上の人や、2つ以上の会社から給与をもらっている人、副業による収入が年間20万円超の人などは確定申告が必要です。また、所得控除である医療費控除や寄附金控除、雑損控除を受けたい人も、年末調整だけでは受けられないので確定申告をする必要があります。さらに、税額控除である住宅ローン控除(住宅ローン減税)も、確定申告をすることで受けられるようになる制度なので、初年度は確定申告が必要です。2年目以降は年末調整で受けられます。

確定申告をするイメージ
(画像/PIXTA)

Q2

銀行の住宅ローンや【フラット35】を借りたとき、年末調整はいつから、どう関係するの?

一定の要件を満たした住宅ローン(借入金)による住宅取得等をした場合、年末時点のローン残高に応じた住宅ローン控除(住宅ローン減税、住宅借入金等特別税額控除)を受けることができるようになります。初年度は確定申告が必要ですが、2年目以降は年末調整で受けることができるようになります。

手続きとしては、初年度に行った確定申告に基づいて、税務署から【「給与所得者の(特定増改築等)住宅借入金等特別控除申告書」兼「年末調整のための(特定増改築等)住宅借入金等特別控除証明書」】という書類が送られてきます。そして、住宅ローンを返済中の金融機関等から【住宅取得資金に係る借入金の年末残高等証明書(残高証明書)】が送られてきます。ともに10月下旬ごろに届きます。

ちなみに、1つ目の申告書は、住宅ローン控除が受けられる残りの期間分(9年分または12年分)のすべてが送られてきますので、減税を受けるその年の分だけ記入し、2つ目の書類(残高証明書)と一緒に会社に提出します。提出は11月ごろ。

そうすると、12月の年末調整で住宅ローン減税が受けられ、所得税が還付されます。また、所得税だけでは控除しきれない減税分がある場合は、翌年度の住民税がその分安くなるようになっています(住民税からの控除は13.65万円が上限)。

送られてきた書類のイメージ
(画像/PIXTA)

Q3

住宅ローンの借り換えをしたとき、年末調整で書類を提出するなどの手続きは必要?

住宅ローンの借り換えをした場合も、年末調整の手続きに必要な書類はQ2で触れた2つの書類です。1つ目の申告書と、2つ目の残高証明書(借り換え後の金融機関等から送られてきたもの)を会社に提出すればOKです。

ただし、10月以降に借り換えた場合などのように、借り換え後の金融機関等からの残高証明書が年末調整に間に合わない場合は、翌年3月15日までに確定申告をする必要があります。

年末調整の書類を準備するイメージ
(画像/PIXTA)

土地などの不動産売買をしたとき年末調整は関係ある?

Q4

土地を購入して不動産取得税を納めたとき、年末調整が関係するケースはありますか?

不動産取得税とは、土地や家屋の購入や贈与、または、家屋の建築などを行うことによって不動産を取得したときに、取得した人に対して課税される税金です。

その不動産を取得するのにお金を支払ったかどうかは関係ありません。また、登記をしたかどうかも関係なく、課税されます。ただし、相続により取得した場合等、一定の場合には課税されません。

そして、この不動産取得税は、都道府県に納税する地方税ですので、国税である所得税の年末調整には関係ありません。

Q5

不動産を売って売却益が出たので譲渡所得税を納めました。年末調整は関係する?

不動産である土地や建物を売却(譲渡)して利益が出た場合、それは譲渡所得となり、確定申告をして納税する必要があります。ただし、不動産の譲渡所得は分離課税なので、給与所得などとは合算せず、単独で課税されます。したがって、年末調整には関係してきません。

ちなみに、土地や建物を売って利益が出た場合の譲渡所得には、所有期間によって短期譲渡と長期譲渡に区分され、以下のように税率が異なります。

土地や建物を売って利益が出た場合の短期譲渡と長期譲渡の税率
所有期間 所得税 住民税
売った年の1月1日現在の所有期間が5年以下(短期譲渡所得) 30% 9%
売った年の1月1日現在の所有期間が5年超(長期譲渡所得) 15% 5%
※所得税には復興特別所得税(所得税額の2.1%)もかかる(令和19年まで)

ただし、一定要件を満たすマイホームを売却した場合には、所有期間の長短にかかわらず、最高3000万円まで控除できる「居住用財産を譲渡した場合の3000万円の特別控除の特例」が利用できます。

つまり、マイホームを売った場合は、3000万円以上の利益が出なければ、税金はかからないということです。
なお、この3000万円特別控除の特例を利用するためには確定申告が必要です。

まとめ

概算の所得税額と正確に算出した所得税額の差額を「調整」するのが年末調整

住宅ローン控除を受ける場合は初年度は確定申告、2年目以降は年末調整

住宅ローンの借り換え後、年末調整に間にあわなければ確定申告をする必要がある

不動産を売ったときの譲渡所得は単独で課税されるため年末調整には関係しない

イラスト/杉崎アチャ

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公開日 2021年12月13日
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