短時間のパート勤務でも保険加入で手取りが減る?健康保険、厚生年金、確定拠出年金(DC)はどう変わる?

公開日 2022年07月07日
ヒッシーのマネー騎士(ナイト)
短時間のパート勤務でも保険加入で手取りが減る?健康保険、厚生年金、確定拠出年金(DC)はどう変わる?

2022年4月からの年金制度改正法の施行に伴って、確定拠出年金(企業型DC/個人型DC[以下、iDeCo])の加入要件が緩和されます。どう変わるのでしょうか?また、2022年10月は短時間労働者への健康保険、厚生年金保険の適用範囲が拡大。働き方によっては、手取額が減ってしまうことも。パート収入を住宅ローンや家賃の支払いに充てていると、気になるところですね。さまざまな制度変更は、私たちにどう影響するのでしょうか。

確定拠出年金(企業型DC、iDeCo)も75歳まで繰り下げ可能に!

確定拠出年金(DC)は、法改正前の受取開始時期は60歳から70歳までの間で決められましたが、企業型DC、iDeCoともに、受取開始時期の幅がさらに5年拡大されて、60歳から75歳までの間の好きなタイミングとすることができるようになりました(加入期間が10年以上の場合)。

公的年金のような繰り上げによる減額や繰り下げによる増額はありませんが、DCで運用されている資産は、金額や期間の制限なく非課税での運用を続けられます。75歳まで非課税での運用を続け、最長20年間で分割して取り崩していこうとすれば、最長95歳まで非課税での運用を続けることも可能になります。

確定拠出年金(企業型DC、iDeCo)の加入可能年齢が拡大!

2022年5月からは、企業型DCとiDeCoの加入可能年齢が拡大されました。
もともと企業型DCに加入できるのは、原則60歳未満の厚生年金加入者で、例外的に規約の定めがあれば最大65歳まで加入し続けることができました。それが今回の改正では、規約に定めがあれば、厚生年金加入者である限り加入できるようになりました(最大70歳まで)

企業型DC、iDeCoの加入年齢が拡大(2022年5月1日施行)
企業型DC、iDeCoの加入年齢拡大を解説する図
出典:厚生労働省(図作成/SUUMO編集部)

一方、iDeCoも、もともと60歳までしか加入できませんでしたが、今回の改正によって、60歳以上でも、国民年金の被保険者であれば加入できるようになります。

例えば、60歳以降も会社員として厚生年金保険に加入していると、国民年金の第2号被保険者となりますので、iDeCoに加入できます。また、自営業者や専業主婦などの場合は、60歳以降も国民年金に任意加入すれば、iDeCoにも加入できます。

ただし、65歳になって年金の受給権が発生すると、国民年金の被保険者ではなくなりますので、iDeCoへの加入の上限は実質的に65歳までということになります。

なお、これまで海外居住者はiDeCoに加入できませんでしたが、国民年金に任意加入していればiDeCoに加入できるようになります。

iDeCoに加入できる期間
iDeCoに加入できる期間を解説する図
出典:厚生労働省(図作成/SUUMO編集部)

企業型DCとiDeCoの同時加入が容易に!?

さらに、2022年10月からは、企業型DCとiDeCoの同時加入の要件が緩和されます。
これまでは、企業型DCを導入している勤務先企業の年金規約において、iDeCoとの同時加入を認める規約の定めがないとiDeCoには加入できませんでした。それが今回の改正によって、規約での定めがなくても企業型DCとiDeCoの同時加入が可能になります。

企業型DCの規約に定めがないことでiDeCoへの加入の道を絶たれていた人は、2022年10月以降は加入できるようになるかもしれません。ただし、従来どおり、DCの掛け金の拠出限度額(月額5.5万円、確定給付企業年金(DB)等の他の制度にも加入している場合は月額2.75万円)は変わらないので、iDeCoの掛け金と合算してその限度額を超えることはできません。

