2018年版 住宅ローンの金利予測と金利推移から考える、金利が低いと買い時? 上がる可能性は?

今、住宅ローンは超低金利。変動金利は2.475%、全期間固定金利も1%台が続いている。この状況はいつまで続くのだろう。2018年の金利の推移や、低金利の活かし方などをファイナンシャル・プランナーの菱田雅生さんに聞いた。

過去3年間、約30年間の住宅ローン金利をチェック

今、住宅ローンを借りる場合、どれくらいの金利で借りられるのだろう。

過去3年間の全期間固定金利、変動金利を見てみよう。全期間固定金利型の代表といえる【フラット35】はほぼ1%台が続いており、2017年10月から団体信用生命保険に加入する場合、金利上乗せになったものの、1.5%を切る金利で借りられるケースが多い。変動金利も店頭表示金利は2.475%だが、新規で借りる場合は全期間固定金利よりも低い金利(優遇金利、引き下げ金利)が適用されるのが一般的だ。

※変動金利はメガバンク店頭表示金利(三井住友銀行)
※全期間固定金利は【フラット35】の最低金利(借入期間21年以上35年以下.融資率9割以下、2017年10月からは新機構団信付き)

現在の金利がいかに低いかは、約30年前からの金利推移のグラフで一目瞭然。下のグラフの変動金利型で一番高いのは平成3(1991)年の8.5%。バブル崩壊後、徐々に下がり平成7(1995)年からは2%台となっている。もしも今、金利8.5%で1000万円を借りるとすると、35年返済なら毎月返済額は7万4686円。店頭表示金利の2.475%なら3万5615円、引き下げ金利で0.65%で借りられたとすると2万6626円。低金利の今のほうが、返済額はぐんと少なくなる。

※出典:住宅金融支援機構ホームページ
※ 主要都市銀行のHP等により集計した金利(中央値)。変動金利は昭和59年以降、固定金利期間選択型(3年)の金利は平成7年以降、固定金利期間選択型(10年)の金利は平成9年以降のデータを掲載
※ このグラフは過去の住宅ローン金利の推移を示したものであり、将来の金利動向を約束あるいは予測するものではありません

アメリカの政策金利が上昇。そろそろ日本でも金利が上がる?

アメリカでは中央銀行(FRB)が景気対策のために政策金利を段階的に引き上げている。20年以上低金利が続いている日本の住宅ローンにも、アメリカの利上げは影響しないのだろうか。

「金利は景気や物価、為替レート、海外金利などさまざまな要因で変動しますが、大きく影響するのは日本銀行の金融政策です。日本では年2%の物価上昇が見えてこない限り金利アップはなさそう。あとしばらく、半年~1年、2年くらいは低金利が続くのではないでしょうか。ただ、株価がもっと上がれば日本の政策金利の利上げもありえるため、住宅ローンの金利アップも考えられます」(菱田さん、以下同)

現在の低金利で住宅ローンを借りるメリットは?

まだしばらくは低金利が続きそうな今、住宅ローンを借りるのはどんなメリットがあるのだろう。

「まず、金利負担が軽いのが大きなメリットです。今は【フラット35】も1%台。住宅ローン控除(住宅ローン減税)でローン残高の1%が控除され、実質ゼロ金利で住宅ローンが組めます。金利が今よりも高かったころに比べて有利といえます」

では、金利によって総返済額がどれくらい違うのかを見てみよう。下の表は「5.5%(※1)」「2.92%(※2)」「1.35%(※3)」で借りた場合。どれも完済まで金利が変わらないものとして毎月返済学、総返済額、総返済額のうちの利息を試算している。

例えば、3500万円を借り入れた場合、2018年5月の【フラット35】(住宅金融支援機構と民間金融機関が提携する住宅ローン)の金利1.35%なら毎月返済額は10万3768円。しかし、過去の住宅金融公庫(現・住宅金融支援機構)の最も高かったときの5.5%なら毎月返済額は18万7955円。1.35%で借りる場合に比べて8万3344円多い。利息の支払いは約3501万円も多くなる。

今と過去の金利別、返済額の違い
※35年返済、元利均等返済、ボーナス返済無し、全期間固定金利
※1 住宅金融公庫(現在の住宅金融支援機構)の金利が最も高かった1990年ころの金利。融資限度額、一定期間後に金利が上がる段階金利は考慮しないものとして試算
※2 【フラット35】が登場した2003年10月の最低金利
※3 【フラット35】の2018年5月の最多金利

