2018年の住宅ローン、金利はどうなる? 優遇金利をどう活かす?

今、住宅ローンは超低金利。変動金利なら1%を切る金利、変動金利より高い全期間固定金利でも2%を下回る金利で借りられるのが一般的。この状況はいつまで続くのだろう。2018年の金利や、より低い金利で借りられる優遇金利について、ファイナンシャル・プランナーの菱田雅生さん、新松尊英さんに聞いた。

低金利ってもうどれくらい続いているの?

下のグラフは主要都市銀行の住宅ローン金利(変動金利型)の推移。最も高い時期には8.5%だった金利は、バブル崩壊後、少しずつ下がり、平成7(1995)年以降は2%台で推移している。つまり、住宅ローン金利が今のような低金利になって、すでに20年以上が経過していることになるのだ。

※出典:住宅金融支援機構ホームページ
※ 主要都市銀行のHP等により集計した金利(中央値)。変動金利は昭和59年以降、固定金利期間選択型(3年)の金利は平成7年以降、固定金利期間選択型(10年)の金利は平成9年以降のデータを掲載
※ このグラフは過去の住宅ローン金利の推移を示したものであり、将来の金利動向を約束あるいは予測するものではありません

住宅ローンの金利ってどうやって決まるの?

住宅ローンの金利はさまざまな要因に影響されて決まる。

まず、変動金利は「短期プライムレート(短プラ)」をもとに、各金融機関が年に2回の見直しを行うのが一般的だ。短期プライムレートとは、金融機関が優良企業向けに短期(1年未満)で融資をするときに適用する金利のこと。この短期プライムレートは、中央銀行(日本では日本銀行)が金融政策に基づいて決める政策金利に影響される。

固定金利の場合は、変動金利よりも長期にわたって金利が固定されるため、主に「長期金利」が指標とされる。長期金利とは、取引期間が1年以上になる場合の金利で、一般的には「新発10年国債利回り」を指す。

日銀は、景気の動向などを見ながら政策金利を決める。また、長期金利は日本の財政状況が影響する。そのため住宅ローン金利も、景気などさまざまな要因に影響されることになる。

「金利は、景気が良くなればアップし、景気が悪くなればダウンします。また、物価が上がればアップし、物価が下がればダウン。為替レートが円安になれば、金利はアップし円高になればダウン。アメリカの政策金利のような海外の金利も日本に影響し、海外金利が上がれば日本もアップする可能性が高くなる、というのが教科書的な経済の動きです」(菱田さん)

アメリカが利上げしてるから、そろそろ日本でも上がる?

アメリカの中央銀行(FRB)は、景気対策のために政策金利を低く抑えてきたが、2015年12月以降、段階的に引き上げている。この影響で、そろそろ日本の政策金利が上がり、住宅ローン金利も引き上げになったりするのだろうか。

「アメリカの政策金利は上がっていますが、日本の金利の動きで一番影響が大きいのは日本銀行の金融政策です。日銀は5年前に2%の物価上昇を目指すと発表し、量的・質的金融緩和のもと低金利政策を続けています。そのため、物価上昇率が年に2%になるまでは金利は上がらないのではないでしょうか。あとしばらく、半年から1~2年くらいは低金利が続くのでは。ただし、株価がもっと上がれば、日本での利上げもありえるとは思います」(菱田さん)

今後は上がると思っていたほうがいい?

とはいえ、この超低金利時代が永遠に続くことはないだろう。時期は明言できないが、「金利は下がる余地より、上がる余地のほうが大きい」と菱田さん。新松さんも「住宅ローン金利はいずれ上がるでしょう。金融を事業の柱にしている銀行は長く続く低金利合戦に疲れており、住宅ローン事業から撤退するところも出てきました。日銀の利上げや景気上昇があれば、住宅ローン金利も上がるはず」という。

そして、金利が上昇局面を迎えたときに注目したいのは、金融以外の事業を柱にしている金融機関の動き。「例えば、大手流通のイオングループが土台にあるイオン銀行は、住宅ローンの利用でイオンでの買い物に特典を付けるなど、新規顧客の確保につなげています。つまり、金融だけが事業の柱ではありません。そのため、他の銀行が金利を上げる局面でも、しばらくは低金利をキープする可能性があります」(新松さん)

低金利の住宅ローン。実際に借りるときは「超」低金利に?

