繰り上げ返済はどんなタイミングですれば手数料や利息がおトク?シミュレーションしてみた!

繰り上げ返済はどんなタイミングですれば手数料や利息がおトク?シミュレーションしてみた!

ローン返済中に、通常の返済とは別に元金の一部や全部を返済する「繰り上げ返済」。払う予定だった利息を減らせるため、総返済額が予定よりも少なくなるおトクな返済テクニックだ。より上手に繰り上げ返済をするためのコツを、ファイナンシャルプランナーの竹下さくらさんに教えてもらおう。

繰り上げ返済ってどんな仕組み? おトクな返済方法をシミュレーション

元金の一部や全部を返済することで、利息を減らせる

繰り上げ返済とは、毎月返済している分とは別に、元金の一部(または全部)を前倒しで返済する方法。元金を減らすことで、その元金にかかるはずだった利息を払わなくて済むことになり、当初の予定よりも完済までの総返済額を減らす効果がある。

繰り上げ返済には期間短縮型と返済額軽減型の2タイプがある

繰り上げ返済には、毎月返済額はそのままで借入時に設定した返済期間を短縮する「期間短縮型」と、返済期間を変えずに毎月返済額を減らす「返済額軽減型」の2タイプがある。

繰り上げ返済は2タイプ
期間短縮型
繰り上げ返済した元金分の返済期間を短くできる「期間短縮型」(画像作成/SUUMO編集部)
返済額軽減型
繰り上げ返済で元金を減らすことで、その後の毎月返済額を少なくできる(画像作成/SUUMO編集部)

繰り上げ返済をする際、「期間短縮型」と「返済額軽減型」ではどちらがトクなのだろう?

例えば、4000万円を借り入れて、金利1.4%(全期間固定金利型)、返済期間35年で返済している住宅ローンの場合、返済スタートから3年後に100万円を繰り上げ返済すると、減らせる利息は期間短縮型のほうが約31万円多くなる。

「これまでにさまざまなケースでシミュレーションをしてきましたが、期間短縮型と返済額軽減型を利息軽減効果で比べると期間短縮型のほうがおトク。ただし、期間短縮型を選ぶことで残りの返済期間が10年を切ってしまう場合は、住宅ローン控除での節税ができなくなりますから返済額軽減型をオススメします」(竹下さん、以下同)

期間短縮型と返済額軽減型の利息軽減効果の違い
表
※CASIOの高精度計算サイトにて試算(以降の試算も同じ)
※2019年1月返済開始で試算(画像作成/SUUMO編集部)

繰り上げ返済は実行のタイミングで減らせる利息額は違ってくる

繰り上げ返済は実行のタイミングによって、利息軽減効果が違ってくる。

例えば、4000万円を借り入れて、金利1.4%(全期間固定金利型)、返済期間35年で返済している住宅ローンで、返済スタートから2年後に100万円を繰り上げ返済すると、減らせる利息は下の表のように約57万円。しかし、12年後に実行すると減らせる利息は約37万円で約20万円も少なくなる。

「早ければ早いほど利息軽減効果は高くなります。元金を早く減らしたほうが、その元金に対して支払うはずだった利息を減らせるからです。『5年後や10年後など、将来的には繰り上げ返済をしよう』とのんびりと考える方もいらっしゃいますが、家計にゆとりがあるなら1カ月でも早く実行するほうがメリットがあるのです」

実行時期によって違う利息軽減額
表
(画像作成/SUUMO編集部)

金利が高いローンのほうが利息軽減効果が高い

繰り上げ返済は、金利が高いほうが減らせる利息額が大きくなる。

例えば、下のCASEは、住宅ローンを夫婦それぞれに借りて返済中で、金利に違いがある場合。2年後に100万円を繰り上げ返済するなら、金利1.4%よりも、金利1.6%の住宅ローンを繰り上げ返済したほうが約10万円も減らせる利息が多くなる。

