住宅ローン審査の基準、通らないのはどんな理由? 初心者が知りたいQ&A

住宅ローンを借りる前に、必ず通ることになるのが「住宅ローン審査」。これに通らなければ、融資が希望通り受けられず、購入候補にしていた家が買えなくなることも。今回は、ローン審査の項目や、審査を受ける前にしておきたいことなど、さまざまな疑問を解決!ファイナンシャルプランナーの新松尊英さんに話を聞いた。

住宅ローン審査って何?基本を知っておこう

事前審査と本審査がある

住宅ローンの借り入れを希望する人が、希望額を返済していけるのか、万が一返済できなくなった場合に担保として価値がある物件なのかなどを審査するのが住宅ローン審査だ。

まずは、住宅ローンを申し込んでから住宅ローン契約を結ぶまでの流れを知っておこう。通常は、どんな物件を購入予定で、いくらの住宅ローンを借りたいかという希望を金融機関に伝えて事前申し込みをし、事前審査を受けるのが住宅ローン手続きのスタート。事前審査では、主に物件の金額(購入物件の価格、注文住宅を建てる場合は土地や建物の見積金額など)、借りる人の収入、職業・勤務先などがチェックされる。最近はインターネットで事前審査を受けられる金融機関も多い。この場合、収入に関しては自己申告のケースが多いが、金融機関によっては収入を証明する書類(源泉徴収票など)を求められることもある。

事前審査に通り、正式な住宅ローンの申し込みをする際に受けるのが本審査。事前審査よりも詳細に確認されることになり、物件資料(売買契約書や工事請負契約書など)や借りる人に関する書類(公的所得証明書、納税証明書など)の提出も必要になる。この本審査に通ると住宅ローン契約を結ぶことになる。

事前審査にかかる期間は1週間程度、本審査にかかる期間は2週間程度が目安。建築会社が金融機関と提携している場合、物件に対する審査にかかる期間が短くなることもある。逆に、申し込みの混み具合によっては通常より期間がかかることも。審査は余裕をもって申し込むようにしよう。

事前審査、本審査で必要な主な書類
◎物件の売買契約書(注文住宅の場合は設計図面や建築請負契約書)
◎重要事項説明書
◎源泉徴収票
◎公的所得証明書
◎住民票
◎本人確認書類 など

新築住宅と中古住宅の住宅ローン審査の違い

中古住宅は担保価値の審査に時間がかかることも

新築マンションや新築一戸建てを購入する場合、物件の担保価値も審査されるが、メインになるのは借り入れる人の年収や年齢、勤続年数などをもとにした返済能力。しかし、中古住宅の場合は、返済ができなくなった場合にその物件を売却することで残債を完済できるかという、担保価値がより重要になってくる。築年数や立地など物件に対する審査が詳細になる分、新築住宅の場合よりも審査に日数がかかることもある。

住宅ローン審査の審査項目

年齢や健康状態などがチェックされる

住宅ローン審査は、金融機関や提携している保証会社の基準に沿って行われる。下の表は住宅ローンを貸し出す際に審査項目として90%以上の金融機関が挙げたもの。

融資を行う際に考慮する項目(新規購入の場合)

完済時年齢 97.2%
健康状態 95.7%
借入時年齢 95.6%
担保評価 95.5%
年収 93.6%
連帯保証 92.8%
勤続年数 92.7%

※「民間住宅ローンの実態に関する調査」(2017年度、国交省)より抜粋

完済時年齢、借入時年齢

審査で考慮される割合が高いのは「年齢」。完済時年齢が80歳前後と定められている金融機関が多いほか、返済期間が定年退職時年齢を超える場合は、退職後も返済できるかを審査される。

健康状態

「ほとんどの金融機関が、団体信用生命保険(団信)に加入することを融資条件としているため、病歴や現在の健康状態をチェックされます。直近の健康診断書や人間ドックの検査結果など、手もとに保管しておきましょう」(新松さん、以下同)