低金利が続いている住宅ローン。下のグラフは過去3年間の変動金利(銀行)と、全期間固定金利(「【フラット35】」)の推移。変動金利も【フラット35】も低い水準で横ばいとなっている。

※変動金利はメガバンク店頭表示金利(三井住友銀行)
※全期間固定金利は【フラット35】の最低金利(借入期間21年以上35年以下.融資率9割以下、2017年10月からは新機構団信付き)

変動金利の場合、グラフで示しているのは店頭表示金利。実際に借りるときは、この店頭表示金利からさらに引き下げられた金利で借りられることがほとんど。これが、「引き下げ金利」「優遇金利」といわれているものだ。引き下げ幅は金融機関や金利タイプ(変動金利、固定金利、固定期間選択型)などによって違うが、例えば変動金利なら店頭表示金利2.475%の住宅ローンが、0.7~0.8%台という超低金利で借りられるケースも多い。

では、店頭表示金利のままと引き下げ金利で借りた場合では、返済額がどれくらい違うかを見てみよう(下表)。3000万円を借りた場合で計算すると毎月返済額の差は2万6966円、総返済額の差は約1133万円。引き下げ後の金利のほうが、利息の支払いが1000万円以上少なくなる。

金利2.475% 金利0.65%
毎月返済額 10万6846円 7万9880円
総返済額 約4488万円 約3355万円
支払い利息 約1488万円 約355万円

※35年返済、元利均等返済、ボーナス返済無しの場合
※完済まで金利が変わらなかった場合で試算

どんな人が引き下げ金利を利用できるの?

店頭表示金利よりも低い金利で借りるには、金融機関ごとに決められた条件がある。
主な条件は、
●現在、その金融機関で住宅ローンを利用していない新規の借り入れ
●給与振込口座がある、または給与振込口座を開設する予定 など。
金融機関によっては一定以上の自己資金(頭金)が必要なこともある。

「クリアすることが難しい条件ではありませんから、ほとんどの人が引き下げ金利を利用できます。今は、店頭表示金利で借りる人はまずいないのでは?」(新松さん)

交渉したらもっと下がる?

大きな金額を長期間で返済する住宅ローンは、わずかな金利差が支払う利息に大きく影響する。できるだけ低金利で借りたいと誰もが思うだろう。金融機関に交渉することで、もっと下がったりしないだろうか。

「今は、どの金融機関も限界ギリギリまで金利を引き下げている状況です。借入先の金融機関が、ハウスメーカーや勤務先企業が提携している場合、多少の引き下げがあるかもしれませんが、金利のさらなる引き下げは難しく、交渉してもそれほど下がらないと考えておいたほうがいいでしょう。そもそも提携先の金融機関だけに目を向けるのではなく、ネット銀行など選択の幅を広げることが大切。さらに低金利の銀行を見つけられることもあります」(新松さん)

引き下げ金利の注意点は?

総返済額を大きく減らす効果のある引き下げ金利だが、注意したいのは金融機関や住宅ローン商品、キャンペーンなどのタイミングによって、適用期間や引き下げ幅が違うこと。借入時の引き下げ幅が完済まで続くものもあれば、一定期間を過ぎると引き下げ幅が小さくなるものも。引き下げ幅が小さくなると返済額はアップする。借入先を決める際には、引き下げ幅の大小だけでなく、その金利がいつまで続くのかを確認しておくことが重要だ。

住宅ローン金利はさまざまな要因によって変動する。そのため、この低金利がいつまで続くのか、上がるとすればどれくらいかといった明確な金利予想はできない。しかし、今後、景気が上昇傾向になれば、金利が上がることは十分予想できる。引き下げ金利が適用されて有利な条件で借りられる時期だが、変動金利を利用するなら金利が上がったときのことも考えておこう。

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取材・文/田方みき
公開日 2018年06月29日
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