ただし、借入額や返済期間が違う場合は、「金利が高いほうを繰り上げ返済=おトク」とは限らない。また、金利が低くても変動金利型で将来、金利が上がる可能性がある場合は、試算した時期とは結果が違ってくることもあるので注意しよう。

金利による利息軽減効果の違い
表
(画像作成/SUUMO編集部)

金融機関や住宅ローン商品によって、繰り上げ返済の条件が違う

積極的に繰り上げ返済するなら手数料に注意

繰り上げ返済は、金融機関窓口やインターネット経由、金融機関によっては電話など、さまざまな方法で受け付けている。注意したいのは手数料。現在は、【フラット35】やネット経由で繰り上げ返済をする場合、手数料無料のケースが多いが、窓口や電話で手続きをしたり、残りの元金全額を一括で繰り上げ返済する際には手数料がかかるケースも。また、変動金利型で返済中なら手数料無料だが固定金利型なら手数料がかかるケースもある。積極的に繰り上げ返済をする予定なら、手数料についてチェックしておこう。

こまめに繰り上げ返済するなら受け入れ額の条件をチェック

金融機関や住宅ローン商品によって、繰り上げ返済の最低返済額は違う。1円以上、1万円以上といった少額から受け入れる金融機関もあれば、10万円以上が条件のところも。【フラット35】の場合は、金融機関窓口では100万円以上が条件だが、インターネット経由の場合は10万円以上からになる。

また、金融機関によっては、口座に指定した金額以上の残高がある場合は、自動的に繰り上げ返済をしてくれる「自動繰り上げ返済」のサービスがあるところも。手続きの手間がなく、気がついたら元金が大幅に減っている!ということも。

繰り上げ返済をすると一括で払った保証料が戻ってくる場合がある

住宅ローンを借りるときには、万が一返済ができなくなった場合に、残っている元金を肩代わりする保証会社への保証料を支払う。支払い方法には、借入金利に0.2%程度を上乗せして支払うタイプ(内枠方式)と、借入時に一括で払うタイプ(外枠方式)がある。繰り上げ返済をすることで保証料が戻ってくるのは、保証料を一括で払っている場合だ。

一括で前払いする際の保証料は、保証会社によって違うが、例えば、みずほ銀行で4000万円を35年返済で借りた場合の保証料は約82万円が目安。これは、借入額(元金)と返済年数によって決まる金額なので、繰り上げ返済によって残りの元金や返済年数が変わると、各保証会社の計算方法によって保証料の一部が返還される場合がある。ただし、返済期間や元金の金額、繰り上げ返済の実行時期によっては戻ってこない。

Q&Aで分かる。繰り上げ返済を上手に利用するために、知っておきたいポイント

Q 住宅ローン控除の控除期間が終わってから繰り上げ返済をしたほうがおトク?
A 住宅ローン金利が1%以上なら繰り上げ返済が有利

住宅ローン控除(住宅ローン減税)は年末のローン残高の1%が所得税と住民税から戻ってくる制度。年末のローン残高が多いほど戻ってくる金額が多いので、控除期間中は繰り上げ返済でローン残高を減らさないほうがよいのでは?と考える人も多い。
「ポイントは住宅ローン金利が1%以上かどうか。1%以上なら、住宅ローン控除による減税額を上回る利息を支払うことになりますから、控除期間中であっても繰り上げ返済をしたほうがトクといえます」
また、納めている所得税や住民税によっては、年末ローン残高の1%相当額分は戻ってこない。その場合、金利が1%未満の住宅ローンでも、繰り上げ返済のほうがトクになるケースがある。