借入額を減らしても、今の低金利を逃すと返済額は増えるかも

当たり前だが借入額は減らせば減らすほど返済額は減る。では、返済額を減らそうと頭金が増えるまで待って住宅ローンを借りときに、今よりも金利が上がっていたら毎月返済額や総支払額はどうなるのだろう。

そこで、5000万円の家を「頭金1割、借入額4500万円」で買うcase1と、1年間、積み立てをして頭金を増やし「頭金1.5割、借入額4250万円」で買うcase2を比べてみた。

case1 いますぐに、5000万の家を買う

【資金計画】

頭金500万円 借入額4500万円 
金利1.35%(全期間固定金利) 返済期間35年

毎月返済額 13万4500円  総返済額 約5650万円
頭金500万円も含めた 総支払額 約6150万円

case2 1年後に5000万の家を買う

1年かけて頭金を増やし、借入額を4250万円に減らす。でも、金利が1.8%にアップした場合を想定。

【資金計画】

頭金750万円 借入額4250万円 
金利1.8%(全期間固定金利) 返済期間34年
※頭金を貯める1年を含め、35年の資金計画とした

毎月返済額 13万9348円 総返済額 約5686万円
頭金750万円も含めた総支払額 約6436万円
※借入額を減らしたのに支払額は多い

case2は頭金を増やした分、借入額は少なくなる。しかし、金利が上がったことで借入額が少ないcase2のほうが毎月返済額が多い結果に。頭金も含めた総支払額は1年間がんばって頭金を増やしたcase2のほうがcase1よりも約286万円以上多くなっていた。

つまり、返済額を減らそうと頭金を増やすために時間をかけている間に金利が上がってしまった場合、金利の上昇幅や頭金額によっては、たとえ借入額が多くても低金利のうちに借りたほうが総支払額は少なくできるということだ。

低金利はメリットだけ? 注意ポイントも知っておこう

今は超低金利だからと安心しすぎてはいけない。菱田さんに注意ポイントを聞いてみた。

「変動金利を借りる場合は将来の金利が確定していないことに注意が必要です。これから住宅ローンを借りようとしている人に、私がよくする質問は『これからの住宅ローンの金利、上がる余地と下がる余地、どちらが大きいと思いますか?』。みなさん、上がる余地のほうが大きいと答えます。今の変動金利は実質1%未満。今後どんなに下がっても1%以上下がることはありません。でも、過去の金利推移を見ると8.5%という時期もある。上がる余地のほうが大きいのです。おトクかどうかより安全策をとったほうがいいし、それであれば全期間固定金利の住宅ローンを選ぶほうがいいはずです」

とはいえ、今、1%を切る金利で借りられる変動金利に魅力を感じる人は多い。借りたあとに金利が上昇しはじめたら、もっと低い金利の住宅ローンを探して借り換えればいいと考える人もいるだろう。
「変動金利は短期プライムレートに連動し、固定金利は長期金利に連動します。そのため固定金利のほうが金利上昇のタイミングが早い。変動金利が上昇する局面では、固定金利はすでに上がっています。その時点でより低い金利に借り換えようとしたら、他の金融機関のキャンペーン金利を探すなどの必要があり、借り換えはなかなか難しくなります」
安全を第一に考えるのか、低金利の返済額の少なさを享受するなら将来の金利が上がっても返済していけるのか、目先の数字にとらわれずに資金計画を立てることが必要だ。

低金利時代でも住宅の買い時は人それぞれ

住宅ローンの金利が低い今は、買い時といえるのだろうか。
「いつ買うか、そのタイミングは人それぞれです。結婚と同時、第一子誕生、入園や入学など、ライフプラン上にはさまざまな買い時があります。すでに子どもが成長していて進学や独立で家を出るまで数年なら、それほど大きな家は必要ないなど、どんな家を買うかもタイミングによって違ってきます。家を買うのであれば、自分にとって最適な買い時をそれぞれに考える必要があります。低金利だからといって、無理な購入をすることは避けましょう」

金利が高かったころに比べて、今は毎月返済額や総返済額を抑えることが可能な時期。しかし、低金利だからといって無計画な借り入れをすると、せっかくのマイホームが大きな負債となる可能性もある。まわりに流されず、無理のない資金計画で低金利のメリットを活かしたい。

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取材・文/田方みき
公開日 2018年06月29日
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