住宅ローンの借り換えとは どんな人が向いている?住宅ローン控除はどうなる?

住宅ローンの借り換えとは? どんな人が向いているのか、住宅ローン控除はどうなるのかを徹底解説

住宅ローンは超低金利が続いています。今よりも高い金利で返済中の人は、「借り換え」をすることで、総支払額を減らせる場合も。では、借り換えとはどんなものなのか、借り換え時に発生する諸費用はどのくらいなのか、どんな人にメリットがあるのかなどを、ファイナンシャルプランナーの竹下さくらさんに聞きました。

住宅ローンの借り換えとは? なぜ総支払額を減らせるの?

元金にかかる金利が下がることで、利息が減る

新たなローンを借りて、返済中の住宅ローンを一括返済するのが住宅ローンの「借り換え」。現在の金利よりも低い金利に借り換えることができれば、金利差の分、総支払額を減らすことができます。

借り換えの際には、金利差が大きいほど、元金が多いほど、そして残りの返済期間が長いほど、減らせる利息の金額は大きくなります。

借り換え図のイメージ
元金にかかる金利が下がることで利息が減り、総支払額が減ることになる(SUUMO編集部にて作成)

低金利が続く今、借り換えに効果が出るのはどんなケース?

借りたときよりも低い金利への借り換え。メリットは諸費用の金額次第

今は低金利時代。住宅ローンの変動金利の基準金利は20年近く2.5%程度の低水準が続き、2009年以降は2.475%が主流。さらに、頭金の割合などさまざまな条件をクリアすることで金利の引き下げが適用されて、今では1%未満の金利で借りられることも珍しくありません。

もともと低金利で借りている人が多い今、借り換えによるメリットはあるのでしょうか?

・諸費用を上回る利息の差が出せる借り換えならメリットがある
「今多いのは、固定金利で返済中の人が、より金利の低い変動金利に借り換えるケース。金利差が0.2~0.3%程度でも、借り換えたほうが総支払額を減らせるケースがあります。メリットがあるかないかは、借り換え諸費用の金額次第。諸費用を上回る利息の差があれば、借り換えによってトクをすることになります」(竹下さん、以下同)

住宅ローンを借りたことのある人は、登記費用や印紙税、保証料などの諸費用がかかったことを覚えているでしょう。借り換えの際も同じ。新たな借入先となる金融機関に、抵当権設定費用や登記費用、保証料、事務手数料などを支払うことになります。返済中の金融機関の抵当権をはずすための費用も必要になります。これらの合計金額(借り換え諸費用)の目安は30万~80万円と幅があるのです。

「諸費用は、残債の金額や返済期間、金融機関などによって違ってきます。大きいのはローン保証料。【フラット35】など保証料不要の場合もありますが、一般的には元金3000万円、返済期間30年なら60万円程度、元金2000万円、返済期間20年なら30万円程度が必要に。また、事務手数料も金融機関によって3万円程度から借入額の2.1%程度などさまざま。金利が他行に比べて低くても、事務手数料が数十万円かかる、という場合もあります」

利息を減らすための借り換えなら、利息差のほか諸費用にいくらかかるか、借り換え先として検討している金融機関に、まずは確認してみましょう。

・金利の引き下げ幅が小さかった人は、今借り換えるとメリットがある場合が
「最近の銀行の変動金利は、基準金利からの引き下げ幅が大きくなってきています。過去に変動金利で借りたものの、金利引き下げを受けるための条件に合わず基準金利のまま返済している人や、引き下げ幅が小さかった人の場合、現在、条件をクリアできるのであれば、1%を切る変動金利に借り換えて、総返済額を減らすことも可能です」

魅力的な保障の付いた住宅ローンへの借り換えにもメリット

住宅ローンを借りる場合、万一に備えて団体信用生命保険に加入するのが一般的です。死亡した場合や、高度障害で返済ができなくなった場合に加えて、悪性新生物(がん)・急性心筋梗塞・脳卒中に備える「3大疾病保障特約」は、登場した当時は0.2~0.3%を金利に上乗せすることで特約をつけることができました。今は、「8大疾病」や「全疾病」を保障するもの、配偶者のがんまで保障するものなど、内容が手厚いものが増えています。そのため、最近の団体信用生命保険に魅力を感じての借り換え、というケースもメリットがあるといえるでしょう。

借り換えで返済額はどれくらい減らせるもの? ケーススタディで紹介

金利差1%で借り換える。残債約1970万円、残りの返済期間20年の場合

3000万円を借りて金利2.0%で15年間返済してきたAさん。残りの返済期間は20年、残債は約1970万円。今よりも金利が1.0%低い住宅ローンに借り換えることに。

借り換えの結果は? 約159万3840円のメリット
現在(金利2.0%) 借り換え後(金利1.0%) 差額
毎月返済額 9万9379円 9万599円 8780円減る
残り20年間の返済額 2385万960円 2174万3760円 210万7200円減る
保証会社保証料(一般的な例) 29万2230円
保証会社事務手数料(消費税込) 3万2400円
ローン契約書等の印紙税 2万円
司法書士報酬 約8万9930円
抵当権設定にかかる登録免許税 7万8800円
借り換えメリット 約159万3840円
※借り換え後、金利は完済まで変動しないものと仮定

金利差1.0%の住宅ローンに借り換えたことで、毎月返済額は8780円、完済までの総返済額は210万7200円減ることに。Aさんの場合、借り換えのための諸費用が210万7200円よりも少なければ、借り換えによるメリットが出ることになります。

残債約1080万円で借り換える。金利差1%、残りの返済期間10年の場合

3000万円を借りて金利2.0%で25年間返済してきたBさん。残りの返済期間は10年、残債は約1080万円。借り換えは残債が多いほど、返済期間が長いほど効果が出やすいのですが、Bさんのケースはどうでしょう?
今よりも金利が1.0%低い住宅ローンに借り換えることに。