Q 毎年こまめに繰り上げ返済するのと、まとめて繰り上げ返済するのとどっちがおトク?
A 早めにコツコツ繰り上げ返済のほうがおトク

繰り上げ返済は早めに実行したほうが利息軽減効果は高い。貯金がたまってからドーンと繰り上げ返済しようと時間がたっていく間にも、元金に利息はかかっている。早めにこまめに繰り上げ返済をして元金を減らしたほうが、利息の支払いは少なくなる。下の表は、返済開始の1年後から毎年10万円ずつ10年間の繰り上げ返済をした場合と、10年間積み立てをして10年後に1000万円を繰り上げ返済した場合。毎年100万円ずつ繰り上げ返済したほうが、81万7838円も利息が少なくなっている。

「こまめな繰り上げ返済も効果的ですが、このケースのように1年で100万円を繰り上げ返済用に貯金するゆとりがあるなら、条件変更で毎月の返済額を増やして返済期間を短くするほうが元金の減りが早いので、利息軽減効果がより大きくなります」

同じ金額でもタイミングによって違う利息軽減額
表
(画像作成/SUUMO編集部)

Q 繰り上げ返済をしないほうがいいのはどんなケース?
A 万が一に備える貯金がなくなるなら繰り上げ返済はストップ

「利息がぐんと減らせるので、繰り上げ返済をどんどん繰り返す方がいらっしゃいます。でも、教育費や老後資金など、住宅以外にもかかるお金があります。親の介護の費用が発生したり、子どもが塾に行きたいと言い出したり、失業や早期退職など予定外の出費や収入減も考えておいたほうが安心。最低でも生活費の6カ月~1年分の現金は手もとに残しておき、この金額を超えた部分を繰り上げ返済に充てるのがいいでしょう」
万が一に備える手もとの資金が減るような無理な繰り上げ返済はしないほうがいいだろう。

Q 頭金を多くして借入額を減らすのと、頭金は少なめで繰り上げ返済するのとではどちらがトク?
A 早期に繰り上げ返済すると、頭金にした場合よりも利息が減るケースも

「頭金を多くして借入額を少なくすれば、その分、毎月返済額や総返済額を抑えることができます。でも、100万円単位のお金が貯金から消えてしまうのが不安という方もいらっしゃるでしょう。そんな場合は、毎月返済額に無理がない範囲で借入額を増やし、返済スタート後の家計の様子を見て、貯金を使っても大丈夫そうだったら繰り上げ返済をする、という方法もあります。頭金にするつもりだったまとまった金額で返済スタートから半年後など早めに繰り上げ返済をすると、総支払い額を減らせる場合があります」

例えば、下の表のケースは、頭金を200万用意して借入額を4000万円にした資金計画Aと、貯金が200万円減るのが不安で頭金無し、借入額4200万円にした資金計画B。Bのほうが借入額が多いので、毎月返済額は当然多くなり、このまま35年間返済を続ければ、総支払額(頭金を含む)はBのほうが多くなるはずだ。

しかし、頭金にしようか迷っていた200万円を、返済開始から半年後に繰り上げ返済すると、返済期間が短くなった分、利息の支払いが軽減。総支払額で比べると借入額が少ないAよりも、200万円多く借りているBのほうが約66万円おトクになっている。
借り入れ金額や返済期間、繰り上げ返済の時期によっては、頭金を多くするよりも、繰り上げ返済にまわしたほうが総支払額が少なくなることもあるのだ。

同じ金額でもタイミングによって違う利息軽減額
表
(画像作成/SUUMO編集部)

返済額軽減型より期間短縮型、あとでまとめてよりも早めにこまめに返済など、利息軽減効果が高い繰り上げ返済の方法を把握したら、無理のない範囲で繰り上げ返済をしよう。浮いた利息分は次の繰り上げ返済費用に充てたり、老後資金にまわしたりもできる。

まとめ

繰り上げ返済は「返済額軽減型」より「期間短縮型」のほうが利息軽減効果が高い

こまめに繰り上げ返済をする予定なら手数料や受け入れ額の条件を確認しておこう

繰り上げ返済のしすぎは要注意。予定外の出費や収入減に備えるお金は残しておくこと

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取材・文/田方みき 
公開日 2019年03月11日
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