住宅ローンの還付金って?いつ受け取れるの?思ったより少ない?

住宅ローンの還付金って?いつ受け取れるの?思ったより少ない?

給与からの天引きなどで納めた所得税が本来の税額より多かった場合、確定申告することで払い過ぎた分の還付を受けられます。この還付金が受けられるケースの一つが、住宅ローンを組んだ場合の住宅ローン控除です。還付金でいつ、いくらの所得税が戻ってくるのでしょうか。住宅ジャーナリストの大森広司が解説します。

住宅ローンの還付金とは?

還付とは、納め過ぎた所得税を確定申告によって返してもらうこと。返してもらうお金を還付金と呼びます。

会社員は毎月の給与から所得税が天引きされていますが、なんらかの事情で所得が少なくなる場合は確定申告をすることで所得税の還付を受けられます。このように還付が受けられる確定申告を還付申告と呼び、納め過ぎが発生した年の翌年から5年間が申告の期限です。

還付金を受け取れるケースにはいくつかあります。例えば1年間に自分や家族にかかった医療費が10万円を超えた場合は、超えた分の金額を所得から差し引ける「医療費控除」が受けられます。また生活に必要な家具や衣類などの資産が災害や盗難によって損害を受けた場合に還付が受けられるのが「雑損控除」です。

同様に、住宅ローンを組んだ場合も「住宅ローン控除」により還付の対象になります。住宅ローン控除とは、住宅ローンの年末残高の1%相当分が10年間にわたり所得税から控除される制度のこと。消費税率10%が適用される住宅を買って2019年10月1日から2020年12月31日までに入居した場合は控除期間が13年間になります。

なお、住宅ローン控除を利用するには、住宅の床面積が50m2以上など一定の要件があるので注意してください。

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還付金はいつ受け取れる?

通常の確定申告は毎年原則2月16日から3月15日までの期間中に税務署に書類を提出して手続きします。還付申告の場合はこの期間にかかわらず申告が可能ですが、住宅ローン控除は入居の翌年の確定申告期間中に手続きするケースが一般的なようです。

なお、住宅ローン控除の還付申告は入居の翌年に一度だけ行えば、次の年からは勤務先の年末調整で手続きが可能になります。

還付金は申告の際に書類に記載する預貯金口座に振り込まれます。振り込まれる時期はケースにもよりますが、申告手続きからおおむね1カ月から1カ月半程度です。なお、自宅のパソコンを使って申告するe-Tax(電子申告)で手続きした場合は、申告から還付金の振り込みまで3週間程度となっています。

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還付金額が思ったよりも少ない?

住宅ローン控除の還付金額は年額でローン残高の1%ですが、だからといって6000万円借りれば60万円戻ってくるわけではありません。というのも、住宅ローン控除の対象となるローン残高には「上限4000万円」という制限があるからです。つまり住宅ローンを4000万円以上借りたとしても、還付金は最大で「4000万円×1%」で40万円。10年間では最大で400万円までとなります。

なお、購入した住宅が長期優良住宅または低炭素住宅に認定されている場合は、住宅ローン控除の対象ローン残高の上限が5000万円にアップし、10年間で最大500万円が還付されます。また、建物に消費税のかからない中古住宅を購入した場合の対象ローン残高の上限は2000万円なので、10年間の還付金は最大200万円です。

消費税率10%が適用される住宅を購入した場合は住宅ローン控除の控除期間が13年間に延長されますが、11年目から13年目までの各年の還付金の限度額は以下のいずれか小さい額になります。
(1)住宅ローン年末残高(上限4000万円※)の1%
(2)建物購入価格(上限4000万円※)の2%の1/3
※長期優良住宅または低炭素住宅の場合は上限5000万円

また、住宅ローン控除はあくまでも所得税の還付制度なので、すでに納めた所得税以上の額は還付されません。仮に住宅ローン残高が4000万円でも、所得税額が20万円なら所得税からの還付金は20万円までです。ただし所得税から還付しきれなかった額は、翌年分の住民税から13万6500円(消費税のかからない中古住宅は9万7500円)を上限に控除され、納税額が減税されます。

では実際にどのくらいの金額が還付されるのか、試算してみましょう。

【ケース1】年収600万円の人が3600万円の住宅ローンを借り、消費税8%で4000万円の住宅を購入

下記の試算条件で計算すると、入居1年目の住宅ローン年末残高は3580万円(金額は概算。以下同)です。単純に控除率1%をかけると35万8000円ですが、このケースでは納めた所得税と住民税からの控除額の上限の合計額が32万9000円と試算されるため、少ない金額のほうの32万9000円が1年目の還付金額となるのです。

2年目以降も同様に計算しますが、5年目の住宅ローン年末残高が3256万円となり、その1%の32万5600円のほうが所得税と住民税からの控除額の上限の合計額を下回るため、この年からはローン残高の1%に相当する金額が還付金額となります。

こうした計算の結果、10年間の控除額の合計は314万1100円と試算されました。

【試算条件】
年収:600万円(10年間変わらないものとする)
家族構成:夫、妻(専業主婦)、子1人(6歳未満)
住宅価格:4000万円(建物価格2000万円)※消費税別。税率8%
住宅ローン借入額:3600万円(固定金利1.50%、35年返済、ボーナス時返済なし、2019年10月返済開始、2019年末時点のローン残高:3580万円

【還付金額】
1年目:32万9000円
10年間合計:314万1100円

【ケース2】年収800万円の人が5400万円の住宅ローンを借り、消費税10%で6000万円の住宅を購入

下記の試算条件で計算すると、入居1年目の住宅ローン年末残高は5390万円(金額は概算。以下同)です。単純に控除率1%をかける53万9000円ですが、還付金の最大額は40万円ですので、1年目の還付金額は40万円となります。

2年目以降も同様に計算すると、10年間の還付金は毎年40万円となり、1~10年間の合計が400万円。11~13年の還付金は、建物購入価格(上限4000万円※)の2%の1/3ですので、1年の還付金は26万6667円、3年間分で約80万円となります。

こうした計算の結果、13年間の控除額の合計は480万円と試算されました。

【試算条件】
年収:800万円
家族構成:夫、妻(専業主婦)、子1人(6歳未満)
住宅価格:6000万円(建物価格4000万円)※消費税別。税率10%
住宅ローン借入額:5400万円(固定金利1.50%、35年返済、ボーナス時返済なし、2019年12月返済開始、2019年末時点のローン残高:5390万円)
【還付金額】
1年目:40万円
13年間合計:約480万円(1~10年目:40万円×10年=400万円、11~13年目:建物価格4000万円×2%×1/3×3年=約80万円)

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このように、住宅ローンを組むと借りた金額に応じて還付金が受け取れますが、実際に還付される額は納めた所得税によっても異なります。還付申告の際には申告書で還付額が計算できるようになっているので、しっかりと確認して手続きしましょう。

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イラスト/いぢちひろゆき
公開日 2019年12月10日
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