担保評価

金融機関は住宅ローンを貸し出す際に、物件の土地や建物に担保として抵当権を付ける。土地や建物の評価によって融資上限が違ってくることも。

年収

融資希望額を返済していける年収かを審査される。「会社員の場合、過去にクレジットの返済を滞納したなど信用情報に傷がなく、団信に加入できれば、年収の7~8倍まで借りられるケースが多いようです」

連帯保証

金融機関が提携している保証会社の保証が受けられるかが考慮される。

勤続年数

安定した返済が続けられるかの判断材料とされる勤続年数。「勤続年数2年が基準とされることが多く、金融機関によっては3カ月でOKのところも」。勤続年数の条件を設けておらず転職直後でも借り入れが可能な金融機関もある。

もっと知りたい!住宅ローン審査のQ&A

Q 事前審査に通ったのに、本審査で落ちることはある?通らない理由は?
A「あります。事前審査を通ったあとに、車のローンを組んで購入したり、クレジットカードの引き落としができなかったりなど、事前審査時と条件が変わった場合です。融資額が減額になったり、最悪の場合、住宅ローンが借りられなくなることもあります。また、【フラット35】の場合、事前審査は簡易的な場合が多く、本審査で落ちるケースも少なくありません」(新松さん)

Q 他のローンを返済中。審査で不利になる?
A「カーローンや奨学金など、現在、返済中の借り入れがある場合、その返済分も考慮して審査されます。そのため、返済中の金額によっては住宅ローンが借りられない、融資額が減額されることはあります」

Q 審査で不利なのはどんな人?
A「個人事業主や契約社員、派遣社員のほか、自分で会社を立ち上げてまだ1~2年目で赤字決算という人は、審査に通りにくいといえます。審査の際に、通帳の残高のコピーの提出を求められることも。相続予定の財産や保険の解約返戻金が十分にあり、返済能力があると判断されれば審査に通る可能性は上がります」

Q クレジットカードの保有枚数は影響する?
A「キャッシュレスでの買い物やスマートフォンの割賦販売などで、クレジットカードの利用は社会のインフラとして定着していますから、保有枚数や使用歴はあまり審査に影響しなくなってきています。しかし、滞納すると審査に通らない可能性も。また、キャッシング枠は要注意。手軽にできる借金なので、キャッシングをしているとみなされて、融資額が減額になることもあります」

Q クレジットカードは何回滞納するとアウト?
A「明確な基準はないようです。1回の滞納だと、口座にお金を用意するのを忘れていたうっかりミスとみなされることが多いですが、数カ月連続で引き落としがされなかった場合などはアウトでしょう。ただし、同じ回数でも、数年に数回などの場合はセーフになるかもしれません。審査は他の審査項目も併せてトータルで判断されるので、借りる人や借り入れ希望額などによって結果は違ってきます」

Q クレジットカードの滞納記録が残ると、住宅ローンは無理?
A「カードローンやクレジットカードの支払いを滞納すると信用情報機関の個人信用情報に登録されます。この記録は5~7年間残ると言われています。住宅ローン審査に通らなかった場合、クレジット会社や信販会社が登録している信用情報機関のCICなどに自分の個人信用情報を請求し確認。滞納の記録があれば、今後は滞納をしないようにして5~7年間待ち、あらためて住宅ローン審査を受けるといいでしょう。個人信用情報の請求は信用情報機関のホームページからもできます」

住宅ローン審査に通りやすくするためには、普段からクレジットカードの滞納をしないようにし、団信に加入できるように健康状態に気をつけておくことが大切だ。また、万が一、審査に通らなかった場合は、借入希望額と年収のバランスを見直して、資金計画を立て直すことも重要。長い期間、安心して返済していくために、無理のない借り入れを再考するよい機会だと考えよう。

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取材・文/田方みき
公開日 2018年06月18日
最終更新日 2018年06月19日
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