借り換えの結果は? 約29万4235円のメリット
現在(金利2.0%) 借り換え後(金利1.0%) 差額
毎月返済額 9万9379円 9万4612円 4767円減る
残り10年間の返済額 1192万5480円 1135万3440円 57万2040円減る
保証会社保証料(一般的な例) 9万2275円
保証会社事務手数料(消費税込) 3万2400円
ローン契約書等の印紙税 2万円
司法書士報酬 約8万9930円
抵当権設定にかかる登録免許税 4万3200円
借り換えメリット 約29万4235円
※借り換え後、金利は完済まで変動しないものと仮定

残債が約1000万円で、返済期間はあと10年と短めですが、借り換えをすることで毎月返済額は約4767円、総返済額は57万2040円減らす効果があります。

金利差0.5%で借り換える。残債約2000万円、残りの返済期間20年の場合

3000万円を借りて金利2.0%で15年間返済してきたCさん。残りの返済期間は20年、残債は約1970万円。今よりも金利が0.5%低く、保証料不要の住宅ローン(【フラット35】)に借り換えることに。

借り換えの結果は? 約81万5190円のメリット
現在(金利2.0%) 借り換え後(金利1.5%) 差額
毎月返済額 9万9379円 9万5061円 4318円減る
残りの20年間の返済額 2385万960円 2281万4640円 103万6320円減る
保証会社保証料 不要
保証会社事務手数料(消費税込) 3万2400円
ローン契約書等の印紙税 2万円
司法書士報酬 約8万9930円
抵当権設定にかかる登録免許税 7万8800円
借り換えメリット 約81万5190円
※借り換え後、金利は完済まで変動しないものと仮定

金利差があまり大きくない住宅ローンへの借り換えですが、保証料不要の【フラット35】を利用したことで、約81万5190円のメリットが出ました。

住宅ローン控除期間中の借り換えは?借り換えできないケースは?知っておきたいポイント

住宅ローン期間中でも、返済期間が10年を切らなければOK

借り換え後の住宅ローンも住宅ローン控除の対象になります。ただし、残りの返済期間が10年を切っていないことが条件。また、住宅ローン控除は入居してから10年間(消費税率10%の場合は13年間)の適用ですから、入居後5年間たってから借り換えた場合、新たな住宅ローンでは残り5年間(同8年間)が控除の対象です。

「借り換えにかかる諸費用分も借り入れた場合は、年末ローン残高が借り換え前よりも増えることになります。その場合、年末ローン残高全額が住宅ローン控除の対象ではありません。以下の計算式が適用されるので注意しましょう」

年末ローン残高×借り換え前の残高÷借り換え時の諸費用分も含めた残高

ex.  借り換え前の残高1800万円、借り換え時に諸費用200万円も含めて2000万円を借り入れ、
年末ローン残高が1900万円の場合、1900万円×1800万円÷2000万円=1710万円 

※1710万円を年末のローン残高として住宅ローン控除額が算出される。

借り換えに必要な期間は1カ月程度。返済中の銀行に相談してみるのもオススメ

借り換えようと決めたら、どうすればいいのでしょう。残債や残りの返済期間、諸費用によって借り換えの効果は違いますから、まずは、借り換え先候補の住宅ローンを扱う金融機関に試算してもらいましょう。メリットがあるとわかったら、事前審査を依頼。審査に通ったら正式に融資を申し込み、本審査を受けます。本審査に通り融資が受けられることになった時点で、返済中の金融機関に借り換えることを伝えます、事前審査を申し込んでから借り換えて続きが完了するまで、1カ月程度かかるのが一般的です。金利は本審査完了時に確定します。

「金利を下げるなら、今返済中の金融機関に『借り換えようと思うのですが』と先に相談してみるのもオススメ。条件変更で適用金利を現状よりも引き下げてもらえたケースもあります。この場合、同じ銀行内での条件変更の扱いになるので、他行に借り換える際に必要な抵当権設定費用や諸費用もかかりません」

借り換えができないケースもある

残念ながら思うように借り換えができないケースもあります。
「健康状態が悪くなり、団体信用生命保険の審査に通らない場合は、新たな住宅ローンが借りられず、借り換えはできません。【フラット35】へ借り換える場合は団信に加入しなくても融資は受けられますが、現在、団信に加入しているのであれば、あえて万一の保障なしの形で借り換えをするのは得策ではありません」

また、住宅ローンの返済がスタートしてから、車のローンや教育ローン、クレジットカードのリボ払いを利用したりしていると、住宅ローンの借入限度額が下がり、希望額での借り換えができないことも。

そのほか、以前は共働きで収入合算して借り入れをし、現在は共働きを辞めてしまった場合、1人分の年収では借り換えが難しいケースが多いそうだ。

まとめ

借り換えによって総支払額にメリットが出るかは、金利差、残債、返済期間、諸費用の金額によって違ってくる

借り換えることで、保障の手厚い団体信用生命保険に加入しなおせることも

金利を下げるなら、返済中の金融機関に相談してみるのもオススメ

●取材協力
ファイナンシャルプランナー 竹下さくらさん

なごみFP事務所代表。CFP、1級FP技能士、宅地建物取引士資格者。住宅ローンや保険など主に個人のコンサルティングや、講師・執筆活動を行う。『「家を買おうかな」と思ったときにまず読む本』(日本経済新聞出版社)、『最新版 ローン以前の住宅購入の常識』(講談社)のほか、近著に『書けばわかる!わが家にピッタリな住宅の選び方・買い方』(翔泳社)
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取材・文/田方みき
公開日 2019年05月31日
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