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近年、住宅取得をする年齢が徐々に高齢化してきているようです。住宅金融支援機構が毎年調査している「フラット35利用者調査」の2024年度の調査結果を見ると、20代30代の割合が少しずつ減少し、40代50代の割合が増加してきているのがわかります(図表1参照)
もちろん、このデータは【フラット35】を利用した人のみを対象としているので、【フラット35】以外の住宅ローンを利用した人を含めた結果ではありません。しかし、大まかな傾向としては、実態と大きくかけ離れていることはないだろうと思います。

なぜいま住宅取得年齢が少しずつ上がってきているのか。おそらく、結婚年齢の上昇(晩婚化)や、ここ数年の住宅価格の上昇などが、大きな影響を及ぼしているのではないかと思われます(図表2参照)

「マイホームを買おうと思い始める年齢そのものが高齢化してきている」
また、
「住宅価格が上がってきているので、頭金準備や収入の増加を待つ必要がある」
といった感じでしょうか。
さらに、最近の住宅価格の上昇は、返済期間の長期化に拍車をかけている可能性もあると思われます。図表3にあるように、2024年度の【フラット35】の利用者の償還期間(=返済期間)の平均が31.8年で、中央値は35.0年となっています。

中央値は、総務省統計局が調査している家計調査報告(貯蓄・負債編)の貯蓄残高の数値でよく使われています。2024年の二人以上の世帯における1世帯当たりの貯蓄残高は、貯蓄ゼロの世帯も含めた平均値が1984万円で、貯蓄保有世帯の中央値は1189万円だったようです。
平均値は、何十億円というお金持ちが1世帯いるだけでも、上方に数値が引っ張られてしまいますが、中央値は、貯蓄の少ない人(または多い人)から順番に並べて、ちょうど真ん中に来る人の値を見るものなので、感覚的に平均的な値を知るのに役立つのです。
したがって、平均の返済期間が31.8年でも、中央値が35.0年ということは、半数以上の人が返済期間を35年にしているということがわかる、というわけです。
図表1にあったように、【フラット35】の利用者の平均年齢は44.5歳。そして、半数以上の人が35年返済を利用している(図表3)。ということは、完済時の年齢は70歳を超えている人がかなりいるということが想像できます。
確かに、住宅金融支援機構の前身である住宅金融公庫の時代から、住宅ローンは、新築のマンションや建売住宅を買う人の多くが、返済期間の上限である35年で組んでいました(中古住宅では上限が25年などに制限されていました)
なので、昔も今も大きな違いはないのですが、住宅取得の年齢が上がってきている点については問題視したほうがよいかもしれません。とはいえ、住宅所得の年齢を下げようとすることは現実的ではないでしょうから、やはり重要なのは、働いている間に返済が終了するように、完済時の年齢が60歳とか65歳になるような返済期間を最初から設定することです。
もちろん、最初は35年で組んでおいて、途中で繰り上げ返済を行うことで期間短縮をしていく方法もあります。しかし、当たり前のことですが、繰り上げ返済をするためには、繰り上げ返済用の資金を貯める必要があるのです。それも、教育資金や老後資金の貯蓄とは別に、です。
「大丈夫。自分たちならできる」と思う人もいるかもしれません。しかし、繰り上げ返済用の貯蓄ができるのであれば、もともと返済期間を短く組むこともできるはずなのです。是非とも短く組んでしまいましょう。
「でも、返済期間を短くすると、毎月の返済額が増える。収入が減ってしまったらどうしよう」などと心配になる人もいるかもしれません。もしそう思うなら、希望する物件価格を下げましょう。住宅価格を下げれば、借入金額も下がるはずです。そうすれば、収入が多少減ったとしても対応できるはずです。自分たちが将来にわたって安心できる、身の丈に合った物件を探すようにしましょう。
「いやいや、もうすでに完済時の年齢が70歳を超える住宅ローンを組んじゃってるんだけど……」という人もいるでしょう。
そのような人へのアドバイスとしては、まず、無駄遣いをしない気合いです!(笑)
いえ、笑いごとではありません。本気で家計を見直し、余計な出費をなくし、繰り上げ返済用の貯蓄を貯めましょう。教育資金や老後資金の準備とは別に、です。
最初の目標は、完済時の年齢を65歳まで下げることです。理想は60歳未満まで下げる。とにかく、退職金などは当てにしないこと。自分たちの老後の生活のためです。気合いを入れて頑張ってください。
それでも実際には、返済終了が70代になってしまう人がいるかもしれません。そのような場合は、60歳を超えた段階で、住宅金融支援機構の「リ・バース60」の利用を検討してもよいかもしれません。
「リ・バース60」は、住宅ローンの借り換えでも利用できるので、その後の返済を利息だけにして返済負担を軽くし、亡くなったときに家を売却して完済するものです。家を相続人(子どもなど)に残す必要がないなら問題ないでしょう。
ただし、家の担保評価の関係で、必ずしも希望額が借りられるかどうかがわからない点には注意が必要です。また、返済負担が軽くなるとは言っても、利息を死ぬまで支払い続けるので、トータルの支払額は増加する可能性も高くなります。基本的には「リ・バース60」に頼ろうとしないほうが無難かと思われます。
なお、細かな対処法は人それぞれで異なりますので、心配な人は住宅ローンに詳しいFPなどに相談するようにしましょう。
SUUMOコンテンツスタッフ