頭金を増やすメリット、デメリットは? 頭金にするより運用したほうがいい?

今は、頭金なしでも全額ローンで家を買える時代。しかし、頭金を多くすると金利の引き下げが受けられるなどメリットがあります。今回は、頭金を貯めるメリットやデメリット、頭金を増やすための運用について解説します。

頭金を貯めるメリットは?

マイホーム取得に向けた頭金を準備するという行動には、メリットもデメリットもあります。まずは、メリットからみていきましょう。

メリット(1)「借入金額を少なくできる」

同じ物件価格であれば、頭金を多く入れるほど借入金額を少なくすることができます。
例えば、物件価格が4000万円の場合、
頭金が0円なら借入金額は4000万円、
頭金が200万円なら借入金額は3800万円、
頭金が500万円なら借入金額は3500万円、
頭金が1000万円なら借入金額は3000万円、
になります。

メリット(2)「総支払額を少なくできる」

メリット(1)と同様の話ではありますが、頭金を多く入れて借入金額を少なくするほど、頭金と諸経費分の支払い、住宅ローンの総返済額を合計した総支払額を少なくすることができます。

例えば、物件価格4000万円(+諸経費200万円)で、頭金の違いで総支払額がどうなるかを比較してみると以下のとおり(総返済額は、借入金利年1.3%、全期間固定金利、35年返済の場合)

物件価格4000万円。頭金の金額別で総返済額、総支払額を比較
頭金 諸経費(※)+頭金 借入金額 総返済額 総支払額
(自己資金+総返済額)
0円 200万円 4000万円 約4981万円 約5181万円
200万円 400万円 3800万円 約4732万円 約5132万円
500万円 700万円 3500万円 約4358万円 約5058万円
1000万円 1200万円 3000万円 約3736万円 約4936万円
※諸経費200万円

頭金ゼロの場合と頭金1000万円の場合では、総支払額が250万円近く違ってくることがわかります。

また、返済額は同じくらいでも、頭金を入れて借入額を減らすことで返済期間を短くできます。例えば、物件価格4000万円の家を全額借り入れで購入した場合は毎月返済額11万8592円(12万円弱)。頭金1000万円を入れて借入額が3000万円まで少なくできると、同じ約12万円の返済額でも返済期間は25年(毎月返済額11万7182円)まで短くすることが可能になります。

その場合の総返済額は約3515万円になるので、自己資金1200万円も含めた総支払額は約4715万円まで減らすことができます。頭金ゼロの場合と比較すると470万円近い違いです。かなり大きな違いだといえるでしょう。

メリット(3)「金利引き下げを受けられる場合がある」

固定金利型住宅ローンの代表格である【フラット35】の金利も、融資率が9割以下なのか9割超なのかで異なります。

融資率9割以下の金利は、頭金を1割以上入れる場合に適用される金利です。2021年10月の金利ですと、最低金利は1.30%となっています。一方、融資率が9割超、つまり、頭金が1割未満の場合に適用される金利は、最低金利で1.56%となっています。

金融機関等の独自の住宅ローン商品によっては、頭金を多く入れられるほど、さらに金利の引き下げが受けられるものもあります。

メリット(4)「貯蓄グセをつけることができる」

20代や30代の比較的若い世代にとっては、実はこのメリットが非常に大きいのではないかと思います。

マイホーム取得という大きな目標に向けて、家計を見直し、きちんと貯蓄していく。100万円→200万円→300万円と、まとまった金額を貯めていくことができた家計管理の経験は、確実にその後の家計運営に役立ちます。教育資金や老後資金の貯蓄にも好影響を及ぼすでしょう。

現在は、頭金なしでもマイホーム取得が可能な時代になっていますが、このような「貯蓄グセ」をつけるためにも、頭金の準備は非常に重要だと思います。

頭金を貯めるデメリットは?

デメリット(1)「頭金を貯めていく時間がもったいない」

まとまった金額の頭金を貯めるのに3年や5年といった時間がかかるとしたら、その間にどんどん歳をとってしまいます。60歳または65歳までに住宅ローンを完済できるように返済期間を設定するなら、それだけ返済期間を短くしなければなりません。

また、頭金を貯めている間に、住宅ローンの金利水準が上がってしまう可能性もあります。もちろん、貯めている間に住宅ローン金利が下がる可能性もありますが、現在のような超低金利の水準だと、下がる余地よりも上がる余地のほうが大きいのではないでしょうか。