企業型DCの事業主掛け金とiDeCoの掛け金の拠出限度額
企業型DCのみに加入する場合 企業型DCとDB等の他制度(※)に加入する場合
企業型DCの事業主掛け金額 月額5.5万円 月額2.75万円
iDeCoの掛け金額 月額5.5万円-各月の企業型DCの事業主掛け金額
(ただし、月額2万円を上限)
月額2.75万円-各月の企業型DCの事業主掛け金額
(ただし、月額1.2万円を上限)
※DB等の他制度とは、確定給付企業年金(DB)、厚生年金基金、石炭鉱業年金基金、私立学校教職員共済のこと(出典:厚生労働省)

なお、企業型DCでマッチング拠出(会社が拠出する掛け金に加えて、加入者本人が掛け金を上乗せして拠出できる仕組み)の制度が利用できる企業の従業員は、これまではマッチング拠出を利用していなくてもiDeCoとの同時加入はできませんでしたが、2022年10月以降は、マッチング拠出を利用していなければ、iDeCoに加入できるようになります。

短時間のパートでも厚生年金加入者になる!?

パートの場合、年収が130万円以上になるまでは、厚生年金や健康保険に自分で加入する必要はなく、国民年金は第3号被保険者、健康保険は会社員や公務員の配偶者の健康保険の被扶養者として、いずれも保険料は無料であるのが基本です。

しかし、2016年10月から、「週20時間以上の勤務」、「年収約106万円以上」、「フルタイム勤務の従業員数500人超」などの条件を満たす場合は、賃金が月額8万8000円以上(年収105万6000円以上)なら厚生年金や健康保険に加入しなければならなくなりました。

さらに、2022年10月からは、フルタイム勤務の従業員数の要件が「500人超」から「100人超」に下がり、2024年10月からは「50人超」に下がる予定です。今後は、中小企業で働くパートでも、賃金が月額8万8000円以上の人は厚生年金や健康保険に加入するようになるわけです。

パート勤務の場合は厚生年金加入で手取りが減ってしまう!?

パートでも厚生年金や健康保険(40歳以上なら介護保険も)に加入しなければならない場合の大きなデメリットは、厚生年金保険料や健康保険料の負担があることで、手取り収入が減ってしまうことでしょう。

しかし、それらの保険料は労使折半なので、半分は会社が支払ってくれます。さらに、厚生年金に加入することで国民年金に上乗せした年金が受け取れるようになる点や、健康保険に加入することで、国民健康保険にはない傷病手当金などを受けられるようになる点などは、大きなメリットと言えるでしょう。

住宅ローンの頭金を貯めようと、パートをがんばっている人にとっては、パート収入の手取りが減ってしまうのはショックかもしれませんが、厚生年金や健康保険に入ることができ、保障が手厚くなることの安心も大きくなるはずですので、ポジティブに捉えるようにしましょう。

パート勤務でも企業型DCに加入できる?iDeCoは毎月いくらまで積み立てられる?

パート勤務でも厚生年金加入者になると、勤務先の企業型DCに加入できる可能性もあります(勤務先企業の規約によります)。その場合、2022年10月以降は、iDeCoとの併用もできるようになりますので、企業型DCの掛け金額にもよりますが、最大で毎月2万円までiDeCoに積み立てができます。

ちなみに、厚生年金加入者になっても勤務先の企業型DCに加入できなかった場合は、iDeCoのみの利用となりますが、毎月の掛け金額の上限は2万3000円となります(厚生年金に加入しない国民年金第3号被保険者の場合と同額)

まとめ

確定拠出年金(DC)の受取開始時期が、60歳から75歳までの間の好きな時期になった

iDeCoの加入は60歳以降も国民年金に任意加入すれば可能になった

2022年10月からは勤務先に企業型DCとiDeCoの同時加入を認める規約がなくても同時加入が可能になる

2022年10月からは、フルタイム勤務の従業員数100人超の事業所勤務の場合、賃金が月額8万8000円以上厚生年金や健康保険に加入することに

パート勤務の場合も厚生年金・健康保険に加入することで年金の上乗せや傷病手当金の受け取り可能などメリットがある

パート勤務の場合も厚生年金加入者になると勤務先の企業型DCに加入できる可能性がある

イラスト/杉崎アチャ

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