さらに、希望する物件価格が不動産市況によっては上昇していく可能性もあります。どのみち買うのであれば、待たないほうがいいというのもひとつの考え方です。

デメリット(2)「頭金を貯まるまでの家賃がもったいない」

現在、賃貸に住んでいて、家賃を支払っている場合、まとまった金額の頭金が貯まるまでの時間がもったいないだけでなく、その間の家賃負担ももったいないといえるでしょう。
500万円の頭金を貯めるのに5年の歳月がかかったとすると、その間の家賃もかかります。もし、年間100万円なら合計500万円の家賃負担が発生するわけです。

例えば、先ほどの試算の頭金が0円の場合と500万円の場合で考えてみると、確かに総支払額は、下の表のように120万円ほど少なくなるわけですが、5年間で支払った家賃を含むと頭金を貯めるメリットが簡単に吹き飛びます。

頭金なし、頭金500万円の場合で総返済額、総支払額を比較
頭金 諸経費(※)+頭金 5年間の家賃 借入金額 総返済額 総支払額
(自己資金+総返済額+5年間の家賃)
0円 200万円 4000万円 約4981万円 約5181万円
500万円 700万円 500万円 3500万円 約4358万円 約5558万円
※諸経費200万円

デメリット(3)「安全確実に増やせる金融商品がない」

昨今、住宅ローン金利が過去最低金利の水準になっているのと同様に、預貯金金利も過去最低水準にあります。大手銀行だと普通預金金利が0.001%、定期預金金利も0.002%といった水準です。ネット銀行など、一部の銀行で0.1%や0.2%の金利を提示しているところもありますが、それでも1%に満たない金利水準です。安全確実にお金を増やすというのは、かなり厳しい状況でしょう。

ということは、お金を貯めていく過程で複利効果(利息にも利息がついて、よりお金が増えていく効果)はなかなか期待できない時代だといえるわけです。やはり、頭金が貯まるまでの時間や家賃がもったいない。どうせマイホームを買うのであれば、急いだほうが得策かもしれません。

とはいえ、若い世代の方々ほど、「貯蓄グセ」をつけておくことの重要性、家計管理をきちんと行っていくことの重要性は、しっかりと覚えておいてほしいものです。

後先考えずマイホームを買ってしまうと、将来の教育資金や老後資金にシワ寄せがいく可能性が高まりますので、慎重に検討することを忘れないようにしてください。

頭金を貯める主なメリット・デメリット
頭金を貯めるメリット 頭金を貯めるデメリット
・借入金額を少なくできる
・総支払額を少なくできる
・金利引き下げを受けられる場合がある
・貯蓄グセをつけることができる
・頭金を貯めていく時間がもったいない
・頭金が貯まるまでの家賃がもったいない
・安全確実に増やせる金融商品がない

頭金として入れるのではなく運用に回したほうが有利?

頭金を貯めていくことも含め、数年以上の準備期間があり、多少なりともリスクを取って運用できるのであれば、国内外の債券や株式、不動産などの複数の資産に幅広く分散している投資信託などで運用していくのもひとつの方法です。

平成バブル崩壊以降の約30年間でも、代表的な4つの資産といわれる「国内債券」「国内株式」「外国債券」「外国株式」に均等に分散して運用していけば、ただ放っておくだけでも、年4%から5%程度の利回りを得ることができています。

今後10年、20年も同じようになるかどうかはわかりませんが、少なくとも10年前後の運用期間を確保することができるなら、年4%以上の運用利回りは十分に期待できます。

したがって、頭金準備の期間を長めに設定できる人は、そのような多少のリスクをとった運用を検討してみてもよいでしょう。

また、年4%程度の運用成果が安定的に(といっても、元本保証はありませんが)得られるようであれば、もはや貯まったお金を頭金として入れるのではなく、住宅ローンはフルに借りて、手元にあるお金は頭金や返済には回さずに運用したほうが効率のよい運用になります。

簡単に言えば、住宅ローンの借入金利以上の利回りで運用できるなら、運用したほうがトクということです。繰り上げ返済もしないほうが有利です。返済は返済、運用は運用と、別個で考えたほうが賢いお金の運用になるのです。

とはいえ、資産運用にはリスクがつきものです。リスクとの上手な付き合い方である「長期」「継続」「分散」を実践していくことが無難な運用に近づける方法になります。

まとめ

頭金を貯めることにはメリットもデメリットもある

頭金が多いと返済額や金利面で有利になる

頭金を貯める間に、時間がたち、家賃がかかることがデメリット

頭金を貯める期間が長い場合は、リスクを理解したうえで運用の検討をするのもあり

イラスト/杉崎アチャ

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公開日 2021年12月03日
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